シャクヤク 徳川園4月24日

雨のなか、美しく咲くシャクヤクの花

 

 

 

 

 徳川美術館 4月24日

徳川美術館前

徳川園を訪れました。

この日は雨、冷たい雨が、時に強く地を打ちつけます。

 

ここで、シャクヤクのツボミを多く見つけました。

(この画像の左側の花壇で。無料鑑賞出来ます・この辺りは入場料が必要ありません)

 

咲き始めの状況、次週には、シャクヤクの花が多く見られるでしょう。

植えられている株は、10株以内です。

(面白いことに、日本庭園・徳川園にはシャクヤクが植えられていません。ボタンの木はとても多く植えられていますのに/徳川園に、ヤマシャクヤクは一株植えられています)

 

 

徳川美術館 4月24日

徳川美術館

現在の展示は、「広重の旅風景」です。

 

 

蓬佐文庫 徳川園4月24日

蓬佐文庫

いわば、ミニ図書館。

この前庭に、シャクヤクが植えられていました。

 

美しいシャクヤクの花を見ました。

(咲き始めたばかり)

 

 

 

 

 

 2022年4月24日(日)に日本庭園・徳川園(名古屋市 東区)も訪れました。

 あいにくの雨でした。

 時に激しく降りました。

 

 通年、この時期に盛りになるボタンは、もう大多数は散ってしまっていました。

 少数は咲いているので、花を楽しくことは出来ました。

 (例年からすると、5~10日早く咲いています)

 

 

 徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。

 JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。

 平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。

 

 自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。

 庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。

 

 小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。

 園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

【徳川園について(公式サイト掲載文)】

 徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。

 当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。

光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。

 昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。

 昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。

 

 

⇒ 漢方・薬草講演会のお知らせ(5月1日午前) 大府・健康の森薬草園/愛知県薬剤師会主催

 

 

⇒ ズーム漢方講演会・無料(5月11日午前、5月13日午後/テーマ:生理で知る、女性を笑顔にする漢方)

 

 

 

シャクヤク 徳川園4月24日 

シャクヤク(芍薬/ボタン科 ボタン属 多年草)

生薬名:シャクヤク(芍薬)  ※根を用いる(外皮を除いたものをビャクシャク・白芍と、外皮をつけたままのものをセキシャク・赤芍として、使い分けます)

 

 シャクヤクの花は、4月半ば頃から咲き始めます。

 花のサイズは女性の手のひら程、可憐さと華美さがともに感じられる、良い花姿です

 

 花を愛でるため、家庭の庭で育てられる事も多くあります。花言葉は、「恥じらい」などです。

 花の美しさから、「花の宰相(さいしょう)」と呼ばれます。

 

 

 世の中、「それが当たり前」と思い物事に接すると、発見や感動がありません。

 この植物は、なぜこんな奇妙な名前なのでしょう

 

 シャクヤクの原産地は中国北部、古い時代に「薬用植物」として日本に入って来たものです。

 輸入当時は、エビスグスリと呼ばれました(エビスは外国の意)。

 

 シャクヤクの根を、漢方の重要薬として多くの薬に用います。

 それは今も、多くの漢方薬に用いられています。

 血流を改善する、補血薬(ほけつやく)です。

 

 

 漢方は当時の主要医学ですから、先進文明国・中国で使われる薬物・シャクヤクを日本に届け、「わが国の人々を助けたい」の心を持った者がいたからなのでしょう。

 高価な商品として、商い第一として持ち込まれたのかも知れません。

 

 

 「補血」とは、貧血を治すというニュアンスではなく、実は、「血流を良くする」と捉えるべきものです。

 温泉に入った時に肌がつやつやするのと同じ状態を、服用すれば、身体に示すものです。

 ただ、興味深いと言わざるを得ないのは、この薬が寒性(正確には微寒/クールダウンに働く)である事です。

 血流促進には本来、「温める性質」であるべきものです。

 だから、シャクヤクは、漢方の血流促進薬では、主役になる事が出来ません。

 

 ただ、ひとも、生薬も、それぞれが輝く場所があるものです。

 適性があるものです。

 

 シャクヤクは、抗ストレス薬(イライラなどの感情不調がある時)において、サイコ(柴胡)とともに、主役の座を占めています。

 

 

 

 

 

小説「薬草 取(やくそう とり)」     泉鏡花

 

月が出ると、余り容易い。

 

つい目の前の芍薬の花の中に花片の形が変って、真紅なのが唯一輪。

 

採って前髪に押頂いた時、私の頭を撫でながら、余の嬉しさ、娘ははらはらと落涙して、もう死ぬまで、この心を忘れてはなりませんと、私の頭に挿させようとしましたけれども、髪は結んでないのですから、そこで娘が、自分の黒髪に挿しました。

 

人の簪の花になっても、月影に色は真紅だったです。

 

母様の御大病、一刻も早くと、直に、美女ヶ原を後にしました。 

                                           

 

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ①

美しい花です。

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ②

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ③

上の画像は、すべて同じ花です。

赤い花で、きれいに花開いているものは、この1花しかありませんでした。

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ④

これは別の花、まだ前回になっていません。

 

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ⑤

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ⑥

 

 

 シャクヤク 徳川園4月24日

シャクヤクの花 ⑦

撮影したのは、この花たちです。

 

 

 

 

 

 

 ボタン  徳川園4月24日

ボタン(冬牡丹/ボタン科 ボタン属 落葉小低木)  品種名:黄

生薬名:ボタンピ(牡丹皮)  ※根の皮を用います。

 

 徳川園では、たくさんの地植えのボタンがあります。

 通年は、ちょうど4月末頃が、花の最盛期ですが、今年は17日に訪れた時にはすでに盛りを過ぎていた状態でした。

 今年は花の訪れが、ずいぶん早かったです。

 

 ボタンは中国西北部が原産、もとは薬用として古い時代に日本に渡って来たものです。

 中国・唐の時代(618~690年、705~907年)より後は、花の美しさから、多くは観賞用として意識されるようになりました。

 華美な花を咲かせるので、「百花王」「花王」とも呼ばれます。

 

 

 タネが発芽しない事もあるので、子どもを産まないという意味で、名に「牡(おす)」の文字を使ったとされます。

 

 太平洋戦争前はタネから育てていたため、なかなか増やす事が出来ませんでした。

 そのため、高値で取引されていました。

 戦後は、シャクヤクを用いた接ぎ木での栽培が成功したため、市場に大量に出回るようになりました。

 20cm程の鉢植えが3月~4月に花屋さんやホームセンターで、2,000円程で販売されています。

 それを植える事が出来るので、各地にボタンの花咲く名所が出来ました。

 

 ボタンは落葉小低木、「木」です。

 ボタンは冬になると葉を落としますが、幹は残ります。

 

 花の印象が似ていて区別しにくいシャクヤク(芍薬)は、木ではなく、「草」です。

 そのため、冬になると地上に出ている部分はすべて枯れてしまいます。

 花の時期に見分けたいというかたは、樹皮があるかどうかを、確かめてください。

 (樹皮があればボタンです。シャクヤクは草なので、全体がやわらかな印象ですし、樹皮がありません。)

 

・・・・・・・・・・・・

 

 ボタンの根皮(生薬名:ボタンピ、牡丹皮)を、薬にします。

 

 それは表現が難しい、独特の香りです。

 鼻の奥が刺激される香り、春の香りを放つ土壌を思わせる香りです

 

 「わきあがる血の熱を抑える(例えば怒りの感情が抑えられない、たとえば熱病によって鮮紅色の出血がある など)」という、クールダウンの働きをします。 

 

 漢方薬では、イライラ・のぼせを治す抗ストレス薬・加味逍遙散に、配合されています。

 血流促進し、チクチク痛(頭痛・生理痛)を治す桂枝茯苓丸にも、配合されています。

 

【 ボタンピ(牡丹皮)  性味:苦・辛、微寒  帰経:心・肝・腎  効能:清熱涼血、活血化瘀

【ボタンピが配合される漢方薬: 加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 】

 

 

 

 

 

 

イチハツ 徳川園4月24日

イチハツの花 

花はどれも、雨に打たれています。

 

 

トウカイザクラ 果実  徳川園4月24日

サクラの実

河津ザクラの果実が、赤く、つややかに色づいていました。

 

 

 

 

⇒ 徳川園④/カモ遊ぶ日本庭園の風景(4月24日) に つづく

 

⇒ 徳川園③/雨に濡れる花たち、雨粒の奏(かな)で(4月24日) に つづく

 

⇒ 徳川園② ボタンの美しき残り花(4月24日) に つづく

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

⇒ 4月24日の徳川園①(シャクヤクの花)を みる

 

⇒ 4月16日の徳川園①(ボタンの花)を みる

 

 3月27日の徳川園(春空を目指して咲くアンズ)を みる


  3月5日の徳川園(開き始めた春の花 ウメ・マンサク・オウバイなど)を みる

 

 2月20日の徳川園(冬ボタン展示の最終日に) を みる

 

 2月11日の徳川園(開き始めた春花・フクジュソウなど) を みる

 

 1月29日の徳川園(冬ボタンのはな) を みる

 

 1月15日の徳川園(冬ボタンのはな) を みる

 

 1月11日の徳川園(園で見られた、3つの美しいもの) を みる

 

 1月4日の徳川園(冬ボタンの花、美しく哀しい花) を みる

 

 12月5日の徳川園(紅葉、この心高ぶるもの) を みる

 

 11月28日の徳川園(紅き野に思ふ) を みる

 

 11月13日の徳川園(紅葉の日本庭園は、自然の宝石箱) を みる

 

 11月6日の徳川園(千両・万両、両手に受けて) を みる

 

 10月23日の徳川園(美しく咲くツワブキ、つややかなサンシュユ果実) を みる

 

 10月17日の徳川園(ツリバナの果実の美しさ) を みる

 

 10月10日の徳川園(寒ボタンの美しい花姿) を みる

 

 10月2日の徳川園(シュウカイドウ・スイレンの美しさ、武家装束展) を みる

 

 9月18日 血潮の色のヒガンバナ(2021年徳川園) を みる

 

 8月21日 カブトムシの唄、秋の花咲く(2021年 徳川園) を みる

 

 8月1日 カノコユリ、そしてホトトギス(2021年 徳川園) を みる

 

  8月1日 タカサゴユリ、そしてシュウカイドウ(2021年 徳川園) を みる

 

 7月25日 刀剣乱舞の世界・徳川美術館(2021年 徳川園) を みる


 7月13日 夕刻に見た花たち(2021年 徳川園) を みる

 

 6月15日 ハナショウブと和傘の光景、そして刀剣乱舞 (2021年 徳川園) を みる

 

 5月8日 スイレンやショウブなど、水辺の花(2021年 徳川園) を みる

 

 4月26日 鯉のぼりと、ボタンなど、春の花(2021年 徳川園) を みる

 

 4月11日 咲き競うボタンの花に(2021年 徳川園)を みる

 

 3月28日 ツバキなどの花(2021年 徳川園) を みる 

 

 2月21日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) を みる 

 

 2月9日 ウメやボケの花(2021年 徳川園) を みる

 

 1月9日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) を みる

 

 12月19日 サザンカの花、赤い果実たち(2020年 徳川園) を みる

 

 11月2日 寒ボタンの花(2020年 徳川園) を みる