2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール グランドファイナル および結果発表 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

イタリアのボルツァーノで開催されている、2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

9月3日は、グランドファイナル、ついに最終日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2021年ブゾーニ国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

2019年ブゾーニ国際ピアノコンクールが終わって

2020/2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選詳細発表

予選 第1日

予選 第2日

予選 第3日

予選 第4日

予選 第5日

予選 第6、7日

予選 第8日

予選 第9~11日

2020/2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選通過者発表

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3日

セミファイナル 第4日

ソロファイナル 第1日

ソロファイナル 第2日

室内楽ファイナル 第1日

室内楽ファイナル 第2日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイ/Passadoriである。

また、いずれもアルヴォ・ヴォルマー指揮、ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団との共演である。

 

 

1. Jae Hong PARK (1999- Republic of Korea)

 

S. RACHMAININOV: Concerto for Piano and Orchestra, No. 3, op. 30

 

 

2. Lukas STERNATH (2001- Austria)

 

L.v. BEETHOVEN: Concerto for Piano and Orchestra, No. 5, op. 73

 

 

3. Do-Hyun KIM (1994- Republic of Korea)

 

S. PROKOFIEV: Concerto for Piano and Orchestra, No. 2, op. 16

 

 

 

 

 

まだざっとしか聴けていないが、3人とも安定した技巧に基づくハイレベルな演奏。

いずれも水準以上の演奏である一方、飛びぬけて印象深いものもなく、拮抗していそう。

優劣をつけるとすると、Jae Hong PARKはこの難曲で相当な完成度の高さを示している点で、またLukas STERNATHはヨーロッパ風味の音色を持つ点で(強音はやや詰まったような音だが弱音は美しい)、やや有利かもしれず、一方Do-Hyun KIMは第2楽章が彼ほどの人にしてはもっさりしてしまっている点で、やや不利かもしれない。

 

 

そんなわけで、グランドファイナルを聴いて、私の中で勝手に順位をつけるとすると

 

1.  Lukas STERNATH (2001- Austria)

2.  Jae Hong PARK (1999- Republic of Korea)

3.  Do-Hyun KIM (1994- Republic of Korea)

 

というような感じになる(1と2は逆にしてもいいかもしれない)。

 

 

 

 

 

さて、グランドファイナルの実際の結果は以下のようになった。

 

 

【グランドファイナル結果】

1位: Jae Hong PARK (1999- Republic of Korea)

2位: Do-Hyun KIM (1994- Republic of Korea)

3位: Lukas STERNATH (2001- Austria)

 

4位: Serena VALLUZZI (1994- Italy)

5位: Vladimir PETROV (1997- Russia/Mexico)

6位: Francesco GRANATA (1998- Italy) / Illia OVCHARENKO (2001 - Ukraine)

 

AUDIENCE PRIZE: Vladimir PETROV

MARISA WINDISCH PRIZE: Lukas STERNATH

JUNIOR JURY PRIZE: Dina IVANOVA

Special Prize for the best performance of a piece by Busoni: Jae Hong PARK

Special Prize for the best performance of contemporary piano music: Do-Hyun KIM

Special Prize for the best performance of chamber music: Jae Hong PARK

Alice Tartarotti Prize: Jae Hong PARK

Keyboard Career Development Prize: Jae Hong PARK

 

 

概ね納得のいく結果である。

Lukas STERNATHの評価がやや低いようだが、確かにベートーヴェンの「皇帝」はアピールの難しい曲ではあるかもしれない。

Jae Hong PARKは、2位が発表され自分が優勝したことが分かったとき、両手で顔を覆っていたが、よほど嬉しかったのだろう。

彼がルービンシュタインコンクールでファイナリストになり、今回と同じラフマニノフ3番を弾いたものの入賞できなかったのが2017年(その記事はこちらなど)、ついこの間のようだがもう4年も前になる。

今回のブゾーニコンクールでの悲願の優勝を祝福したい。

 

 


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