[伊勢国度会郡] 志寳屋神社




■表記
◎記では塩椎神(シオタチノカミ)
◎紀では鹽土老翁(シオツチノオヂ)、別名として一書には事勝国勝国長狹神(コトカツクニカツナガサノカミ)
◎他に塩槌翁尊など


■概要
海神であり、製塩の神。また渡航者に対しての道標の神としても祀られています。
紀に登場するのは3ヶ所、以下まとめます。
◎天孫降臨の段(第九段)で、瓊瓊杵尊が「吾田の長屋の笠狹之碕」に至り、その地に居たのが事勝国勝国長狹神。そしてその住んでいる国を自由にしてほしい(国譲り)と言います。
これが一書 第四においては事勝国勝国長狹神が伊弉諾の子であり、別名鹽土老翁と記しています。
◎第十段の海幸山幸神話にも登場します。兄の火闌降命(ホスセリノミコト=海幸彦)と弟の彦火火出見尊(山幸彦)との説話。兄と交換した釣針を失った弟の山幸彦が困ってさ迷っているときに出会ったのが鹽土老翁。山幸彦に老翁は妙案を授け海の宮殿へと導きました。
◎三つ目の登場は神武東征前。神日本磐余彦天皇(神武天皇)が鹽土老翁から聞いた話として、「東に美し国があり先に降臨した者がいる」と皆に言い、賛同を得て東征神話が始まります。ここでも導きの神としての表現がなされています。
◎ここでは詳述しませんが、九州南端を拠点とした海人族が奉戴した神であったように思います。常に正しい導きをする村の長がモデルだったのであろうかと。


■祀られる社(参拝済み社のみ)
[伊勢国壹志郡] 塩釜神社(伊倉津鹽竈神社) 
[伊勢国度会郡] 志寳屋神社(伊勢国)
[丹後国竹野郡] 志布比神社(夕日ヶ浦)
[近江国浅井郡] 鹽津神社

[近江国浅井郡] 下鹽津神社
[河内国志紀郡] 柏原黒田神社


(抜け落ちが多いと思われるので、分かり次第追加します)

*配祀・合祀、主な境内社等(参拝済み社のみ)
[美濃国] 数立神社(南宮大社境内社)

[伊勢国飯高郡] 大石神社
[丹後国與謝郡] 眞名井神社 … 鹽土老翁を祀る磐座有り
[近江国犬上郡] 胡宮神社

[摂津国] 大海神社(住吉大社境内社)…塩土老翁説有り

*関連社等
[河内国石川郡] 鹽竈神社・正神神社



[近江国浅井郡] 鹽津神社