20代の半ばに上野の美術館で一目惚れをした作品。その際に購入してポスターを今もアトリエに飾っています。
ポーランド出身の女性画家・タマラ・ド・レンピッカが娘のキゼットを描いたの作品で生涯手元に置いたもの。この絵は聖母子像を見ているようなおだやかさと安心感を感じるのは、描いているのが母親だからでしょうか...。
マドンナが大のレンピッカファンということでも有名ですが、最近ますます人気が高まり、作品の価格が20年前の40倍以上にハネ上がっているそう。
「初めて聖体を拝領する少女」1929年
時代がどんなに変化してもウェディングドレスは、やはり祈りや誓いのために身を清めるための衣装だと思っています。
愛する人と結婚する喜び、そしてその幸せが永遠に続くことへの祈りを込めるからこそ特別な存在なのだとも感じています。
先日もお問い合わせで、ウェディングドレスとワンピースはどういう違いがありますかとのご質問がありました。
白いワンピースとウェディングドレスは、色で分けると同じジャンルになりますが、その違いは、着る人の思い、ご家族のストーリーや思いを込められるのがウェディングドレスが他のお洋服と違う、特別な存在なのではないでしょうか。
そして、それは既製品や大量に生産されたものには込められないものだからこそ価値があり、その違いは一見すれば誰でも感じとれるものだとも思います。
私たちの作るウェディングドレスにお袖を通してくださったお客様から「大切に作られているのが伝わってきて、結婚式の当日守られているような安心感と幸せを感じました」とおっしゃっていただくことも多々あり、そんな時は本当にこの仕事をしていて良かったと思える瞬間です。
例えばこのケープ付きのドレス。波のように揺れるフレアが特徴のケープですが、脇側に行くほど短く、前はウエストラインもすっぽり隠れるくらいの長さ。
正面から見てもこのニュアンスは生きてきますが、このフレアの良さが最も生きるのは横から見た時のカットの流れるような美しさにこだわっています。
もちろんドレスの裾(トレーン)の長さもケープとのバランスを考え、長すぎすかと言ってもカジュアルになりすぎないエレガントなラインを意識しています。
ケープを羽織らない時もシルエットが映えるようにハイウエストの切り替えでウエストを程よくシェイプし、ケープを羽織る時とのイメージチェンジできるように体のラインを美しく描くデザインにしています。
膝から下はシフォン素材で脚が少し透けて見える遊び心のあるデザインも、気品を保たれる生地の透け感をキープしているから安心、切り替えのラインもまっすぐではなくなめらかなラインを描くことで女性らしい柔らかさを出しています。
ボヘミアン調のデザインはここ数年ニューヨークを中心に世界的に人気が高まっていますが、私たちのアトリエでは自由な雰囲気と開放感を感じさせるウェディングの中にも気品を感じられるものを作りたいという思いからオープン当初からボヘミアン調のデザインのドレスを作り、正統派のドレスのどこかにも抜け感を感じさせ自由な雰囲気を取り入れています。
そうすることで一人一人の花嫁の自然体の美しさが、より引き出させるからです。
先週末は、この秋にご結婚式をご予定されているカップルが数組いらしてくださいました。私たちのアトリエのものづくりに共感してお申込みくださってとても嬉しいです。この嬉しさを励みにより研究を重ね良いものづくりを続けていきたいです。
ご結婚式を挙げるお二人の思い、そしてご家族の方の思いを形にできる仕事に携わることができることに感謝して、これからも精進してまいります。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。
ルーチェ クラッシカ 光田 みどり
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