今年の花粉症が例年より酷い話 | kyupinの日記 気が向けば更新

今年の花粉症が例年より酷い話

最近、ここ数週間、スギ花粉が大量に飛び交っているためか花粉症が半端ない。くしゃみ、鼻水、目の痒みが酷い。特に今年は最悪のレベルである。

 

僕は子供の頃からアレルギー性鼻炎の経験がなかったが、他のほとんどの児童も同様だった。僕が始めて花粉症なるものを経験したのは、ピロリ菌を除菌してからである。ピロリ菌は除菌する価値がある医療なので、もしこれが間接的に契機となっていたとしてもやむを得ない。

 

 

僕の皮膚科の友人に、「アレルギーに寄生虫が関与していると言う話がある」と問うと、あまり関係がないのでは?と言うので、信憑性は怪しいのかもしれない。

 

花粉症は、僕が子供の頃に滅多にいなかったのは、当時の衛生状態が関係している。今は衛生状態が良くなり過ぎているのである。僕は今に比べ当時の衛生状態が著しく悪かったと思わないが、子供が遊ぶ環境がかなり違う。

 

近所の公園に砂場があるが、子供が数人集まって遊んでいる様子を見たことがない。子供の遊びがアナログからデジタルに変わっているのである。

 

ところが、当時花粉症などなかったのに、今は花粉症になってしまった友人はかなりいる。加齢ともに次第に発病しやすくなるらしい。しかし更に加齢が進むと花粉症が軽くなると言う。

 

今年が実際にスギ花粉が例年に比べ多くなっているのかよく知らないが、実際に多少は多いのかもしれないが、この花粉症の酷さはそれだけでは説明できない気が非常にする。

 

それはここ約3年間のマスク生活も関係しているのではないかと。長期に渡り、ヒトの免疫系を刺激する環境から隔絶され過ぎていたことも関与していると思う。あるいは新型コロナワクチンの接種もなにがしか関係しているのかもしれない。

 

僕は例年、花粉による鼻アレルギーは出ず、眼のアレルギーのみに留まっていた。過去ログにアレジオンLX点眼液は良いと言う話をアップしている。

 

 

鼻アレルギーが出たら大変なことで、その年は花粉が多いと体感していた。それでも鼻水はほぼなく、鼻の中が乾燥する感覚くらいだったのである。他、くしゃみくらい。

 

ところが、今年は何なんだ!と言うくらいの洪水のような鼻水である。例年とは全然違うのである。

 

アレルギーで悩まされている外来看護師さんに聞くと、最悪の時は風邪薬を飲むと言う。そのようなことを聴き、仕方なく市販のコンタックを今さっき飲んだ。

 

最近、ある重大なことに気付いた。

 

それは入院中の統合失調症の患者さんの花粉症の有病率が非常に低いように見えることである。自分の患者さんにはほぼいないと言って良い。

 

これは年齢も考慮されるべきで、今の単科精神科病院の統合失調症の入院患者さんは高齢化していることも無関係ではないと思う。(高齢になると花粉症が軽くなると言う定石)。

 

そもそも、彼らはフェキソフェナジンやレボセチリジンを飲んでいない。

 

補正されるべき条件として、彼らはあまりにも長期に入院しているため、健康な人より濃厚にスギ花粉などのアレルゲンに晒されたのべ時間が長くないことも関係があるように思う。

 

あるいは、統合失調症ならではのリンパ球系の振舞いの相違も関与しているのかもしれない。

 

彼らは年齢が進んで花粉症になるべき時に発病せず、その後、花粉に晒される時間も短かったこともあるのか、花粉症そのものの発病歴がない。だから高齢になると軽症化するという話とも異なっている。

 

一方、うつ病や神経症の入院患者さんには普通に花粉症に罹患している。同じ部屋にいるのに、1名は非常に最悪レベルで花粉症が酷いのに、統合失調症の患者さんは平気でいるのは奇妙なものだ。

 

鼻アレルギーは、外来患者さん、特に発達障害系の患者さんは非常に有病率が高いように見える。

 

発達障害で始まり、次第に統合失調症のような病態に至った人たち(過去ログで器質性荒廃と言う病態)は、荒廃まで至らないでも結構、鼻アレルギーがみられるので、本質的に身体のバックボーンは異なっているようには見える。

 

 

 

統合失調症の患者さんの免疫系を刺激する物質への反応の相違は、統合失調症そのもののためにそうなっているのか、生来にそうなのかは不明だが、器質性荒廃の人に鼻アレルギーがわりあい見られることは、統合失調症と言う疾患のためにそうなったとは考えにくいことになる。

 

もし統合失調症そのものがそうさせているのであれば、器質性荒廃の人は鼻アレルギーが治ってしまうか、非常に軽くなっておかしくないからである。

 

参考