紅き野に思ふ/日本庭園の紅葉風景①
徳川園の風景(入場は有料)
徳川園は、名古屋の街の中(名古屋駅発の、定期ルートを回る観光バスで20分ほど)にある、日本庭園です。
画像に写るのは龍仙湖(湖面)、紅葉の時期を迎え、園内はたくさんのかたでにぎわっていました。
紅葉の風景①
紅葉の風景②
紅葉の風景③
最初の画像を、広角レンズで撮りました
徳川園の風景①
コイに餌をやっています。たくさんのコイが集まっています。
徳川園の風景②
金色のコイ、そして紅葉、浅い緑色を含む透明な湖水。
徳川園の風景③
スイレンの葉が広がる、龍仙湖の東北部分。
沸き立つ泉水
注がれている水。地から自然に湧き出すものではないながら、命を支える力を感じます。
2021年11月28日・お昼ごろ、日本庭園・徳川園(名古屋市 東区)に入場しました。
いつもより入園者が多く、駐車場待ちの車の列が出来ています。
(わたしはいつも、JRの電車で最寄駅・大曽根駅まで行き、そこから10分ほど歩いて訪れています)
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徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。
名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。
JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。
平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。
自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。
小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。
園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。
【徳川園について(公式サイト掲載文)】
徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。
光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。
昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。
昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。
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イロハモミジ(いろは紅葉/ムクロジ科 カエデ属 落葉高木)
鮮やかな彩りは、花の色のようです。
日本ではよく見られる木で、紅葉する代表種です。東アジアに自生しています。
日本の山野に自然に見られるものがあり、日本庭園に、そして寺社の境内に、ひとの手で植えられる事が多くあります。
イロハモミジは、春の新緑の美しさ、そして秋・冬の紅葉の美しさ、2つの輝きを見せてくれます。
葉が5裂、7裂するので、それを数える「いろはにほへと」 → 「い(一)、ろ(二)、は(三)、に(四)、ほ(五)、へ(六)、と(七)」が、この植物の名前になりました。
ホトトギス(杜鵑草/ユリ科 ホトトギス属 多年草)
ホトトギスも長い花期です。
8月に咲き始め、11月も、まだ花姿が楽しめています。
ショウブ園脇にある水路沿いで多数、西の茶室の敷地で少数のホトトギスが、花を見せてくれています。
ホトトギスは、山地の半日陰に育つ、日本の固有種です。
花の模様が、快い唄を聞かせる鳥・ホトトギスの、胸の模様に似ているので、この名がつけられました。
ホトトギスの花は、上を向いて咲きます。
ヤマジノホトトギスの花は、花びらがさらに開いて、平開するようになります。
ヤマホトトギスの花は、花びらがさらに開いて下のほうに下がります。
「花期が長い」「生命力がとても強い」「花の色合いに、深い味わいがある」の特徴があるため、観賞用として、庭に植えられえることも多くあります。
ホトトギスの花
菖蒲園の北東、湖に注ぐ小さな川の流れ沿いに咲いていました。
紅葉と、ディスプレイの和傘①
大曽根門から入り、ボタン園を過ぎた辺りに、飾られていました。
和傘のディスプレイ②
和傘のディスプレイ③
和傘のディスプレイ④
和傘のディスプレイ⑤
ツワブキ(石蕗、艶蕗/キク科 ツワブキ属 常緑多年草)
ツワブキは、冬に咲き、ひとの目をひく、鮮やかな黄色の花色です。
10月頃に咲き始めました。
咲き始めの初々しさ・みずみずしさは失われていますが、花姿はまだ園内のあちこちに見られます。
10月末に咲き始めて、11月には多くの花が見られます。
公園や、道路の分離帯などに植えられていることも多いので、多くのかたが、この花を見て、知っているのだと思います。
このまま年末頃までは、元気に花姿を見せてくれます。
葉がつやつやしている事から、「艶蕗(つやぶき)」が転化した名前とも言われます(名の由来には諸説あります)。
徳川園のツワブキは、10月半ば頃に咲き始め、11月・12月にはたくさんの花を咲かせます。草丈は、30cm~60cmほどです。
ツワブキは常緑多年草、その名のように、フキのような丸い葉をつけます。通常のフキは夏に葉を落としますが、このツワブキは年中つややかな葉をつけています。
街中の公園に、道路の分離帯の緑地に、家庭の庭に、そして日本庭園に、その姿を見ることが出来ます。
フキ様の丸い葉を、火であぶって手でもむことで軟らかくして、打撲・切傷・腫物の部分にあてて用います。
根茎を煎じて服用すれば、胃腸不快を治すものでもあります。
魚の中毒にも対応するとされ、猛毒のフグや、カツオの中毒に良いと伝えられます。
(実際には、猛毒のフグ毒などは、解毒出来ません)
煎液や、葉のしぼり汁を用います。
今は試すひともいませんが、初ガツオが季節の風物とされた江戸の町では、これが試されたのかも知れません。
(葉には強い抗菌作用があるのですが、一部成分に毒性があり、大量に用いるのはお奨め出来ません)
サンシュユ(山茱萸/ミズキ科 ミズキ属 落葉小高木)
生薬名:サンシュユ(山茱萸) ※熟した果実を用います
サンシュユの果実、果実がつややかな時期は終わりを迎えそうです。
撮影ばかり意識していたため低い位置の果実しか見ていませんでしたが、ふと見上げてみれば、手の届かない高い位置に、まだ数多くのサンシュユ果実が残っていました。
サンシュユは、赤くつややかな果実を薬とするため、江戸時代に大陸から運ばれて、日本に定着しました。
(もともと日本では見られない植物でした)
秋には、赤いつややかな果実が鈴なりになるのが好まれます。
春には、枝一杯に黄色い咲く花が好まれ(ハルコガネの別名がある)ます。
サンシュユは観賞用樹として愛されていて、今も、庭木として、公園樹として、目にすることがあります。
赤くつややかな果実は、見た目、甘くておいしそうなのです。
しかし食べると甘味はほとんどなく、酸味と渋味が強いものです。
生薬としての薬効について、果実が持つ酸味・渋味で、「身体からの(体液の)漏れ」を防ぎます。それは、身体消耗を防ぐ意味(薬効)を持ちます。
それは、「これ以上、衰えさせない・衰えを許したくない」の患者に対して、用いるという意味です。
【サンシュユ(山茱萸) 性味:酸・渋、微温 帰経:肝・腎 効能:補肝腎・補陰・固精・止汗】
【サンシュウを含んだ漢方薬:六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)】
サンシュユの果実
イソギク(磯菊/キク科 キク属 多年草)
イソギクが、観月楼の前で、小さな花を咲かせ始めました。3月頃まで、長く黄色花を見ることが出来ます。
イソギクは、葉は白線で縁取られていて、印象に残ります。画像では分かりませんが、葉の裏は細毛が密に生えていて、白色に見えます。
海岸で見られる植物であるため、イソギクと呼ばれます。
海岸では真水の確保が難しいのでしょう、葉が厚くなっていて、水を貯められるようになっています。
フッキソウ(富貴草/ツゲ科 フッキソウ属 常緑小低木)
小さな白い玉を、目にしました。それはフッキソウの果実。
やや甘味を持った果肉、果実の中には種子がひとつ入っています。
この白い果実が、印象として上品に、そして裕福であるようにも見えるため、フッキソウ(富貴草)の名になったとされます。
日本を含む東アジアに分布しています。
徳川園を訪れた皆さんは、もちろん紅葉の美しさに目を奪われていますので、足元の草が実らせている白い果実に、気付くかたもありません。
フッキソウは春に白い花を咲かせる木(木本)で、山野で目にします。
山野草として扱われはしますが、身近で植えられていることも多いのです。
例えば道路の中央分離帯などに、または庭園のグランドカバー(冬でも緑を失わないものが選ばれる)として、植えられているのを目にします。
茎が地面を這うようにして伸び、その先端が立ち上がり、花を見せてくれます。
暑さや寒さや、そして車の廃棄ガスなどにも耐える力、強い生命力を持っています。
センリョウ(千両・仙蓼/センリョウ科 センリョウ属 常緑小低木)
赤い果実、とがった葉先(また、葉の縁が鋸歯となる)が、美しい姿のセンリョウ。
冬の野は枯れ色が広がるので、センリョウの多く実った果実は、明るく辺りを照らしている小太陽のように思えます。
縁起物の木とされ、正月飾りとされるものであるだけに、園内のあちこちに植えられていました。
赤い果実をつける木・マンリョウは、遠縁の植物と言って良いでしょう。
日本・韓国・台湾・中国南部・南アジア・東南アジア・ニューギニアに分布し、果実赤い様子からクササンゴ(草珊瑚)とも呼ばれます。この果実のような赤いサンゴ(本物)は希少で、高価です。
30年ほど前は、仕事で大阪に住んでいて、月に2日程は高知県の得意先様を車で訪問していました。
サンゴの装飾品が、たくさん売られていました。
(行きは、夜8時頃に神戸からフェリーに車とともに乗船し、朝の7時くらいに足摺岬に近い中村に入港し下船、その日は高知市へ向かって車で走りながら、得意先様を訪ねていました)
センリョウの花言葉は、「利益」「祝福」「財産」です。
花は7~8ガ月に咲くと書かれていますが、見た記憶がありません。
来年になってしまいますが、見てみたいと思います。
センリョウの果実、色鮮やかに
センリョウの姿は、園内のあちこちで見られます。
キミノセンリョウ(黄実千両)
果実の黄色い、キミノセンリョウも、植えられていました。
「あなたのセンリョウ(君の千両)」の意味合いではなく、黄色い果実であることから、この名前が付けられました。
幼いカラスが、紅葉見物
アニメ・鬼滅の刃のTV放送が、日曜日の23時過ぎからあります。
非道な鬼と、鬼から人間を守る鬼滅隊・隊士らの戦いが描かれています。
アニメでは、カラスたちは人間の味方として、伝書鳩のようなメッセンジャーとして働いています。
まん丸の、お目々です。
茶室風の作りの休憩所
園の北東・高台に建っています。2人の小さな娘さんの手をひくお母さんが休んでおられました。
娘さんはきれいなおべべ(和装)、今日は、忘れられない人生の瞬間になるのでしょう。
お母さんと、娘さんたちと
⇒ 徳川園11月28日 ② 紅葉の徳川園(園内の紅葉と、生け花展)につづく
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⇒ 11月28日の徳川園(紅き野に思ふ) をみる
⇒ 11月13日の徳川園(紅葉の日本庭園は、自然の宝石箱) を見る
⇒ 11月6日の徳川園(千両・万両、両手に受けて) をみる
⇒ 10月23日の徳川園(美しく咲くツワブキ、つややかなサンシュユ果実) をみる
⇒ 10月17日の徳川園(ツリバナの果実の美しさ) をみる
⇒ 10月10日の徳川園(寒ボタンの美しい花姿) をみる
⇒ 10月2日の徳川園(シュウカイドウ・スイレンの美しさ、武家装束展) をみる
⇒ 9月18日 血潮の色のヒガンバナ(2021年徳川園) をみる
⇒ 8月21日 カブトムシの唄、秋の花咲く(2021年 徳川園) をみる
⇒ 8月1日 カノコユリ、そしてホトトギス(2021年 徳川園) をみる
8月1日 タカサゴユリ、そしてシュウカイドウ(2021年 徳川園) をみる
⇒ 7月25日 刀剣乱舞の世界・徳川美術館(2021年 徳川園) をみる
⇒ 7月13日 夕刻に見た花たち(2021年 徳川園) をみる
⇒ 6月15日 ハナショウブと和傘の光景、そして刀剣乱舞 (2021年 徳川園) をみる
⇒ 5月8日 スイレンやショウブなど、水辺の花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 4月26日 鯉のぼりと、ボタンなど、春の花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 4月11日 咲き競うボタンの花に(2021年 徳川園)をみる
⇒ 3月28日 ツバキなどの花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 2月21日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 2月9日 ウメやボケの花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 1月9日 冬ボタンの花(2021年 徳川園) をみる
⇒ 12月19日 サザンカの花、赤い果実たち(2020年 徳川園) をみる
⇒ 11月2日 寒ボタンの花(2020年 徳川園) をみる