4416番:ペルル嬢(149)(最終回)
ペルル嬢(149)(最終回)モーパッサン作品集よりMademoiselle PerleMaupassant————————【149】————————— et pet-être aussi que cette courte étreintefera passer dans leurs veines un peu dece frisson qu'ils n'auront point connu, etleur jettera, à ces morts ressuscités enune seconde, la rapide et divine sensationde cette ivresse, de cette folie qui donneaux amoureux plus de bonheur en untressaillement, que n'en peuvent cueillir, entoute leur vie, les autres hommes !—————————(訳)———————————そしてまた、あるいはその束の間の抱擁が、その血管の中に、彼らがこれまで少しも知らなかったであろう戦慄の幾ばくかを流すことだろう.そしてたちまちにして恋の蘇った死者たちに、生涯の中で、他のどんな人たちも摘み取ることのできないほどの幸福を、この抱擁が一度の慄きの中に一瞬に神々しい興奮と陶酔で、その幸福をふたりに投げかけるだろう. ————————⦅語句⦆———————————court, e:(形) 短い étreinte:(f) 抱き締めること、抱擁.ne ... point:少しも~でない. Je n'aime point cela. / 私は少しもそれが 好きではない.fera passer:(使役、直単未3単) 流すだろう 主語は「抱擁」.この抱擁が血管のなかに 戦慄を流すだろう、と言っています.自然 な日本語は「その抱擁で血管の中に戦慄が 流れるだろう」となります.事物主語は しばしば「~で」、と副詞句に置きかえて 訳すと文のぎこちなさが和らぎます. ただしここでは文法理解のため直訳にしま した. それから「戦慄」とはもちろん恋の戦慄 ですのでね.恐怖の戦慄ではありません. 熊もお化けも登場しません.morts:死者たち、ここではペルルさんとシャン タルさんのことですが、このふたりが恋愛 におちいる道は「死者として」でしかない ということ.jettera:(直単未/3単) < jeter (他) 投げる 単純未来の語幹は1人称単数現在の 語幹を基にしているのでje jette の jette に rai, ras, ra, rons, rez, ront などを 加えて作る. ressuscité, e:(p.passé) < ressusciterressusciter:(他) 生き返らせる、 (死者を)蘇らせる; Jésus ressuscita Lazare, dit l'Évangle. / 福音書によればイエスはラザロを蘇らせた.en une seconde:ほんの一瞬seconde:[スゴンド](f) ❶秒;❷一瞬、瞬時rapide:(形) 速い、すばやい、急速な、 divin, e:[ディヴァン, ディヴィーヌ](形) ❶神の、 神々しい、神のような、❷素晴らしいsensation:[サンサスィヨン](f) ❶感覚、感じ、❷興奮ivresse:(f) 酔い、夢中、陶酔folie:(f) 狂気、狂気の沙汰、精神錯乱amoureux:(m)(単複同形) 恋人、恋人たち、 ただし単では女性にはamoureuse を用いる. les deux amoureux:恋人同士(男女1名づつ)bonheur:(m) 幸福、喜び;plus de bonheur que ~:比較級、que 以下の 主語は倒置されている les autres hommes les autres hommes:他の人たちn'en peuvent cueillir:摘み取るこのできる ne は虚辞のneplus de bonheur que n'en peuvent cueillirles autres hommes:他の人たちが摘み取ることのできる幸福よりも多くの幸福qui donne aux amoureux:その幸福を与える、と言っています.誰が?qui の先行詞が. それは?それは、la rapide et divine sensation de cetteivresse, de cette folie:陶酔と狂気の急行の神々しい興奮が(より多くの幸福を与える)tressaillement:(m) 身ぶるい、おののきcueillir:[クイイール](他) 摘むen toute leur vie:彼らの全生涯で ————————≪文法≫————————————小文字 et から始まっていますが、前回の長文を途中で切ったためです.前回の文は、Et peut-être que ~「~ということがあるかもしれない」で始まり、ポワン・ヴィルギュルという記号で終わっていました.;という記号です.ポワンとの違いは、長文を途中で幾つかの文に分けて切るときに使う記号がポワン・ヴィルギュル「;」で、普通のポワン「.」は単純に終了するときに打つ記号です.さて、そういうわけで、前回の文を合わせると、この長文はEt peut-être que ~,et peut-être aussi que ~という構造になるのですが、文法上の主語も述語もなく、que だけですが、これで「~ということもあるだろう、また~ということもあるだろう」となります.il y aura が脱落したと考えればいいと思います.なぜ脱落したか?que のなかに単純未来をもってきているので、冗長になるのを避けたためだと思います.裁判調書なら几帳面にIl y aura ce que ~ とする所でしょう. 以上をもちまして、「ペルル嬢」の学習を終了いたします.みなさまには149回の長きにわたり、おつき合いいただいたことに心から感謝申し上げます.ありがとうございました.みなさまの今後の益々の学究とご多幸を記念いたします.2024年10月8日.ゴタぴょんグーブログへの投稿だったと思いますが閉局してもう1年ほど経つので覚えておりません.(今回の投稿: 2026年5月21日)