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<ヒロイン視点>
夕食後、源さんたちの後片付けを手伝い、
私までミーティングに参加させてもらってようやく部屋に戻ることが出来た。
部屋に戻って腰を下ろすとどっと疲れが襲ってくる。
『こんなに疲れるんだっけ…』って思わず苦笑いが浮かぶ。
部屋にいる雪村さんも小さく溜め息を吐いた。
「疲れたねー。雪村さんも疲れたでしょ」
「疲れましたねー」
「無理しちゃダメだよ~」
お互い顔を見合わせて笑っていると、雪村さんは正座して姿勢をぴんと正して私に向き合った。
「あの…私、高橋さんに甘えてばかりですみません。ドリンクとか洗濯のこととか…」
「ああ、気にしないで!私そのために呼ばれたんだし。それに練習がハードだから洗濯とか男の子とか億劫になっちゃう子もいるからさ」
「でも…」
眉根を寄せる雪村さんが甲斐甲斐しくもあり、可愛くもある。
「雪村さんも色々用具のこととか細かい仕事沢山あるでしょ?
あー…、でも明日からは洗濯物とか食事の用意にかかりきりになるかもだから、ドリンクはお願いするね」
「勿論やります!」
身を乗り出すくらいの勢いで応えてくれる雪村さん。
この一生懸命さがマネージャーとして皆を支えてるんだろうなと思うとじんわりと胸に温かいものが広がる。
私もマネージャーをやってたころはこうだったのかな?
「ふふ。雪村さん可愛いね」
「いえ…、そんなことは…」
「もし良かったら千鶴ちゃんて呼んでいい?」
「はい、是非」
「じゃあ私も名前で呼んでやって?」
「千亜さん、でいいですか?」
「うん、いいよ」
そんなやりとりをしてるとドアをノックする音が聞こえた。
「あー、藤堂デスケド」
「あ、私出ますね」
パタパタと走って少しドアを開く音がして二人の会話が耳に届く。
「お、千鶴か。俺達皆風呂終わったからさ、千鶴も高橋サンも風呂入れってさ」
「呼びにきてくれたんだ、ありがとね。平助君」
「お、おう」
部屋の中から少し覗きこめば、茶色い髪がまだ乾ききらずに無造作になっていた。
大きい瞳と目が合う。
何だかくすぐったくなるような二人のやり取りを申し訳ないなと思いつつ割り込んでみる。
「先生たちは入った?」
「いや、センセイたちが伝えてこいって」
「そかそか。ありがと」
「じゃ、じゃあな。おやすみ」
「おやすみ、平助くん」
「またメルする」
「…うん」
ドアを閉じて私に振り返りながら千鶴ちゃんが口を開いた。
「幼馴染なんですよ」
「へ~、そうなんだ。一年のコだよね?千鶴ちゃんのカレシかと思った」
「そ、そんなんじゃない…です…」
顔を真っ赤にする表情がもう答えのようなもので私はクスクスと笑いを堪えきれない。
千鶴ちゃんも恥ずかしそうに俯いた。
可愛いなぁ~、私も学生の頃こんなんだったのかな?
ぃや、ここまで初心ではなかったはず。
そんなことを重いながらふと脳裏に浮かぶのは左之の顔。
小さく息を吐いた。
「そっか。じゃあ、お風呂行こっか」
「はい!」
私たちは用意を済ませ、仲良く部屋を出た。
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ストックがなくなってまいりましたw