2021年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門) ファイナル 第2日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

カナダのモントリオールを本拠地として世界各地で開催されている、2021年モントリオール国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

5月11日は、ファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2021年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2017年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門)が終わって

2020年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者発表

セミファイナル

ファイナル 第1日

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイである。

 

 

08. Su Yeon KIM (South Korea, 1994-)

 

BEETHOVEN: Sonata No. 30 in E major, Op. 109

SCRIABIN: Sonata No. 2 in G-sharp minor, Op. 19 (Sonata Fantasy)

BURGE: Three of the Twenty-Four Preludes

 - Allegro energico • Spring Thaw • Off-beat Waltz

RAVEL: Gaspard de la nuit, M. 55

 

ロマン的ながらくどくない端正な音楽性を持つ彼女に合った好選曲。

欲を言えば、ベートーヴェン終楽章の最終変奏で、右手内声部のトリルの上で小指だけで弾く旋律や、スクリャービン第1楽章のコデッタで、右手高声部のオブリガートの下で親指だけで弾く旋律、こういう込み入った箇所では歌に乏しくなってしまうのが、感動的な箇所であるだけに惜しい(こちらこちらのように弾いてほしかった)。

とはいえ、他の多くの箇所では美しい歌が聴かれた。

ラヴェルも、情景を想起させるような美しい演奏で、同音連打の多少のムラなどはあまり気にならなかった。

 

 

14. Chaeyoung PARK (South Korea, 1997-)

 

BACH: Toccata in F-sharp minor, BWV 910

BURGE: Three of the Twenty-Four Preludes

 - Allegro energico • Spring Thaw • Off-beat Waltz

BRAHMS: Sonata No. 3 in F minor, Op. 5

 

今大会のファイナリストの中では千葉遥一郎と並ぶテクニシャン。

バッハのフーガ部分など、かなりのテンポにもかかわらずごまかしなく明瞭。

緩徐部分も、適度にロマン的で良い。

ブラームスも、音そのものは細身であり特にブラームスらしいわけではないが、安定した打鍵といいしっかりした音楽構成といい、総合的にはブラームスのソナタにふさわしい力演。

 

 

 

 

 

そんなわけで、ファイナル第1、2日の4人の演奏を気に入った順に並べると

 

1.  14. Chaeyoung PARK (South Korea, 1997-)

2.  20. Marcel TADOKORO (France, 1993-)

3.  08. Su Yeon KIM (South Korea, 1994-)

4.  02. Alice BURLA (Canada, 1996-)

 

といったところか。

1~3は拮抗している印象で、並べ替えても良いと思う。

 

 

次回(5月12日)はファイナルの第3日。

千葉遥一郎が演奏する予定(日本時間で5月12日の23時から、もうこのあとすぐ)。

 

 


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