kyupinの日記 気が向けば更新 -2ページ目

地域ネコの撫でて貰いたいという本能

 

ネコはペットの歴史が長いためか?地域ネコも人に撫でられたいと言う本能があるようである。

 

人に警戒心がない地域ネコが多くいるところでは、ネコを撫でるために来る人たちが実際にいる。親子で来ていることもあり、おそらく規則でマンションで動物が飼えないからではないかと思ったりする。

 

 

僕はノラネコを触らないしエサをやることもないが、なぜか地域ネコたちに好かれており時々、ネコが自ら僕の足にブリンと体を接触させる。そのためにノラネコの毛が付き、もしかしたら、なんらかの微生物、ダニとかノミがズボンについてしまうかもしれない。そんな風に思うので反射的に後退りしてネコを避けることが多い。

 

この距離感が僕がネコに好かれるポイントだと、ネコおばさんから聴いた。

 

 

つまり、ネコにあまり構わない方がかえって好かれるのである。

 

 

この辺りのネコは多くの人たちがエサをやりに来るため、飢えているネコなどいない。

 

ネコおばさんがエサをやっているのを見るが、途中でカリカリを残してしまい、あまり食べないネコも多い。

 

 

カリカリ以外のエサを持ってくる人は滅多にいないが、たまに生の魚を持ってきてやっている人がいる。おそらくこの辺りのネコは狩で魚を獲ることもないと思う。

 

 

この日、驚いたのは、ノラネコがこちらに背を向けて香箱座りしたことである。なんと言う警戒心のなさ。

 

どんな顔で座っているのか、お顔を見に行った。

 

 

 

こんな風である。

 

 

おそらくノラネコながら、生まれて以来、人間にオイタをされたことがないのだろう。

うつ病治療薬候補ズラノロンの国内における製造販売承認申請について

 

 

2024/09/27

うつ病治療薬候補ズラノロンの国内における製造販売承認申請について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」、または「当社」)は、当社がSage Therapeutics, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Barry Greene、以下「Sage社」)から日本、台湾および韓国における独占的開発権・販売権を取得1しているうつ病治療薬候補ズラノロンについて、9 月27 日付で日本での製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。このたびの製造販売承認申請は、当社が日本で実施した第3相検証試験の良好な結果に基づいています2。

 

第3相検証試験は、中等症から重症のうつ病患者412 名を対象に、ズラノロンの有効性および安全性、忍容性の評価を目的に国内で実施された試験です。うつ病の重症度を評価する尺度であるHAM-D合計スコアのベースラインからの変化量について、ズラノロン投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な減少が確認され、主要評価項目を達成しました。また、ズラノロン投与群は、投与3日目からHAM-D合計スコアが有意に減少し、本剤の即効性が示されました。

 

日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計され3、非致死性の健康を損なう疾患の中では最多の罹病者数です。既存の治療薬は効果発現までに数週間かかることが多く4、即効性のある治療薬が求められています。これまでの臨床試験で即効性が確認されている本剤は、うつ病治療の新たな選択肢として貢献することが期待されます。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「健やかで豊かな人生への貢献」を特定し、誰もがより長く、そして自分らしくいきいきとした生活を送ることができる社会の実現に向け、取り組みを進めています。うつ病に対する画期的な治療薬候補である本剤を、患者さまにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。

 

なお、本件が2025年3月期連結業績に与える影響は軽微です。

以 上

 

【ズラノロンについて】

ズラノロンは、既存の抗うつ薬とは異なる新規の作用機序を有する経口剤であり、シナプスおよびシナプス外のGABAA 受容体に対するポジティブアロステリックモジュレーターです。これまでの試験結果より、1日1回14日間の経口投与により、速やかなうつ症状の改善が期待されます。

ズラノロンは、成人の産後うつ病患者に対する世界初の経口治療薬として、2023年8月に米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しています(米国での製品名:ZURZUVAE™)。

 

■参考

1.       プレスリリース:2018年6月14日(PDFファイル)

2.       SHIONOGI R&D Day 2024 説明会資料p98(PDFファイル)

3.       WHO, Depression and Other Common Mental Disorders Global Health Estimates

4.       日本うつ病学会治療ガイドライン

 

日本で、新しい作用機序の抗うつ剤が塩野義製薬から発売になる見込みである。上記はそれに関するホームページとその内容である。

 

日本では、新しい抗うつ剤は海外に比べ著しく発売が遅れることが多いが、ズラノロンはあまり遅れていない。アメリカFDAは2023年8月に産後うつ病の適応で承認している。

 

しかし、日本では産後うつ病などの縛りがなく、うつ病の適応で販売承認申請がされている。

 

抗うつ剤もそうだが、抗精神病薬も作用機序的な多様性という点で、まだまだ種類が不足していると思う。今回のズラノロンのように新しいタイプの抗うつ剤の発売は大歓迎である。

 

ズラノロンは、アメリカで発売されている静脈内に投与されるブレキサノロンの改良型として開発されているらしい。ブレキサノロンは半減期が短いがズラノロンはより長い半減期を持ち、1日1回投与に適していると言う。

 

ズラノロンの特徴は効果の発現が早いこと。なんと内服開始3日目に効果が出るらしい。

 

一般的な副作用として、眠気、めまい、下痢、疲労、鼻咽頭炎、尿路感染症などが挙げられている。

 

また、ズラノロンが奇形など胎児への有害な影響を及ぼすリスクがあると言われている。したがって、女性は治療中および治療後、更に 1 週​​間は避妊すべきと言う。(日本の添付文書ではどのような記載になるかは不明)

 

またズラノロンの治療中に希死念慮などの自殺のリスクが高まることもあり得るとのことである。(このような際は中止すべきであろう)

 

先発品希望の特別な料金と処方箋記載の煩雑さや現場の混乱について

 

 

令和6年10月1日から始まった本人の嗜好で先発品を希望する際、特別な料金による現場でのさまざまな混乱について。

 

精神科では向精神薬だけではなく、身体科の薬を併せて処方することも多い。例えば降圧剤や高コレステロール血症の薬などである。泌尿器系の薬も他科受診の後に継続しているケースもある。これは日本が高齢化社会であることも関係している。

 

精神科では自立支援法なる医療費の減額制度があり、診断書により病院窓口及び院外薬局の医療費が1割負担となり、3割徴収から比べると概ね3分の1になる。財政的に潤っている自治体では、この1割負担も無料にしているところもあるので、窓口で支払いをしたことがない人もいるはずである。

 

今回施行された後発品処方を優遇する先発品に対するペナルティ制度は、自立支援法とは無関係に実施されている。ペナルティ金額への自立支援法からの援助はない。これが、意外に誤解されていて、ペナルティを取られても自立支援法があるので3分の1で済むと思う人もいるようである。このペナルティは罰金そのもので100%取られた上に10%の消費税も追加されて110%徴収される。

 

また、入院患者さんに対しては免除されているので、いくら先発品を処方しようが医療費はかわらない。

 

院外薬局がある精神科病院では、入院患者以外で院内薬局で処方するのは深夜の輪番などのケースだが、本人の嗜好で先発品希望の場合、同様にペナルティは生じる。院内薬局で職員への処方は、当院の場合、湿布、風邪薬、鼻アレルギー薬、頭痛薬、眠剤、軟膏類くらいである。看護師さんにロキソプロフェンではなく、ロキソニンが欲しいと希望する人がおり、ロキソニンを在庫して処方するが、ロキソニンはペナルティがない薬である。

 

しかし、一般に院内薬局で、ロキソニンとロキソプロフェンを双方、在庫していることは稀で、たいていの薬は後発品がある薬は後発品しか在庫がない。その理由は、院内薬局は空間的に場所が限られており多くの薬は在庫できないからである。

 

当院で、先発品、後発品双方在庫があるのは、ロキソニン、サインバルタ、ワイパックス、ソラナックス、デパス、レクサプロ、リスパダールくらいである。これらは先発品の希望者がいるか、サインバルタ、リスパダールのように供給が不安定な時期があって双方購入したパターンである。いつのまにか供給不安定が改善しており、今回の制度の変更で、一部の後発品では潤沢に在庫があることが明らかになった。

 

このようなことから、院内薬局の処方でペナルティが生じることはほぼない。そもそも在庫がないからである。これは院外薬局との大きな相違と言える。

 

最近、特に困るのは、身体科の薬で名前だけでは先発品なのか後発品なのかわからないこと。また、院外薬局にその後発品の在庫があるのかわからないことである。したがって、頻回に院外薬局に問い合わせており、無駄な電話代と手間が増えた。

 

たいてい、先発品の薬の名前はよく考えられており、シンプルで覚えやすいことが多い。一方、後発品はそのまま薬物名だったりすることも多く、いかにもジェネリックっぽい。

 

例えばベタニスという泌尿器系の薬がある。この名前は第一感では先発品ぽい名前であるが、確実ではない。僕の感覚では10年以上前から名前をよく聴いているので、もしかしたら後発品があり、既に在庫されているかもしれないので、院外薬局に電話をかけざるを得なかった。その結果だが、ベタニスは後発品はまだ発売されていないのであった。

 

今はタブレットのGoogle検索で、〇〇の薬は後発品が発売されているか?と問うと、AIが教えてくれる。

 

このような無駄な時間がすごくかかるのである。また後発品が発売されているが、供給制限で納入が安定しないので、先発品処方で無問題というケースもあってさまざまである。

 

もし、本人が全て後発品で良いと言うなら、処方箋も後発品名(つまり本来の薬物名)で書けば、どのような薬が処方されようと、ペナルティは生じない。このケースで、後発品の供給不安定のために先発品が処方されることもある。

 

今回の制度が始まって約半月であるが、処方の中に先発品があるかどうかをチェックすること、もしあれば、先発品を使い続けたいなら特別な料金を徴収されると患者さんに説明をせねばならないことで結構時間を取られている。

 

これは医師の働き方改革にも反していて、ペナルティの金額の一部を労働分として、いくらか医師と薬剤師に還付してほしいくらいである。

 

また更に困るのは、受け持ち患者さんではない人を診る時。普段診ていない患者さんなので、後発品への心理的抵抗などが予測できない。

 

自分の患者さんであれば、「この人は先発品を強く希望しそうだ」とか「後発品で良いと言いそう」と言うことも感覚的にわかるため、説明するのにストレスがそこまでない。知らない患者さんは少し余分にストレスがかかる。

 

いずれにせよ、今のところ、「それでも先発品」を希望する人はそこまで多くはなく、順調に後発品に変更されているので、国の作戦は成功したといったところだと思う。

 

 

精神科医が患者さんに対し「薬を中止する」ケースについて

最近、外来でタイトルのような場面があったので、今回記事にすることにした。

 

その患者さんはまだ若く、外国人ながら長く日本に住んでいることもあり、日本語はネイティブと変わらない。新聞や雑誌は知らないが、少なくとも会話では普通に喋っており、外国人っぽい妙なイントネーションもなく、日本人と差がわからないほどである。

 

その患者さんは、初診時、見事なほど緊張病性興奮状態を呈しており、幻聴や妄想も活発で、路上で唄を歌ったり、叫んだりしている状態で保護されて精神科病院に初診した。

 

初診時の第一印象は、統合失調症的な幻覚妄想状態であるが、統合失調症っぽくはないと思った。第一印象は、症状こそ統合失調症の急性期と差がないが、統合失調症は否定的なのである。

 

その根拠だが、端的に言えば、眼が異なる。この場合、単に眼の輝きとか動きを言っているのではなく、曖昧な言葉、プレコックス感の一部を構成するものである。つまり眼が違うとはいえ、抽象的で説明しにくいものだ。

 

あの患者さんは、経験のある精神科医であれば、統合失調症と診断してしまう人は100人に7人くらいだと思う。(推測)。

 

精神医療の経験がまるでない医学生か、研修医が終わったばかりの医師であれば、一見して統合失調症と思うだろう。実際に統合失調症と診断するかだが、真面目に精神科を勉強している人なら、診断基準的に期間が足りていないので、断定的に診断しないのではないかと思われる。

 

従って診断的には「急性一過性精神病性障害」くらいにならざるを得ない。これはF2ではあるが、統合失調症とは大差である。なぜなら予後良好で、完治もあるからである。

 

このような人の治療は序盤が重要で、最初に治療に手間取って時間がかかると良くないと昔は思っていたが、今はそうでもない。

 

きっと、このような人は最初から予後など決まっていて、よほど変なことをしない限り、おそらく同じような予後に収束すると思う。なぜなら今、統合失調症ではなく、これからも統合失調症にならないからである。

 

しかしながら、最も良くないことは、この場面で治療をしないことだと思う。

 

初発が緊張病性興奮状態、つまり緊張型の場合、パワーがあり面倒見が良い抗精神病薬が良い。最も良いのはジプレキサ、シクレスト、セレネース、トロペロンのいずれかと思うが、リスパダールやインヴェガも悪くはない。これらの選択肢は医師によって好みもあるので、正解、不正解などない。

 

このような興奮の激しい病態で、レキサルティとか選択するのは確かに短期間に良くなると治り映えが美しいが、薬効的に足らないと言う事態も生じうる。まして添付文書通り、上限2㎎を守っているとなおさらである。大量のエビリファイ24㎎~30㎎だと話が違い、少なくともレキサルティ2㎎よりは良い可能性が高い。エビリファイの大量は十分に期待値が高い対処法である。なぜなら、エビリファイの大量は興奮にも効果的だからである。

 

ラツーダは、このような非常事態に第一選択で処方するほどの信頼感がない。

 

結局、僕は平凡にジプレキサザイディスを選んだ。これは非常に効果的で副作用もなかった。自然に10㎎~20㎎服薬できたのである。

 

速やかにジプレキサザイディス単剤で緊張病症候群が消退したので、最初2週間ごとに来院して処方していた。全く欠陥症状が残っておらず、プレコックス感もない。この患者さんは、どうみても急性一過性精神病性障害としか言いようがなかった。最初の症状があまりに原始的過ぎただけである。

 

ごく最近に発病した真の統合失調症の人は時間が経つと、じんわり「統合失調症らしさ」出て来る。これは漠然とプレコックス感と呼んでも良いが、おそらくアンダーグラウンドに統合失調症と言う疾患が脳を侵食している変化が顕れているのだろう。

 

しかし、この患者さんはそれがなかったのである。ジプレキサザイディスは漸減して5㎎までとした。その患者さんには不眠がなく、眠剤も必要がなく、仕事も普通に他の人と遜色なくできた。

 

真面目だと思ったのは、本人が勝手に薬を止めて来なくなるということもなかったことである。日本に家族もいないのにである。

 

薬を止めてしまうかどうかだが、統合失調症という疾患の重さも関係があるが、性格的な個人差も大きい。

 

半年を過ぎて、これは一度、薬を止めるべきだと思ったので、診察中、本人に直接、近い将来、薬を止めるつもりであることを伝えた。ただし減薬や中止のスケジュールはこちらが決めるので、それを守ってほしいと言ったのである。それを聴いて、その患者さんは喜んでいた。

 

その頃は既に1ヵ月ごとの処方になっており、最初の中止後、1ヵ月ごとに何も処方しないけど、顔だけ見せに来てほしいと伝えた。時間が経てば3か月に一度で良いでしょう、とも伝えたのである。

 

これにはいくつか理由があるが、中止後、どのような生活状況なのか聴きたかったことと、そもそも自立支援法を受けている人であれば、最低限3か月に一度は、服薬していなくても再診すべきということがある。

 

結局、今は服薬なしで生活している。数か月ごとに来ているので前回の精神疾患は一応、治癒と言う区切りがついていることがわかる。だって、全く症状がなく服薬もしていないのに。

 

将来的に再発があるかどうかは不明である。少なくとも一度でもあのようなエピソードがあった人は、そうでない人より同じような病態を呈する可能性はある。

 

しかし、いつ同じエピソードが来るかわからない上、ひょっとしたら今後、生涯来ないかもしれないのに、服薬し続けることはナンセンスである。

 

このようなことから、ICD10で同じF2に入る「統合失調症」と「急性一過性精神病性障害」は疾患としての深遠さに大きな差があると言って良いと思う。

 

 

先発品を希望する時の「特別な料金」の特殊な計算方法

 

 

 

令和6年10月1日から施行されている本人の嗜好で先発品を希望する際の特別な料金について、上記2つの記事で概略を説明している。

 

ところが、患者さんに「だいたいこのくらいの罰金でしょう」くらいに伝えても、あまり正確ではなかった。どうもその「特別な料金」は特殊な計算方法によるようなのである。

 

当院の外来師長は、この「特別な料金」について、患者さんに罰金あるいはペナルティと呼ぶのは、言葉として強すぎないか?と僕に言った。

 

その僕のアンサーだが、実質、罰金なのだが、そういう言い方をすると国民から苦情が出るので「特別な料金」とやわらかく表現しているだけだ。そもそも医療費なら消費税などかかるわけがない。その罰金は、病院や調剤薬局が儲かるわけではなく、国庫に入るので罰金に他ならない。

 

つまり、国民に対して本人の嗜好で後発品を拒絶すると、このくらい罰金を取りますよ、というものである、と伝えた。

 

前回、1つの向精神薬の薬価と後発品の薬価(の最高値)の差は、数円以下のことが多く、なおかつ保険点数計算になるので、1日10円(+消費税)になることが多いと記載している。従って、本人が先発品を希望した場合、30日処方でペナルティは330円になることが多い。それを超えるのは比較的最近、ジェネリックが発売された準新薬か、特殊な剤型に限られる。

 

ところが、僕の概算通りに請求されないことが多かったため、なぜ計算通りにならないか調べてみた。

 

まず重要なことは、罰金は個々の向精神薬に発生することである。つまり25%の差額は数種類先発品を処方した場合、合算されない。

 

例えば、ある患者さんが、レクサプロ10㎎錠、デパス1㎎錠、ソラナックス0.4㎎3錠の処方を受けたとしよう。この場合、全て調剤薬局ないし院内薬局にジェネリックの在庫があり、医師が先発品を必要と認めない場合は、3種類の向精神薬全てにペナルティが生じる。

 

特に注意したいのは、先発品と後発品の差異の25%が1円未満は切り上げで10円(1日)になるが、10円の範囲が広いことである。目安が見当違いになったのは、このルールのためであった。

 

まず、10円未満は須らく1日10円になる(消費税込み11円)。

 

しかし10円を超えると、5捨5超入という聴いたことがない計算が行われるらしい。

 

つまり、15円は切り捨てとなり10円となる。しかし、15.01円だった場合は、切り上げになり20円となる(消費税込み22円)。0を超えて15円まで10円に収束してしまうのである。

 

このようなことを踏まえ、レクサプロ10㎎錠、デパス1㎎錠、ソラナックス0.4㎎3錠のケースを計算してみる。

 

レクサプロ10㎎は25%に相当する価格は13.63円になる。従ってレクサプロのペナルティは切り捨てになり1日11円(消費税込)である。

 

デパス1㎎錠は、25%に相当する価格は0.08円になるため、切り上げられてペナルティは1日11円(消費税込)になる。

 

ソラナックス0.4㎎3錠だが、1錠の25%に相当する価格は0.05円となるため、3錠では0.15円になる。この結果、切り上げられてペナルティは1日11円となる。

 

つまり、レクサプロ、デパス、ソラナックスは薬価差が全く異なるのに一様に1日11円になるのであった。

 

この結果、この3剤について全て先発品を希望した場合、30日処方では990円がペナルティとなる。(後発品の在庫があった場合)。

 

この約1000円をどう考えるかだと思う。

 

僕は、患者さんの嗜好で先発品を希望するのは許さないタイプの精神科医なので、患者さんの嗜好に迎合して、先発品必須というサインはしない。

 

てんかんとか、ジェネリックの抗精神病薬でアレルギーが出るとか幻覚が悪化する特別なケースに限られる。

 

しかし、「本人の希望で先発品を希望した場合は、ペナルティを徴収されますよ」と言う注意喚起は必ずしている。

 

そのような時、それでも先発品を希望してペナルティを支払う人もいれば、ジェネリックに替えて良いですという人もいる。

 

それでも、時間が経てば、次第にジェネリックに替わるケースが多くなるように思う。