こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
以前、格安ウィスキーの購入は博打のようなもの。と書いたことがあるが、今でもその思いに揺るぎはない。すなはち、当たり外れの落差が大きいのである。バーボンでもスコッチでも。
一方、“格安”の定義も漠然としていて明確ではないものの、この“格安”とは大別して二通りあると言えよう。
まず、純粋に“格安”なスコッチ。
税抜き1,000円以下で売られている、あまり著名でないブランドがこれに相当する。
『ウインチェスター』、『リチャードソン』、『ウィルトンハウス』、『ハイランドプライド』、『1495』などで、700円台という品もあったりするのでビックリだ。
もう一方は、税抜き1,000円以下であっても、税制改正以前の特級時代から輸入されていた有名銘柄品である。
『ベル』、『カティーサーク』、『ジョニーウォーカー赤ラベル』、『フェイマス・グラウス』などで、評価は安定の品々。
問題は前者だ。これらは今までに見たこと飲んだことがないものが多いので、美味い不味いの記憶がないのは当たり前。よって、実体験してみるしかない。
が、もし不味いヤツに当たったらどうなるか。苦行が待ち受けているのだ。
何とかして消費してしまいたいのだが、飲むのがつらい。仕方ないので、アマレットを大目に加えて「ゴッドファーザー」にして飲んだりするしかない。
今回は、久方ぶりに近所のスーパーマーケットに売っている未体験の“格安”スコッチを試してみた。
『ジェームズ・キング レッドラベル』 James King 980円(税別)
ボトルのルックスはとても好いものだ。
ラベルはゴージャス感があるものの派手さを抑える色調で高い品格が漂うかのようである。思い切って購入した動機も、この外観に惹かれたことが大きい。
*四角柱型のボトル*
では、どきどきしつつ開栓。
香りは溶剤っぽく、やや甘い香りでほのかに樽香も感知できる。さほど強く立ち上がりはしない。一週間ほど経過すればまた違ってくるので別の特徴がつかめるかもしれぬと期待。
すると、やはり変化が見られ、レーズンか黒糖のような甘い香りが支配的になってきた。
グラスに少量注ぐと。
エステリー香、つんとくる。
*ラベルもGood*
一口含んでみる。
アルコールでピリッとくる。舌の上で刺激が持続。熟成が短いのか、味や風味が強い刺激に追いやられてよく分からない。
少量加水。
すると・・・当然刺激は和らぐが、やはり独自の味わいが判別しづらい。とにかく辛口、やや酸味あり。
次いで二倍の加水。
ぐっと飲みやすくなり、ほんのりとした甘みが前景に押し出されてくる。ちらっとピート香を感じたが、気のせいだったのか。総じてこれといった個性は感じられない。
*ジェームズ4世に因んで命名とのこと*
試しにロックで。
一口目にわずかながら甘みを感知。しかし、本品はストレートやロックでは飲みづらいかも。
グラスの残り香を確認。
うっすらとウッディな香りがする程度。やはり原酒の熟成期間が法定のギリギリ3年物ばかりのブレンディングなのか。
全体的に強い個性のないアルコールの刺激が荒々しいタイプだ。これはもう水割りかソーダ割でしか飲めないだろう。カクテルにしたところでさほど消費は伸びないので。
だが、濃いめに割らないと平板になり過ぎるので分量に注意。個人的には、開栓後7~10日くらい経過して空気に慣らしたものを2~2.5倍程度の水割りにすればイケると感じた。
ところで、裏側のラベルを読むとちょっと納得できる情報が得られる。
原材料の項目に、グレーン、モルトとある。多くの標準銘柄品でもモルトが先に来るのだが。よほどモルト含有量が少ないのだろうか。まろやかさの欠ける要因は原材料と熟成期間にあるのかもしれない。
参考までに書いておくとブレンデッド・スコッチの場合、標準的なモルト含有量は20~30%で、残りはグレーン・ウィスキーが占める。なので、30%の割合というボトルはかなりモルト配合比率が高いといえる。
なので、モルトとグレーンの記述が逆になっていることの意味は必ずしも単純にモルト含有量が少ないことを意味するわけではないのだろう。
とはいえ今のところ二度目はないボトルである。
格安スコッチ探訪記過去記事
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