kyupinの日記 気が向けば更新

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このブログは精神科全般、旅行、音楽、スポーツなどについての日記です。始めて既に10年以上経っているため、過去の記事には、現在のルールに沿わないものがあります(適応、処方制限など)。精神科に関する疑問は過去ログのどこかに記載していることが多いので検索してみてください。(○○ kyupin でググる)

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
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2019-04-21 15:14:18

今年の大型連休と外来診療のことなど

テーマ:精神科受診マニュアル

今年は1年限りの特別な祝日が入るなどがあり、10連休という超大型連休となった。しかし、休日を義務付けられてはないため、病院の連休状況はさまざまである。個々の病院で外来診療予定が異なっているので、通っている病院、クリニックのホームページや窓口で確認しておくと良い。

 

レキサルティは51日から長期投与解除となるのに、心療内科クリニックでその日に診療している方が稀なのである。

 

細かいことを言えば、レキサルティは415日(月)の週から3週間処方が可能であった。その理由は、ゴールデンウィークなど長期連休の特例が認められるからである。しかし、これも422日(月)までである(2週間後は56日になってしまうため)。423日から2週間までとなり、51日に晴れて長期処方が可能になる。

 

連休の中日、430日、1日、2日は大抵のカレンダーでは黒の数字になっている。この3日間の休日の傾向について。

 

1、心療内科、精神科クリニック

この3日間は休日になることが多い(つまり9連休か10連休)。なぜ9連休になるかというと、クリニックは427日土曜日は診療していることが多いため。

 

2、大学病院、国立病院、県立病院など公的医療機関

この3日間をほぼ休日にしていると思われたが、意外に診療している。大学病院はお休みが多いのではないかと思う。

 

3、民間単科精神科病院

  さまざまだが、3日間の一部~すべてを診療している病院が多い印象。ただし3日連続で診療している病院は多くはない。その休日パターンだが、5月1日をお休みにして30日、2日を診療日としている病院とその逆に1日を診療して30日、2日をお休みにしている病院がある。もちろん他のパターンもある。

 

病院は看護師、准看護師などに月間の就業時間に縛り(いわゆる様式9)があるため、長期休暇があったとしても大きな変更はできない。病棟は稼働しているからである。そのようなこともあり、外来だけ診療休止にするのは、病棟、外来間にひずみが生じうまくいかない。

 

また、精神科に限らないが、医師の業務は長期休暇があるとしても、絶対値的な仕事量はあまり変わらない。つまり、のべの仕事(回診や書類)はそこまで減らないので出勤日がタイトになるだけである。また、連休の期間、1度も回診しないというのは良くない(基本的に精神科病院は1週に1回は回診すべきとされている。)

 

従って病院に勤めている医師はほとんどの人が10連休にはならないのではないかと想像する。それに対し、クリニックは様式9的な制約がないため、これまでになく長い休暇が取れるのではないかと思う。

 

2019-04-19 19:28:48

レキサルティ2019年5月1日投与期間制限解除

テーマ:エビリファイ、レキサルティ

201951日、ようやくレキサルティの投与制限が解除され14日を超えて処方可能になる。これまで1か月に1回通院で、処方変更を躊躇していた人もいたと思う。いったいどのくらい処方できるかというと、慣習的、あるいはレセプト的には3か月くらいまでである。

 

ここが抗うつ剤及び精神病薬とベンゾジアゼピン系眠剤の大きな相違だと思う。抗精神病薬は投与期間制限が解除されるといきなり1か月を超えて処方できるのである。

 

一方、ほとんどのベンゾジアゼピン系眠剤は古い薬でも1か月までしか投与できない。(抗てんかん薬は別)

 

レキサルティは初期にうまくいかない人も少なくないので、投与期間制限が解除されてすぐに処方件数が伸びるかと言うと微妙だと思う。過去ログには扱いが難しいという評価についての記事がある。

 

エビリファイ(アリピプラゾール)とレキサルティは同じ大塚製薬の創薬であるが、レキサルティは必ずしもエビリファイの上位互換ではなく、異なる非定型抗精神病薬であると言う感覚の方が戸惑いが少ない。

 

最近調べてみたところ、外来患者さんではエビリファイとアリピプラゾールのトータルの処方件数より、レキサルティの処方件数の方が今は多くなっていた。しかし、レキサルティに変更したものの結局エビリファイに戻った人もいる。

 

レキサルティはエビリファイのように直線的ではなく、もう少し複雑な向精神作用を持つ非定型抗精神病薬のようなのである。

 

参考

レキサルティは使い方が難しいという評判について

レキサルティ変更後の体重減少の軌跡

エビリファイとレキサルティの用量のパラドックス

エビリファイとレキサルティの用量による効果発現の変化

それまで服薬していた抗精神病薬をレキサルティに変更する際の注意点

レキサルティがフィットしている指標

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019-04-17 17:16:54

早春のノラネコ

テーマ:動物(旅行以外)

 

お散歩していたらノラネコ2匹に会う。この2匹、仲が良いみたい。

 

最初はエサを貰えると勘違いしているのか妙に懐いてくる。触ってはやらんけどね。

 

 

このネコはまだ毛が冬仕様。もふもふである。

 

 

あっ、こっちみた!

 

あんた、そんな顔してたの?といったところ。

 

お髭が生えてるお口の周りに注目。

 

 

 

 

 

2019-04-13 14:03:50

約10年前の治療の話(後半)

テーマ:エビリファイ、レキサルティ

10年前のカルテを見ると、長期間いろいろな治療を行っているがうまくいっていない。抗精神病薬については、内服、注射を含め高用量を使っても効果は乏しかった。それは今回も同様である。

 

今回の緊張病症候群の重さと抗精神病薬の効果の乏しさを考えると十分に悲観できる状況だった。その理由の1つは年齢的に10年前よりリスクが増していること。前回と同じだけ治療に時間がかかるのも良くない。これはECTも視野に入れるべきと思われたので家族を呼び本人の病状を見せECT実施の承諾を得た。

 

その数日前から、治療について10年前とは異なる手法、もう少し工夫できないか考えていた。

 

現況の整理

1、抗精神病薬単剤では内服治療、注射剤とも効果が乏しい。大量も試みたが改善は難しいと思われた。

 

2、リーマスやバルプロ酸の併用でもやはり効果が得られない。そもそも今回の悪化は十分な血中濃度にもかかわらず悪化している。

 

3、抗精神病薬投与後に改善もなければ悪化も目視できないため、合う、合わないがわかりにくい。

 

ここで、エビリファイ(アリピプラゾール)24㎎を併用した状況で、高用量の抗精神病薬を試みることにした。エビリファイを併用することで高用量の抗精神病薬を処方しやすくなる。エビリファイによりD2がブロックされるため、その抗精神病薬本来の力価が出辛い代わりにD2以外のより大きな効果が期待できる。なお、エビリファイ2430㎎の単剤処方は無効であった。

 

最初の試み

エビリファイ24㎎+セレネース4A  無効

 

次の試み

エビリファイ24㎎+トロペロン3A  

 

2番目のトロペロン3アンプル併用後、2日目の夜ぐっすりと眠ったのである。そして3日目、保護室に行き本人に会った時、独語もなくこちらに向いていたのでちょっとびっくりした。この状況を診ておそらくトロペロンの併用は良いのではないかと思った。トロペロン3アンプル(12㎎)を10日間続けると順調に回復し、実施後14日目に保護室を退室できたのである。ほぼ入院後2か月目であった。

 

幻覚妄想は消退し話ができるようになったが、緊張病症候群の時間の長さとダメージにより少し芯が抜けたような状況であった。しかしこれなら時間が経てば回復しアパートに退院できそうである。

 

ちょうどそのタイミングで家族の面会があった。外来フロアに下りてきて姉と面会していたが、概ね普通に話ができていた。姉は泣きながら話していたが、どうも自分がECTの承諾を得た人とは違う人のようなのである。これはECTを実際はしなかったことを話すかどうか迷うところである。家族にどの程度、情報が共有されているのかわからないからである。今度、実際に承諾書を書いてもらった本人に話すことにして、その日は経緯については触れなかった。

 

トロペロンはしばらく6㎎だけ併用していたが、ある時、思い切って中止してみた。この人はいったん回復すればエビリファイだけで良さそうに見えるからである。中止した結果だが全然、大丈夫だったのである。この人はリーマス、バルプロ酸は併用しているが、今は抗精神病薬はエビリファイ24㎎単剤である。

 

トロペロンのD2への効果を除いたパートはいわゆる非定型抗精神病薬的薬効に近似する。非定型抗精神病薬的ではない点はEPSを緩和するメカニズムを持たないことである。トロペロンはつくづく謎の多い抗精神病薬だと思う。

 

抗精神病薬治療はいかなるタイミングでどのような手法で行うと良いかを考える際に、奥が深いことが良くわかる事例だと思う。

 

過去ログに、セレネース5アンプルとかで効かない人にトロペロン4アンプルを実施すると良いことがあるといった記載がある。トロペロンは過去ログでいくつか不思議なエントリが出てくるので興味がある人は探してみてほしい。

 

今回の記事は「ある抗精神病薬とアリピプラゾール併用の意味」も参考になると思う。

 

参考

ある抗精神病薬とアリピプラゾール併用の意味

 

 

 

2019-04-10 23:16:46

約10年前の治療の話(前半)

テーマ:悪性症候群

ある日、ある患者さんの治療中、約10年前の入院時にどのような治療をしていたのか調べてみることにした。その理由は、あまりにも緊張病症候群が重く、また色々な薬を使ってみてもこれと言う手ごたえがなく、既に1か月以上保護室にいる状況だったからである。

 

入院して1か月以上経っても、保護室で壁に向き独語し続けておりこちらに向かない。全く話ができず、突然パッと水を吐く。この水は構造的に和式トイレにある水であった。

 

10年前の治療経過はおぼろげながら覚えていて、あきれるほど良くならず、2か月ほどして若干良くなり45か月してようやく幻覚妄想が消褪し、1年くらいしてやっと退院できたといった感じである。あまりにもうまくいかなかったという記憶しかない。

 

退院後は、なんとアパートで生活し日常生活には支障がほぼないほどに軽快している。そしてその後、10年ほどは良い状態を維持していたのである。

 

前回、なぜECTをしなかったのか不思議だった。どうも時間が経てばいずれ良くなる感覚というか見通しがあった。ちょっとうまく言えないが、この人は普通に薬物治療していても最終的にはそこまで酷いことにならない感覚があったからこそECTをしなかったのだろう。

 

ところがあまりにも良くならず、時間がかかってしまった。普通、あのように軽快する人はあれほどまで時間がかかったりしない。

 

今回の増悪は前回と非常に似ていて、悪化の内容まで、あるいは薬が効かないところまでそっくりだった。10年前のカルテを見ていると、不思議な治療内容だったのである。

 

それは、今から見ると抗精神病薬の緩急をつけて経過をみるといったものである。具体的にいうと、悪性症候群を起こす直前くらいまで抗精神病薬を増量、継続し、実際にCPK1000以上になったあと減薬中止。CPKが正常化するまで補液で様子を見るというもの。それを何度か同じようなパターンで繰り返しているのである。CPK上昇時にも眠剤やベンゾジアゼピンは中止していない。

 

その患者さんはその緩急というか揺さぶりにより少しずつ緊張病症候群を脱していったのである。

 

これはずっと診ているからこそできる治療である。これは体への作用的にはECTを施行することに似ている。

 

(前半おわり)

 

参考

悪性症候群の謎

悪性症候群の謎(補足)

ベンゾジアゼピンが潜在的に悪性症候群に効いている(1)

その薬が有効なのではなく、「過程」が有効

アトピーによる精神病状態および一連の過去ログ

 

 

 

 

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