kyupinの日記 気が向けば更新

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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
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デエビゴ錠の形状

 

今日はデエビゴの3種類の錠剤の形状がわかるパンフレットをアップしている。上のように10㎎錠と2.5㎎錠はやや色が似ている。上の用法にあるようにデエビゴは10㎎を超えて処方できない。患者さんによるとデエビゴは入眠作用は結構良いと言う話である。

 

パンフレットの下に気温が高い環境でどのくらい保存できるか書かれている。夏などの気温高い気候ではPTP包装から出してしまうと長くは持たない。またPTP包装のままでも温度が高い環境だと長くは安定していない。患者さんの話を聴いていると、10年くらい前のロヒプノールを飲んでみたとか出てくるが、おそらく良くないのである。

 

 

 
上の記事では海外で古いサリドマイド錠を患者さんに投与した話が出てくる。この話ではかなり古いサリドマイドでも薬効はほとんど保たれていたようである。
 
向精神薬の多くはジェネリックに移行しており薬価も安くなっているので古い薬は処分すべきである。
 
 
これは上のパンフレットの裏側。現在の眠剤の分類が掲載されているので読者の方には参考になると思う。特に作用の長さなど。
 
この表で「一般名」はジェネリックの名称として統一されている。
 
 

 

 

 

とても眠い時期の向精神薬の減薬の話

ある時期、次第に眠くなる経過がある人は、いかなる診断であれ双極性障害的な要素を持つ人だと思う。この時期、本人や家族は薬が多すぎるのではないかと思う人が多い。また精神科医はそう思わないが、薬が体に蓄積してそうなったと思う人もいるようである。

 

たいていの人は何も処方変更せず毎日眠い日が続くわけで、処方薬の悪影響はないか、ほとんどないと言わざるを得ない。しかしながら、処方の整理がついていない人は、この時期に多剤併用を整理することは可能だと思われる。

 

毎日、眠くて困るという病態は、副交感神経優位な時期だと思われる。精神疾患に限らず、ほとんどの疾患は交感神経優位より副交感神経優位の方が治癒あるいは快方に向かいやすい。温泉では神経痛や慢性疾患などの効能効果が挙げられているのを見てもわかる。

 

非常に眠がる時期は、激うつであることは滅多にない。眠さと激うつは対称的な病態ではないが、少なくとも近縁には位置していないのだろう。

 

また、眠い時期が双極性障害的なものであれば、新しいフェーズへの移行の時期かもしれない。何もしなくても悪化するリスクを孕んでいるのである。(逆に、そのまま落ち着く人もいる)

 

特に注意したいのは、このような眠い時期にセロクエル(クエチアピン)が減薬されることが多いことだと思われる。その理由は、毎日、眠い人の処方にセロクエルが含まれている場合、セロクエルが原因とみなされることが多いからである。

 

実際、セロクエルをずっと服薬していて、眠さがほとんどない時期が多い以上、何か月も経ち、急にセロクエルが原因で眠さが生じるとは考えにくい。セロクエルは半減期が短いことが理由だけでなく、そういう溜まり方はしない。

 

今まで、しばしば触れているようにセロクエルは双極性障害のうつ状態には非常に治療的であることが知られている。したがってその眠さが双極性障害的であればあるほど、セロクエルを大幅に減量することは長期的には悪手になるリスクが高い。しかしセロクエルを何割か減薬することはそこまで悪くない人もいる。

 

同じ理由で、リーマスやジプレキサを減量することも悪手になりやすい。

 

非常に眠い時期は、双極性障害的な治療に絡まない薬を減量した方が良いのである。

 

今日の記事は、過去ログにも似たようなエントリがあるが、急に調子を落とした患者さんを診察している際、思ったことのメモをまとめたものである。

 

最近、急に精神の変調を来す人が多いのは、このところ連続している台風のために急に気温が下がって来たのもあると思う。

 

 

 

マーライオン

 

今回はシンガポールのシンボル、マーライオンの写真をアップしてみました。数年前の旅行の写真。

 

 

驚いたのはマーライオンの大きさ。こんなに大きいとは思わなかった。マーライオンとはマーメイドとライオンの合成語らしい。11世紀のマレーシアの故事に由来する。

 

 

遠くから見るとこんな風である。マーライオンの前に海が広がっているように見えるが、実は人工的につくられた「ため池」。したがってマーライオンが吐き出しているのは海水ではなく真水である。

 

シンガポールはマレーシアの南に位置する島の都市国家で、世界的な金融センターとして発展している。ところが、歴史的なものもありマレーシアと非常に仲が悪い。現在はマレーシアから水を供給されているが、何年かするとそれもされなくなるという。マーライオンの前のため池(人口湖)は飲水用の水なのであった。近い将来、海水を水に変換するプロジェクトは日本が技術的な援助するといった話を聴いた。

 

 

更に遠方から見たマーライオン。中央から向かって右辺りにある。

 

 

マーライオンから人工湖を見ると巨大な船が乗ったホテル(マリーナベイサンズ)が見える。シンガポールは東南アジア最高の先進国でビルやホテルが林立している。物価も平均して高いが、ショッピングモールでマッサージを受けたら日本の料金とあまり変わらなかった。タクシー代も東京より安い印象。

 

街中に高島屋や伊勢丹などの日本の百貨店が営業しており、フードコートで日本食も食べられる。百貨店の両替店を利用したところ手数料の安さに驚いた。なんとこれらの百貨店の日本のカードがここでも同じように使えるのである。

 

あの船が乗ったホテルには屋上にプールがあり1Fや2Fにはカジノがある。オーストラリアとの違いは入場の際にパスポート必携なこと。入り口におっさんが立っており、パスポートをチェックされる。これはシンガポール国民は入場料が必要だからである。一方、海外からの旅行者は入場無料である。今後どうなるか不明だが、日本も将来カジノができると日本人は入場料が必要と言われる。たぶんシンガポールを参考にしていると思う。

 

シンガポールがアジアしていると思うのは、カジノに喫煙フロアと禁煙フロアがあることだと思う。しかも1Fと2Fが中央空間が筒抜けなので、概ね分煙していると言った感じ。禁煙フロアでも衣類は多少タバコ臭くなる。

 

シンガポールのお勧め観光スポットの1つにユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)がある。僕は大阪のユニバーサルスタジオには行ったことがないのでどういう風に違うかうまく言えないが、どのアトラクションもあまり待たずに乗れた。利用者がそこまで多くないのかもしれないと思った。(今はコロナで事情が異なると思う)

 

今日のエントリを書きながら思ったが、来年の東京オリンピックは実施できそうだよね。最近、アメリカでテニスの全米オープンも実施されたし、2020ツール・ド・フランスも既に開催されている。

 

これらのことから、開催のやり方次第ではできないわけでもなさそうなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏目のある抗精神病薬

ここで言う裏目とは、その薬で「副作用が出ること」は含まない。副作用を含めてしまうと、全ての薬は副作用が出現しうるので裏目があることになる。

 

 

このリンクカードの中から抜粋。

リスパダールが発売された当初、最も驚いたのは、これを服用した時に悪化する人が随分といたことである。それまで精神科薬物を服用して元の精神症状を悪化させる可能性がある薬物は限られていた。添付書類を見るとわかるが、たいていの抗精神病薬の副作用として精神面の変調は記載してある。しかしそんな副作用は実際はあまりないのだ。警戒しなくてはいけなかったのは、クロフェクトン、オーラップ、PZCなどの賦活系の薬物。それ以外の薬物はあまり注意しなくても良かった。しかしリスパダールを処方すると、本来の症状を悪化させうるので、変更の時に決断が必要だった。

ある患者さんは、ある時、血だらけで来院した。痒いからと言いカッターナイフで肌を切り刻んでいた。もともとそんな風な患者ではないのに、リスパダールを使っただけでこれだ。こんな風な事態は非定型抗精神病薬を使う限り、基本的に覚悟しておかないといけない。何度か痛い目にあうと、次第にリスパダールは使い辛くなる。しかしよい薬であるのは間違いないので、徐々に新規の処方を再開しリスパダールを処方する人数が多くなっていった。

 

定型抗精神病薬でも賦活系と呼ばれる向精神薬は服用させたために悪化することがある。抗精神病薬の市販後調査で副作用に「統合失調症」が入っているが、裏目の結果だと思われる。臨床感覚では、裏目の多さは、

 

非定型抗精神病薬>>定型抗精神病薬

 

である。コントミンやセレネースは基本的に副作用のために中止さぜるを得ないことはあっても、従来ある精神症状の悪化のために中止することはほとんどない。コントミンやセレネースは裏目が滅多にないと言える。一方、賦活作用がある非定型抗精神病薬は副作用だけでなく、裏目の精神症状の悪化で中止するケースが多くなる。

 

最も悪い薬物治療は、過去ログでもどこか書いているが、処方薬による悪化に気付かずに他の薬を上乗せすることである。

 

特に初発の統合失調症患者さんで、まだ生々しい精神症状がある際には、いかなる薬が合わないか不明なので注意が必要だと思う。

 

個々の非定型抗精神病薬の悪化の方向性というかニュアンスはなんとなく経験的にわかっているので複数の薬が併用されている際、どの薬が特に悪化させているのか僕はわりあいわかる。なぜわかるかと言えば、たぶん何十年も向精神薬を扱っているからだと思う。

 

 

上のリンクカードから抜粋。

セレネースとかトロペロン3A連日でも全然効果がないクラスだったのである。毎回の服薬だけでも大変だった。体が大きいし力は強いしでどうしようもなかった。いろいろ注射も含め多剤併用になってしまったのだが、僕はメチャクチャな多剤併用でも、どの薬が効いていてどの薬がダメなのか、自分の患者さんならわりあいわかる。もちろん間違うこともあるけど。これは薬の特性と患者さんの普段の様子を見ているので有害作用は特にわかるのである。

 

このようなことから、多剤併用には正しい多剤併用と良くない多剤併用がある。

 

リエゾンで内科病棟入院中の患者さんを治療する際には、できる限り裏目は避けたい。なぜなら、著しい悪化を来すと内科病棟では看護できなくなるからである。そのようなこともあり、同じ非定型抗精神病薬でもレキサルティに比べジプレキサ(オランザピン)の方がずっと使いやすい。

 

裏目がない順

ジプレキサ>レキサルティ

 

内科病棟で最も処方されている薬はリスパダール(リスペリドン)が最も多そうである。リスパダールは裏目の有無の視点で上の2剤よりずっと裏目が少ない。リスパダールはなんだかんだ言って定型っぽいからである。しかし、リスパダールはジプレキサやレキサルティに比べずっとEPSが出るので、現在の内科病棟の平均年齢の高さを考慮すると総合的には使いやすいとはみなされない。

 

セロクエル(クエチアピン)はジプレキサやレキサルティより遥かに裏目がないと言える。ただし、その分、幻覚妄想を緩和する効果が弱いため、良いかどうかは人による。

 

裏目がない順

セロクエル>ジプレキサ>レキサルティ

 

といったところだが、処方される用量にもよる。低用量では上記の順位だと思う。シクレストやロナセン(ブロナンセリン)は基本的に裏目が少ない。その点、ある意味定型抗精神病薬に似ている。この2剤の使い辛い要素はそこではなく、効果の奥行きというか広がりである。つまり使われるどうかは陰性症状にどのくらい効果があるかも関係する。

 

エビリファイ(アリピプラゾール)は本来使いやすいさがメリットだが、症状悪化も結構あるので、やはり裏目のある薬だと思う。そう思う理由は内科病棟では興奮時に使いにくいからである。

 

添付文書的にはジプレキサとセロクエルは糖尿病の患者さんには禁忌なので、リエゾンでは制約がある非定型抗精神病薬である。

 

上のように考えると、総合評価で全ての抗精神病薬で最も裏目がなく使いやすい薬はセロクエルだと思う。ロナセンは比較的裏目が少ないが、使いやすいかというとそうでもない。

 

セロクエルは統合失調症だけでなく双極性障害のうつにも有効な便利な薬だが、ヘビーな精神病状態にはかなり非力である。

 

処方される患者数の多さからトータルの処方箋数はかなり多いと思うが、コアな統合失調症に凄く使われているかというとそうではない。

 

結局、セロクエルは良くも悪くも特殊な薬で、ある意味、抗精神病薬的ではないんだと思う。

遅発性ジストニアとレンドルミン及びデエビゴ

遅発性ジストニアは向精神薬による重い副作用である。D2遮断作用の強い抗精神病薬で生じうるが、それ以外の向精神薬でも起こることがある。重篤なものはかなり稀だが、いったん起こると治療が難しい。抗精神病薬以外では、例えばリーマスなどでも起こることがある。

 

ベンゾジアゼピンは遅発性ジストニアに治療的なので、治療の1つとして併用されることが多い。例えリボトリールが挙げられる。

 

遅発性ジストニアでDBSを実施されているような人にもリボトリールなどのベンゾジアゼピンは多少は補助的に作用する。DBSについては以下のリンクカードを参照してほしい。

 

 

既に重い遅発性ジストニアが発症し、DBSを施行されている人の眠剤の変更には注意が必要である。今までベンゾジアゼピン系の眠剤を服用している場合、ベンゾジアゼピンでない眠剤に変更した場合、バランスが崩れジストニアが悪化することが多い。ベンゾジアゼピン系眠剤とは例えばレンドルミン(ブロチゾラム)やロヒプノール(フルニトラゼパム)などである。

 

なお、ベンゾジアゼピンでない眠剤とは、ロゼレム、ベルソムラ、デエビゴ等である。

 

変更した時、とたんに歩行がギクシャクし始めると、ベンゾジアゼピン眠剤がジストニアにかなり好影響を及ぼしていたことがわかる。

 

DBSを施行されているジストニアの人の歩行状態は、DBSからの電気刺激、リボトリールなどのベンゾジアゼピン系薬物及びベンゾジアゼピン系眠剤の総合的な作用によりバランスが保たれているのである。

 

その状況で、例えばレンドルミンからデエビゴに変更すると、それまでのホメオスタシスが崩れるので、むしろ変更しない方が良い。おそらくベンゾジアゼピンによる筋弛緩作用もなにがしか治療的に働いていると思われる。

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