こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
昔から知ってはいても、何故かなかなか手を出せないウィスキーってあると思うが、皆さんはどうだろう?
gonzalezにとって『グランツ・ファミリー・リザーブ』が、その代表格。
海外のホテルのミニバーには、このミニチュアボトルが置いてあったりする。あの三角柱のボトルは、シングルモルトの『グレンフィディック』同様とても印象的だ。
よく考えてみると、どうも露出度が高いことが要因のような気がする。つまり、ジム・ビームのようにありきたりで、有難味が無い、ような。
同時に、よく飲まれている銘柄は、クセが無く飲みやすい、という印象も強い。
また、標準銘柄は、下手するとアルコールの刺激が強いモノを掴まされることが多い、という経験。
この先入主観が、アイラモルトのようなアクの強さが好みで、ピリピリ感が嫌いな自分にはマイナスに作用したようでもある。
しかし、食わず嫌いこそ人生のマイナス作用であることも事実現実。ゆえに、思い切って購入。
『グランツ・ファミリー・リザーブ』 Grant’s Family Reserve 1111円(税込)
先ず、値段が許容範囲であることも幸いした。安い。感覚的に1000円にも等しい。精神衛生上好ましい。ここ重要。
出生不明の格安スコッチとは異なり、一応は由緒正しい銘柄である。
ロングセラーであるということは、支持されるそれなりの理由もあろうかと思料した。
で、いそいそと開栓。すると…驚くなかれ、実に驚異的な芳香が!というのは少々誇大であるものの、今までに経験無い嬉しい第一印象。
なんと、バーボン風のヴァニラ香。これすなはち樽香と思しき香りである。スコッチにはよくあることだが、もしや熟成樽にバーボンの樽を使用しているのだろうか。初っ端から吃驚である。
とにかく、この香りは幸先の良いスタートで、好感度が一気にアップする。
次いで、少量口に含んでみると・・・うむ、予想通りアルコールの刺激が結構強い。ピリピリ感じる。だが、麦芽風味を含むなかなかに複雑な味わいが好感する。
では、ここで加水。味わいが柔らかくなり、苦味や甘みや樽香が混然一体。他の銘柄と比較して、樽に由来する香りが顕著。後口は甘みが支配的か。
余韻にも樽の影響が強く出て木の香りと甘みが。
グラスの残り香にもほのかに木の香り、樽香あり。果実風味も明確に。
ちなみに、開栓した後時間が経過したら、香りには煙臭さが感じ取れた。これも好印象。
*ボトル裏面には家紋が刻印*
全体的な感想は、価格の割には複雑な味わいが楽しめる、といったところか。
コストパフォーマンスはかなり高い。10点満点で9.15くらいか?アルコールの刺激が強いのでストレートだとちょっときつめに感じるかも。
しかし、ソーダ割りや水割りもうっかりすると薄らぼんやりになってしまうので、気配りが必要。やや濃いめの水割りなら結構イケる。ロックでもOK。
自分なら氷を加えた水割りを選択する。
これは当たりだった。リピートするかどうかは別にして、他人にもお勧めできるブレンディングの出来栄えだ。いや、お買い得。
主要モルトは、ボトルから判別できるがグレンフィディック。その他バルヴィニー、キニンヴィなど。
ここでいつも通りヲタク的情報。
紋章の下部に明記されている“STAND FAST”(「伝統を固守する」「地歩を固める」)はグラント社を経営するグラント家のモットーだそうだ。
ちなみに、グラント社は1887年創立以来、ファミリー経営を守り続けている、希少な独立系企業である。
今回は、未知の銘柄への挑戦が功奏した事例となった。良い経験をさせてもらった。
追記:このテイスティング記事は2015年4月に執筆。
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