徳川園の風景 ①
赤の彩り、黄の彩り。
紅葉見物のため、多くのかたが徳川園を訪れていました。
徳川園の風景 ②
黄色に染まる風景。
徳川園の風景 ③
赤に染まる風景。
徳川園の風景 ④
龍仙湖と、観月楼(建物)。
徳川園の風景 ⑤
大曽根門(北門)を入ってすぐの風景。
12月4日、日本庭園・徳川園を訪れました。
紅葉は、どうなっているのでしょう?
美しい風景が見られるでしょうか?
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徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。
名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。
JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。
平成16年に庭園として整備されました。
尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。
自宅から20分程の場所に、徳川園があります。
(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。
庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。
小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。
園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。
【徳川園について(公式サイト掲載文)】
徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。
当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。
光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。
昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。
昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。
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サザンカ(山茶花/ツバキ科 ツバキ属 常緑広葉樹・小低木)
サザンカの幾つかの種類が、園内で花開いています。
これは、茶室の近くで咲いていた、白い清楚な花。
サザンカは長く花姿を楽しめるもので、10月~12月の寒い時期におもに咲きます。
(1つの花が長く開いている訳ではなく、次から次へ、咲きつなぎます)
サザンカが寒い時期に元気咲くことから、「きっと寒さに強いのだろう」と思っていましたが、そうではありません。
園芸品種でない原種のサザンカは、四国・九州が分布の北限です。
寒さにそれほど強い訳ではありませんが、園芸種のサザンカが寒さに強い性質を得たのです。
このサザンカも、ツバキも、花の印象が似ています。
実際に目の前で花を見ても、区別がつき難いものです。
サザンカは、花びらがヒラヒラと散るものです。落花を見ると、花びらが、多く散っているのを見ることが出来るでしょう。
ツバキは、花の形をそのままに、落花します。
そこが、ツバキと、サザンカの、分かりやすい判別点です。
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ツバキの花について。
1月頃に咲く種類もありますが、3月・4月に花咲くものが多いです。
サザンカの花 ①
サザンカの花 ②
茶室近くの風景 ①
徳川園敷地の北西、高台になった所に、茶室があります。
その周りの風景。
茶室近くの風景 ②
茶室近くの風景 ③
茶室近くの風景 ④
茶室近くの風景 ⑤
茶室近くの風景 ⑥
ツワブキ(石蕗、艶蕗/キク科 ツワブキ属 常緑多年草)
ツワブキの花は10月末に咲き始め、12月もまだ、美しい花を見せてくれています。
葉がつやつやしている事から、「艶蕗(つやぶき)」が転化した名前とも言われます(名の由来には諸説あります)。
徳川園のツワブキは、10月半ば頃に咲き始め、11月・12月にはたくさんの花を咲かせます。
草丈は、30cm~60cmほどです。
ツワブキは常緑多年草、その名のように、フキのような丸い葉をつけます。
通常のフキは夏に葉を落としますが、このツワブキは年中つややかな葉をつけています。
街中の公園に、道路の分離帯の緑地に、家庭の庭に、そして日本庭園に、その姿を見ることが出来ます。
フキ様の丸い葉を、火であぶって手でもむことで軟らかくして、打撲・切傷・腫物の部分にあてて用います。
根茎を煎じて服用すれば、胃腸不快を治すものでもあります。
魚の中毒にも対応するとされ、猛毒のフグや、カツオの中毒に良いと伝えられます。
煎液や、葉のしぼり汁を用います。
(実際には、猛毒のフグ毒などは、十分に解毒出来ないものでしょう)
今は試すひともいませんが、初ガツオが季節の風物とされた江戸の町では、これが試されたのかも知れません。
(葉には強い抗菌作用があるのですが、一部成分に毒性があり、大量に用いるのはお奨め出来ません)
ナンテン(南天/メギ科 ナンテン属 常緑低木)
生薬名:ナンテンジツ(南天実) ※ナンテンの果実を用います。
ナンテンの果実が、たわわ。
赤い彩りが、辺りを温かくしているように思うのです。
ナンテンは、『 難(なん)を転じ、幸運へと変える 』とされ、庭に植えられる事も多い植物です。
冬も落葉しない常緑低木(メギ科)。
半日陰も気にせず、折れた枝を無造作に地面に着き立てれば根付く、強い生命力を持ちます。
秋に赤く色付く丸い果実も(白果実のシロミノナンテンもある)、紅葉する葉も、美しいものです。
漢方処方に用いられる例を知りませんが、中国でも日本でも古くから民間薬として使われています。
若いかたは、ご存知ないかも知れません。
20~30年程前まででしょうか、ナンテン果実を配合した「ノド飴(赤い缶入りの、南天のど飴)」のTVコマーシャルが、繰り返し放送されていました。
そんな事から、「ナンテンはノド薬だ」と知られています。
果実5~10gを、600mlの水に入れ加熱、約半量になるまで煎じます。
出来た液を、1日3回に分けて服用します。
セキ止めに役立ちます。
カゼに、そして百日咳にも、用います。
葉を噛んでいると、乗り物酔いに良いと言われます。
ナンテンの花言葉は、「私の愛は増すばかり」です。
赤飯の上にナンテン葉を乗せる習慣がありますが、これは彩りを添える意味ばかりでなく、炊き上がった赤飯の熱と蒸気により葉から微量のシアン化水素が発生し、それが赤飯の腐敗を一定期間防ぐのです。
どなたかの実体験が、役立つ知識として延々伝えられて来たものなのでしょう。
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私は長い間、薬草販売の企業に勤めていました。
カゼが流行する冬場、ナンテン実の小分品500gの注文を、多くの薬屋さんからいただきました。
その際面白いと思うのは、「白ナンテンが欲しい」との要望が強い事です。
なぜなのか、記されている文献は見当たりません。
これは、「肺が属す色は白なので(五行色帯表の五色)、白色果実の方が薬効が高い」と、捉えたからだろうと理解しています。
民間薬事典には、「赤も白も、薬効に違いはない」と書かれています。
白ナンテン果実が高値なので、赤ナンテン果実を水に晒し脱色したものが市場に出ている事があります。
木部は、オウバク(黄柏/百草丸・陀羅尼助丸の主薬)を思わす鮮やかな黄色。
中国では当初枝や葉を止瀉薬として用いていました。
これは木部が黄色いため、その外観から「止瀉薬に良いオウバクと同薬効」と見立てたからでしょう。
止瀉薬としては十分な薬効がなかった事から、今はその用途には使われません。
セキ止めとして用いている現在、一般的には果実を煎じ(湯で煮る)、煎液を服用しています。
お子さんには、煎液にハチミツ(乳児はハチミツ禁忌、ポツりヌス菌があれば死んでしまうことがあります/身体の抵抗力がある乳児以上は、口にしても大丈夫です)や水飴を溶かし、飲みやすくして与えます。
【ナンテン(南天) 性味:酸・甘、平(有毒) 効能:止咳】
一度だけ 本当の恋が ありまして 南天の実が 知っております
(短歌、山崎方代 第三歌集「こおろぎ」より)
五平餅・みたらし、売店が出ていました(移動販売車)。
いつもは、ここにはない販売車です。
みたらしだんご・五平餅のタレの甘い香りが漂い、お客様が絶えない状況でした。
お客様の多い日には、営業していて欲しいと思います。
五平餅・みたらし(移動販売車)
この車で働いているご両親と、小さなお嬢ちゃんが、話していました。
愛らしいお嬢ちゃんでした。
この日は、近くで両親のことを見ているのでしょうか。
わたしも商店の子どもとして育ちました。
両親の働く姿を見て、育ちました。
夜間ライトアップ
この時期、徳川園は夜間ライトアップされています。
明かりに、工夫が凝らされています。
わたしは植物観察グループなので、昼間訪問が基本です。
夜はまだ訪れたことがありません。
夜間ライトアップ用の灯り
イロハモミジ、樹の名札
ミヤマシキミ(深山樒/ミカン科 ミヤマシキミ属 常緑低木)
深山(みやま)の名を持っていますが、平地の徳川園で見ることが出来ました。
日本では、本州(宮城県以南)・四国・九州で、他国では台湾の高地で、見られます。
シキミ(マツブサ科)の果実は猛毒ですが、このミヤマシキミも毒を持っています。
果実に毒があり、食べてしまうと、中毒になってしまいます(ケイレンを伴う)。
イソギク(磯菊/キク科 キク属 多年草) ※海浜植物
イソギクが、咲き始めていました。
これは葉の模様が独特で、美しいものと感じます。
海岸で見られる植物であるため、イソギクと呼ばれます。
葉の裏は細毛が密に生えていて、白色に見えます。
海辺で生き延びるのは、真水をコンスタントに得るのは、至難の技です。
イソギクは根を長く延ばすことで、浜辺などでは少ない真水を得る工夫にしています。
得た水を保持するため、葉は一定の厚さにしています。
そこに水を貯めるために。
コフクザクラ(子福桜/バラ科 サクラ属 落陽高木)
花期は、10月~4月頃。コヒガン(マメザクラとエドヒガンの交雑種)と、カラミザクラ(シナミザクラ/中国桜桃)の交雑種で、八重咲きの花です。
春と秋と、1年に2度花を見せてくれます。
冬に咲くサクラ
カンボタン(寒牡丹/ボタン科 ボタン属 落葉低木)
ボタンは普通、年に1度、春に花咲きますが、このカンボタン(寒牡丹)は、年に2度花を付ける変種です。
(開花は、春4月頃と、秋冬10~11月頃)
花はやや小ぶりでしたが、その「生命の力」は。年に1度咲くボタンよりも、強く感じられるのです。
出会えば、生きる力を強く見せてくれるように、与えてさえくれるように、思うのです。
この株は、冬の花を咲かせ終わっていますが、若い緑色した葉を広げていました。
「まだこれから、負けるもんか、負けるもんか、寒さになんか負けるもんか」と、カンボタンは言っているようです。
春咲きのボタンは、もう葉を落としてしまっています。
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カンボタンは生育に時間がかかるもの。
花を咲かせるまで、10年程もかかります。
(徳川園でも、カンボタン・寒牡丹を増やそうとしているように見られますが、現状見られるのは10~15株程に思います。/春に咲く通所のボタンは、多く植えられています)
カンボタンは、春・夏には葉を茂らせますが、花を咲かせる秋・初冬は、葉を多く残しません。
限りある生命力を身にとどめるため、葉に回す栄養を抑えているからなのでしょう。
(茂らせても、冬の弱い日差しでは、エネルギー産生がうまくいかないのでしょう)
《「冬に咲く」ということに園芸的な価値を見出し、カンボタンの春に咲こうとするツボミを摘んでしまうこともあります/命のエネルギーを、秋に咲く花に向かわせるために。可哀そうな事のようにも思います》
カンボタンの葉
これも、懸命に生きようとする命の力。
冬という空間に延ばす、力。
もう、春咲きのボタンには、葉がありません。
カンボタンは、生きるための戦いを続けています。
鉛色の空に映す、孤独な闘い
徳川園の風景 ①
龍仙湖の風景。
徳川園の風景 ②
観月楼と、龍仙湖の風景。
徳川園の風景 ③
左側にある黄土色の塔状のものは、南国植物のソテツを、寒風から守るためのコモ巻きです。
徳川園の風景 ④
観月楼の横にある、滝です。
人工の滝。
徳川園の風景 ⑤
橋を渡って、そして橋の下の道を通って、紅葉見物。
徳川園の風景 ⑥
紅葉、緑、青が映る水面。
かすかに揺れる冬の風景。
徳川園の風景 ⑦
園と外部を隔てる柵。
紅葉が飾る風景。
徳川園の風景 ⑧
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12月、ズーム漢方講演会(無料)のお知らせ
テーマ
「漢方で皮膚病を手当てする/お肌のつやを戻したいとき」
12月14日(水) 9:30~11:00頃
16日(金) 13:30~15:00頃
来週に、本ブログと、松浦薬業の企業ホームページで、詳細を連絡します。
聴講希望(録画視聴希望)のかたは、h-kato@matsuura-gp.co.jp へメール連絡ください。。
テーマ
「漢方対応・尿トラブル/尿意で早朝起床してしまう、おねしょ、膀胱炎など」
12月21日(水) 9:30~11:00頃
23日(金) 13:30~15:00頃
来週に、本ブログと、松浦薬業の企業ホームページで、詳細を連絡します。
聴講希望(録画視聴希望)のかたは、h-kato@matsuura-gp.co.jp へメール連絡ください。。
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【 徳川園、過去のブログ/花風景 】
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