第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール セミファイナル 第3日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

アメリカのフォートワースで開催されている、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

6月10日は、セミファイナルの第3日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールが終わって

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 予備予選通過者発表

1次予選 第1~3日

2次予選 第1~2日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはスタインウェイである。

また、以下の曲目のうち、協奏曲はニコラス・マギーガン指揮、フォートワース交響楽団との共演である。

 

 

 

 

 

Yunchan LIM, South Korea, 18

 

LISZT 12 Transcendental Etudes

 

リストの超絶技巧練習曲を全曲、というチャレンジングな選曲だが、彼のような若々しい技巧派タイプにはむしろ合っている。

若気の至りというか、ガツガツしたところがあり、デリケートなタイプの演奏ではないが、粗が目立つというわけではなく完成度は保たれているし、マゼッパや狩など勢いがあってかなりの迫力。

当曲の全曲演奏としては、最良のものの一つと言えそう。

 

 

Ilya SHMUKLER, Russia, 27

 

BRAHMS Variations and Fugue on a Theme by Handel, op. 24

PROKOFIEV Sonata No. 8 in B-flat Major, op. 84

 

こちらも勢いで攻めるタイプだが、一つ前の人ほど技巧派ではない。

とはいえ、直線的かつ堅実な彼の性質がプロコフィエフあたりに割とうまくはまっており、1次や2次よりも株を上げた印象。

ところで、何となく今大会では彼のような勢い重視タイプのピアニストが多く残っているように思うが、気のせいか。

 

 

Yutong SUN, China, 26

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

こだわりの感じられる演奏で、タッチもしっかりしている。

ただ、モーツァルトにしてはやや神経質なきらいはあり、第2楽章など夢見るような雰囲気があまり出てこない。

 

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

 

MOZART Piano Concerto No. 19 in F Major, K. 459

 

小気味よい疾走感といい、滑らかなタッチといい、自然な歌心といい、ここまでのコンテスタントたちの中で最もモーツァルトにふさわしい協奏曲演奏だと思う。

オーケストラとの息の合わせ方も文句なし。

ファイナル進出はほぼ間違いないのではないだろうか。

 

 

Jinhyung PARK, South Korea, 26

 

MOZART Piano Concerto No. 20 in D Minor, K. 466

 

技術的にしっかりしており、安心して聴ける。

ただ、全体的に表現が淡白で、歌にはやや乏しいきらいがある。

 

 

Anna GENIUSHENE, Russia, 31

 

MOZART Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503

 

上記の亀井聖矢に並ぶ見事なモーツァルト演奏。

素直でストレートな演奏の亀井聖矢に対し、こちらは表現力で勝負した円熟の演奏といったところか。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第1~3日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

Masaya KAMEI, Japan, 20

Honggi KIM, South Korea, 30

Yunchan LIM, South Korea, 18

Anna GENIUSHENE, Russia, 31

 

あたりである。

次点で、

 

Yutong SUN, China, 26

Clayton STEPHENSON, United States, 23

Changyong SHIN, South Korea, 28

Marcel TADOKORO, France/Japan, 28

Ilya SHMUKLER, Russia, 27

Jinhyung PARK, South Korea, 26

 

あたりか。

 

 

次回(6月11日)はセミファイナルの第4日。

 

 


音楽(クラシック) ブログランキングへ

↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。

 

YouTube(こちら)やTwitter(こちら)もよろしければぜひ!