『自由』

 

作:岡本太郎

 

 

 人間というものは、

 とかく自分の持っていないものに制約されて

 

 自分のあるがままのものをおろそかにし、

 卑下することによって不自由になっている。

 

 自由になれないからといって、

 

 自己嫌悪をおこし、

 積極的になることをやめるような、

 弱気なこだわりをすてさらなければ駄目だ。

 

 思い切って、のびのびと踏み出してみる。

 

 そして人間的な自由とはなんであるか、

 その歓びをみずから発見するんだ。

 

 

 岡本太郎 (1911年 - 1996年)芸術家。大阪万博で創作された「太陽の塔」が有名。

絵画・立体作品を制作するかたわら、縄文時代や沖縄の美術を再評価するなど、文筆活動も精力的に行った。

雑誌やテレビなどのメディアにも多数出演し「芸術は爆発だ!」が流行語になる。

 

 

 

香薬のあじわい

 

 

 なにかを始めようとするとき、

 

 うまくいくかどうか、

 プラスになるかどうか、

 などの、不安がつきまとう。

 

 脳内予測は、

 ひとときの安心剤にはなるけれど、

 

 実際のところは、

 「始めてみなくちゃわからない」

 という分量のほうが、

 

 「気構え」でおぎなえる量より、

 はるかに大きいように思います。

 

 予想と違って、まごついたり

 不意打ちに、ドキッとしたり

 

 それが、普通なのではないでしょうか。

 

 若い頃は、

 「それも想定の範囲内♪」

 と言っている人が、ステキに見えて(笑)

 

 そうなれない自分は、

 不甲斐ない人間だと、

 情けなく思っていましたが

 

 最近、ちょっと分かってきたことがあります。

 

 どんなに 準備をしても、

 どんなに 経験値を上げても、

 どんなに 冷静に動向を観察しても、

 

 “予想外のことは、必ず起きる”

 

 しかも、

 「真剣で重要度が高い」ときほど、

 予想外のことが”必ず”起きる

 ような気がしています。

 

 これを私は、

 「神さまの仕業」だと思っています。

 

 (すみません勘です。あはは!)

 

 

 「それでもあなたは、本気でやりますか?」

 と、試されているような気がして

 ならないのです。

 

 こんな神様のチェックが、必ず入るのだから、

 

 始めようか迷っている時点で、

 

 条件が良いとか悪いとか、

 成功するかどうか...とか、

 傷つくかどうか…とか

 

 考えたってしょうがない。

 

 自分はどうしたいのか

 という気持ちと、とことん向き合って

 「決意を固める」ように、近頃はしています。

 

 未来でがんばっている自分へ、

 援軍を送るつもりで

 

 「決断したときの熱量を残す」

 

 あとは、

 エイヤー!と心配を手放して、

 

 数週間先の自分を、信じることにして。

 

 

『心の香薬』もくじ