青木さんの手が私の乳房をまさぐる。

青木さんの口から私への愛情の言葉が何度も何度も囁かれる。

 

青木さんの手が私の下着を脱がせ、私の下半身も露わにされる。

恥ずかしい・・・手で隠そうとする私を

駄目だよ、こんなに可愛いんだからしっかり見せて、と青木さん。

 

恥ずかしい!体をよじる私。

ダメ!

青木さんが私のアソコを・・・

 

・・・私の身体には、何も響いて来なかった・・・

そうじゃない、そこじゃない、違う・・・

何がどう違うのか自分でも分からないのだけど、

乳房をまさぐられても、あれやこれやと愛撫されようとも、身体には何の変化も来ない。

 

どうしたことか・・・?

ここは多少は感じたフリをすべきだよね・・・

なので、自分でもそれなりに身体をくねらせてみたり、

呼吸を荒くしてみたり、ちょっとはあえぎ声を出してみたりと努力してみる。

だけど、なんで~!?

 

青木さん相手には何故か身体が全く感じない・・・

いや、正直、青木さんが下手・・・?なんて思ったりもしてしまうのだけど。

 

だって、自分でいうのもなんだけど、他の男性に胸やアソコを愛撫され、

感じ過ぎた私は自分でもおかしくなって、果てはアラレもない醜態をさらし、

よがった姿まで披露してしまったのだ。おまけに失神寸前までいってしまった。

あのまま失神してしまったら、あのあとどうなってしまったのか分からない。

 

濡れてこないなあ・・・と青木さんがボソリ。

不感症・・・?と呟かれてしまった。

 

う~ん・・・青木さんは自分の方に問題があるとは思わないんだな。

などと、こんな最中だというのに、何故かそんな分析をしてしまう私。

 

そこじゃなくて、他に私の感じる場所があるの、とでもズバリ言えたらよいの

だろうが、いやいやいや、やっぱり言えない。

何故言えないかは分からないけど、そんなこと、女の私から、

ましてや男性経験のない私から言うなんて無理無理無理~

 

・・・ということで、今度は私が青木さんに尽くすことにした。

青木さんに寝てもらい、私が青木さんのそそり立ったものを口に含む。

いまだに謎だが、コレってお口でするものなの?

だけど、青木さんが喜ぶんだよね。

女性に口でしてもらうと、やっぱり男性って嬉しいのかな。

 

最初の約束で、最後までいくのは結婚を意識してからだと考える私。

もちろんズルイ。

それは社内で別れた場合を考えてしまうから。

同じ社内に肉体関係を持ちながら別れた男性が居るというケースを避けたいから。

 

だけどもし本当に好きだったなら、そんなことを考えずに飛び込んでいくはず。

別れないようにと努力するはず。

ゴールに向かって頑張るはず。

 

好きは好き。それは真実。

だけど男性として誰よりも愛して、他の女性に奪われたくないと

自分の全ての情熱を懸けているかというと、そういう愛とは違うと思う。

 

青木さんの言われる通りに、手や口を動かす私。

ここまでの関係で、最後までいくとか行かないとか、どれだけの意味があるのだろうか?

自分でもよく分からなくなってくる。

 

ああ、もうイクから・・・青木さんの言葉に手と口を離す。

男性のモノってこうなるんだ・・・率直な感想。

 

もしも私が口に含んだとして、これで一つになったと言えば

青木さんは喜ぶのだろうか?

そんなどうでもいいような事をふと考えた。

 

とりあえず、青木さん自身は満足したようなので安心する。

そのあと、帰りがけにホテル近くのコンビニで買ったビールで乾杯。

色々な話をしながら幸せな時間。

夜の営み以外ならこんなに満ち足りた時間を一緒に過ごせるのに。

 

自分の部屋で指に光るリングを眺めてみる。

青木さんからの愛情の形。

今を後悔しないように頑張って行こう。