(徳川園 10月23日)

徳川園の風景(入場は有料)

徳川園は、名古屋の街の中(名古屋駅発の、定期ルートを回る観光バスで20分ほど)にある、日本庭園です。

隣接する徳川美術館では、尾張徳川家の所蔵品を中心にした、さまざまな美術展が催されています。

 

 

 (徳川園 10月23日)

徳川園・龍仙湖

コイたちが泳ぐ姿、空を飛ぶように。

 

 

 (徳川園 10月23日)

徳川園の風景

碧に鈍く光る龍仙湖の湖面と、観月楼。

 

 

 (徳川園 10月23日)

子どもたちが、コイにえさをやっています

 

 

 (徳川園 10月23日)

スイレンの葉

柔らかな日差しと、それを身体に取り入れようとするスイレン。

命を養うための、秋の一日。

 

 

 

 

2021年10月23日・午後から、日本庭園・徳川園(名古屋市 東区)に入場しました。

 

 

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徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。

 

 名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。

 JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。

 平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。

 

 自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。

 

 小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。

 園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。

 

 

【徳川園について(公式サイト掲載文)】

 徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。

 光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。

 昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。  

 昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。

 

 

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ツワブキ(徳川園 10月23日)

ツワブキ(石蕗、艶蕗/キク科 ツワブキ属 常緑多年草)

 ツワブキは、鮮やかな黄色い色の花を咲かせます。

 葉がつやつやしている事から、「艶蕗(つやぶき)」が転化した名前とも言われます(名の由来には諸説あります)。

 徳川園でのツワブキはまだ咲き始めで、まだほとんどがツボミの形です。11月・12月に、たくさんの花を咲かせます。

 草丈は、30cm~60cmほどです。

 

 ツワブキは常緑多年草、その名のように、フキのような丸い葉をつけます。通常のフキは夏に葉を落としますが、このツワブキは年中つややかな葉をつけています。

 街中の公園に、道路の分離帯の緑地に、家庭の庭に、そして日本庭園に、その姿を見ることが出来ます。

 

 フキ様の丸い葉を、火であぶって手でもむことで軟らかくして、打撲・切傷・腫物の部分にあてて用います。

 根茎を煎じて服用すれば、胃腸不快を治すものでもあります。

 

 魚の中毒にも対応するとされ、猛毒のフグや、カツオの中毒に良いと伝えられます。

 (実際には、猛毒のフグ毒などは、十分に解毒出来ないものでしょう)

 

 煎液や、葉のしぼり汁を用います。

 今は試すひともいませんが、初ガツオが季節の風物とされた江戸の町では、これが試されたのかも知れません。

 (葉には強い抗菌作用があるのですが、一部成分に毒性があり、大量に用いるのはお奨め出来ません)

 

 

ツワブキ(徳川園 10月23日)

ツワブキの花と、蜂

 

 

ツワブキ(徳川園 10月23日)

ツワブキの花と、蝶

 

 

ツワブキ(徳川園 10月23日)

ツワブキのツボミ

 

 

 

 

 

 

 

ツリバナ(徳川園 10月23日)

ツリバナ(吊り花/ニシキギ科 ニシキギ属 落葉低木)

 秋の日に美しく、ツリバナの果実。朱色のタネが外に出て、ひとの目をひきます。

 茶室の前で姿を見せていた、ツリバナの果実です。

 

 ツリバナの直径1cmほどの果実は朱色でよく目立つもの、その外皮が5つに割れて、中から種子が顔をのぞかせます。

 秋に紅葉する姿は、とても美しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 チャノキ(徳川園 10月23日)

チャノキ(茶の木/ツバキ科 ツバキ属 常緑樹)

生薬名:チャヨウ(茶葉)  性味:苦・甘、涼  帰経:肺・胃  効能:清頭目・利尿

 

 チャノキは、ツバキ科の常緑樹です。

 チャノキ(茶ノ木)やチャジュ(茶樹)と記され、チャ(茶)と呼ばれることもあります。

 インド・ベトナム・中国西南部辺りが、原産の地ではないかとされます。

 

 徳川園では、茶室・瑞龍亭の前で咲いていました。

 もう1カ月近く、花を見せ続けています。花は多かったり、少なかったり、訪れる時によってかなり数が異なっていました。

 

 お茶(飲料とされるもの)は、チャノキの新葉を摘み、加熱処理して発酵を防いだものです。

 (蒸した後、手などで揉んで、その後乾燥します。そして、火入れします)

 

 味わい深く感じさせるのがアミノ酸と、カフェインなどのアルカロイドが含まれ、日本でも奈良時代頃にはすでに嗜好品として愛されていました。

 

 葉はタンニンなども含み、「ノドの渇き・下痢・食べ過ぎ」に良く働くもの。

 種子は、「痰の出やすいセキ」に良く働くとされます。

 

 

【チャヨウ(茶葉) 性味:苦・甘、  帰経:肺・胃  効能:清頭目・利尿 

【チャヨウを配合した漢方薬  川茶調散(せんきゅう ちゃちょうさん)

 

 

 

 

 

 

 

ホトトギス(徳川園 10月23日)

ホトトギス(杜鵑草/ユリ科 ホトトギス属  多年草)

 ホトトギスも長い花期、8月に咲き始め、9・10月も花姿が見られます。

 ショウブ園脇にある水路沿いにで、複数のホトトギスの株が、花を見せています。

 

 ホトトギスは、山地の半日陰に育つ、日本の固有種です。

 花の模様が、快い唄を聞かせる鳥・ホトトギスの、胸の模様に似ているので、この名がつけられました。

 

 ホトトギスの花は、上を向いて咲きます。

 ヤマジノホトトギスの花は、花びらがさらに開いて、平開するようになります。

 ヤマホトトギスの花は、花びらがさらに開いて下のほうに下がります。

 

 「花期が長い」「生命力がとても強い」「花の色合いに、深い味わいがある」の特徴があるため、観賞用として、庭に植えられえることも多くあります。

 

 

 

 

 

 

 

ナンテン(徳川園 10月23日)

ナンテン(南天/メギ科 ナンテン属 常緑低木)

生薬名:ナンテンジツ(南天実)  ※ナンテンの果実を用います。

 

 ナンテンは、『 難(なん)を転じ、幸運へと変える 』とされ、庭に植えられる事も多いからです。

 冬も落葉しない常緑低木(メギ科)、半日陰も気にせず、折れた枝を無造作に地面に着き立てれば根付く、強い生命力を持ちます。

 秋に赤く色付く丸い果実も(白果実のシロミノナンテンもある)、紅葉する葉も、美しいものです。

 

 漢方処方に用いられる例を知りませんが、中国でも日本でも古くから民間薬として使われています。

 

 《薬用部位・果実の日本での呼び名は、ナンテンジツ(南天実)。中国での呼び名は、ナンテンチクシ(南天竹子))》

 

 

 若い世代の方はご存知ないのでしょう。

 15年程前まででしょうか、ナンテン果実を配合した「ノド飴(赤い缶入りの、南天のど飴)」のTVコマーシャルが、繰り返し放送されていました。

 そんな事から、「ナンテンはノド薬だ」とよく知られています。

 

 果実5~10gを600mlの水で、半量になるまで煎じます。出来た液を、1日3回に分けて服用します。

 セキ止めに役立ち、カゼに、そして百日咳にも用います。葉を噛んでいると、乗り物酔いに良いと言われます。

 

 ナンテンの花言葉は、「私の愛は増すばかり」です。

 

 赤飯の上にナンテン葉を乗せる習慣がありますが、これは彩りを添える意味ばかりでなく、炊き上がった赤飯の熱と蒸気により葉から微量のシアン化水素が発生し、それが赤飯の腐敗を一定期間防ぐのです。

 どなたかの実体験が、役立つ知識として延々伝えられて来たものなのでしょう。

 

 

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 私は長い間、薬草販売の企業に勤めていました。

 

 カゼが流行する冬場、ナンテン実の小分品500gの注文を多くの薬屋さんからいただきます。

 その際面白いと思うのは、「白ナンテンが欲しい」の要望が強い事です。

 

 なぜなのか、記されている文献は見当たりません。

 

 これは、肺が属す色は白なので(五行色帯表の五色)、白色果実の方が薬効が高いと捉えたからだろうと理解しています。

 

 民間薬事典には、「赤も白も、薬効に違いはない」と書かれています。白ナンテン果実が高値なので、赤ナンテン果実を水に晒し脱色したものが市場に出ている事があります。

 

 木部は、オウバク(黄柏/百草丸・陀羅尼助丸の主薬)を思わす鮮やかな黄色。

 

 中国では当初枝や葉を止瀉薬として用いていました。これは木部が黄色いため、その外観から「止瀉薬に良いオウバクと同薬効」と見立てたからでしょう。止瀉薬としては十分な薬効がなかった事から、今はその用途には使われません。

 

 セキ止めとして用いている現在、一般的には果実を煎じ(湯で煮る)、煎液を服用しています。

 お子さんには、煎液にハチミツ(乳児はハチミツ禁忌/命にかかわりますから、絶対にハチミツは食べさせないでください/ポツリヌス菌)や水飴を溶かし、飲みやすくして与えます。

 

【ナンテン(南天)  性味:酸・甘、平(有毒)  効能:止咳

 

 

 

 

 

 

 

ニシキギ(徳川園 10月23日)

ニシキギ(錦木/ニシキギ科 ニシキギ属 )

 枝に、カミソリの刃が突き立っているような、ニシキギの木。

 その枝の突出部を、翼(よく)と呼び、2~4枚の翼がついています。

 

 この枝を採り、心痛の薬として用います(煎じて、出来た液を服用します)。また、これを黒焼きにしてご飯粒で練り患部に貼れば、トゲ抜きに役立つとされます。

 ニシキギの木の葉は、美しく紅葉する葉です。

 

 

 

 

 

 

 

(徳川園 10月23日)

木の実①

これは、何の実でしょう?

恥ずかしながら、ご存知のかたは、教えてくださいませんか。

 

 

(徳川園 10月23日)

木の実②

 

 

 

 

 

 

 

 モッコク(徳川園 10月23日)

モッコク(木斛/モッコク科 モッコク属 常緑高木)

 美しく整った樹形になるため、庭木とされる事も多い常緑高木です。

 モチノキやマツと並び、「庭木の王」と呼ばれます。

 

 紅い果実が目に鮮やか、小さなリンゴを思わせる外観です。しかし果肉は薄く、大きなタネが複数入っています。

 

 

 

 

 

 サンシュユ(徳川園 10月23日)

サンシュユ(山茱萸/ミズキ科 ミズキ属 落葉小高木)

生薬名:サンシュユ(山茱萸)  ※熟した果実を用います

 

 ああっ、とてもいい感じ。

 秋の陽に照らされて輝く、サンシュユの実の赤さ。

 命あるものの、美しい赤さ。

 

 サンシュユ果実は熟し、つややかな赤色になっています。

 その赤くつややかな果実を薬とするため、江戸時代に大陸から運ばれ、日本に定着しました(もともと日本では見られない植物でした)。

 

 秋には、赤いつややかな果実が鈴なりになるのが好まれます。

 春には、枝一杯に黄色い咲く花が好まれ(ハルコガネの別名がある)ます。

 サンシュユは観賞用樹として愛されていて、今も、庭木として、公園樹として、目にすることがあります。

 

 赤くつややかな果実は、見た目、甘くておいしそうなのです。

 しかし食べると甘味はほとんどなく、酸味と渋味が強いものです。

 生薬としての薬効について、果実が持つ酸味・渋味で、「身体からの(体液の)漏れ」を防ぎます。それは、身体消耗を防ぐ意味(薬効)を持ちます。

 それは、「これ以上、衰えさせない・衰えを許したくない」の患者に対して、用いるという意味です。

 

 

【サンシュユ(山茱萸) 性味:酸・渋、微温  帰経:肝・腎  効能:補肝腎・補陰・固精・止汗

【サンシュウを含んだ漢方薬:六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

 

 サンシュユ(徳川園 10月23日)

サンシュユの果実①

ひとつ上の画像と、光の具合が少し違います。

 

 

サンシュユ(徳川園 10月23日)

サンシュユの果実②

 

 

 

 

 

 

 

 ヤブラン(徳川園 10月23日)

ヤブラン(藪蘭/キジカクシ科 ヤブラン属 多年草)  ※リリオペや、サマームスカリと呼ばれることがあります。

 徳川園のヤブランは、その果実のほとんどが熟して、黒色に変わっていました。

 未熟な果実は緑色、熟したものは黒色です。

 

 ヤブランは、東アジアに見られる植物。花色は、薄フジ色~濃紫青色です。さわやかな青空の色です。

 公園の植え込みにされるため(冬でも枯れないので、グランドカバーにされます)、植物に興味のないかたも、この花は目にしていることが多いです。

 

 葉はとがった長い剣のよう、花穂は20~40cmほどで、そこには淡紫色の小さな花が30以上も咲いています。

 秋に、それは多数の丸い果実になります。直径1cmほどで、秋には緑、冬には黒色(紫黒色)に、色づきます。

 

 根の途中が肥大化し、そこを肺の機能を高めるバクモンドウ(麦門冬/ジャノヒゲの根の途中の肥大部)の、代用に出来るとされます(現在は、用いられない状態です)。

 

 しかし代用というのは、本家(バクモンドウ)の薬効より、作用が落ちるということです。

 

【バクモンドウ(麦門冬)  性味:甘・微苦、微寒  帰経:心・肺・胃  効能:補陰・潤肺・止咳 】

【バクモンドウが配合された漢方薬  麦門冬湯(ばくもんどうとう)  温経湯(うんけいとう)など 】

 

※ヤブランの丸い珠(果実)は、地面に向かって投げると、ポンっとはね返って来ます。

全ゴム製で、子どもが喜んで遊ぶスーパーボールのようです。

 

 

 

 

 

 

 

 コムラサキ(徳川園 10月23日)

コムラサキ(小紫/シソ科 ムラサキシキブ属 落葉低木

 これは、葉の先半分が鋸歯になっているので、ムラサキシキブではなく、「コムラサキ」です。

 (ムラサキシキブは、葉の全体が鋸歯になっています/ムラサキシキブは、コムラサキとは別種です)

 

 小さな粒ですが、深い紫色の果実は美しく、数多く実る特性です。

 庭園に、観賞用として植えられていることが多くあります。

 

小さいけれど、彩り深い紫色。

小さく鋭く登る朝日や、大きくゆるやかに揺れる夕焼けや、そんな太陽や空の色の移ろいを、ためこんだような果実の彩り。

 

 

 

 

 

 

 

 (徳川園 10月23日)

観月楼(徳川園)

 

 

 (徳川園 10月23日)

観月楼②

 

 

 (徳川園 10月23日)

幸せの風景

観月楼では、披露宴。宴たけなわ。

新婦の衣装には、菊の花が美しくデザインされています。

みなさまに。

どうか、末永く、お幸せに。

 

 

 (徳川園 10月23日)

徳川園で撮影、新郎・新婦

結婚式の前撮りでしょうか、末永くお幸せに。

 

 

 

 

 

 

 

 コフクザクラ(徳川園 10月23日)

コフクザクラ(子福桜/バラ科 サクラ属 落陽高木)

 花期は、10月~4月頃。コヒガン(マメザクラとエドヒガンの交雑種)と、カラミザクラ(シナミザクラ/中国桜桃)

の交雑種で、八重咲きの花です。

 

 春と秋と、1年に2度花を見せてくれます。

 

 

 冬の桜 (徳川園 10月23日)

これはまた別種のサクラ①

 

 

 

 

 

 

 

 シュウカイドウ(徳川園 10月23日)

シュウカイドウ(秋海棠/シュウカイドウ科 シュウカイドウ属 多年草・球根植物)

 「秋」の名がつくシュウカイドウが、美しく咲いています。

 長い花期も、いまが盛りと言って良いと思います。

 徳川園の東側の高台、水琴窟(すいきんくつ)を見下ろす状態で咲いています。

 

 シュウカイドウは、もう1カ月ほど花を見せ続けてくれています。結構、長い花期です。

俳句では、秋の季語です。

 シュウカイドウは、中国大陸・マレー半島に分布する植物。

 日本には江戸時代に園芸用として持ち込まれた、帰化植物です。

 

 湿気が多く、(直射日光では温度が上がり過ぎるのですが)明るい場所を好みます。

九州以北では、定着し野生化しています。

 同属の多くの種が栽培され、それらはベゴニアの名で呼ばれています。

 (シュウカイドウは、ベゴニアとは呼ばれません)

 

 別名として、相思草、断腸花などとも呼ばれることがあります。

 そんな名を知ると、何か深い物語が隠れていそうな気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 ヤブミョウガ(徳川園 10月23日)

ヤブミョウガ(藪茗荷/ツユクサ科 ヤブミョウガ属 多年草)

 

 徳川園、日陰には、ヤブミョウガが多く見られます。

 それらは花期を終え、黒い果実を、いくつもつけていました。

 

 東アジアに分布する植物、ヤブミョウガ。

 湿気の多い所を好み、家屋の敷地、ヤブ、湿地などで、この時期、花を目にすることも多い植物です。

 

 ミョウガの名を持つのですが、ミョウガはショウガ科なので、花の作り・体の作りが、異なっています。

 (葉が2列に出ない、葉の表面がざらつく など)

 

 いちどもそれをした事はありませんが、若芽(葉が開き切らないもの)は、塩ゆでをして・熱をかけて(汁物・炒めもの)、食べることが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 ソヨゴ(徳川園 10月23日)

ソヨゴ(冬青、戦/モチノキ科 モチノキ属 常緑広葉樹小高木)

 風にそよいで(戦いで)、その葉が印象的な音を立てることから、ソヨゴと呼ばれるようになったとされます。

 中国・台湾に、そして日本の関東以西の本州・四国・九州に多く見られます。雌雄異株。

 

 果実が赤く色づき、鈴なりになるため、その姿が好まれ、庭木として植えられることが多くあります。

 成長の遅い木で、そのため幹は材として堅くて緻密。そろばんの珠や櫛(くし)に加工され、葉はタンニンを多く含むため褐色の染料として用いられ、他のモチノキ科の樹と同様に樹皮からネバネバと粘るトリモチを取ることが出来ます(樹皮を水にさらして、木部を除く)。

 

 

 

 

 

 

 

 キキョウ(徳川園 10月23日)

キキョウ(桔梗/キキョウ科 キキョウ属 多年草)

生薬名:キキョウ(桔梗)   ※キキョウの根

 茶室風の休憩所横で咲く、キキョウの花。

 秋が進み、冬が近づくという時の流れの中、キキョウの花に会える機会も、残り少なくなってきました。

 

 キキョウは昔、「朝貌(あさがお)の花」と呼ばれました。

 

 つぼみは風船のようにも感じるもので、バルーンフラワーと呼ばれてもいます。

 秋の七草(おみなえし・すすき・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くず・はぎ)に数えられるもので、それはかって多く見られたという意味なのですが、日本の野山ではもうほどんど、目にすることが出来なくなっています。

 

 開花後にはまずオシベが元気よく展開し、しばらくするとそれは失われ、続いてメシベが成熟します。

 画像のものは、オシベが枯れて無くなった状態のものです(開花してからしばらくたった)。

 

 薬用ニンジンのように太る根を、薬として用います。

 

民間薬的な用いかた

ノドが腫れて痛むとき

 キキョウの根3gを1日量として煎じて(またはキキョウの根2gに、他植物のカンゾウ(甘草)3gを加えて)、1日2回・口内に含んでから、ゆっくりゆっくり飲みます。

化膿性の腫れ物が痛むとき

 キキョウの根1g、シャクヤクの根とキジツをそれぞれ3gを、粉末にして混ぜ合わせ、1回量2~3gを取って、卵の黄身1個分を加えてかき混ぜ、白湯で飲みます。1日に1~2回飲みます。

 

 

 漢方でも、ノドの薬とします。単独でも用いますが、肺熱(ノドの痛み、発作的に続くセキ)を抑えるセッコウとあわせることが多いものです。

 鉱石なので重いセッコウを、その薬理作業を、ノドへと持ち上げるために必要な、『 船楫(せんしょう/ふなかじ)の剤 』として重要なものです。

 

【キキョウ(桔梗)  性味:苦・辛、平  帰経:肺  薬効:止咳・袪痰・排膿

【キキョウを含んだ漢方薬: 銀翹散(ぎんぎょうさん)、参蘇飲(じんそいん)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

 

 

 

 

 

 

 

 (徳川園 10月23日)

龍仙湖の風景①

 

 

 (徳川園 10月23日)

龍仙湖の風景② コイたち

 

 

 

 

 

 

 

 オリーブ(徳川園 10月23日)

オリーブ(モクセイ科 常緑高木)

 家の近く、路地植えのオリーブの樹。

(徳川園内ではありません)

 

 たくさんの果実をつけています。

 未熟果は薄緑色、成熟すると赤味を帯び、完熟で黒色になります。

 

 地中海沿岸を原産とする植物、明治11年のパリ万博で入手した株が、日本に運ばれた最初のオリーブとされます。

 

 オリーブの果実は、熟すと、緑色から濃黒赤色に変わります。

 生食すると苦味がありますが、加熱するか、塩漬けにすれば、苦味が和らぎ食べることが出来ます。

 

 果実を絞ると、オリーブ油が採れます。酸化され難いオレイン酸を含み、食用の他に、化粧品や、石鹸に加工されます。

 

 

 

 

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