2014-08-01 19:50:30

器質性幻聴とカタプレス

テーマ:カタプレス
ある日、自閉性スペクトラムの患者さんが転院してきた。彼は人生の早期に、既に広汎性発達障害の診断を受けていた。

ところが、ある時期から、自分の悪口を言うような幻聴を伴うようになり、エビリファイを処方されている。エビリファイの量は9㎎程度で多くはない。しかし、多少は弱まったものの、幻聴は止まりはしなかったと言う。

彼によれば、幻聴は止まっていないが、エビリファイはこれ以上副作用の関係で増やせなかった。

初診時、偶然、自分が診察しその後2週毎に再診するように伝えた(現在、自分の持ち患者が多くなり過ぎたため新患は診ない方針だが、それでもなぜか毎週3~4名は新患を診ると言う不思議。今週は7名)。

彼の薬はたいして多くはない上、この量だと副作用もないためそのままにしていた。僕は初診日は薬を変えないことにしている。

次回の受診時、なんと幻聴が止まっていたのである。10年程度持続した幻聴が何もしないのに止まる。このようなことがいつもではないが時々ある。たぶんこのタイプだと、3~4人に1人くらい。(実際に数えたことはない)。

なぜ止まる人とそうならない人がいるのか不明である。いつもその理由を考えているが、今も謎のままだ。

罹病期間に関係すると思っていたが、20年来の幻覚が止まったことがあるし、発病以来止まっていない人も止まったことがあるので、必ずしも罹病期間のみとは言えない面がある。これは何もせず変化した数だが、もっと大きな薬物変更の後、遮断した例もある。

最初の青年だが、初診後、2年くらい止まっていたが、ある時、体調が悪化したためか幻聴が再燃した。その内容は止まる以前と全く同じだったらしい。この辺りは、極めて自閉性スペクトラム的である。(真の統合失調症の人はいったん止まった場合、再燃すると幻覚の内容が変わることが稀ではない)。

再燃した際に、エビリファイを増やすとか、新しい抗精神病薬の追加や切り替えは選択しにくい。元々が自閉性スペクトラムの人ということもあるし。

自閉性スペクトラムを、エビリファイ単剤でコントールできているのは秀逸である。これは前医による優れた方針だと思う。

僕はよほどルーランを微量とか、ジプレキサを1㎎だけ追加する方針も考慮したが、結局その方法を採らなかった。この患者さんは、何かの拍子に簡単に収まりそうだからである。

また、別の方法として、デパケンRかデパケンシロップもなかなか良い方針だと思う。僕はデパケンシロップ併用の方針に傾いていた。

しかし、彼は既に2年間も診ていたので、なんとなく感覚が掴めており、ちょっと閃いてカタプレスを追加することにした。2年間、なにも薬を変えていなくても、月に1~2回ずつ診察していれば、本人とのいろいろな言葉のやりとりから、その人の特徴というかイメージは掴める。主治医とはそういうものである。

カタプレスは使ったことがある人ならわかるが、同じように高血圧に使用されるインデラルに比べ、相対禁忌もなく、徐脈や低血圧もまず生じない使いやすい薬である。しかもキレが良いと言うメリットもある。

カタプレスの禁忌は、

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

だけである。

約2年ぶりに再燃した幻聴はカタプレス1錠(75μg)で簡単に消失した。結局、抗精神病薬は追加せずに幻聴を遮断できたのである。

参考
カタプレスのアメリカでの適応について
アナフラニールの点滴と器質性幻聴
器質性妄想とトピナ
広汎性発達障害は真剣に治療しようとすると滅茶苦茶な処方になりやすいという話
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2012-11-26 21:18:15

カタプレスのアメリカでの適応について

テーマ:カタプレス
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

これはPhysician's Drug Handbook(12th) のカタプレスの項目。

カタプレスは2ページに渡り記載されているので、1つの画像でアップできない。上は最初の部分である。

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催奇形性のカテゴリーは「C」となっている。

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

剤型の記載。
TTSと書かれており、パッチ製剤もあることがわかる。

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この2つの画像は適応。過去ログでは以下のように記載しているが、他にも適応がある(再掲)。

一般に、カタプレスの効果が期待できる疾患は多岐に渡るが、精神科での重要な適応として(海外)

① 注意欠陥多動性障害(ADHD)
② トゥレット障害
③ 外傷後ストレス障害(PTSD)
④ レストレス・レッグス症候群
⑤ 各種、薬物の離脱症状


日本の場合、カタプレスの適応は、各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症)しか認められておらず、子供に対し投与することを想定していない。アメリカでは、上で見るとわかるように、

Growth delay in children という適応があり、

Children :0.0375 to 0.15 mg/㎡ P.O daily

と記載されている。これは、アメリカの子供の用量なので、日本人にこの量で良いのかは不明である。また日本では子供の用量は体重を基準に決められているが、これはその基準になっていない。

日本では子供に処方が想定されていないが、海外では処方可能な薬として、新規抗てんかん薬のケプラが挙げられる(イーケプラ)。ケプラは、海外では子供にも投与できる。日本では、ラミクタールは小児用も準備されており、子供にも大人にも投与可能である。

ちょっと面白いと思ったのは、トゥレット障害では大人の用量しか記載されていないこと。日本では、子供の障害とみなされているので、かなり奇妙には見える。

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カタプレスにおける薬物動態について。

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副作用など。

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注意事項など。ここでは例えば、授乳についての但し書きがみられる。「乳汁中にカタプレス(クロニジン)は現れる」とある。

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投薬の際に、医師が患者さんに指導すべき内容についての記載。

参考
カタプレスのテーマ



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2012-10-13 20:50:57

音楽性幻聴とカタプレス

テーマ:カタプレス
過去ログでは、音楽性幻聴はあまり病理性が高くないと記載している。言い方を変えれば、音楽性の幻聴は本人にさほど苦痛を与えず、潜在的エネルギーが低い。重大な所見ではないことが多いのである。

ある時、年配の疼痛をともなううつ状態の女性の治療をしていた。処方はサインバルタ40mgとリリカ150mgがメインである。(他は降圧剤など)

この女性の場合、治療を始めて1年以上経過し、処方変更もない時期に生じているので、由来のよくわからない「音楽性幻聴」と言えた。

本人が、この音楽をなんとかしてほしいと訴えるので、何か追加しようと思ったが、何が良いのか少し迷う。結局、ルーラン1mgを投与してみた。止まれば儲けものである。

サインバルタ 40mg
リリカ  150mg
ルーラン 1mg
(他は降圧剤など内科薬)


この結果だが全然効かなかった。当然といえば当然だが、これでたまに止まる人もいるので、副作用の少なさを考慮すると最初に試みて良い方法である。デパケンR200mgとか投与するよりずっと良いと思う。

そこで無理だと思ったが、ルーラン2mgと思い切って倍量にしてみた。

こういう処方は、あまり薬のことを知らない外来婦長とか外来看護師がいるからこそできる手法。なまじっかわかっていると、相当奇妙なことをしているように見える。

このような試行錯誤の根拠だが、この音楽性幻聴は器質性に由来するから。

ルーランは2mgまで使って諦めた。4mgまで増やしても効きそうにない。

そこで、ちょっと思いついてカタプレスを使ってみた。彼女は降圧剤を飲んでいるので、カタプレスは使いやすい。ただ、少しサインバルタへの影響はあるかも?と思ったが、誤差範囲だろう。(さほど使わないので)。

さて、いくらの量にするかである。一応、小さい方の剤型75μg錠を選ぶ。

サインバルタ 40mg
リリカ  150mg
カタプレス 75μg
(他は降圧剤など内科薬)


これであっさり止まった。これはひょっとしたら、放っておいても自然消滅していたかも?と思った。

音楽CDも、最後までいくと止まるでしょ。あれと同じ。(←意味不明)

参考
ときどき頭のなかで音楽が聞こえます
情報の混乱と器質性幻覚③
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2010-02-15 22:01:48

抜毛症とカタプレス

テーマ:カタプレス
抜毛症はその症状のみで精神科に受診することは稀な疾患である。患者さんはたぶん皮膚科に相談しているような気がする。精神面の問題が大きいなら、皮膚科医は精神科に紹介するケースもある。子供の場合、小児科か発達小児科に紹介すると思うので、いっそう精神科に受診する確率は下がる。

リエゾンではこの所見のために相談されたことは未だない。高齢な人たちが入院する病院ではやはり稀な所見と思われる。(軽い場合、あまり疾患と見なされていないケースもある)

知的発達障害の人たちが多く入所している施設では、抜毛症は時々診る所見である。これは何らかの疾患(この場合、知的発達障害)の1つの精神症状と言える。

抜毛症は、感覚的にはトゥレット障害や強迫性障害の近縁にあると思われる。器質性色彩が強い所見である。

そういう視点では、カタプレスは抜毛症に効いておかしくはない。

カタプレスは普通の抗精神病薬や抗てんかん薬に比べ、たぶん服用しやすい薬物と思われる。しかし、低血圧や徐脈が出るような自律神経が脆弱な人は不適切である。

最近、デパケンRなどが併用されている抜毛症の青年(施設入所中の知的発達障害の人)にカタプレスを処方したところ、抜毛症が3分の1以下の頻度になったという。
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2009-09-26 23:16:19

カタプレス

テーマ:カタプレス
一般名;塩酸クロニジン

カタプレスは日本では高血圧しか適応がないが、精神科では向精神作用を期待して時々処方される薬物である。このブログの過去ログにも、いくつか経過中にこの処方が出ているが、その意味についてほとんど説明していない。カタプレスは効果がはっきり目視できるほどの向精神作用が認められる。基本的にカタプレスは切れ味鋭いと思う。

僕が精神科医になった頃から、カタプレスは既に向精神薬として処方されていた。当時、最も処方された疾患はたぶんトゥレット障害およびチックの患者さんだと思う。またMBD(minimal brain dysfunction)の患者さんの多動、衝動にも使われていた。その後、少しずつ処方範囲が広がり、遅発性ジストニアやジスキネジアなどの抗精神病薬の副作用や強迫などにも補助的に処方されるようになった。

当時の本邦の精神科雑誌ではいろいろな疾患への処方経験などが掲載されており、よくわからない薬ではあるものの、正式な向精神薬でないわりに処方されることがある薬と言えた。

カタプレスはシナプス前α2アドレナリン受容体作動薬である。これはα2アドレナリン受容体を刺激することにより、ノルアドレナリンニューロンの発火頻度を減少させ、その結果、ノルアドレナリン濃度を低下させる。

カタプレスはその薬理特性から血圧を下げる。これは読者の方にも比較的わかりやすいと思う。また精神面では覚醒度を下げる特性を持つ。これは過去ログにも

カタプレスを飲み始めて眠りが良くなってきた。夜は眠れます。目が醒めてもすぐ眠ってしまう。子供とはなんとかやれています。(カタプレスを追加して眠りが良くなるというのは時々聞く) 「カタストロフィからの回復」から

などの記載がある。一般に、カタプレスの効果が期待できる疾患は多岐に渡るが、精神科での重要な適応として(海外)

① 注意欠陥多動性障害(ADHD)
② トゥレット障害
③ 外傷後ストレス障害(PTSD)
④ レストレス・レッグス症候群
⑤ 各種、薬物の離脱症状


などが挙げられる。日本では剤型は、75μgと150μgの2種類である。血中半減期は6~20時間程度。またアメリカFDAによる催奇形性のカテゴリーは「C」となっている。(過去ログ参照)

【C】
動物生殖試験では胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいは、ヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。注意が必要であるが投薬のベネフィットがリスクを上回る可能性はある(ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること)。


カタプレスの催奇形性のカテゴリーは向精神薬とみなせばそう悪い方ではない(むしろまだ良いほうだと思われる)。

カタプレスと交感神経作動薬がADHDに有効と言われると、直感的には不思議な感じがする。カタプレスはADHDにおける、多動、衝動性、攻撃性を改善すると言われる。これは、おそらくノルアドレナリンを減少させることで、それらの症状を緩和する。単純に考えると覚醒度を低下させることで症状を緩和するものと思われる。これは非常にわかりやすい。

ところが、本来ADHDは一般に交感神経作動薬であるリタリン、コンサータ(メチルフェニデート)が第一選択である。これはアメリカでの適応であり、日本では現在リタリンはナルコレプシーにしか適応がない。またコンサータは18歳未満のADHDにしか処方できない。リタリンとコンサータは効果時間が大きく異なる。(種々の事件のため規制されている。過去ログ参照)

リタリンなどの交感神経作動薬は、種々のメカニズムでノルアドレナリン、ドパミンの双方の放出を増加させる。ADHDの1つの原因として脳内のドパミンの不均衡が関係していると考えられている(もちろん単純なものではないが)

そういう機序もあり、ブプロピオンもADHDの治療に選択される(第2選択薬)。ブプロピオンのうつ状態への作用機序はunknownと書かれている書籍もあるが、おそらくノルアドレナリンとドパミンの再取り込み阻害作用に関係している。そのような薬理作用を持つことから、ブプロピオンはADHDの治療薬の1つなのである。ブプロピオンはノルアドレナリンとドパミンを結果的に増加させ、ADHDにおけるリタリンやコンサータと似たような機序を持つのではないかと思われる。

ADHDの人に交感神経作動薬を処方した場合、衝動、攻撃性などが増悪し、不適切と思われる人もいる。(単純に考えれば、そうならない方がおかしいくらい)

そういう人にカタプレスが良いケースがあるのである。これは一見、逆の作用機序を持つが、作用点が違うため、同じような効果をもたらすものと思われる。

かつて、MBD(今のADHD)にはセレネース、オーラップ、リタリン、カタプレスなどが処方されていたが、セレネースとオーラップはD2遮断作用を持ち、覚醒度を下げるカタプレス的な薬理作用を持つ。

それに対し、リタリンやコンサータは前頭前野などを活性化して抑制系の機能を高め、結果的に多動、衝動、攻撃性を発現する脳の中心部の機能異常を抑えるような感じと思われる(自信なし)。これは直接的作用を狙うか、間接的作用を狙うかなのかもしれないが、ADHDのメカニズムには諸説あるので、簡単なものではない。(ストラテラも基本的にリタリン的な薬理作用を持つ)

チックを伴うADHDの人はリタリンのような交感神経作動薬を処方すると、チックが悪化することがある(常識的にはそうである。チックにカタプレスが効く以上。過緊張を緩めるタイプの方がチックには有効)。

このようなチックを伴うADHDの人にはリタリンを避け、ブプロピオン、ベンラファキシン、3環系抗うつ剤、カタプレスが推奨されている。しかし、交感神経作動薬によるチックの悪化は一時的なもので、その程度もたいしたことはなく、リタリンで良いという意見もある。

カタプレスによるPTSDへの薬理作用はこの覚醒度を下げる作用を利用している。PTSDと言う病名?は状態像的なものであり、統合失調症や1型双極性障害といった古典的な病名とは根本的に異なる。PTSDは心理学的にはともかく、生物学的には「過覚醒」がいろいろな症状を引き起こしていると言われているので、覚醒度を下げるカタプレスは感覚的には良さそうである。

レストレス・レッグス症候群は薬剤に関与しない個体の生物学的背景により生じるものもあるが、精神科臨床では向精神薬の副作用により生じたものを時々診る。

未だかつて、このレストレス・レッグス症候群で治癒しなかった人を目撃したことがないので、遅発性ジストニアなどに比べまだ治療しやすいタイプの不随意運動と思われる。あれはたぶんテンションが低い病態ではなく、テンションが高い病態だから治癒しやすいのであろう。この定石は遅発性ジストニアでも同じようなことが言える。(精神科医は副作用によるものばかり診ているので患者さんにはバイアスがある)

過去ログに出てくる僕の友人の治療中、症状のコントロールに困り果て、テグレトールを試みたことがあった。テグレトールは使ったことがないと言う話を聞いたからである。最初は盲点のように処方し忘れていたのかと思ったのだが・・

当初2週間ぐらいはうつ状態が改善し、希死念慮や大量服薬などの衝動なども改善したので意外に良いのでは?と思っていた。ところがその後、まもなくして大変なことになった。あまり診たことがないほどの急性の超ド級レストレス・レッグス症候群が生じたのである。あれはレストレス・レッグスと言うより、アカシジアも混ざっている特殊な不随意運動だったのかもしれない。その際、いくつかの特徴に気付いた。

① じっと座っておれないほどの足の不随意運動。
② 苦痛が見た目ほどは大きくない。(あるのはあるが他の苦痛)
③ 夕方から深夜に悪化するため著しい不眠。
④ 過覚醒を伴っていたと思う。不眠のわりに疲労感がさほどない。
⑤ 抑うつ、衝動、希死念慮の完全消失。(姑息的だが・・)
⑥ 食欲の低下


これらの所見から、仮に放っておいてもこれだけのパワーなら次第に終息すると思った。このような急性の病態が長く続くわけがない。彼女に「これはじきに良くなると思う」と伝えた。その時、彼女にはきっと素晴らしい治療法があると思った。(後のブプロピオン処方のヒントの1つ)

意外に回復が遅かったとしても、最悪、ECTを使えば簡単に終息できそうである。一般にECTは向精神薬の副作用系不随意運動に有効である。

テグレトールは即座に中止し他の薬はそのまま継続した。もうよく憶えていないが、カタプレス、ユベラNなどを併用していたと思う(リボトリールも有効であるが既に服用していた。本来、テグレトールもレストレス・レッグス症候群に効きうるので妙なものだ)。

そうして彼女のレストレス・レッグス症候群はほぼ1週間で跡形もなく完治したのである。

カタプレスはアメリカなどではアヘンの離脱、アルコールの離脱、ベンゾジアゼピンの離脱、禁煙の際の不快感などにも処方されている。日本では麻薬系の薬物の離脱に対する処方があまりないが、実は全くないというほどではない。癌の治療の際に一般内科や外科で麻薬系の薬を使われるからである。(実際、この3ヶ月以内にリエゾンでそういう場面があった。)

むしろ、ベンゾジアゼピンなどの過剰状態からの離脱症状に使うことの方がまだ遭遇するが、この時にカタプレスの切れ味を実感する。ベンゾジアゼピンの離脱の際に不安、焦燥、易刺激性、頻脈などが出現するが、カタプレスで魔法が解けるように改善する人がいる。カタプレスは覚醒度を下げ、眠りにはプラスになるので、ちょうど良いのである。

カタプレスは何かが過剰な時、あるいは伝達物質?の急激な変化の際に緩衝剤となり、保護的な精神面への作用を及ぼすように見える。デフェンシブな薬物なのである。

カタプレスは血圧低下や徐脈などの副作用を来たしうるが、インデラルほどは徐脈にならない。少し血圧が下がるくらいが多く、比較的、副作用のために中止になることは少ない(まあ投与量にもよる)。

それに比べインデラルはデフェンシブでなさ過ぎる。かなり積極的な薬物で、抗精神病薬が重い人に投与すると少量でもよく徐脈が生じる。また、インデラルは少量ならばそれほどではないが、多くなると精神面でも良くない症状変化を来たしうる(抑うつ、心気症など)。

インデラルを服用せざるを得ないような心疾患を持ち、いろいろ抗精神病薬を工夫しても抑うつや心気症などが改善しないケースでは、メインテートに変更するとそれらが一掃され、様変わりしたように表情が明るくなる人がいる。メインテートに比べインデラルはややクセのある薬物なのかもしれない。

一般的なカタプレスの副作用は、口渇、疲労感、血圧低下、徐脈、鎮静、めまい、悪心、便秘、目の乾燥などである。元々血圧が低い人や徐脈などの不整脈がある人は処方すべきではない。カタプレスは重い副作用は比較的少ない。(注意;リタリンとカタプレスを併用した小児では、突然死を引き起こすことがあるという報告が少数ある)

いずれにせよ、カタプレスは面白い薬ではあると思う。

参考
子供の頃の近所の女の子
アムロジン
カタストロフィからの回復
いったん混沌とさせる減量の方法
ストラテラ
精神科医と薬、エイジング

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