格安スコッチ探訪記～その10：バランタイン・ファイネスト

こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。

いつでも入手可能となるとついつい後回しにしてしまいがち。日本で、これぞスコッチの王道ともいうべき銘柄をテイスティングしてみよう。

　*ニュー・ボトル*

『バランタイン・ファイネスト』 Ballantine Finest　997円（税込）
販売元はサントリーで変更ないが、ボトルデザインに変更があり、より高価な雰囲気を醸し出している。が、個人的には以前の方が良かったかな、とも思う。
くどいようだが、酒はボトルとラベルが重要アイテムと心得るべし。各ウィスキー販売元の企業は肝に銘じよ。偉そうに言ってみるが。

では、ここで中味を吟味しよう。
開栓。香りは軽いアルコール臭と穀物の香り。さほど悪くはない。柔らかく穏やかな印象。樽香も感知できてさらに好印象。ピート香は極々わずか。

少量口に含んでみる…印象通りマイルド。クセが無いのでややパンチに欠けると感じられるが、紛れもないブレンデッドスコッチの複雑さはしっかり保っている。ブレンディングの妙であろう。
甘みが強く、同時にアルコールの刺激も現れるがさほど強くはないので飲みやすい。鼻腔に抜ける香りが甘い果実風味でたまらない。すぐに消えゆく儚い夢のように軽やかだ。

次いで、1.5倍くらいに加水してみる。加水すると元々刺激が少ないのに、よりまろやかになりさらに口当たりが良くなってグラスを重ねてしまう。やはり舌の上に甘みが残る。香りもフルーティだ。
そして、グラスにはちゃんと樽香と果実風味とスモーキーな香りが残る。このヴァニラ香が嬉しい。恐らくはバーボン樽を使用していることから来る特徴だろう。

全体的な印象としては、マイルドで華やか。フルーティな香りが支配的。初心者でも抵抗なく受け入れることができるスコッチといったところか。しかも、1000円で釣りがくるとは思えない高級感も併せ持つ。ゆえに安酒感は全くない。

主要モルトはグレンバーギ、ミルトンダフを中心に40～50種類のモルトをブレンド。複雑な味わいと風味をもたらしている。
日常用には十分過ぎるレベル。財布に優しい安心の銘柄といえよう。コストパフォーマンスはほぼ満点といっていいだろう。

さて、ボトルに印刷されている紋章の中央にある盾の中が四分割されていて何かが描かれている。

左上が大麦の束、右側が水の流れ、左下はポットスチル、右下が熟成樽、ということが窺える。

それぞれが旨いウィスキー造りに不可欠な4要素を表しているそうだ。

何年振りか、久々の『バランタイン・ファイネスト』だが、記憶通りの優等生だった。美味かった。これは他人に堂々とリコメンドできる標準銘柄物だ。
そう、優等生には違いない。しかし、アイラモルトを好むような人には物足りなさが残るだろう。と言っても、アイラ好きにとってはほとんどのブレンデッドスコッチが物足りないだろうから、あえてそんなこと言ってもしようがないな。読み流してもらおう。