極真空手の立ち稽古では裏拳回し打ちと呼ばれる技があります。
この技は一見、ただ腕を振り回しているように見えます。
また、格闘技では殆ど見られない技です。
裏拳回し打ちはどのように使われる技なのでしょうか?
大山総裁の裏拳回し打ち
大山総裁が裏拳回し打ちの使い方を動画で示されています。
但し、打つ高さは上段だけでなく、中段や下段もあります。
裏拳回し打ちを上段、中段、下段と巧みに使い分けています。
1.相手の左の突きをダッキング→裏拳中段回し打ち
2.左裏拳下段回し打ち→右裏拳上段回し打ち
3.左貫手→転掌掛け→右裏拳上段回し打ち→右裏拳脾臓打ち
4.相手の右回し蹴りへのカウンター左裏拳中段回し打ち→右裏拳中段回し打ち
裏拳回し打ちの威力化
いくら大山総裁の裏拳回し打ちを真似ても、威力化の為に必要な身体操作が出来なければ使えません。
先ずは、
剛腕
を習得します。
剛腕とは腕の各関節をわずかに曲げる事で打撃衝突時の反動を分散させ、結果的に崩れない腕にする事です。
詳しくは過去記事の【蘇る空手最強伝説2】いびつで最強の腕〈剛腕〉を参照ください。
次に必要な身体操作は、
スワイショウ
です。
スワイショウとは、太極拳の練習法の一つです。
腕を脱力し、体幹を回す事で、腕を電電太鼓のように使う感覚を得ます。
剛腕とスワイショウを合わせて、裏拳回し打ちを行うと、威力が大幅に向上します。
格闘技での使用例
格闘技では後頭部への打撃はラビットパンチと呼ばれ反則です。
よって、裏拳回し打ちを行うと、後頭部に当たる事があり、反則になってしまいます。
しかし、タイミングによってはとても効果的になります。
実際の使用例は1997年に行われたK-1での
フランシスコフィリォ対アンディフグ
です。
この試合でフィリォ選手はスウェーバックと併用しながら裏拳回し打ちに似たパンチを当て、KO勝ちをしています。
フルコンタクト空手への応用
また、フルコンタクト空手の試合では、フックではなく、あくまで裏拳回し打ちのように打撃を当てる事も効果的です。
利点は胴体を打つにはフックよりも強く、遠い間合いから放てる事です。
但し、フルコンタクト空手ルールで使う上での欠点は、背中を打ってしまうリスクがある事です。
背中への打撃はフルコンタクト空手のみならず、ほぼ全ての格闘技では反則です。
背中への打撃は大変危険だからです。
武術的視点では、それだけ効果的とも言えます。
武術と格闘技の境界線
裏拳回し打ちは格闘技で使うには反則と隣り合わせの技術です。
いわば武術と格闘技の境界線に近い部分にある技術と言えます。
そのような裏拳回し打ちのような技術は、使いこなす事でとても有効な技術になります。
基本稽古で裏拳回し打ちを行う空手道場では、使いこなせるようにする為の下地作りができているとも言えます。
裏拳回し打ちという技術をフルコンタクト空手やその他の格闘技でも、ぜひ有効に活用して欲しいと思います。
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