kyupinの日記 気が向けば更新

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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
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コロナ環境は人と人の交流が希薄になる

もう1か月で2023年である。コロナウィルスの出現からもう3年になる。

 

僕は2020年の2月に結婚式に出席したが、その日は県外からも多くの出席者がいて、まだ新型コロナウィルスの危機感がなかった。まだ参加者はマスクをしていなかったが、帰りにマスクを買いにコンビニに寄ると全て売り切れで買うことができなかった。

 

ここ3年、僕と他の人との交流が激減し、自宅と病院を往復する生活が続いている。つまり、極めて単調な日々なのである。

 

最近、努めて旅行をするようになった。県内ないし近県までは良く行くが、空港を利用することはないので沖縄なんてとんでもない話である。旅行も主に温泉で、できるだけ個室で食事ができる旅館を選んでいる。

 

朝食もバイキングは選ばないので、ほとんど人との接触がない。旅行に行ってもやはり人との交流がないのである。

 

このような単調な生活になってしまうと、日々インスパイアされることも少なく、ブログの更新が減少した理由の1つなんだろうと思う。

 

つまり、日々ほとんど脳に刺激がない生活である。僕はそうだけど、他の人はどうなんだろうか?と時々思うが、年代によっても違うよね。

 

今、ワールドカップサッカーは開催中だが、いつもより国内の熱狂と言うか、盛り上がりが欠けている。皆、コロナで疲れ切っているのではなかろうかと思う。

 

 

これは日本vsドイツ戦の浅野選手のスーパーゴール。これは同じ場所からシュートしても10本のうち1~2本しか入らないような難しいゴールだった。次のコスタリカ戦で負けたのは残念。

 

身の回りのことで大きな変化は、年間のカードの支払いが激減していること。人と人の交流が減ると、お金もあまり使わないのである。

 

特に遠方に行かなくなると、大きな買い物をしなくなるものだ。カード支払いは、ここ数か月に限れば旅行の分、少しだけ増えた。

 

山奥や海岸沿いの温泉旅館に行っても、宿泊代以外はほとんど出費がないので、東京や海外に行かない限りそこまで大きな出費にならない。

 

この3年、大きな買い物と言えば嫁さんの車があるが、車はカードでは買わない。それ以外を探すとグランドセイコーの腕時計くらいである。

 

そういえば、福岡に旅行した際に、サムソナイトのスーツケースが壊れてしまった。海外用のバカでかいサイズである。過去に一度修理したので、もう一度修理する気が起こらず、購入した大丸まで持って行き、新品を買うことにした。少なくとも、海外で壊れなくて良かったと思った。福岡市で壊れるのは、壊れる場所としては最高である。

 

ところが、大丸にはサムソナイトを扱うショップがなくなっていたのである。今まで大丸でサムソナイトを4つくらい購入していて、ショップがなくなるなんて思いもしなかった。

 

これも新型コロナで旅行が激減し、スーツケースの売り上げが下がっていたからだと思う。新型コロナの影響はすぐにわかるものと、すぐに気付かないものまで広く影響が及んでいる。

 

このように考えていくと、僕1人だけみても消費が激減しているので、日本経済には良いはずはない。

 

それにしても、新型コロナの環境がいつまで続くのだろか?と思う。

 

12月2日午前4時から、日本vsスペインの最終戦がある。

 

 

木に登りこちらを見るネコ

 

夕方、木に登っているノラネコ発見。

 

 

この写真だと、高さがわからないと思うが、ネコの高さは僕の身長の1.5倍くらい。飛び上がらないと手が届かない。

 

 

正面を向いてくれた。これはハチワレさんですね。

左耳がカットされておりメスということになる。

 

 

けっこう綺麗なノラネコだと思う。

ジスバルの最初の印象

数か月前に初めてジスバルを処方する機会があった。今日の記事はその時の印象である。

 

 

ジスバルは薬価が高いこともあり、相当にフィットしていないと処方し辛い。また効果が高くないと処方する甲斐がないと思う。

 
その患者さんは、元々精神疾患がなかったが、危うく死亡しかねない全身性疾患を契機に精神症状が悪化し、セロクエル服薬のためにジスキネジアを生じていた(副作用)。
 
ジスキネジアは重度のものと軽度のものがあるが、車椅子で初診されており重いレベルであった。遅発性ジスキネジアについては、Wikipediaを参照してほしい。
 

 

サイトから抜粋。

遅発性ジスキネジアは、反復的な、不随意の、目的のない動作に特徴づけられる。不随意運動のこれらの種類の例をいくつか挙げる。
 

顔を歪める
舌を突き出す
舌鼓を打つ
唇をすぼませたり
眼の瞬きが早い


手足、指、胴体の早く不随意な運動も生じる可能性がある。いくつかの症例では、脚部に歩行が困難または不可能になるほどの影響がある。

 

一般に遅発性ジスキネジアは、かなり抗精神病薬を長期連用しないと生じないことが多い。しかし、このケースは比較的短期間に生じており、しかも原因薬がジスキネジアが生じにくいとされているセロクエル(クエチアピン)であった。このような事態はおそらく主治医も予想もしなかっただろうと思う。

 

このように短期間の服薬でここまで悪化してしまう人は、遺伝的な脆弱性や脳のダメージの既往(頭部外傷や脳血管障害など)も関与していると思われる。

 

軽い遅発性ジスキネジアであれば、D2レセプターに親和性がないか極めて低い薬に変更すれば次第に改善することが多い。例えばクロザピンなどである。その視点ではセロクエルでも比較的安全性が高いと思われるが、そのセロクエルで生じているのである。

 

このセロクエルと言うのが曲者で、臨床医の体感でセロクエルを処方したくなるのは錐体外路系の副作用が起こりかねないと思える人たちである。つまり感覚的に副作用が出現しそうに思うからこそセロクエルを処方する。

 

その結果、セロクエルでかえって稀な錐体外路系副作用に遭遇する印象である。実際、僕の患者さんで僅かなセロクエルで横紋筋融解症が生じたことがある。

 

今回の人はまさにそのケースだったと言える。

 

ジスバルは処方後、4日目くらいから効果が出始め、最初に首から下(つまり四肢と体幹)のジスキネジアが目に見えて軽快し始めた。正直、ジスバルの効果に僕はびっくりしたのである。

 

一方、顔面のジスキネジアはやや軽減しているが症状が残ってしまう印象であった。それでも舌を突き出すなどの大きな症状が軽減してきているので、増量すれば更に良くなるのでは?と思った。この人だけかもしれないが、ジスバルは顔面の症状には体幹や四肢に比し効果が弱いのである。

 

そこで、ジズバルを1日2カプセルまで増量すると顔面部分のジスキネジアが多少残ったものの、それ以外の症状がほとんど消退たため治療終了としている。(40日くらいで退院および転院)。

 

長期的にはジズバルは1カプセルに減らしたり、もしかしたら中止も可能かもしれないが、その後の状態を知らないので不明である。

 

高齢の女性の顔面の軽度のジスキネジアは、昔セレネースを長期服薬している人に生じることがあった。稀と言うほど珍しいものではなかった。このレベルの人は可能ならセレネースをエビリファイ(アリピプラゾール)くらいに変更し長期に治療しているとほとんど消退することが多い。

 

アリピプラゾールは完全にD2を遮断しない非定型抗精神病薬であり、本来、安全性が高いが、それでもこのタイプの副作用が生じないわけではない。その理由はD2に関与する抗精神病薬だからである。

 

遺伝的というべきか体質的に漸弱性のある人は、リーマスどころかデパケンでさえ遅発性ジスキネジアを生じうる。

 

今回治療した患者さんは、ジズバルで多少は症状が残っているが、本人が全く苦にならないレベルまで回復していた。もしジズバルがなかったら、DBS造設するなどの外科的治療しかなかったと思う。

 

精神科に限らないが、医療は日々進歩しているので、遅く生まれれば生まれるほど、優れた治療を受けられると言えると思う。

 

 

説明がつかない規則への反発心

昔テレビで、校則守らないと言う理由で高校の担任にさんざん叱責され、退学した高校生のドラマが放映された。このドラマは実話だったと言う。今の中学校や高校の校則はかなり緩やかになっているが、昔は意味不明で不条理な校則が多く存在していた。

 

例えば、僕の中学校は男子生徒は丸坊主必須で全員が短く刈り上げられていた。丸坊主の理由を教師に尋ねた友人によれば、非行の防止だったらしい。つまり周囲からすぐに中学生とわかるようにマークしておくのである。またクラブ活動を原則全員参加せねばならない理由も同様に非行防止だったようである。

 

お前らは、暇だとロクなことせん。

 

などと、授業中に担任が言っていた。当時のゲーセンはまだテレビゲームがなく、メダルゲームが主だった。中学生がゲーセンに行くのはもちろん補導案件である。

 

丸坊主について医学的なことを言えば、自転車の転倒や車にはねられたなどの事故では、丸坊主だと頭部へのダメージが増すのでマイナスの方がむしろ大きい。例えば柔道などの格闘技やラグビーなど競技中の頭部打撲もそうである。

 

そもそも人類の進化的に頭に毛を携えたのは、頭部を守ると言う生物学的意味も大いにありそうである。

 

僕は中学生の時に親父の実家に帰省した際、大阪や東京から帰省していた都会っ子から「まぶしい~」と言われてからかわれた。これは都市部では中学生は丸坊主などの校則など既に廃れていたからである。

 

最初に挙げたドラマでは、その男子高校生は自分の好みの服装や頭髪で登校していたが、校則違反なので教師からさんざん注意された。まさに教師からイジメを受けていたと言って良い。

 

その結果、登校することに嫌気がさし退学を決断する。彼はその後、通信制だったか大検だったか忘れたが、大学受験資格を取得し現役で東京大学に合格を果たすのである。

 

そして、かつて彼を退学に追いやった教師が自宅にやって来て、彼に謝罪したと言う結末だった。

 

日本では周囲にできるだけ合わせるという文化がある。現在の日本人のマスク使用率やワクチン接種率の高さはこの文化から来るところが大きい。アメリカなどは様々な人種、宗教が混在しており、日本よりはるかにこのような圧力は小さいと思う。

 

今回のタイトルの「説明がつかない規則への反発心」だが、この精神症状は、ASDの人に良く診られる所見だと思う。これはASD的な精神所見なのである。

 

あのドラマの当時、そこまで校則に反発していたのは全校生徒で彼だけだった。知能が高いから反発したわけではなく、校則を守らないといけない説明がなかったか、あったとしても説明になっていなかったから反発したのであろう。ここでは、彼がASDだった指摘しているわけではない。その思考や行動がASD的だったと言っているのである。

 

この精神症状の傾向は親は常に注意すべきだといつも思う。例えば、母親が子供に野菜サラダを食べるように必ず言うなどである。子供は、後で食べようと思っているのに、毎回食べる前に注意される。この時の苛立ちは大きい。これはタイトルと少し違うように見えるが、同じようなものだ。

 

子供はこれからしようとしていることを、親から先に言われて注意されることが嫌いである。

 

この母親の毎日必ず同じ注意をすると言う強迫的な行動も実はASD的な所見なのである。

 

しばしばASD的な母親は「食べてはいけない」調味料、食材、料理などに注意している。かくあるべきということに縛られているのである。例えば、テレビゲームで遊んだ後はきちんと片付けるように毎回強注意することもそうである。完璧主義的な和まない雰囲気が常に存在している。

 

これらは「躾」と呼ばれるものだが、子供から見ると、そもそも躾は説明がつかないか、根拠が薄く見えるものが多い。この「説明がつかない」ことにASDの子供は反発しやすい。

 

ASDの子供が上手く躾けられないなどと言われるのは、この特性が影響している。少なくとも、子供はそうしないとダメなどと否応なしに言うのではなく、本人が納得するような流れで言う方が良いように思う。

 

このような不条理に見える注意の積み重ねは、将来、子供の毒親データベースのピースになっていくのであろう。

 

ある不登校だった子供の診察中、「できればこうした方が良い」と言う躾的なものを、今回のドラマの話に言及して説明したことがある。しかしその子はその後、改めることはなかった。しかし、そのために治療関係が損なわれることもなかった。やはり親と主治医は違うのである。

 

当時、その子との治療関係は良好で、不登校も改善傾向だったのもあり、少なくとも母親よりは信頼されていた。僕が言って改まらないなら、こりゃ無理だわと思ったのである。

 

不登校の子は治療をしていても、授業は出ないが保健室だとか特定の学科の時間だけ登校するとか、塾には行き始めるなどの中途半端なレベルに留まることも多い。むしろその方が多い印象である。

 

それでも全くの不登校より、学力が上がり進学しやすくなるため、家族は医師に感謝することが多い。

 

上に記載した子供は、夜間に警察官に同伴されて初診したほど、暴力や興奮が酷かった。ずっと県内あるいは市内の学校指定の児童思春期のクリニックに通っていたが、改善することはなかった。

 

何度も警察が介入するような子供は、まず薬物療法から始めないと埒があかないと思う。今はその子は特殊な薬物療法で経過が良い。

 

一方、興奮する子供に須くリスパダールを処方するのは無能だと思う。今の子供はリスパダールを服薬できるレベルの忍容性を持たないことも多いからである。

 

その子供はほとんど抗精神病薬は使ったことがない。短期間、ロナセンの1mgを処方してすぐにやめた程度である。リスパダールがこのような事例に処方されるのは適応があるからである。以下はリスパダールの添付文書から。

 

 

子供の薬物療法は想像力が必要で、常に応用問題だと思う。精神科病院は平均してクリニックより重い事例が受診する傾向があるが、常識に縛られず、その子供の忍容性や症状に応じた治療が必要である。

 

また診察時に、その子供の思考の特性を把握しつつ、注意深い言葉の選択も必要だと思う。

 

 

 

 

 

 

ロゼレムの性機能障害について

 

 

もともと、メラトニンには性腺抑制作用があり、メラトニン値が上昇すると生殖腺の発達や機能が抑制される。従って長期連用では妊娠しにくくなる(妊孕性が低下する)。

 

男性では、精子運動機能低下、長期連用でのアロマターゼ活性の抑制も診られる。女性では卵巣機能を低下させる可能性があり避妊薬として試験されていたが、難しかったようである、また小児用のメラトベル顆粒(メラトニン受容体作動性入眠改善剤)ではプロラクチン値増加の注意がある。以下はメラトベルの添付文書である。

 

 

一般にロゼレムには血中のコルチゾールおよびテストステロンの濃度を低下させプロラクチン値を上昇させることがわかっており、これらのことから性機能に対して抑制的である。女性患者では時に無月経、乳汁漏出、性欲減退などがみられることがある。以下はロゼレムの添付文書から。

 

 

これらのことから、ロゼレムは高齢者向けの眠剤と言って良い。実際、ロゼレムは高齢者に処方されることが多いので実臨床に沿っている。

 

リエゾンなどで時に看護師に対する性的逸脱行為をなんとかしてほしいと言った依頼が来る。たいてい高齢の男性で、看護師の胸を触ったりするなどである。

 

この対応が結構難しい。一般的にはプロラクチン値を上げる薬が良いのでドグマチール(スルピリド)やリスパダール(リスペリドン)などを処方されることが多い。プロラクチン値上昇は性機能を抑制しそうに思われるからである。ドグマチールよりはリスパダールの方がより鎮静的なので性的逸脱行動へ直接の抑制効果もあると思われる。

 

しかしながら、高齢者にリスパダールを続けることは弊害も多い。中長期的にはEPSが出現し誤嚥性肺炎などを起こしかねないからである。

 

 

上のリンクカードの記事のようにロゼレムは高齢者の行動を穏やかにする傾向があるし、今回の記事の内容からすれば、性的逸脱行動がある高齢者にレンドルミンやマイスリーが処方されている時、それらをロゼレムに変更することはいくらか治療的ではないかと思われる。

 

参考

 

 

 

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