2021年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門) ファイナル 第1日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

カナダのモントリオールを本拠地として世界各地で開催されている、2021年モントリオール国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

5月10日は、ファイナルの第1日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、2021年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門)についてのこれまでの記事はこちら。

 

2017年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門)が終わって

2020年モントリオール国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者発表

セミファイナル

 

 

 

 

 

以下、使用されたピアノはいずれもスタインウェイである。

 

 

02. Alice BURLA (Canada, 1996-)

 

BACH: Overture in the French Style, BWV 831

BURGE: Three of the Twenty-Four Preludes

 - Allegro energico • Spring Thaw • Off-beat Waltz

DEBUSSY: Four of the Préludes, Books I and II, L. 125 and 131

 - The Fairies Are Exquisite Dancers (Rapide et léger)

 - Ondine (Scherzando)

 - Minstrels (Modéré)

 - Fireworks (Modérément animé)

BARBER: Sonata in E-flat minor, Op. 26

 

バッハ、くっきりした歯切れのよいタッチなのは良いが、旋律線がややバタバタするというか、魅力的な歌わせ方には至っていない。

ドビュッシーも緩徐な曲はなかなかだが、「花火」などやはり冒頭からペダル少なめで明瞭なのは良いものの、その分タッチにムラがある(左右の手で交互に弾いていた音型を左手だけで弾くときに違って聴こえてしまう)。

バーバーも悪くないが、もう少しキレがあるとさらに良いか。

 

 

20. Marcel TADOKORO (France, 1993-)

 

BURGE: Three of the Twenty-Four Preludes

 - Allegro energico • Spring Thaw • Off-beat Waltz

RAMEAU: Two pieces from the Suite in E minor

 - La Villageoise (Rondeau) • Musette • Le rappel des oiseaux

CHOPIN: Ballade No. 1 in G minor, Op. 23

BACH: Prelude and Fugue in D minor, BWV 875

BRAHMS: Variations on a Theme by Paganini, Op. 35

 - Book I: Theme (Non troppo presto) • 14 Variations

 - Book II: Theme (Non troppo presto) • 14 Variations

 

得意のバロック物は相変わらずなかなかのもの。

ショパンも爽やかな情感がよく出ている。

再現部直前の軽快な箇所など、技巧的難所と思われるがかなりよく弾けており好印象(最後の上行音階など他の箇所ではミスもあるが)。

ブラームスも、浜コンでは技巧的不足が気になり選曲ミスと感じたが、今回聴いてみるとみずみずしい音楽性が魅力であり、技巧的にもまずまずで、こういうパガニーニ変奏曲もなかなか良い(自作主題変奏曲op.21-1あたりならさらに彼に合っていただろうけれど)。

 

 

 

 

 

そんなわけで、ファイナル第1日の2人の演奏を気に入った順に並べると

 

1.  20. Marcel TADOKORO (France, 1993-)

2.  02. Alice BURLA (Canada, 1996-)

 

といったところか。

 

 

次回(5月11日)はファイナルの第2日。

 

 


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