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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
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2017-09-20 01:59:36

アシクロビルの向精神作用について

テーマ:ゾビラックス

ゾビラックス(アシクロビル)とおばあちゃんの話の続きになるが、一応、前回の話は完結しており、彼女の続きの話ではない。

 

ヘルペス脳炎の疑いで、アシクロビルを使っていた際、アシクロビルには不思議な向精神作用があることに気付いた。

 

アシクロビルはめまいを改善する作用が知られており、まだインターネット黎明期の頃だと思うが、メニエール症候群にアシクロビルを適応外処方しないようにお達しが来た。

 

つまりメニエール症候群にアシクロビルは有効だが、アシクロビルは高価な薬なので安易に使ってほしくないという意味合いだと思う。そういうこともあり、ある年齢以上の医師にはアシクロビルにめまいに対する効果があるのはわりと知られている。

 

めまいにはメリスロンなどが投与されるが、即効性が今一つで、長期間服用した後、中止すると再発しやすい。したがってめまいがなくなってもしばらくは続けなければならない。他、酔い止めのトラベルミンも有効だが、この薬はかなり眠い薬で、人によるとこの薬を飲んでいると仕事にならない。

 

一時、自分は良性のめまいが酷い時期があり、いったん出始めると容易に改善せず、仕方なくアシクロビールを飲んだ。量はどのくらいが適切か微妙だが、4000㎎を1週間服用することにした。1週間服用した後、800㎎~1600㎎をしばらく続けていた。

 

アシクロビールは副作用はあまりないが、これはヘルペスウイルの感染細胞にしか作用しないためらしい。しかし、4000㎎となるとかなり血中濃度が上がるはずで、水分を多くとる方が良い。水分を多めに飲むことでアシクロビールの副作用が出たとしても軽くなると思う。

 

自分の場合、めまいはアシクロビルで劇的に効いたが、あまり長期には飲まないこともあり中止した後、数か月か数年で再発を繰り返した。しかし、ある時、めまいが出なくなったのである。その理由は不明である。

 

また、体内のヘルペスないしその親戚のウイルスはアシクロビールを4000㎎飲んだとしても絶滅したりはしない。アシクロビールはウイルスに対し、活動を抑える作用があり、その結果、めまいが改善するようである。

 

ヘルペスウイルスは、実はヒトにとって必要かつ重要なウイルスのような気が非常にする。すなわち、ヘルペスウイルスはミトコンドリアほどではないが、ヒトの健康上の安全性を高める共存状態のウイルスなのであろう。だから絶滅はできないのである。

 

また向精神作用として、抗うつ作用を持つことがわかった。アシクロビールはおそらくヘルペスないしその近縁のウイルスの活動性を抑えることにより、抗うつ作用を発揮するのである。

 

アシクロビルを治療に実際に使った人が過去ログに出てくる。(過去ログではアシクロビルに触れていない)

 

双極2型の激鬱とECTから。

 

だいたい、統合失調症であれ、躁うつ病であれ、ECTでしかコントロールできないという人が存在する方がおかしい。治療法としての行き詰まりみたいなものに疑問というか「自分に対する怒り」のようなものを感じていた。

僕は退院後もいろいろな試行錯誤を続けていた。そして遂に、ECTをしなくて良い彼の躁うつのコントロール方法を発見したのである。

彼は、トリプタノール150mgにデパケンRとビタミンB6とエゾウコギ(免疫改善系の生薬)を併用すれば、ECTを要するほどの激鬱には落ち込まなくなるのである。これらの薬はいずれも重要であるが、エゾウコギだけはちょっと意味不明なので、なくても良いかと思っていた。あるとき、彼がエゾウコギをやめていたらやや落ちてきたので、これも補助的に効いているようなのである。

結局、退院後にECTをしたのは計4クールか5クールだけであった。その後ずいぶん経つが、今も彼は元気に会社で働いているよ。

 

彼の場合、この手法で効果があったが、エゾウコギの作用を強力にしたものこそ、アシクロビルに他ならない。エゾウコギは抗ウイルス作用を通じて(それも特にヘルペス群)抗うつ作用を発揮している。彼がその後、周期性に悪化した際に、まずアシクロビールを4000㎎2週間服用し、その後、維持療法として1600㎎の用量(アシクロビール800㎎2錠)を継続してもらうことにした。海外製のジェネリック製品は㎎数に比例して高くならず、ものによれば何㎎錠でも一律の価格だったりする。そのようなことから、高用量の剤型を買う方がお得である。

 

彼はなんと、アシクロビール1600㎎を約1年半服用したのである。彼の双極性の激うつはアシクロビールの抗うつ作用により、極端に落ちなくなっていた。

 

自分も実際にそれ(抗うつ作用)に注意して、4000㎎を服用してみた。アシクロビールは服薬して、4日半くらいで抗うつ作用があらわれる。それはやや突き上げるような感覚があり、抗うつ的に効いてはいるが、なぜか不安には効果が弱い。

 

アシクロビールはセロトニンをアップさせる感じではなく、ノルアドレナリンあるいはドパミンの上げる感じなのである。そのような作用をみると、統合失調症の人には好ましくないのではないかと感じた。

 

彼はその後、アシクロビールを使うことは次第に少なくなり、エゾウコギ酒とノリトレン、デパケンRを主体に治療を続けた。その後、大事件が起こる。

 

なんと、ラミクタールが発売になったのである。彼はラミクタール100㎎を服用することで抗うつ剤が必要でなくなった。ただし、今もエゾウコギ酒は飲んでいるらしい。

 

うつ状態が遷延している人に慢性的なめまいがある人がいる。そのような人はアシクロビールは双方に治療的に作用するはずである。そのような人はヘルペスないしヘルペス近縁ウイルスが病状に大きく影響している可能性が高いと思われる。

 

ヘルペスは神経親和性が高いウイルスであるが、アシクロビルはヘルペス鎮静化による謎の抗炎症作用により、めまいやうつ状態を改善していると感じる。

 

アシクロビールが決定的な薬物ではないことは、ラミクタールやサインバルタなどの優れた向精神薬の発売より、アシクロビールの出番がほとんどなくなったことでもわかる。

 

上の双極2型の激鬱とECTに出てくる男性患者さんは、治療開始当時はまだ子供たちが小学生だったが、来春に末子が大学院を卒業する。彼はきっとほっとするに違いないと思う。

 

余談だが、このブログをパソコンで見ると、左側にテーマが並んでいる。ゾビラックスはなぜか抗うつ剤の末尾(ブプロピオンの次)に位置しているのは、今回の記事のような意味があったのである。

 

(おわり)

 

これもボツ原稿から。なお、最後の2つのパラグラフのみ今回追加。

 

 

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2017-09-17 00:44:42

神がかり的に良くなること

テーマ:ゾビラックス

過去ログに、ジプレキサで奇跡的に良くなるのは、神がかり的とは言わないと記載している。

 

ジプレキサの奇跡的な効き方についてから、

 

たぶん僕が彼のことを知らなくて、偶然町で出会って話をしても、今なら統合失調症だと見抜けないと思う。この患者さんの治り方はすごいが、こういうのは神がかり的とは言わない。なぜなら、ジプレキサを処方すれば誰がやってもこうなっているから。優れた薬物は、同じようなやり方で、たくさんの人の治療ができるのが良い。

 

といった記事を読んでいて、神がかり的とはどのようなものを指すのだろうか?と考えてみた。過去ログにはそれらしき経過がいくつか紹介されている。例えば、ヒルトニンの記事に出てくる男女2名。

 

ほか、育児ストレスによる精神病状態から始まる一連の記事の女性。この人は薬をやめた後、1度も再発がない。昨年暮れくらいに病院に挨拶に来られた。

 

それ以外だと、アトピーによる精神病状態 。この一連の記事の女性もその後、再発がない。

 

過去ログに記載がないものでは、もう少し根拠が曖昧で治療法も変わっていて記事になりにくかったものもある。

 

例えば、これはもう15年以上前の話だが、ある女性も劇的を通り越して神がかりと言って良い治療経過であった。その女性患者さんは、約1年半、老人ホームでいつも奇声を上げており話もできない状態だった。

 

彼女は見かけ上、認知症であるが、検査ができないのでその規模のスコア化もできない。むしろ何らかの精神病状態と言って良いが、内容が不明なのである。また何らかの抗精神病薬も使われたことがあるが効果がなかったらしい。

 

その女性の家族と老人ホームの職員が本人を同伴し初診し、病歴を聴取したところ、1つだけ重要な事件と思われるものがあった。それは、あるいは関係がないかもしれないが、どうもその事件が今回の精神病状態に関係しているように自分には思えたのである。

 

それは彼女が帯状疱疹になり、その後に急激に精神病状態ないし認知症が悪化していることである。そこで既に帯状疱疹の所見は消えているが、もう一度、しっかりゾビラックスを投与することにした。なにしろ1年半も経っているので、ダメ元も良いところである。

 

ゾビラックスは200㎎錠と400㎎錠があり、帯状疱疹には1回800㎎を1日5回服用する。あのばあちゃんに、なんと1日4000㎎も投与するのである。(とはいえ、彼女はまだ老人としては若い方だった)

 

家族にはゾビラックス(ジェネリックのアシクロビル)はアメリカから個人輸入できるので、インターネットで購入の仕方を教えた。アシクロビルは当時、400㎎錠が日本円で50円ほどで買えた。だから4000㎎服用したとしても1日500円しかかからない。またこの薬の性質上、また今回の増悪の状況や経過を見ても、2週間投与して結果が出なければ、それ以上治療するのはあまり意味がないように思われた。

 

まさに短期決戦である。このような奇妙な治療法を思いつくのは、それまで救急の場面でヘルペス脳炎の診断経験があったからこそで、ゾビラックスを使ったことがない人には到底、思いつかないものだと思う。

 

この結果だが、このおばあちゃんは魔法が解けたように普通の人に戻ったのである。まず家族が驚愕したし、老人ホームの職員も何が起こったかわからず、呆然としたそうである。

 

老人ホームを退所する日、本人は自分で荷物をまとめて、家族が車で来るのを待っていた。

 

ところが家族の到着が15分遅れてしまった。家族がやっとホームに着いた時、彼女の言葉は、「15分遅い!」と文句を言ったらしい。

 

家族はそのような口調が、以前の彼女の性格そのままだったので、思わず涙が出たという。

 

神がかり的というのは、単にジプレキサとかエビリファイを投与して良くなるとかではなく、その改善の軌跡に何らかの物語性が必要だと思う。

 

こういうのを真の神がかり的と呼ぶ。

 

この話には続きがある。

 

参考

ヘルペス脳炎

 

(ボツ原稿から)

 

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2017-09-14 01:23:35

ネコは舌が届かないところはどうするのだろうか?

テーマ:動物(旅行以外)

 

ノラネコのおそうじタイムを目撃。なかなか脚が高く上がっていてよろしい。肉球も丸見えだし。

 

また性格も良さそう。妙に人に慣れているし。

 

 

ネコは体が柔らかいのか、複雑な姿勢がとれるよね。

 

 

 

このネコ、茶と黒と灰色の絵の具を混ぜてぶっかけた均一な色合いで、真っ白なところが全然ない。

 

だからお顔がよくわからないのよね。

 

 

時々思うが、綺麗好きでお掃除するのは良いけど、舌が届かないところはどうしてるんだろうか?

 

どうしても届かない場所ってあるでしょ。目のすぐ上とか。

 

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2017-09-11 00:13:06

TATOOと健康診断

テーマ:精神科一般

橋下徹氏が大阪市長だった平成24年に実施した職員に対する入れ墨調査は、その後、入れ墨調査を拒否した職員の処分を巡り最高裁まで争われた。

 

この裁判の結果だが、第一審の大阪地裁では、「社会的差別の原因となる恐れがある個人情報の収集を禁じた市条例に違反する」として違法とし、処分取り消しを命じた。

 

ところが控訴審と最高裁では違法性はないとし、市側の逆転勝訴に終わった。市は「「職員の入れ墨が市民の目に触れないよう、人事配置上の判断材料にするために行われた調査で目的は正当だった」と主張し、これが認められたかたちである。

 

橋本氏が激怒したのは、入職後、入れ墨をいれても市職員は容易にクビにできないことを知りつつ入れたことが感じられたからだと思う。

 

近年は、うっかり入れ墨を入れている人を採用しないために、それにポイントを置いた健康診断を受けさせる会社もあるようである。その理由は、おそらくだが、いったん採用した後、入れ墨をいれているという理由だけで解雇できないからだと思われる。

 

日本では、若いころにうっかり入れ墨を入れたために、職業選択の面で制限を受けることがある。制限されるのは、決して温泉だけではないのである。

 

参考

精神疾患とTattoo

 

 

 

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2017-09-08 08:04:58

高齢者の医療費と保険料について

テーマ:精神科一般

 

上は、平成29年7月の政府広報である。今回、高齢者の医療費、保険料のルールが変更されている。

 

 

 

この資料は見開きになっており、PDFファイル取り込みの際に中央で切っているため、少し変だが、内容がわかるようになっている。

 

簡単に言うと、日本は財政が苦しいので、高齢者でも年収の高い人からは保険料を取りましょうと言ったところである。

 

 

これも同様、所得の多い人たちの医療費の自己負担額の上限が上がる。住民税非課税世帯は据え置きになる。

 

 

これは簡単なQ&Aの解説と、自分がどのようになるのかわからない人たちのための相談先が記載されている。一応、検索の仕方と、QRコードも載せらているが、高齢者にどのくらいスマホを持ちQRコードで情報を取り込める人がいるのか不明である。むしろ家族の方用なのであろう。

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