2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門) セミファイナル 第3日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

ベルギーのブリュッセルで開催されている、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

5月12日は、セミファイナルの第3日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2020年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者発表

2020年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)が中止もしくは延期

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

1次予選 第4日

1次予選 第5日

1次予選 第6日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもマーネである。

また、以下の協奏曲はいずれもフランク・ブラレイ指揮、ワロニー王立室内管弦楽団との共演である。

 

 

22. Su Yeon KIM (Korea, 1994-)

 

WOLFGANG AMADEUS MOZART: Concerto n. 23 in A major KV 488

 

EGON PETRI: Sheep may safely graze (after Johann Sebastian Bach)

LUDWIG VAN BEETHOVEN: Sonata n. 30 in E major op. 109

MAURICE RAVEL: Scarbo (Gaspard de la nuit)

PIERRE JODLOWSKI: Nocturne

 

モーツァルト、第2日のザン・シャオルーのぱっとした明るさはないが、そのぶん慎ましくたおやかな歌があって、甲乙つけがたい。

ペトリも、彼女らしい穏やかな抒情性がよく出ている。

モントリオールで気になった、例のベートーヴェン終楽章の最終変奏のトリル上のメロディも(その記事はこちら)、今回は心なしか多少改善しているように聴こえた。

ラヴェルも、キレッキレというのとは違った誠実な良さがある。

錚々たるコンテスタントたちの中でやや地味なのは否めないけれど、しっかりと彼女の音楽になっているように思う。

 

 

45. Tomoki SAKATA (Japan, 1993-)

 

WOLFGANG AMADEUS MOZART: Concerto n. 17 in G major KV 453

 

PIERRE JODLOWSKI: Nocturne

CLAUDE DEBUSSY: Etude pour les quartes

FRANZ LISZT: Sonata in B minor

 

モーツァルト、きわめて安定したタッチを持ち、ほとんどペダルに頼らないにもかかわらず、レガート・ノンレガート・スタッカートいずれもくっきりした音で自在にコントロールし難なく使い分ける。

フォルテは強靭、メロディは艶やか、即興的な装飾音も華やいでいて、もしリストがモーツァルトを弾いたらこんなだったかもしれない。

ドビュッシーも美しい演奏(ストレット部分がやや遅めなので四度が苦手かと思いきや、レッジェーロ部分の連続四度は鮮やか)。

そしてリスト、やはりペダルでごまかさない明瞭な音作りで、また速いテンポで攻めるのでなく、曲の壮大な世界をじっくりと描いていく。

リスト本人が弾いているかのようといったら、言い過ぎだろうか。

 

 

 

 

 

そんなわけで、第3日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは

 

45. Tomoki SAKATA (Japan, 1993-)

 

あたりである。

次点で、

 

22. Su Yeon KIM (Korea, 1994-)

 

あたりか。

 

 

次回(5月13日)はセミファイナルの第4日。

 

 


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