今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
2019年ももうすぐ終わりということで、今年聴いたコンサートのうち、とりわけ印象に残ったものを挙げたいと思う。
なお、アマチュア音楽家によるコンサートや、ミュージカル・演劇・展覧会などは、今回の選定からは除外する。
オペラ、バレー、コンクール、マスタークラスは含むこととする。
あと、聴けなかったプログラムがあったり、印象に残った曲とそれほどではない曲があったりした場合、演奏曲目の一部しか記載していないこともある。
なお、昨年(2018年)の印象深いコンサートについては、リブログ元の記事をご覧いただきたい。
また、それ以前の年についてはこちら。
まず、本年に行ったコンサートの数。
1月 3回
2月 4回
3月 4回
4月 3回
5月 2回
6月 2回
7月 2回
8月 1回
9月 4回
10月 4回
11月 4回
12月 1回
計 34回
本年は、昨年にも増してコンサート数を大幅に減らすことができた。
それでもまだ、一般的には多いほうか。
来年はさらにもっと減らせたらとも思うが、これ以上大幅に減らすのは、音楽中毒の私にはもう無理かもしれない。
次に、印象に残るコンサート20選(順序は時系列)。
●1月20日 トゥガン・ソヒエフ 指揮 NHK交響楽団 フォーレ:「ペレアスとメリザンド」組曲、ブリテン:シンプル・シンフォニー、リムスキー=コルサコフ:「シェエラザード」
●1月31日 高御堂なみ佳、宮原雄大(Pf) サン=サーンス:死の舞踏、ドビュッシー:小組曲 より 「小舟にて」「バレエ」、スメタナ:「モルダウ」
●2月14日 アリーナ・イブラギモヴァ(Vn) セドリック・ティベルギアン(Pf) ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1、2、3番
●2月24日 山本貴志(Pf) 泉原隆志、山本美帆(Vn) 丸山緑(Va) 城甲実子(Vc) ショパン:ロンド・クラコヴィアク、ピアノ協奏曲第2、1番
●3月17日 クレア・フアンチ(Pf) クラウス・ペーター・フロール 指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団 シューマン:ピアノ協奏曲
●4月21日 鈴木雅明 指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン J.S.バッハ:マタイ受難曲
●4月27日 キアロスクーロ四重奏団 J.S.バッハ:「フーガの技法」抜粋、メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番
●4月28日 五嶋みどり(Vn) パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 エストニア祝祭管弦楽団 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
●5月23日 シャルル・デュトワ 指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」、ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲、ベルリオーズ:幻想交響曲
●6月29日 古海行子(Pf) 時任康文 指揮 テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
●7月3日 ユリア・フィッシャー(Vn) ミヒャエル・ザンデルリング 指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
●8月25日 丸山凪乃(Pf) ショパン:英雄ポロネーズ、リスト:ラ・カンパネラ
●9月14/15日 テオドール・クルレンツィス 指揮 ムジカエテルナ モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」
●10月4日 ハーゲン四重奏団 ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」、バルトーク:弦楽四重奏曲第3番、シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
●10月18日 マティアス・ゲルネ(Bar) マルクス・ヒンターホイザー(Pf) シューベルト:冬の旅
●10月22日 藤田真央(Pf) モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、リスト:「ウィーンの夜会」第6番、ショパン:バラード第4番
●11月14日 ズービン・メータ 指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブルックナー:交響曲第8番
●11月16日 シルヴァン・カンブルラン 指揮 京都市交響楽団 武満徹:夢の時、ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」、ストラヴィンスキー:春の祭典
なるべく奏者が重複しないように選んだつもりだが、どうしても外せなくて重複してしまっている場合もある。
ピアノ:8公演(うちソロ4、協奏曲2、室内楽1、連弾1)
オーケストラ:6公演(うち管弦楽曲4、オペラ1、宗教曲1)
ヴァイオリン:3公演(うち協奏曲2、室内楽1)
弦楽四重奏:2公演
歌:1公演
といった内訳で、私にしては悪くないバランスで良い演奏会に巡り会えた。
さて、上記の20選から、さらに無理やり5選まで絞るとすると、下記のようになる(順序は時系列)。
●3月17日 クレア・フアンチ(Pf) クラウス・ペーター・フロール 指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団 シューマン:ピアノ協奏曲
●6月29日 古海行子(Pf) 時任康文 指揮 テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
●7月3日 ユリア・フィッシャー(Vn) ミヒャエル・ザンデルリング 指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
●9月14/15日 テオドール・クルレンツィス 指揮 ムジカエテルナ モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」
●10月22日 藤田真央(Pf) モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、リスト:「ウィーンの夜会」第6番、ショパン:バラード第4番
他の公演も捨てがたいのだが、とにかくこの5公演は曲と奏者との相性がばっちりで、もうこれ以上のクオリティでこの曲の実演を聴くことは今後ないだろうと思われるような名演だった。
皆まだまだ若いアーティストなので、今後また同じ曲を聴けるチャンスもあるかもしれないけれど。
これ以上に絞るのは非常に難しいけれど、それでもあえて今年のMVPを選ぶとすると、
●9月14/15日 テオドール・クルレンツィス 指揮 ムジカエテルナ モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」
ということになるだろう。
2019年ルツェルン音楽祭の最後を飾る2公演である。
クルレンツィス&ムジカエテルナの実演を聴くのは初めてではなかったし、また彼らによるこれらの曲の演奏はCDで幾度となく聴いていたにもかかわらず、このときの演奏は想像を絶して素晴らしかった。
まるで音楽が生まれる瞬間であるかのように生き生きとして、クルレンツィスがモーツァルトその人に見えた。
「ルツェルンの第9」ならぬ「ルツェルンのダ・ポンテ・オペラ」とでもいうべき歴史的公演に居合わせた幸福。
また、最高のソプラノ歌手、ナデージダ・パヴロヴァを知ることができたのも大きい。
このときの旅行の思い出も相まって(チューリヒ編はこちら/ルツェルン編はこちら)、私にとって忘れがたい公演となった。
皆様、本年も弊ブログのマニアックな記事にお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
もしよろしければ、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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