アメリカのフォートワースで開催されている、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
6月9日は、セミファイナルの第2日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表)
(第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選通過者発表)
以下、使用されたピアノはスタインウェイである。
また、以下の曲目のうち、協奏曲はニコラス・マギーガン指揮、フォートワース交響楽団との共演である。
Clayton STEPHENSON, United States, 23
BEETHOVEN Sonata No. 21 in C Major, op. 53 (“Waldstein”)
LIEBERMANN Gargoyles, op. 29
BRAHMS Sonata No. 1 in C Major, op. 1
ベートーヴェン、前日の亀井聖矢よりも勢いがある(ただしときおり指が転ぶ)。
リーバーマンもなかなかの迫力。
ただ全体的に、弱奏部は味があるが、強奏部はパワフルなのはいいもののガンガン叩くため音があまりきれいでない。
ベートーヴェンやリーバーマンは曲想に合っているからいいが、ブラームスはさすがにどうかという気もする。
Changyong SHIN, South Korea, 28
BACH Toccata in D Major, BWV 912
SCHUMANN Humoreske in B-flat Major, op. 20
PROKOFIEV Sonata No. 7 in B-flat Major, op. 83
ベートーヴェンやシューマン、概ねよく弾けているが、細かいフレーズを丁寧に歌うタイプではないのでやや単調な感は否めない。
プロコフィエフは、彼の直線的なパワーや勢いが曲に合っていて迫力がある。
なお、全体的に細かなミスタッチがちょこちょこみられる(目立つものではないので許容範囲といえばそうかもしれないが)。
Honggi KIM, South Korea, 30
MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466
ロマン派風のモーツァルト。
しっかり歌えているし、技巧面も大きな問題なし。
Marcel TADOKORO, France/Japan, 28
MOZART Piano Concerto No. 27 in B-flat Major, K. 595
彼らしい美しい音色や歌心がモーツァルトに向いている。
ただ、速い走句の指回りが、ぎこちないとまでは言わないにしても、完全に滑らかとは言い難い面はある。
Uladzislau KHANDOHI, Belarus, 20
MOZART Piano Concerto No. 9 in E-flat Major, K. 271
指回りは滑らかだが、比較的気ままなテンポ変化が特徴の彼は、オーケストラと合わせるのに苦戦している印象。
Dmytro CHONI, Ukraine, 28
MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466
指回りは一つ前の人が上、オーケストラとのアンサンブル精度はこちらが上、といったところか。
そんなわけで、第1、2日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは
Masaya KAMEI, Japan, 20
Honggi KIM, South Korea, 30
あたりである。
次点で、
Yutong SUN, China, 26
Clayton STEPHENSON, United States, 23
Changyong SHIN, South Korea, 28
Marcel TADOKORO, France/Japan, 28
あたりか。
次回(6月10日)はセミファイナルの第3日。
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