イタリアのボルツァーノで行われる、2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール(のセミファイナル以降)が、ついに始まった(公式サイトはこちら)。
8月24日は、セミファイナルの第1日。
ちなみに、2021年ブゾーニ国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(2020/2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選詳細発表)
(2020/2021年ブゾーニ国際ピアノコンクール 予選通過者発表)
以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイ/Passadoriである。
1. Ziyu LIU (1998- China)
F. BUSONI: Elegie "All'Italia! In modo napolitano", BV 249
C. DEBUSSY: Prélude “La terrasse des audiences du clair de lune”, Livre II
M. MUSORGSKIJ: Quadri di un’esposizione
なかなかに安定した技巧を持つ。
ただ、「展覧会の絵」のような曲ではもう少し色彩感か、もしくはロシアの重いロマンか、何かもう一つ個性があると良かったかも。
2. Jieun PARK (1999- Republic of Korea)
F. SCHUBERT: Sonate n. 13, D. 664
F. BUSONI: Sonatina n. 4, BV 274 “Sonatina in diem nativitatis Christi MCMXVII”
R. SCHUMANN: Abegg-Variationen, op. 1
F. CHOPIN: Polonaise n. 5, op. 44
奇を衒わず真面目なのは良いが、面白みにはやや欠けるか。
特にシューベルトはもっと歌って欲しい。
予選ではもっと抒情的だった気がするのだが(その記事はこちら)。
3. Danilo MASCETTI (1992- Italy)
J.S. BACH: Toccata in D major, BWV 912
F. BUSONI: Toccata, BV 287
H. DUNTILLEUX: Sonate pour piano
独特のテンポの“崩し”が面白いが、クセはやや強い。
また、テクニック面での不足が目立つ。
音も(特に強音が)硬めで魅力に欠ける。
4. José NAVARRO (1995- Bolivia)
F. BUSONI: Indianisches Tagebuch I, BV 267
R. SCHUMANN: Humoreske, op. 20
A. GINASTERA: Suite de danzas criollas, op.15
南米らしい明るい音と勢いのよさがあり、特にヒナステラが良い。
ただ、シューマンはもう少し繊細な歌、ロマン的な憧憬が欲しい(左手のバスがしっかり歌えているのは好印象)。
そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がソロファイナルに進んでほしいと思う人はいなかった。
次点で、
1. Ziyu LIU (1998- China)
4. José NAVARRO (1995- Bolivia)
あたりか。
まだこれからうまい人がたくさん控えており、楽しみである。
次回(8月25日)はセミファイナルの第2日。
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