(徳川園 10月)

徳川園の風景(入場は有料)

徳川園は、名古屋の街の中(名古屋駅発の、定期ルートを回る観光バスで20分ほど)にある、日本庭園です。

隣接する徳川美術館では、尾張徳川家の所蔵品を中心にした、さまざまな美術展が催されています。

 

 

(徳川園 10月)

龍仙湖

小さなお嬢ちゃんが、かわいい着物。七五三でしょうか。良い陽射し、良い風景です。

 

 

(徳川園 10月)

ボタン園の様子

ボタンはまだ花期ではないので、一帯が静かです。

(冬ボタンが年末~1月の花期、本来のボタンは4月中旬~5月初旬が花期です)

 

 

(徳川園 10月)

徳川園の風景

空の色、美しい青色の世界。

 

 

 

 

 2021年10月17日・朝10時頃に、日本庭園・徳川園(名古屋市 東区)に入場しました。

 

 

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 徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。

 

 名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。

 JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。

 平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。

 

 自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。

 

 小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。

園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。

 

 

【徳川園について(公式サイト掲載文)】

 徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。

 光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。

 昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。

 

 

 

 

 

 

 

ツリバナ(徳川園 10月)

ツリバナ(吊り花/ニシキギ科 ニシキギ属 落葉低木)

 秋の日に美しく、ツリバナの果実。朱色のタネが外に出て、ひとの目をひきます。

 キラキラ輝くその時の風景が、みなさまに、画像から伝わればうれしいです。

 

 ツリバナの直径1cmほどの果実は朱色でよく目立つもの、その外皮が5つに割れて、中から種子が顔をのぞかせます。

 

 秋に紅葉する姿は、とても美しいものです。

 

 

ツリバナ(徳川園 10月)

ツリバナの果実①

 

 

ツリバナ(徳川園 10月)

ツリバナの果実②

 

 

 

 

 

 

 

ホトトギス(徳川園 10月)

ホトトギス(杜鵑草/ユリ科 ホトトギス属  多年草)

 ホトトギスも長い花期、8月に咲き始め、9・10月も花姿が見られます。

 ショウブ園脇にある水路沿いにで、複数のホトトギスの株が、花を見せています。

 

 ホトトギスは、山地の半日陰に育つ、日本の固有種です。

 花の模様が、快い唄を聞かせる鳥・ホトトギスの、胸の模様に似ているので、この名がつけられました。

 

 ホトトギスの花は、上を向いて咲きます。

 ヤマジノホトトギスの花は、花びらがさらに開いて、平開するようになります。

 ヤマホトトギスの花は、花びらがさらに開いて下のほうに下がります。

 

 「花期が長い」「生命力がとても強い」「花の色合いに、深い味わいがある」の特徴があるため、観賞用として、庭に植えられえることも多くあります。

 

 

ホトトギス(徳川園 10月)

ホトトギスの花

ホトトギスの花が美しく開く。

背景は、清い水が流れています。

 

 

 

 

 

 

 

チャノキ(徳川園 10月)

チャノキ(茶の木/ツバキ科 ツバキ属 常緑樹)

生薬名:チャヨウ(茶葉)  性味:苦・甘、涼  帰経:肺・胃  効能:清頭目・利尿

 

 チャノキは、ツバキ科の常緑樹です。

 チャノキ(茶ノ木)やチャジュ(茶樹)と記され、チャ(茶)と呼ばれることもあります。

 インド・ベトナム・中国西南部辺りが、原産の地ではないかとされます。

 

 徳川園では、茶室・瑞龍亭の前で咲いていました。

 もう1カ月近く、花を見せ続けています。花は多かったり、少なかったり、訪れる時によってかなり数が異なっていました。

 

 お茶(飲料とされるもの)は、チャノキの新葉を摘み、加熱処理して発酵を防いだものです。

 (蒸した後、手などで揉んで、その後乾燥します。そして、火入れします)

 

 味わい深く感じさせるのがアミノ酸と、カフェインなどのアルカロイドが含まれ、日本でも奈良時代頃にはすでに嗜好品として愛されていました。

 

 葉はタンニンなども含み、「ノドの渇き・下痢・食べ過ぎ」に良く働くもの。

 種子は、「痰の出やすいセキ」に良く働くとされます。

 

 

【チャヨウ(茶葉) 性味:苦・甘、  帰経:肺・胃  効能:清頭目・利尿 

【チャヨウを配合した漢方薬  川茶調散(せんきゅう ちゃちょうさん)

 

 

チャノキ(徳川園 10月)

茶室の前で咲くチャノキの花

恥ずかしそうに、下を向いて咲いていました。

 

 

 

 

 

 

 

(徳川園 10月)

茶室(瑞龍亭)前から見える風景

徳川園内の北西側に、茶室があります。高台になっています。

 

 

 

 

 

 

 

キキョウ(徳川園 10月)

キキョウ(桔梗/キキョウ科 キキョウ属 多年草)

生薬名:キキョウ(桔梗)   ※キキョウの根

 茶室風の休憩所横で咲く、キキョウの花。

 秋が進み、冬が近づくという時の流れの中、キキョウの花に会える機会も、残り少なくなってきました。

 

 キキョウは昔、「朝貌(あさがお)の花」と呼ばれました。

 

 つぼみは風船のようにも感じるもので、バルーンフラワーと呼ばれてもいます。

 秋の七草(おみなえし・すすき・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くず・はぎ)に数えられるもので、それはかって多く見られたという意味なのですが、日本の野山ではもうほどんど、目にすることが出来なくなっています。

 

 開花後にはまずオシベが元気よく展開し、しばらくするとそれは失われ、続いてメシベが成熟します。

 画像のものは、オシベが枯れて無くなった状態のものです(開花してからしばらくたった)。

 

 薬用ニンジンのように太る根を、薬として用います。

 

民間薬的な用いかた

ノドが腫れて痛むとき

キキョウの根3gを1日量として煎じて(またはキキョウの根2gに、他植物のカンゾウ(甘草)3gを加えて)、1日2回・口内に含んでから、ゆっくりゆっくり飲みます。

化膿性の腫れ物が痛むとき

キキョウの根1g、シャクヤクの根とキジツをそれぞれ3gを、粉末にして混ぜ合わせ、1回量2~3gを取って、卵の黄身1個分を加えてかき混ぜ、白湯で飲みます。1日に1~2回飲みます。

 

 

 漢方でも、ノドの薬とします。単独でも用いますが、肺熱(ノドの痛み、発作的に続くセキ)を抑えるセッコウとあわせることが多いものです。

 鉱石なので重いセッコウを、その薬理作業を、ノドへと持ち上げるために必要な、『 船楫(せんしょう/ふなかじ)の剤 』として重要なものです。

 

【キキョウ(桔梗)  性味:苦・辛、平  帰経:肺  薬効:止咳・袪痰・排膿

【キキョウを含んだ漢方薬: 銀翹散(ぎんぎょうさん)、参蘇飲(じんそいん)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

 

 

 

 

 

 

 

サンザシ(徳川園 10月)

サンシュユ(山茱萸/ミズキ科 ミズキ属 落葉小高木)

生薬名:サンシュユ(山茱萸)  ※熟した果実を用います

 

 サンシュユの果実がなっています。

 果実には、そろそろ赤味がさして、熟し始めています。

 その赤くつややかな果実を薬とするため、江戸時代に大陸から運ばれ、日本に定着しました(もともと日本では見られない植物でした)。

 

 秋には、赤いつややかな果実が鈴なりになるのが好まれます。

 春には、枝一杯に黄色い咲く花が好まれ(ハルコガネの別名がある)ます。

 サンシュユは観賞用樹として愛されていて、今も、庭木として、公園樹として、目にすることがあります。

 

 赤くつややかな果実は、見た目、甘くておいしそうなのです。

 しかし食べると甘味はほとんどなく、酸味と渋味が強いものです。

 生薬としての薬効について、果実が持つ酸味・渋味で、「身体からの(体液の)漏れ」を防ぎます。それは、身体消耗を防ぐ意味(薬効)を持ちます。

 それは、「これ以上、衰えさせない・衰えを許したくない」の患者に対して、用いるという意味です。

 

 

【サンシュユ(山茱萸) 性味:酸・渋、微温  帰経:肝・腎  効能:補肝腎・補陰・固精・止汗

【サンシュウを含んだ漢方薬:六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)】

 

 

サンザシ(徳川園 10月)

サンシュユの果実

こちらは、3者赤く染まっています。

 

 

 

 

 

 

 

スイレン(徳川園 10月)

スイレン(睡蓮/スイレン科 スイレン属 水生多年草)

 スイレンも、長い間 美しい花を見せ続けてくれています。

 午後にこの場所を訪れることが多かったため、このところ、開花した状態を見られませんでした。

 (午後には、花を閉じていることが多い)

 

 スイレンの花を描いた、モネの名画が思い浮かびます。

 

 日本ではスイレン属植物は、ヒツジグサ(未草)しかなかったため。今見られるスイレン(睡蓮)は、幾つかの野生種を交配させたり、品種改良させたりして産み出されたものです。

 日本では明治時代に外来種が入れられ、スイレンの栽培が始まりました。

 ※ オニバス(スイレン科の水生一年草)の成熟した種子の仁

【ケンジツ(実)  性味:甘・渋、平  帰経:脾・腎  効能:健脾・止瀉・補腎・固精

【ケンジツを配合した漢方薬: 金鎖固精丸(きんさ こせいがん) 】

 

 

スイレン(徳川園 10月)

スイレンの花美しく

 

 

(徳川園 10月)

スイレン咲く池(龍仙湖)で

子どもたちが投げるコイのえさ、多くのコイたちが集まり、大騒ぎしています。

それを見た子どもたちも、大喜びです。

 

 

 

 

 

 

 

ハト(徳川園 10月)

ハトが行ったり来たりしています

地面の何かをついばんでいます。

いったい何を?

 

 

ドングリ(徳川園 10月)

これでしょうか

足元には小さなドングリたち。

これを行き来する人間たちが踏み割って、ハトはそれを待っていました。

 

 

ドングリ(徳川園 10月)

これなのですね

なるほど、おいしそうです。

ハトさん。ごちそう、いっぱいだね。

 

 

 

 

 

 

 

ヒトツバ(徳川園 10月)

これはなに? マムシグサの花かな?

 

 

マムシグサ(徳川園 10月)

これがマムシグサの花です

上の画像と見比べてください。

これがあるのかと、間違えてしまいました。

 

 

ヒトツバ(徳川園 10月)

違いました、ヒトツバの葉が、くるりと巻いたものでした。

 

ヒトツバ(/ウラボシ科 ヒトツバ属 シダ植物・着生植物)

 日本(関東以西の本州、琉球列島に分布)、朝鮮半島南部、中国(揚子江以南)、台湾からインドシナにかけて、分布しています。

 

 

 

 

 

 

 

ヤブラン(徳川園 10月)

ヤブラン(藪蘭/キジカクシ科 ヤブラン属 多年草)  ※リリオペや、サマームスカリと呼ばれることがあります。

 

 徳川園にはまだヤブランは、ほとんどが果実に変わっていました。

 未熟な果実は緑色、熟したものは黒色です。

 

 ヤブランは、東アジアに見られる植物。花色は、薄フジ色~濃紫青色です。さわやかな青空の色です。

 公園の植え込みにされるため(冬でも枯れないので、グランドカバーにされます)、植物に興味のないかたも、この花は目にしていることが多いです。

 

 葉はとがった長い剣のよう、花穂は20~40cmほどで、そこには淡紫色の小さな花が30以上も咲いています。

 秋に、それは多数の丸い果実になります。直径1cmほどで、秋には緑、冬には黒色(紫黒色)に、色づきます。

 

 根の途中が肥大化し、そこを肺の機能を高めるバクモンドウ(麦門冬/ジャノヒゲの根の途中の肥大部)の、代用に出来るとされます(現在は、用いられない状態です)。

 

 しかし代用というのは、本家(バクモンドウ)の薬効より、作用が落ちるということです。

 

【バクモンドウ(麦門冬)  性味:甘・微苦、微寒  帰経:心・肺・胃  効能:補陰・潤肺・止咳 

【バクモンドウが配合された漢方薬  麦門冬湯(ばくもんどうとう)  温経湯(うんけいとう)など 】

 

 

ヤブラン(徳川園 10月)

ヤブランの果実

足元に落ちていたヤブランの果実、地面に投げつけると、ポーンと戻って来ます。

ゴム製の、スーパーボールのようです。

 

 

 

 

 

 

 

コムラサキ (徳川園 10月)

コムラサキ(小紫/シソ科 ムラサキシキブ属 落葉低木)

 これは、葉の先半分が鋸歯になっているので、コムラサキです。

 (ムラサキシキブは、葉の全体が鋸歯になっています/ムラサキシキブは、コムラサキとは別種です)

 

 小さな粒ですが、深い紫色の果実は美しく、数多く実る特性です。

 庭園に、観賞用として植えられていることが多くあります。

 

 

コムラサキ(徳川園 10月)

コムラサキの花

 

 

 

 

 

 

 

(徳川園 10月)

観月楼(徳川園)

 

 

(徳川園 10月)

観月楼前から見た風景

 

 

(徳川園 10月)

楽しそうに遊んでいたご家族

家族だんらんの、良い光景です。

 

 

カフェタナカ モンブラン(徳川園 10月)

帰路に上飯田によってカフェ・タナカで、モンブランを買いました。

家族でおいしくいただきました。

上手に作られたケーキです。

栗の部分は甘く、生クリームは甘さを抑えて、核になる部分には甘い糖のかたまりが入れられています。

食べると笑顔になります。

 

 

オリーブ(徳川園 10月)

オリーブ(モクセイ科 常緑高木)

 家の近く、路地植えのオリーブの樹。

 たくさんの果実をつけています。

 未熟果は薄緑色、成熟すると赤味を帯び、完熟で黒色になります。

 

 地中海沿岸を原産とする植物、明治11年のパリ万博で入手した株が、日本に運ばれた最初のオリーブとされます。

 

 オリーブの果実は、熟すと、緑色から濃黒赤色に変わります。

 生食すると苦味がありますが、加熱するか、塩漬けにすれば、苦味が和らぎ食べることが出来ます。

 

 果実を絞ると、オリーブ油が採れます。酸化され難いオレイン酸を含み、食用の他に、化粧品や、石鹸に加工されます。

 

 

オリーブ(徳川園 10月)

オリーブの果実

 

 

オリーブ(徳川園 10月)

オリーブの果実

 

 

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⇒ 10月2日の徳川園(秋の花たち・武家装束展) をみる

 

⇒ 9月18日 血潮の色のヒガンバナ(2021年徳川園) をみる

 

⇒ 8月21日 カブトムシの唄、秋の花咲く(2021年 徳川園) をみる

 

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  8月1日 タカサゴユリ、そしてシュウカイドウ(2021年 徳川園) をみる

 

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