マインドフルネスとフォーカシング
フォーカシングとマインドフルな状態フォーカシングをするには微妙な体で感じられる感じ(フェルトセンス)これを感じ続けることが必要です。感じ続けるとは、それに集中するということ。何か別のことに気が向いてしまえばフェルトセンスを見失うということが起こります。集中するとは過去でも未来でもなくまさに「今ここにいる」ことです。マインドフルな状態です。フォーカシングは今ここにいて、自分の感じている感じを観察しそれを表現する、言葉にすることをします。慣れてくると「今ここにいる」のはそう難しくないと思いますがなかなかその状態になれない時もあります。Grounded Aware Presence (GAP)マインドフルネスとフォーカシングについて検討した池見先生の論文の中にRome, D. 氏のGrounded Aware Presence (GAP)の説明がありました。一部を抜粋してみます。(Rome, D. 氏は)『GAPからフォーカシ ングに入るようにしている。 GAP の実践は次のようなものである。軽くス トレッチして身体を動かして,それから坐る。重 心が乗っている身体のベースの部分(坐骨など) に注意を向け,grounded(「地に足がついている」) であることに気づく。“Grounded” という言葉を 何度か優しく自分に言う。 次に頭部に注意を受け,目を閉じるか半眼にし ておく。周りから入ってきている音に気づくよう にする。通常は気が付かないような音が聴こえて くる。音に気がつくと,mental label(「心のラベ ル」)を貼っていく~「鳥が歌っている」「冷蔵庫 の音がしている」「車が通っている」などである。 “Aware”(「気づいている」)という言葉を優しく 言ってみる。 次は胸部に注意を向け,手を心臓の辺りにあ て,自分が「ここにいる」(presence)という感覚 に気づく。基本的な実存(basic existence)を体 験しながら,シンプルにここにいて,生きていて,息をしている。「いまここ」に注意をむけ, “present”(ここに居る,臨在している)という言 葉を優しく言う。最後に全身に注意を向けなが ら,Grounded Aware Presence という言葉を優しく 言うようにする。 このように Rome, D. は GAP というマインドフルネスの状態からフォーカシングに入っていく ようにしている。GAP を入口とした,たとえば 「リスニング」のようなフォーカシングに関連が あるいくつかのエキササイズを Rome, D. (2014) は提案している。』これに倣い、試してみました。① 軽くストレッチをして座る。② 重心が乗っている部分に注意を向け、“Grounded”と数回自分に唱える。③目を軽く閉じ、頭部と目のあたりに注意を向け,静かにゆっくり呼吸をする。④ 普通には聞こえてこない音が聞こえてくる。⑤ 聞こえた(気づいた)音を言葉にする。(「時計の音」「充電器の電子音」「心臓の音」など)⑥ “Aware”(「気づいている」)と優しく言ってみる。⑦手を心臓の辺りにあて,胸に注意を向け,自分が「ここにいる」(presence)感覚 にを味わう(気づく)⑧ 基本的な実存(basic existence)を体験しつつ,ここにいて,生きていて,息をしている「いまここ」に注意をむけ, “present”(ここに居る,臨在している)と優しく言う。⑨ 全身に注意を向けなが ら,Grounded Aware Presence と優しく言う。やってみたら②の「重心が乗っている部分に注意を向け、“Grounded”と数回自分に唱える。」これだけで「今ここ」の状態になったのがわかりました。なかなか集中できないときなんだか心がざわつくとき試してみてください。