ミュージカル 「わたしは真悟」 京都公演 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ミュージカル 「わたしは真悟」

 

【日時】
2016年12月24日(土) 18:00 開演

 

【会場】
ロームシアター京都 メインホール

 

【キャスト・スタッフ】

出演:高畑充希(真鈴(まりん)) 門脇 麦(悟(さとる)) 小関裕太(ロビン) 大原櫻子(しずか) 成河(真悟(しんご))

田鍋謙一郎 奥村佳恵 斉藤 悠 宮 菜穂子 水野栄治 江戸川萬時

清家悠圭 加賀谷一肇 碓井菜央 工藤広夢 引間文佳 鈴木 竜

ミュージシャン:トウヤマタケオ、吉田 匡、和田 永、吉田 悠

原作:楳図かずお『わたしは真悟』(小学館刊)

脚本:谷 賢一

音楽:トクマルシューゴ/阿部海太郎

歌詞:青葉市子

演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ

アーティスティックディレクター:エリック・マルタン

映像:オリヴィエ・シモーラ/ローラン・ラダノヴィッチ

照明:大平智己 音響:松木哲志 ヘアメイク:鎌田直樹 稽古ピアノ:太田裕子

通訳:加藤リツ子 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:足立充章 技術監督:堀内真人

演出協力:白井 晃

 

制作協力:KAAT神奈川芸術劇場/DCA

企画制作:ホリプロ

 

 

 

 

 

ミュージカルを生で観るのは、今回が2回目。

初めて観たのは、今年の7月、劇団四季の「ウェストサイド物語」である。

そのときは、もちろん面白かったのだが、英語バージョンの映画版で慣れてしまったいたため、日本語の歌詞があまりなじめなかった。

それに対し、今回はオリジナルの日本語作品であり、違和感なく観ることができた。

この作品は、漫画の舞台化だという。

原作の漫画を読んだことがなく、またあらすじもまったく知らない状態で観たため、最初は内容(というかシーンごとのつながり)がよく分からなかったが、観ていくうちに分かるような設計になっていた。

話自体はファンタジーで、ところどころハチャメチャな箇所もあるが、「ロボットが感情を持つ」というテーマは、(原作の漫画は1980年代に書かれたとのことだが)現代でもなお新鮮味をもって観ることができる。

 

演出・振付はフィリップ・ドゥクフレという人によるもののようで、私は知らないが有名な人のようである。

モダンな印象の舞台だった。

バックステージに大きな画面が用意され、絵が映し出されたり、右端にモニターが用意され、ロボットであるところの真悟の「見た」映像が映し出されたりする。

なかなか面白いアイディアであるように思った。

 

役者の皆さんも好演で良かった。

私は演劇に関してまったくの素人で、詳しいことは書けないけれども。

凛として活気のある男の子・悟役の門脇麦、飄々とした純粋な女の子・真鈴役の高畑充希、駄々っ子だけど芯が強くて勇気のある女の子・しずか役の大原櫻子、いかにもワルそうな青年・ロビン役の小関裕太、そしてロボットの悲哀を痛切に表現する真悟役の成河といった主役陣に加え、両親役、大人役、ねずみ役に至るまで、皆それぞれ良かった。

歌も皆さん安定していたように思う。

真鈴役の高畑充希は透明感のある歌声で、しずか役の大原櫻子はしっかりとした声量があった。

 

全体的に、笑いもなければ涙もなかったけれども、日常と非日常との入り交じった不思議なファンタジーとして面白かった。

子供だった頃のことに、思いを馳せることのできる作品。

やっぱり、お芝居はいいなと改めて思った。