今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
ベルギーのブリュッセルで開催された、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。
その受賞者記念アルバムが近日発売予定となっている(Apple Music/CD)。
Apple Musicではもう聴けるため、さっそく聴いてみた。
ちなみに、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。
(2020年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者発表)
(2020年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)が中止もしくは延期)
(2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール受賞者コンサート動画 その1 第4~6位)
(2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール受賞者コンサート動画 その2 第1~3位)
務川慧悟、阪田知樹が入賞のQEC2021
5月29日(日本時間30日)に閉幕したばかりのエリザベート王妃国際音楽コンクールから、熱演を収めたライヴ盤が早くも登場!
エリザベート王妃国際音楽コンクールは、チャイコフスキー・コンクール、ショパン・コンクールと共に「世界三大コンクール」と呼ばれる屈指の名門コンクール。前身のウジェーヌ・イザイ・コンクール時代を含めればピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー(1952)、ヴラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ(2007)、デニス・コジュヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など錚々たる顔ぶれが並びます。
2021年のピアノ部門は、当初予定の2020年から(新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で)1年延期されて開催。パンデミック後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めました。日本でも、ともに愛知県出身の務川慧悟と阪田知樹が入賞したことから新聞・テレビで紹介されたので、ご覧になった方も多いと思います。
このアルバムにはセミ・ファイナルとファイナルから、入賞した6人のピアニストによる選りすぐりの演奏が収録されています。難関で知られるコンクールだけに、今年の入賞者6名はすでにプロとしてのキャリアを築いている実力者が揃い、非常にハイ・レベルな演奏が繰り広げられました。
無観客で行われたので、演奏終了を待ちきれずに拍手が沸き起こるといった場面はありませんが、それだけに集中して聴けて余韻まで味わえるのは2021年ならでは。どの演奏も高水準ですが、フルネルとレドキンは流石にどの曲も立派。そして第3位となった務川慧悟が弾くモーツァルト最後のピアノ協奏曲第27番の味わい深さが印象的で、ラモーで聴かれるセンスもさすがです。フランツ・リスト国際ピアノ・コンクールの優勝者、阪田知樹(第4位)の鬼気迫るロ短調ソナタも大きな聴きもの。
ディスク1の3はセミ・ファイナルの、2はファイナルのための新作課題曲です。(輸入元情報)
【結果】
第1位及び聴衆賞 ジョナタン・フルネル
第2位 セルゲイ・レドキン
第3位 務川慧悟
第4位 阪田知樹
第5位 ヴィタリ・スタリコフ
第6位 ドミトリ・シン
【収録情報】
Disc1
1. ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83/ジョナタン・フルネル
2. ブルーノ・マントヴァーニ:妖精の庭から/セルゲイ・レドキン
3. ピエール・ジョドロフスキ:夜想曲/ジョナタン・フルネル
Disc2
1. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30/セルゲイ・レドキン
2. シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調(管弦楽のない協奏曲)Op.14/ドミトリ・シン
3. ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ 変ニ長調 Op.87-15/務川慧悟
Disc3
1. モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488/ヴィタリ・スタリコフ
2. モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595/務川慧悟
3. ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル/務川慧悟
Disc4
1. リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調/阪田知樹
2. ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24/ジョナタン・フルネル
3. ショパン:夜想曲 第17番ロ長調 Op.62-1/ジョナタン・フルネル
4. ドビュッシー:レントより遅く/セルゲイ・レドキン
ヒュー・ウルフ指揮、ベルギー国立管弦楽団(Disc1:1,2、Disc2:1)
フランク・ブラレイ指揮、ワロニー王立室内管弦楽団(Disc3:1,2)
録音時期:2021年5月10,12-15日(Disc1:3、Disc2:2,3、Disc3、Disc4)、2021年5月27,29日(Disc1:1,2、Disc2:1)
録音場所:ブリュッセル、フラジェ、スタジオ4(Disc1:3、Disc2:2,3、Disc3、Disc4)、ブリュッセル、パレ・デ・ボザール(Disc1:1,2、Disc2:1)
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
演奏の感想については、これまで上記の各記事に書いてきたので、ここでは繰り返さない。
今大会での受賞者たちの演奏のピックアップとしては、それなりに良いチョイスとなっているように思う(自分だったらこちらの演奏を選ぶ、というのは多少あるが、特に務川慧悟と阪田知樹に関しては文句なしのベストチョイス)。
音質面では、私の耳にはネット配信と大差ないように聴こえるけれど、配信のほうはいつ消えてしまうか分からないし、またCDのほうは楽章ごとにトラック分けされているのが便利。
今大会の記念として入手しておくのも良いかもしれない。
なお、YouTubeで聴きたい場合は、以下の記事をご覧いただきたい。
→ その記事はこちら
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