昨日の衆議院外務委員会は、
●国際情勢に関する件
の外交に関する一般質疑。
ロシアはウクライナの18%を占領しているが、ロシアはウクライナ全体を自国の領土にすることが目的なのではなく、ウクライナはウクライナとして統治してもらって、それがロシアの属国で、NATOには加盟しない国家となることを望んでいるのではないか。
とのことが教育無償化を実現する会の徳永久志委員より意見があった。
ウクライナは、経済においてもロシアとの関係は2014年に依存度が低下するまで輸出入ではロシアがずっと1位であった。ウクライナの1人当たりのGDPはロシアの3分の1にすぎず、あえてロシアと敵対する動機をウクライナは持たなかった。
しかし、ウクライナがロシア経済圏を離れてNATOという西側諸国に味方しようとしたところからロシアはブチ切れたのである。
ところで、日露戦争の時代、日本はロシア兵の捕虜をもてなしたことを考えてみよう。日本は当時、欧米列強と肩を並べるために、捕虜の扱いについては人権を重視することをしているとアピールするため、捕虜を丁重に扱った。その後の第一次世界大戦におけるドイツ兵の捕虜についても同様にした。このため、捕虜を収監している側の日本兵と、捕虜となったロシア兵やドイツ兵とのいざこざはほとんどなかった。しかし、ロシア兵内では民族の違いから獄内での喧嘩が絶えなかったという。ドイツ兵においてもハンガリーやオーストリアなどから狩りだされた兵隊もあって同様に内部で争いごとが多くあり、そのために日本軍は民族ごとに収容所を分けたという歴史がある。
なぜこういうことが生じるかというと、戦争をやる目的の一つに、国内の統一的な意思をもって敵国を設定して、そこで戦えば、自国内の多民族が結束するのではないかという、専制者の意図がある。
だが、ひとたび捕虜として捕まれば、内部でもめるのである。特に、自国の戦闘のために、自国の少数民族を奴隷兵のように使って戦地に赴かせるからである。
こうしたことから考えると、ロシアのウクライナ侵攻は、プーチン体制の独裁を固めるために行われている面はあるだろう。そうした要因を研究して、ロシアとウクライナの戦争を止めさせる方策を練り、早期に両国の自由を回復させるべきである。
一般質疑の後、欧州関係では以下の条約が審査に付された。
●日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(213国会条2)
●航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(213国会条6)
●社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(213国会条7)