kyupinの日記 気が向けば更新

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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
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年金生活者支援給付金

 

上の画像は見えにくいと思うが、年金受給者に対する「年金生活者支援給付金」制度の詳細である。なぜ見えにくいかというと縮小してアップしているため。(無料のアメブロ画像はアップロードできる容量制限がある)

 

向かって左下に記載されている通り障害年金の人たちは

 

2級 5000円(月額)

1級 6250円(月額)

 

が年金に加えて支給される。現在、1級から2級までの障害年金を受給している人は上と同じパンフレットが家に届いていると思う。

 

これは消費税増税の際の年金生活者の支援のためである。このように消費税増税のショックを和らげるために色々な施策が行われているのである。

 

消費税増税は単純に2%上げるわけではなく、これ以外にも複雑なルールにしているため小売店なども大変だと思う。

 

これは手続きをする必要があるので上の書類が自宅に届いていない人がいたら、かかりつけの精神科病院、クリニックのPSWに聴いてみると良い。

 

手続きが終わると、201912月中旬から月額5000円(2級)ないし6250円(1級)が年金に加えて支給される。

 

 

 

精神科治療はAI化が難しいと思う話

遠い将来、コンピュータ化されてなくなってしまう職種もありそうである。しかし、どうしてもヒトがやらないといけない仕事もある。

 

うちにはアマゾンから空気入りの大きな箱がよく届くが、個別の家庭に届ける仕事は今以上にコンピュータ化されそうにない。ドローンが進化しても相当に難しそうである。同じような職種としては引っ越し屋さんなど。個々の家具などを荷造りするなんて人間がやらないで誰がするの?と言ったところ。

 

精神科医の仕事だが、患者さんの個々のバリエーションが大きすぎて、また抽象的な部分の判断を要することが多いので、AIで大雑把な指針は示せても個別の対処ができそうにない。

 

これは引っ越し屋さんが、個々の家具や電気製品などをなるだけ傷つかないように梱包しまとめる際の気遣いに似ている。

 

一方、大雑把な診断なら、今のコンピュータでも十分できそうである。

 

休んでいる2匹のネコ+1匹

 

まだかなり暑い日の夕方、2匹のネコが草むら?で休んでいた。このネコたちは仲が良い。

 

この直後、夕立が来たのだが、もういなくなっていた。ネコは雨が嫌い。

 

 

近くに行くと、こんな感じ。これも香箱座りに負けず劣らず寛いでいるように見える。

 

 

このネコはいつか見たカネゴン風のノラネコ。驚いたのは、随分違う場所にいたこと。おそらく500mは離れた場所だった。

 

この辺りのネコは縄張りがあり、お散歩しているとほぼ同じ場所で見ることが多い。このネコだけは違ったのである。

ロナセンテープはどのような人たちに使われるのか?

 

ロナセンテープは既に2019910日に発売されている。ロナセンは売上が非常に大きいとは言えない非定型抗精神病薬である。

 

これは北米やヨーロッパで発売されておらずエビデンスが少ないこともあるが、処方した臨床医にこの薬のメリットが見えにくいこともあると思われる。

 

現在ロナセンを服用中の人たちは、主治医が言わない限り、ロナセンテープが発売されたことを気付きにくい。そのようなことから、今後、どの程度ロナセンテープが処方されるようになるのか予想がつかない。

 

上の写真はロナセンテープの見本である。ボールペンと一緒に撮影しているが、かなり大きいことがわかる。

 

 

現在服薬しているロナセンの㎎の5倍の数字のロナセンテープを添付すると良いとされている。従って18㎎服薬している人は40㎎のテープを貼付する。どこに貼るかだが、腹部などが推奨されているが、40㎎製剤だと大きさ的に湿布薬くらいのサイズがある。貼付部位の皮膚アレルギーの出現率は20%程度でリバスタッチパッチよりかなり低い。

 

ロナセンを服薬している人たちは、リバスタッチを貼付している認知症の人たちに比べ、服薬の必要性が十分にわかっていないとしても、既に概ね納得して服薬していることは重要である。元々、ロナセン服用中の患者さんは、ロナセンテープに変更するインセンティブがない。

 

そのようなことから、既に服薬している人たちがロナセンテープに移行するだけのメリットがないと処方されないと思われる。その理由は主治医もロナセンテープに変更するインセンティブがないからである。

 

テープ剤が錠剤や細粒に比べメリットがあるとすれば、副作用の少なさだと思われる。これは門脈を通らず直接脳に行くことと関係がある。現在、ロナセンを服薬していて錐体外路症状が出ており苦痛がある人は、ロナセンテープに変更することも一考だと思われる。

 

他、ロナセンテープは普通のタイプの錠剤と51の関係だが、これは低用量でそうであり、高用量だともう少しテープ剤が強力らしい。つまり、

 

116㎎服薬=ロナセンテープ40㎎を12枚貼る。

 

といった単純なものではない。例えば116㎎服薬している人が40㎎のテープ1枚で良いことはありうる。もしそうであれば、実感できる副作用はかなり減ると思われる。

 

また、他の非定型抗精神病薬を処方されている人も、ロナセンテープであれば移行できる可能性がある。これはロナセンの効果・副作用のバランスが内服薬とは異なるからである。

 

ロナセンのメリットの1つは長期投与に際し、過感受性精神病が生じにくいことだと思われる。一般に過感受性精神病を起こしにくい抗精神病薬としてエビリファイが挙げられるがロナセンもそうである。

 

現在、国内発売の非定型抗精神病薬で過感受性精神病を起こしにくい薬は、おそらくエビリファイ、レキサルティ、ロナセンであろう。

 

エビリファイ、レキサルティはD2レセプターのパーシャルアゴニスト作用により過感受性精神病を起こしにくくするが、ロナセンはそうではなくD3親和性(アンタゴニスト作用)により起こしにくくさせている。

 

主治医がエビリファイ、レキサルティ以外の抗精神病薬からロナセンテープに変更するインセンティブがあるとすれば、このメリット(長期的に過感受性精神病を起こしにくい)が最大のものだと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリプタノールとアモキサンからサインバルタ単剤への変更

今回は前回の続きのような記事である。

 

長期間、トリプタノール25㎎とアモキサン25㎎を処方していた人がいた。その患者さんは一時はECTまでした人で過去ログにも数回出てくる。トリプタノールは3環系抗うつ剤だが、効果はかなり高い薬である。しかしトリプタノールは眠さや肥満が出やすい薬で、今はあまり処方されなくなっている。古い抗うつ剤で今でも比較的使われているものはアモキサンだと思う。(とはいえ僕の外来患者さんで11名。サインバルタは50名を超える)

 

処方変更を決断した理由は、ここ1年で次第に体重増加した上に、特に血液検査で成人病が悪化しておかしくない状況だったからである。長期間、トリプタノール、アモキサンを使い続けているのに、今になって体重が増え始めた理由はよくわからなかった。なんと、1年間で72㎏から82㎏まで増加したのである。

 

5年くらい前は今より少し異なる処方でトリプタノール50㎎単剤だった。他は降圧剤や高コレステロール血症の薬で眠剤は必要がなかった。当時、トリプタノール50㎎を25㎎に減量してもそこまで悪化しないと思われたため、平凡に25㎎まで減量してみた。全く問題がなかったのでそのまま経過を診ていた。

 

ところがその3年後くらいに家庭問題の心痛から悪化し短い入院をするに至った。その際に一時的にトリプタノール75㎎とアモキサン50㎎まで増量しアナフラニールの点滴を行っている。入院期間は5日間である。退院時、すこぶる回復していたかというと、そんなわけがなく、概ね家でも治療できそうに思われたため退院させたのである。

 

2か月後には十分に回復し、3か月後にはトリプタノール25㎎とアモキサン25㎎に落ち着いたのであった。

 

なぜアモキサンが加わっているかと言えば、このように昏迷まで生じるうつ状態にはトリプタノールだけだと鎮静的過ぎて賦活しないためである。つまりあと一歩が登れない。アモキサンは賦活的だしパワーがあるので併用が良かったのである。なお、サインバルタはこの時の悪化時にトライはしたが順調に変更できなかった。サインバルタも馬力も出すタイプだが、この人はアモキサンの方が優れていたのである。(この局面にはサインバルタでは無理という意味)

 

その後、再び海外旅行ができるほどになった。彼は日本人が滅多に行かない国を選ぶことが多い。例えばモロッコとかネパールなどである。ペルーはまだ日本人が行く方である。

 

ある時、夫婦でモロッコに行くと言うので「このご時世にそんな国に行きますか?」と聴いた(日揮の社員が亡くなったアルジェリア人質事件の数か月後くらい)。

 

実際、現地でトラブルに巻き込まれ裁判まで出ている。彼によるとモロッコでは警察署に犯罪者のリストがあり、すぐに犯人らしき人が連行され、目の前ですぐに裁判のようなものが始まったと言う。彼によると旅行中で忙しい時に、そんなことに時間を取られ大変だったというが、死ななかっただけでもマシだと思う。

 

話を戻すが、このトリプタノール25㎎とアモキサン25㎎の処方はそのまま続けたが、悪化する気配がない上、体重が急激に増えてきたので肥満が起こりにくい薬に切り替えることにした。代替薬はサインバルタを選んだ。

 

なぜ、かつて不調だったサインバルタなのかというと、うつ病性の昏迷状態のような状況で、トリプタノール75㎎、アモキサン50mgのような強力な抗うつ剤の中にサインバルタを投与してもエフェクティブに作用しないからである。しかし精神が安定している時なら、その維持はできそうな感覚があった。

 

トリプタノール25㎎とアモキサン25㎎をサインバルタに切り替える際に、どちらから減量するか迷うところだが、この人であればトリプタノールから減量した方が良さそうである。トリプタノールを鉈とすれば、アモキサンは鎌のような薬で、まず鉈の方から中止した方が波乱は起こりにくいように見える。

 

アモキサン   25

サインバルタ  20

 

この処方に変更後、1か月で82.4㎎から79.2㎏に減量したのである。トリプタノールをオフにするだけで簡単に減量できたのであった。そして2か月目にはサインバルタ40㎎単剤とし経過を診ることにした。

 

今回はトリプタノールとアモキサンの頃と効果の点で遜色なく、3か月目には73㎏まで減量できたのである。

 

トリプタノールとアモキサンの時代は、GOTGPT、γGTP、中性脂肪、LDLコレステロール、尿酸などの上昇がみられていたが、4か月後の血液検査では、中性脂肪191以外綺麗に正常化していた。この劇的な変化に、かかりつけの内科の看護師さんが驚愕したと言う。

 

結局、処方変更がうまくいったが、順調な臨床経過だからこそうまくいった面がかなりある。これでも潜在的に大きなストレスで悪化するリスクはあると思われる。それでもなお身体面でメタボリックな状況が緩和したため、健康面ではこの方がかなり良い。

 

年配の統合失調症の患者さんが古い抗精神病薬から非定型抗精神病薬に変更するケースと、古い抗うつ剤から新しい抗うつ剤に変更するケースを比べると前者の方がいろいろとトラブルが多く順調にいきにくい。抗うつ剤の変更の方がまだ対処しやすいといったところである。

 

参考

ビジネスクラスの海外出張

ECTから薬物療法への切り替え

精神科医は持続性のある仕事

 

 

 

 

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