ジルヴェスター・コンサート モーツァルト・ガラ!
【日時】
2016年12月31日(土) 開演15:00 (開場 14:00)
【会場】
芸術文化センター KOBELCO大ホール
【出演者】
ソプラノ:カルメラ・レミージョ(☆)
バス・バリトン:ニコラ・ウリヴィエーリ(★)
ピアノ:関本昌平(◆)
指揮:ディエゴ・マテウス
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
【プログラム】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
■歌劇「フィガロの結婚」K.492 より
序曲
アリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(★)
アリア「どこにあるのかしら、甘くそして恋に生きた楽しかった日々は」(☆)
■ピアノ協奏曲 第23番 K.488(◆)
―休憩―
■演奏会用アリア
「このうるわしき御手と瞳のために」K.612(★)
「うるわしのわが恋人よ、さよなら」〜「とどまって、いとしき人よ」K.528(☆)
■歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
序曲
アリア「カタログの歌」(★)
アリア「あの人でなしはわたしを欺き」(☆)
二重唱「あそこで手に手を取り合い」(☆ ★)
■歌劇「フィガロの結婚」K.492 より
二重唱「ひどいやつだ! なぜ今まで長いこと」(☆ ★)
※アンコール
■歌劇「魔笛」K.620 より
二重唱「愛を感じる男の人達には」(☆ ★)
〈パ、パ、パの二重唱〉(☆ ★)
■「蛍の光」(☆ ★ ◆)
大晦日のガラ・コンサートを聴いた。
オール・モーツァルトのガラ・コンサートで、ピアノあり、オーケストラあり、オペラのアリアありで、当然モーツァルトだけあって名曲ばかりであり、このようなコンサートもいいなと思った。
指揮のディエゴ・マテウスは、エル・システマの先輩であるドゥダメルのようなエネルギッシュな指揮かと思いきや、意外と端正な音楽づくりで、むしろおとなしいくらいだった。
PACオーケストラの美音を生かし(ドン・ジョヴァンニの序曲だけはまぁまぁくらいの印象だったが)、モーツァルトの名曲の数々を存分に堪能させてくれた。
ピアノの関本昌平は、いつもながら過度な表情付けのない端正な演奏で、モーツァルトにぴったりだった。
美しいPACオーケストラの木管群との掛け合いも相まって、素晴らしい演奏だった。
アンスネスほどの完璧な語り口というわけにはいかなかったが(フレーズの終わり方など、もう少しこだわれるかなと感じる箇所もないではなかった)、またところどころ走ってしまうところもあったが(彼のテクニックにしてみれば、モーツァルトのパッセージはきっと易しいのだろう!)、それでもモーツァルトの数多い傑作の中でもとりわけ重要な作品の一つであるこの曲を堪能するには、十分すぎるくらいの演奏だった。
歌手の2人も、十分に素晴らしかった。
バス・バリトンのウリヴィエーリはやや声量に乏しく、またソプラノのレミージョは声量は素晴らしいがやや音程が不安定な箇所もないではなかったが、これらは贅沢というもの。
素晴らしいオペラ・アリアや二重唱の数々を存分に堪能させてもらった。
特に、アンコールの〈パ、パ、パの二重唱〉は、普段パパゲーナ役がそれほど重要な役でないためか、あまり満足のいく歌唱を聴けたことがなかったが、今回はガラ・コンサートのためパパゲーナ役もプリマ級の歌手であり、華やかかつ安定した歌唱で実に素晴らしかった。
コンサートの最後には、聴衆も併せて皆で「蛍の光」の大合唱があり、その最中にはプロジェクション・マッピングでモーツァルトが手を振ったり、サルになったり、トリが飛び出したりと、凝った趣向になっていた。
そして、最後には天井からたくさんの風船が降ってきた。
大晦日にコンサートなんて、今まで行ったことがなかったが、なかなか楽しいものである。
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