手が私の下腹部に移り、下着に触れて来た。
「ダメ!」思わず口に出た。
手の動きが止まる。
「もう、帰るね。駅で下ろして」
「・・・ごめん」広田が口に出し、沈黙。
気まずい雰囲気のまま車は発信。
とりあえずJRの駅でおろしてもらう。
「ごめん」もう一度広田が言う。
「うん」
駅に着いてから、急いでお手洗いに入る。
下着が気持ち悪い。
確認する。
高揚した身体の証拠のように、下着はぐしょぐしょだった。
こんなの、下着を触れて知られるわけにはいかないと思った。
まさか高校のただの男友達相手に。
好きとも付き合おうとも言われていない相手に。
もちろん、好きだとか付き合おうと言われたら、断るのだけど。
何も言わない相手。お互いズルイ。
だけど、こんなに身体が反応してしまうなんて。
彼氏の青木さん相手なら良かったのに。
青木さんには全く感じなかった。
広田がサービス精神が旺盛なの?
それとも青木さんが下手なの?
青木さん、他の男性同期の話だと学生時代にモテていたらしい。
学生時代の彼女が、赴任地の札幌まで追いかけて来たという話も聞いた。
女性にモテる男性って、自分が尽くされる側になるのだろうか?
しばらく経って、広田からまた連絡が来たのだった。