今年のお正月のこと。 

羽田空港の到着ロビーで待っていると、飛び込んできたのは彼の姿。

青木拓海さん、同じ会社の私の彼。

 

青木さんが私に笑いかける。

・・・やっぱりかっこいいなあ、と顔がにやける。

 

同期といっても院卒で一浪なので年齢は私よりも3歳上。

他愛ない話をしながらモノレールを乗り換え、電車を乗り換え、

そして到着したのは品川のホテル。

 

青木さんは支店勤務。

冬休み、ご実家の神戸から勤務先の支店に戻る途中、

私に会うために東京で1泊することにしてくれた。

 

そう・・・1泊。

といっても、私は一緒に泊まるわけではない。

 

お付き合いすることになった時、二人で話しあったのだが、

私は男性とお付き合いした経験が今までない。

 

22歳と25歳のお付き合いとなると、もちろん、その、

あれやこれやは避けては通れぬ道、というのも理解はしている。

 

理解はしている、が、いやいやいや・・・

それはちょっと待ってください!!!なのです。

 

今日び、小学生だってキスをする時代・・・

中高生だってそういう仲になるのも珍しくない。

きっと私こそが希少価値。

だけどそれはそれ、人は人・・・

 

そもそも本末転倒だが、お付き合いをすることにはなったとはいえ、

お互いのことをよく知っているかというと、これまた微妙なわけで。

 

東京と地方、という遠距離だからこそ

お互いをよく知る前だけど、正式にお付き合いをしてみましょう、

という話になったわけで・・・

 

好きかと問われれば好意は抱いている。

だけど、だからといって、頻繁に会うでもなし、

遠距離恋愛から始まっているので、これからどうなるかというお付き合い。

 

どうなるか、というか、どうしていきたいのか、なんだけど。

青木さんからお付き合いを申し込まれた時、

どこか計算も入っていなかったかと自分でも考えてしまう。

 

彼の出身大学や勤め先(といっても同じ会社だけど)など、

例えば彼にそういう条件が備わってなかったとしても

お付き合いを承諾したのかどうか・・・

 

もちろん、人柄も好感を抱いていることには間違いない。

だけど、だからといって、じゃあ、お付き合いすることになったので

すぐにそういうあれやこれやの関係に、とはなれない私。

 

そういう面倒くさいところもひっくるめて、

私を好きだと引き受けてくれた青木さんだけど・・・

 

青木さんは、チェックインしたホテルの部屋のドアを開けた。