ナイショ恋
同期の友人達とのアフター5。美女には美女なりの悩みもあるようで。社内での同期女子関係、上下関係でもだけど、女同士って妬みや嫉妬、果てはカースト制度だって密かに存在。目立つ子の悩みなので、私には無縁だけどそりゃあモテる子にはモテる子の悩みも多いらしい。「同期男性を紹介して欲しいって、遠巻きに言ってくる女子同期ウザっ」さっきから愚痴が飛びだすのは彩花ちゃん。飲み会あれば声掛けてね~、って私を何だと思っているんだ!彩花ちゃんは男性社員からのお声も掛かるだろうし、モテモテだろうし、毎晩忙しそうねって、褒め殺しの上に結局は飲み会あれば自分も誘えの魂胆が見え見えだっつーの。女性の先輩からも敵対視される事が多いらしい。私のように地味で目立つ要素がないと逆に平和だったりするけれど。最近思うんだけど、私の長所って地味ゆえに女同士の抗争に巻き込まれないことなんじゃないかと思うわ。でも、学歴などで明らかにマウンティングしてくる同期女子はいるか~。はいはい、卒業大学が自慢なのですね。そんな子たちこそ、自分よりも大学レベルが上の女子には高すぎる学歴は男性から敬遠されるっていうしね~、って陰口叩くのが浅ましい。彩花ちゃんが巻き込まれるのは、誰もが認める美貌を持って生まれたゆえ。そういう特別な星を与えられたのだから、多少なことには動じずに、むしろうるさい外野は蹴散らして高らかに笑い飛ばして進んで欲しい。美咲はね、人のものを欲しがらない、うらやましがらない、人と比べないから楽なんだよね~、だそう。だって、容姿も人並み、学歴だってもってない、能力だって高くないと自分で分をわきまえていますとも。自分で努力が続かないからこそ、努力できる人が好き。努力できる人を応援したい。自分の力で勝負できる人、自分で輝ける人に憧れる。・・・ふ~ん、だから大学4年間の青春を、箱根駅伝マネージャとしてささげられたんだね~。私には無理だわ。だって。正確には陸上部マネージャだけどね。私にしたら、学生時代に自分の誕生日に花束抱えた男子たちが自宅玄関に列をなすという現象を引き起こせるのが才能の一つだわ。そんな男子、一体どこに生息しているっていうのよ。同じ年齢とはいえ、歩んできた女子人生が違いすぎるわ。一体どこの世界の話かと思ってしまったわ。