徳川園
龍仙湖。
その水の色も、冬と異なりやわらかくなりました。
徳川園
大曽根門(北出入口)から入り、すぐに目にする光景です。
ボタン園
4月中旬頃には、美しいボタンの花が見られるでしょう。
ボタンの花のつぼみ
徳川園、4月のイベントのお知らせ
4月9日から24日まで、「牡丹祭」と称し、園内でイベントがあるようです。
・・・・・・・・・・・・
徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。
名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。
JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。
平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。
自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。
小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。
園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。
【徳川園について(公式サイト掲載文)】
徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。
当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。
光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。
昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。
昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。
・・・・・・・・・・・・
アンズ(杏/バラ科 サクラ属 落葉小高木)
生薬名:キョウニン(杏仁) ※種子(仁)を用います。
ウメの花と同じく、2月には咲き始める者があるアンズの花。
淡いピンクの花びらは、春色の青空によく映えます。
そろそろこの花とも、お別れの時期になっています(花期が過ぎつつあります)。
太い幹から、10ほどの花を持つ枝が突き出していました。
その姿を美しいと思い、少しずつ角度を変えながら、何度もシャッターを押しました。
アンズは中国北部原産の商物、中国では古くから栽培されています。
三国時代の呉の名医とされる董奉は、貧者から治療代をもらわず、そのかわりにアンズの木を植えさせると、数年経ただけで、アンズの林が出来たという故事から、「杏林」というのが、医師を示す言葉にもなっています。
やや苦みを持つ種子は、中華スイーツ・杏仁豆腐(あんにんどうふ)の、白いゼリーのようなものを作る原料にもなっています。
日本には、奈良時代に薬用植物として渡って来たものです。
薬とするのはアーモンド形した種子で、生薬・キョウニン(杏仁)と呼ばれます。
セキを抑える要薬として、漢方薬に配合されています。
今も、とても多く用いられています。
《セキ止め漢方薬の、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)が、特に多く用いられています》
アンズは、小型のモモを思わせる果実を結びます。
それはアプリコット(英名)と呼ばれ、スイーツとして食されます。
【 キョウニン(杏仁) 性味:苦、温 有毒 帰経:肺・大腸 効能:止咳、平咳、通便 】
【 キョウニンが配合される漢方薬: 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう) 潤腸湯(じゅんちょうとう) 】
アンズの花 ①
徳川園の東側(茶室風の休憩所の前/梅の木の近く)
アンズの花 ②
花をいっぱいにつけるこの枝を、少しずつ角度を変えながら、何枚も画像を撮りました。
アンズの花 ③
角度を少し変えるだけで、背後の色が変わります。
雰囲気が一転することも、あるのです。
アンズの花 ④
PCの、背景画像にもなりそうです。
ボケ(木瓜/バラ科 ボケ属 落葉低木)
生薬名:ボケ・木瓜 ※ボケの果実を用います。
1月に花を開き始めたボケ。
3月に入り次々と花を開き始め、もう満開(満開過ぎ)と言ってよい状態です。
咲き始めの頃のダイダイ色ではなく、花色が濃さを増して朱色に傾き、深みを増しています。
ボケは、「戦国の風雲児・織田信長(織田家)の家紋」としても、知られる花です。
(織田木瓜紋)
信長を好ましいと思う者には「情熱の色」と、嫌う者には「粛清の血の色」と感じられるでしょう。
秋にゴルフボール大の果実を結ぶので、ボケ(木瓜)と命名されました。
酸味が強いため食用にされませが、果実(生薬名・モッカ)を神経痛・腹痛に、果実酒を滋養強壮に用います。
通常3~4月頃に花を咲かせますが、さかのぼって、前年12月頃から少数の花が咲いているのを、目にする事もあります。
花の色は、この深赤紅や、ピンク色があります。
ボケは中国原産の植物、日本には花の観賞用として入れられたものと思われます。
【 モッカ(木瓜) 性味:酸、温 帰経:肝・脾 効能:舒筋活絡、和胃化痰 】
【 モッカが配合される漢方薬: 木瓜湯(もっかとう)、舒筋丸(じょきんがん) 】
オウバイ(黄梅/モクセイ科 オウバイ属 つる性落葉低木)
ボタン園の入口に植えられているオウバイ。
20花ほどは咲いていたでしょうか、まだ咲き始めの状態、オウバイはこれから多くの花を咲かせます。
良く花姿を目にしはしますが、日本ではいまひとつ馴染みになり切れない植物。
中国では「迎春花」と呼ばれる縁起の良い花とされています。
初春に花をつける事から、そう呼ばれています。
花を煎じ、得られた液を服用し、利尿薬として用います。
(伝えられて来た民間薬の知識で、日本で薬として許可されているものではありませn)
オウバイの花
ミツマタ(三椏/ジンチョウゲ科 ミツマタ属 落葉性低木)
大輪のミツマタの花。
印象的な花の形、そして何より、枝が必ず3つに分岐する(三つ又)のがこの植物の最大の特徴です。
手まりを思わせる、愛らしい外見。
お子さんを連れたかたが何組もこの前で立ち止まり、「かわいい花だね」と語りかけていました。
ミツマタは実際に役に立っていた植物です。
樹皮の線維から、和紙を作っていました。
(紙漉きをすることで)
中国中南部やヒマラヤ地方が原産の植物です。
花には、花びら(花弁)がなく、筒状のものは、がく筒です。
ミツマタの花 ①
ウメ(梅/バラ科 サクラ属 落葉小高木)
生薬名:ウバイ(烏梅) ※未熟果実を用います。
ウメの花の多くは、もう花が散り始めていました。
「この世界に、春がしみ込み始めた」と、そんな気持ちになります。
まだ開いている花は、甘く酸っぱい香りを漂わせていました。
ウメは中国中部原産の植物で、古い時代に日本に渡って来ました。
果実は、梅干し・梅酒・梅シロップなどに加工されます。日本人になじみ深い食材です。
未熟果実は燻蒸し(黒くいぶして)、生薬・ウバイ(烏梅)にします。
下痢止め、寄生虫駆除、下血、ノドの渇きなどの、不調改善に役立ちます。
【 ウバイ(烏梅) 性味:酸・渋、温 帰経:肝・脾・肺・大腸 効能:止渇・止嘔・止瀉・安蛔 】
【 ウバイが配合される漢方薬: 烏梅丸(うばいがん/日本での販売なし)、日本では梅肉エキスや西洋人参烏梅など 】
フッキソウ(富貴草/ツゲ科 フッキソウ属 常緑小低木)
「ようやく開き始めたな」と思いながら先週見ていたフッキソウの花も、どうやら最盛期を過ぎたもののようです。
花の命は、本当にはかないものです。
フッキソウは春に白い花を咲かせる木(木本)で、山野で目にします。
山野草として扱われはしますが、身近で植えられていることも多いのです。
《名古屋では、名古屋市役所近くの道路の分離帯(外堀通り、東西に走る道路)に、徳川園のような日本庭園に、その姿を見ることが出来ます》
フッキソウは、日本を含む東アジアに分布しています。
公園や庭園のグランドカバーとして(冬でも緑を失わないものが選ばれる)、植えられているのを目にします。
暑さや寒さや、そして車の廃棄ガスなどにも耐える力、強い生命力を持っています。
茎が地面を這うようにして伸び、その先端が立ち上がり、花を見せてくれます。
冬には、果実を目にします。
直径1cmほどの白い小さな果実。やや甘味を持った果肉、果実の中には種子がひとつ入っています。
この白い果実が、印象として上品に、そして裕福であるようにも見えるため、フッキソウ(富貴草)の名になったとされます。
休憩所の風景
徳川園の敷地・南東側、茶室風の休憩所の建物です。
休憩所近くの滝
徳川園の風景
七五三でしょうか、ご家族が皆みなさん笑顔です。
他の方が見ても、笑顔になる、幸せな光景です。
ミツバツツジ(三葉躑躅/ツツジ科 ツツジ属 落葉低木)
ミツバツツジの花は、また独特の色合いで、遠くにあっても、ひとの目をひきつけます。
美しい淡ピンク色は、やはり山野にいても目に入り、心あたたかくしてくれる印象です。
ミツバツツジのオシベが5本である事が特徴、他のツツジは10本である事が多いです。
ミツバツツジの花が咲き始めました
カエデ(日本では楓、中国では槭/ムクロジ科 カエデ属 落葉高木)
直径3~5mm程のサイズのカエデの花です。大量に咲いています。
花開いた姿は、超ミニサイズの、ザクロ果実が裂けたような印象で、目に映るのです。
日本で見られるカエデ種は26種もあるとされ、葉が「カエルの手の形(蝦手)」に似ているので、この名前になりました。
日本庭園には欠かせない樹、春は新緑が美しく、夏は木陰から見上げる青さが美しく、秋は紅葉が美しいものです。
世界では128種が確認され、その多くはアジアで自生しています。
写真を撮ろうと毎年奮闘しますが、その小ささゆえに、なかなかうまく捉えられません。
カエデそのものは薬にはされませんが、カエデ科の他の植物では、メグスリノキ(目薬の木)が、内服・外用で、視力を守る・目を守る民間薬として、用いられています。
(枝や葉を煎じて、その液を、お茶として服用します)
リキュバイ(利休梅/バラ科 ヤナギザクラ属 落葉低木)
リキュウバイは、中国原産の木で、梅咲ウツギ・ウツギモドキなどの別名で呼ばれます。
なるほど、白花の印象は、日本の野山で見るウツギの花を連想させます。
茶人・千利休が愛でたのかと思いきや、この植物が日本に入って来たのが明治時代末とされるので、利休との直接の関係はありません。
しかしその清楚な花が茶花とされる事もあり、この名がつけられたのでしょう。
寒さによく耐えるため、庭木・公園木として植えられているようです。
リキュウバイの花
黒門(南出入口)から入場し、すぐに小さな橋を渡り、その先(突き当り)5mくらいの場所で咲いています。
徳川園の風景
茶室前の風景
大曽根門
コイのエサの販売が再開されました。
それは、冬が終わり、春になった証でもあります。
⇒ 3月27日の 日本庭園・徳川園 ② につづく
・・・・・・・・・・・・
⇒ 3月27日の徳川園①(春空を目指して咲くアンズ)を みる
⇒ 3月5日の徳川園(開き始めた春の花 ウメ・マンサク・オウバイなど)を みる
⇒ 2月20日の徳川園(冬ボタン展示の最終日に) を みる
⇒ 2月11日の徳川園(開き始めた春花・フクジュソウなど) を みる
⇒ 1月29日の徳川園(冬ボタンのはな) を みる
⇒ 1月15日の徳川園(冬ボタンのはな) を みる
⇒ 1月11日の徳川園(園で見られた、3つの美しいもの) を みる
⇒ 1月4日の徳川園(冬ボタンの花、美しく哀しい花) を みる
⇒ 12月5日の徳川園(紅葉、この心高ぶるもの) を みる
⇒ 11月28日の徳川園(紅き野に思ふ) を みる
⇒ 11月13日の徳川園(紅葉の日本庭園は、自然の宝石箱) を みる
⇒ 11月6日の徳川園(千両・万両、両手に受けて) を みる
⇒ 10月23日の徳川園(美しく咲くツワブキ、つややかなサンシュユ果実) を みる
⇒ 10月17日の徳川園(ツリバナの果実の美しさ) を みる
⇒ 10月10日の徳川園(寒ボタンの美しい花姿) を みる
⇒ 10月2日の徳川園(シュウカイドウ・スイレンの美しさ、武家装束展) を みる
⇒ 9月18日 血潮の色のヒガンバナ(2021年徳川園) を みる
⇒ 8月21日 カブトムシの唄、秋の花咲く(2021年 徳川園) を みる
⇒ 8月1日 カノコユリ、そしてホトトギス(2021年 徳川園) を みる
8月1日 タカサゴユリ、そしてシュウカイドウ(2021年 徳川園) を みる
⇒ 7月25日 刀剣乱舞の世界・徳川美術館(2021年 徳川園) を みる
⇒ 7月13日 夕刻に見た花たち(2021年 徳川園) を みる
⇒ 6月15日 ハナショウブと和傘の光景、そして刀剣乱舞 (2021年 徳川園) を みる
⇒ 5月8日 スイレンやショウブなど、水辺の花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 4月26日 鯉のぼりと、ボタンなど、春の花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 4月11日 咲き競うボタンの花に(2021年 徳川園)を みる
⇒ 3月28日 ツバキなどの花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 2月21日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 2月9日 ウメやボケの花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 1月9日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) を みる
⇒ 12月19日 サザンカの花、赤い果実たち(2020年 徳川園) を みる
⇒ 11月2日 寒ボタンの花(2020年 徳川園) を みる