『死ぬか、精いっぱい生きるか』

 

作:アラン

 

翻訳:齋藤慎子

 

 

 自分の不幸に耐えられるだけの強さが、

 わたしたちにはかならず備わっている。

 また実際そうでなくてはならない。

 

 どうにも避けられないことに

 肩をつかまれた時点で、

 人はもう捕えられている。

 

 そうなれば、死ぬか、

 さもなければ

 精いっぱい生きるほかないのである。

 

 たいていの人は後者を選ぶ決意をする。

 

 生きる本能は、実によくできているのだ。

 

 

 

 エミール=オーギュスト・シャルティエ(1868年 - 1951年)フランスの哲学者。アラン (Alain) はペンネーム。

過去の哲学者の思想と自身の思想を絶妙に絡み合わせ独自の哲学を展開。教え子から哲学者が多く輩出される。地元紙に寄稿したコラム約5000編で、幸福について書かれている93編をまとめたのが「幸福論」で、世界三大幸福論のひとつにあげられている。

 

 

 齋藤慎子 英日・西日「本訳者」(書籍翻訳者)、ライター。

 

 

 

 

 

香薬のあじわい

 

 

 『人間である』

 

 ということは、

 

 『自分の不幸に耐えられる強さを持っている』

 

 ということ。

 

 こんな究極論を、言われてしまったら、

 笑うしかない。

 

 落ち込むタイプだから とか、

 不可抗力だから とか、

 心が折れて立ち上がれないから とか

 

 免罪符はない のでございますね。

 (トホホホ)

 

 

 そして、

 うすうす気付いていたのですが、

 

 ” lock on!” 

 

 されたら最後、

 

 目をつぶっても、

 無視しても、

 気づかないふりをしても

 

 どうやったって、

 逃げることはできない。

 

 

 待っているのは

 

 「死ぬ」

 or

 「精いっぱい生きる」

 

 という、究極の選択。

 

 

 ん?

 

 これって、選択のようで

 一択なんじゃ…(?!)

 

 

 どうやら神さまは、

 平常心でやりこなす人間の姿より、

 

 泣きながら

 「それでもやりま~~~す!」

 という方が、
 お好きなのではないか?!
 
 ・・・と、
 思わずにはいられないのです。

 

 

 

『心の香薬』もくじ