音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -43ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

アメリカのフォートワースで開催されている、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月10日は、セミファイナルの第3日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールが終わって

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選通過者発表

1次予選 第1~3日

2次予選 第1~2日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはスタインウェイである。

また、以下の曲目のうち、協奏曲はニコラス・マギーガン指揮、フォートワース交響楽団との共演である。

 

 

 

 

 

Yunchan LIM, South Korea, 18

 

LISZT 12 Transcendental Etudes

 

リストの超絶技巧練習曲を全曲、というチャレンジングな選曲だが、彼のような若々しい技巧派タイプにはむしろ合っている。

若気の至りというか、ガツガツしたところがあり、デリケートなタイプの演奏ではないが、粗が目立つというわけではなく完成度は保たれているし、マゼッパや狩など勢いがあってかなりの迫力。

当曲の全曲演奏としては、最良のものの一つと言えそう。

 

 

Ilya SHMUKLER, Russia, 27

 

BRAHMS Variations and Fugue on a Theme by Handel, op. 24

PROKOFIEV Sonata No. 8 in B-flat Major, op. 84

 

こちらも勢いで攻めるタイプだが、一つ前の人ほど技巧派ではない。

とはいえ、直線的かつ堅実な彼の性質がプロコフィエフあたりに割とうまくはまっており、1次や2次よりも株を上げた印象。

ところで、何となく今大会では彼のような勢い重視タイプのピアニストが多く残っているように思うが、気のせいか。

 

 

Yutong SUN, China, 26

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

こだわりの感じられる演奏で、タッチもしっかりしている。

ただ、モーツァルトにしてはやや神経質なきらいはあり、第2楽章など夢見るような雰囲気があまり出てこない。

 

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

 

MOZART Piano Concerto No. 19 in F Major, K. 459

 

小気味よい疾走感といい、滑らかなタッチといい、自然な歌心といい、ここまでのコンテスタントたちの中で最もモーツァルトにふさわしい協奏曲演奏だと思う。

オーケストラとの息の合わせ方も文句なし。

ファイナル進出はほぼ間違いないのではないだろうか。

 

 

Jinhyung PARK, South Korea, 26

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

技術的にしっかりしており、安心して聴ける。

ただ、全体的に表現が淡白で、歌にはやや乏しいきらいがある。

 

 

Anna GENIUSHENE, Russia, 31

 

MOZART Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503

 

上記の亀井聖矢に並ぶ見事なモーツァルト演奏。

素直でストレートな演奏の亀井聖矢に対し、こちらは表現力で勝負した円熟の演奏といったところか。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第1~3日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

Honggi KIM, South Korea, 30

Yunchan LIM, South Korea, 18

Anna GENIUSHENE, Russia, 31

 

あたりである。

次点で、

 

Yutong SUN, China, 26

Clayton STEPHENSON, United States, 23

Changyong SHIN, South Korea, 28

Marcel TADOKORO, France/Japan, 28

Ilya SHMUKLER, Russia, 27

Jinhyung PARK, South Korea, 26

 

あたりか。

 

 

次回(6月11日)はセミファイナルの第4日。

 

 


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アメリカのフォートワースで開催されている、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月9日は、セミファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールが終わって

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選通過者発表

1次予選 第1~3日

2次予選 第1~2日

セミファイナル 第1日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはスタインウェイである。

また、以下の曲目のうち、協奏曲はニコラス・マギーガン指揮、フォートワース交響楽団との共演である。

 

 

 

 

 

Clayton STEPHENSON, United States, 23

 

BEETHOVEN Sonata No. 21 in C Major, op. 53 (“Waldstein”)

LIEBERMANN Gargoyles, op. 29

BRAHMS Sonata No. 1 in C Major, op. 1

 

ベートーヴェン、前日の亀井聖矢よりも勢いがある(ただしときおり指が転ぶ)。

リーバーマンもなかなかの迫力。

ただ全体的に、弱奏部は味があるが、強奏部はパワフルなのはいいもののガンガン叩くため音があまりきれいでない。

ベートーヴェンやリーバーマンは曲想に合っているからいいが、ブラームスはさすがにどうかという気もする。

 

 

Changyong SHIN, South Korea, 28

 

BACH Toccata in D Major, BWV 912

SCHUMANN Humoreske in B-flat Major, op. 20

PROKOFIEV Sonata No. 7 in B-flat Major, op. 83

 

ベートーヴェンやシューマン、概ねよく弾けているが、細かいフレーズを丁寧に歌うタイプではないのでやや単調な感は否めない。

プロコフィエフは、彼の直線的なパワーや勢いが曲に合っていて迫力がある。

なお、全体的に細かなミスタッチがちょこちょこみられる(目立つものではないので許容範囲といえばそうかもしれないが)。

 

 

Honggi KIM, South Korea, 30

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

ロマン派風のモーツァルト。

しっかり歌えているし、技巧面も大きな問題なし。

 

 

Marcel TADOKORO, France/Japan, 28

 

MOZART Piano Concerto No. 27 in B-flat Major, K. 595

 

彼らしい美しい音色や歌心がモーツァルトに向いている。

ただ、速い走句の指回りが、ぎこちないとまでは言わないにしても、完全に滑らかとは言い難い面はある。

 

 

Uladzislau KHANDOHI, Belarus, 20

 

MOZART Piano Concerto No. 9 in E-flat Major, K. 271

 

指回りは滑らかだが、比較的気ままなテンポ変化が特徴の彼は、オーケストラと合わせるのに苦戦している印象。

 

 

Dmytro CHONI, Ukraine, 28

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

指回りは一つ前の人が上、オーケストラとのアンサンブル精度はこちらが上、といったところか。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第1、2日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

Honggi KIM, South Korea, 30

 

あたりである。

次点で、

 

Yutong SUN, China, 26

Clayton STEPHENSON, United States, 23

Changyong SHIN, South Korea, 28

Marcel TADOKORO, France/Japan, 28

 

あたりか。

 

 

次回(6月10日)はセミファイナルの第3日。

 

 


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アメリカのフォートワースで開催されている、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月8日は、セミファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールが終わって

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選通過者発表

1次予選 第1~3日

2次予選 第1~2日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはスタインウェイである。

 

 

 

 

 

Yutong SUN, China, 26

 

ALBÉNIZ “Corpus Christi en Sevilla” from Iberia, Book I

CHOPIN Polonaise in F-sharp Minor, op. 44

LYATOSHYNSKY Prelude, op. 44, no. 4

LYATOSHYNSKY Prelude, op. 38, no. 3

PROKOFIEV Sonata No. 8 in B-flat Major, op. 84

 

西洋音楽主要国の独仏伊の曲を一つも選んでおらず、特にウクライナ出身の作曲家を二人も選んでいることにこだわりを感じる。

演奏もこだわりのある表現で、リャトシンスキーなど何かを訴えるようだし、プロコフィエフも悪くない(終楽章コーダの連打も多少疵はあるが弾けているほうか)。

ただ音色面など全体的に派手さはなく(特にショパンが地味目)、評価は分かれるかも。

 

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

 

BEETHOVEN Piano Sonata No. 21 in C Major, op. 53 (“Waldstein”)

LISZT Paganini Etude No. 3 “La campanella”

RAVEL Gaspard de la nuit

BALAKIREV Islamey: Oriental Fantasy

 

こちらはうってかわって正統的な技巧派プログラム。

演奏も正統的で、ケレン味のないストレートな解釈。

特にリストが良く、半ばに出てくる同音連打など大変きれい。

夜のガスパールも、2次の田所マルセルも良かったが別の良さがあり、いわば“音色の田所、技巧の亀井”といったところか。

ヴァルトシュタイン、スカルボ、イスラメイは落ち着いたテンポであり、もう少し攻めてほしい気もするが、そのぶん完成度が高いし、イスラメイの終盤はテンポを速めてしっかり盛り上げている。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

 

あたりである。

次点で、

 

Yutong SUN, China, 26

 

あたりか。

 

 

次回(6月9日)はセミファイナルの第2日。

 

 


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大阪フィルハーモニー交響楽団

第558回定期演奏会

 

【日時】

2022年5月30日(月) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:シャルル・デュトワ

ピアノ:北村朋幹 *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:須山暢大)

 

【プログラム】

ハイドン:交響曲 第104番 ニ長調 Hob.I-104 「ロンドン」

ラヴェル:組曲「クープランの墓」

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」 (1911年版) *

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、大御所シャルル・デュトワ。

彼の実演を聴くのはこれで2回目(1回目はこちら)。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」。

この曲で私の好きな録音は

 

●フルトヴェングラー指揮 テアトロ・コロン管 1950年4月14日ブエノスアイレスライヴ盤(CD

●カラヤン指揮 ウィーン・フィル 1959年3月27、28日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1982年1月4日、2月16日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

また、これらにも増して、カンブルラン&京響の実演が忘れがたい(その記事はこちら)。

 

 

そして、今回のデュトワ&大フィルの演奏。

前回デュトワを聴いたときにも感じたことだが、彼はシモーネ・ヤング(その記事はこちら)やヤクブ・フルシャ(その記事はこちら)と同様、聴き慣れた大フィルを一振りでいつもと違う極上の音に変えてしまう、稀有な才能の持ち主である。

デュトワが振ると、いつもの大フィルがパリ管弦楽団に変身する。

特に弦楽器が、実に華やかでカラフルな、フランスの音になるのである。

デュトワの色彩感あふれるハイドンと、カンブルランの透明感あふれるハイドン、甲乙つけがたい。

ハイドン最後の交響曲ということで、晩年の透明感を実現しえた後者のほうに私は軍配を上げたいけれど、演奏の質としては並ぶものだと感じた。

 

 

なお、終楽章終盤に再現する副主題を彩る、田中玲奈の吹くフルートの上行音階風オブリガートが、大変に美しく印象に残った。

 

 

 

 

 

次の曲は、ラヴェルの「クープランの墓」(オーケストラ版)。

この曲は、私にはこれぞといった好きな録音が思い当たらない(ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル盤など比較的好きだが)。

ピアノによる原曲のほうが好き、というのも一因かもしれない。

 

 

そのためか、今回のデュトワ&大フィルの演奏を聴いて、前回の「ダフニスとクロエ」同様にラヴェルらしい精緻な表現は彼にはあまり向かないとは思いつつも、これほど彩り豊かな「クープランの墓」は聴いたことがないとも感じた。

総合的には、これまでに聴いた最上の同曲演奏だったと言っていいかもしれない。

 

 

 

 

 

最後の曲は、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」。

この曲で私の好きな録音は

 

●ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル 1971年5月セッション盤(Apple MusicCD

 

あたりである。

また、実演ではカンブルラン&洗足学園音楽大学管弦楽団による圧倒的な名演が印象深い(その記事はこちら)。

 

 

「ペトルーシュカ」は大好きな曲の一つで、以前にも記事を書いたけれど(その記事はこちらなど)、複雑に絡み合うきめ細かな仕掛けが縦横無尽に組まれた、大変な傑作である。

だからこそ、曲全体をしっかり透明化して、一つ一つの仕掛けをくっきりと鳴らし明らかにしていく、そんな演奏でなければ、この傑作のもつ魅力、光の散乱のごときめくるめく眩い世界を十分に表現できない。

その意味では、今回のデュトワ&大フィルの演奏からは、上述のブーレーズやカンブルランほどの感動を味わうことはできなかった。

しかし、複雑な声部の絡み合いをクリアに鳴らせなくても、デュトワの音には明るい輝きがあるため、曲の色彩感はかなりのところまで表現できていた。

少なくとも、ラトル&ベルリン・フィルの同曲演奏のような暗めで筋肉質な音(その記事はこちら)よりは、この曲のイメージに近かった。

これまでに聴いた「ペトルーシュカ」の実演としては、上記カンブルランに次ぐ2番目の出来だと思う。

 

 

なお、ピアノパートを北村朋幹が担当したのも、なかなか贅沢なことだろう。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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ホリプロステージ 「奇跡の人」

 

【日時】

2022年5月28日(土) 開演 17:30

 

【会場】

東京芸術劇場プレイハウス

 

【プログラム】

「奇跡の人」

 

【あらすじ】

アラバマのケラー家。アーサー・ケラー大尉(池田成志)とその妻ケイト(村川絵梨)がベビー・ベッドを心配そうに覗き込んでいる。1歳半の娘ヘレン・ケラー(平 祐奈)が熱を出したのだ。やっと熱が下がり安心したのも束の間、ヘレンは音にも光にも全く反応しなくなっていた……。
それから5年。それ以降、ヘレンは見えない、聞こえない、しゃべれない世界を生きている。そして、それゆえ甘やかされて育てられたヘレンは、わがまま放題。まるで暴君のように振る舞うヘレンを、家族はどうすることもできない。そんな折、ボストン・パーキンス盲学校の生徒アニー・サリヴァン(高畑充希)の元に、ヘレンの家庭教師の話が舞い込んでくる。誰もがお手上げの仕事ではあったが、孤独で貧しい環境を20才まで生きてきたアニーは、自立という人生の目標を達成するため、初めて得た仕事に果敢に挑戦しようとする。
はるばる汽車を乗り継いでケラー家にたどり着いたアニー。アーサー、そしてヘレンの義兄ジェイムズ(井上祐貴)は、余りにも若い家庭教師に疑念を抱くが、ケイトだけはアニーに望みを掛ける。そして、アニーとヘレンの初対面の時。ヘレンはアニーに近づき、その全身を手で探る。それはふたりの闘いのはじまりだった……

 

【スタッフ】

作:ウィリアム・ギブソン

翻訳:常田景子

演出:森新太郎

美術:二村周作

照明:小笠原純 佐々木真喜子

音響:藤田赤目

衣裳:緒方規矩子

ヘアメイク:鎌田直樹

アクション:渥美博

演出助手:坂本聖子

舞台監督:髙橋大輔

 

【キャスト】

アニー・サリヴァン:高畑充希

ヘレン・ケラー:平祐奈

ケイト・ケラー:村川絵梨

ジェイムズ・ケラー:井上祐貴

ヴァイニー:山野海

アナグノス/召使い:森山大輔

医師/ハウ博士:佐藤誓

エヴ伯母:増子倭文江

アーサー・ケラー:池田成志

倉澤雅美、中野 歩、秋山みり、小林佑玖・荒井天吾(Wキャスト)、鈴木結和・石塚月雪(Wキャスト)

古賀ありさ(スウィング)

 

 

 

 

 

「奇跡の人」の舞台を観に行った。

高畑充希が出演する舞台を観るのはこれで3回目。

 

→ 1回目 2016年 「わたしは真悟」

→ 2回目 2017年 「エレクトラ」

 

 

ストレートプレイは、私は観た経験がほとんどなく、新鮮だった。

オペラやミュージカルと違って、感情の高ぶりを歌で表現することなく、あくまで台詞のままで叫ぶため、「奇跡の人」という古典的な演目であることもあってか、自然というよりは大仰に感じる面もあった。

筋書きも、ちょっとうまくいきすぎのように感じてしまうところもあったり(実在の人物だがエピソード自体は創作も多いよう)。

躾についてなど、少し時代を感じさせるところもあったり。

 

 

しかし、それでもさすが古典として演じ続けられるだけの普遍性ももつ作品だと感じた。

親が子供を甘やかすことが、そんなにいけないことなのだろうかともつい思ってしまうが、世界は甘くないこと、親はいつまでも一緒にはいられないこと、これはいつの時代も変わらない。

そして、私もいつの頃からか強く感じていることだが、“言葉は世界の窓”だということ。

子供の頃から辛酸をなめてきたサリヴァン先生だからこそ、20歳にしてすでに、独り立ちの大事さ、考える大事さ、知る大事さ、そしてそのための言葉の大事さを知り尽くしていたのだろう。

 

 

かつて弟を助けることができず、自分だけ助かった罪悪感に苛まれ続けてきたサリヴァン先生が、その贖罪の対象をヘレンに見出した、という流れが分かりやすい演出になっていたように思う。

物語の最後、ずっと反抗的だったヘレンがついに言葉を知り、笑顔でサリヴァン先生に感謝のキスをするシーン。

言葉を知っただけですぐにこうはなるまい、あざとい筋書きだ、などと思いながらも、肩を震わせるサリヴァン先生を見ていると、彼女の労苦が報われた気がして感動してしまうのもまた確かなのだった。

 

 

演技については、私にはよくわからないけれど、主演の高畑充希にはこれまでの舞台ともまた違った、貫禄のようなものを感じた。

役柄の性格によるところもあるかもしれないが、座長としての経験をたくさん積んできたというところもあるのかもしれない。

ヘレン役の平祐奈も、今回が初舞台とは思えない堂々たる演技ぶりだったし、父役、母役、兄役の人たちもみな熱演だった。

また、高畑充希には短いけれど歌のシーンもあって、とてもきれいな澄んだ歌声だった。

 

 

高畑充希が舞台俳優を志すきっかけになったという、この作品(その記事はこちら)。

ヘレンを2シーズン演じ、サリヴァン先生を演じるのが今回で2シーズン目という、彼女のライフワークのような作品だが、相当な体力が必要なため、今シーズンで演じ収めになるかもしれないとのこと。

観ることが叶ってよかったと思う。

 

 

 

(画像はこちらのページからお借りしました)

 

 


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