こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
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「しかし僕は暫くの後、いつか胃の痛みを感じ出した。この痛みを止めるものは一杯のウィスキイのあるだけだった。…僕はそこのバアの前に立ち、ウィスキイを一杯註文した。『ウィスキイを?Black and Whiteばかりでございますが』…僕は曹達水の中にウィスキイを入れ、黙って一口ずつ飲みはじめた」~芥川龍之介『歯車』(‘27)
今年の1/12の記事「文人酔漢~芥川龍之介編」でも引用した短編の一節です。
そうです、≪銘酒探訪記≫第二回目はこれ。
『ブラック&ホワイト』 Black & White 1,155円(現在1,100円+消費税8%)
ボトルのラベルにはトレードマークの黒犬&白犬。目にしたことのある人も多いのではないでせうか。このラベルだけで十分に関心をひきつけます。
ボトルもグリーンで渋いですね。外観はかなりいい線いっています。
ちなみに黒はスコッティッシュ・テリア。白はウェスト・ハイランド・ホワイトテリアという犬種だそうです。
なぜかゴルフ用スポーツウェアなどにもこのロゴマークが付けられていたりします。
*キャップにもちゃんと・・・*
で、昔から馴染みのある標準銘柄品なのですが現在は正規輸入品は無いようですね。いわゆる並行輸入の品を入手ということになります。
さて、早速開栓。あれっ、と思うくらい香りや刺激臭が少ないです。
グラスに少量。色もやや薄め。やはり香りは強くありません。
ちょっと口をつけてみますと…ほう。ずいぶんとライトな製品ですね。やはりアルコールの刺激臭が少ないです。これは近年流行りの(個人的には好ましいと思わない)“飲みやすい”酒と言へませう。
ではさらにちびちびいってみますと…ピート香はやや感じられますが飲んでいる時は気になるほどではありません。本当にライトでマイルド。個性が感じられません。
しかし飲み干したグラスの残り香としてピート香が明確に立ち昇ってきます。ここはしっかりツボを押さえたブレンディングがなされています。
後口もあっさりしていてキレがいいです。が、やや甘みが感じられます。
印象としては徹頭徹尾ライトでマイルド“飲みやすい”。が、飲み飽きないとも言へるでせう。実際ついついグラスを重ねてしまいます(現在進行形!)。
これはこれでなぜかリピートしたくなるウィスキーですね。
モルトは本ウィスキー製造会社ブキャナン社の創業者ジェームズ・ブキャナンが建てたグレントファース蒸留所の原酒。アバフェルディ、ダルウィニーなどのハイランド物。そしてスペイサイドのグレンダランなどがブレンドされています。
以前は1985年に閉鎖されたコンバルモアも用いられていたがその後どうなったろうか。
ちなみにJ・ブキャナン氏。会社をジョン・ウォーカー&サンズ社、デュワーズ社と並んでビッグスリーと呼ばれるまで育て上げたとのこと。
発売当初の「ブキャナンズ・ブレンド」銘柄を一般消費者による愛称「黒と白」(ラベルの色に由来)に変更して現在の名前にしたそうな。
さらにラベルに黒白の犬まで登場させてさらなる販路拡大に貢献したと言われています。
最後に、これも1/12の記事で紹介しましたが、映画『狂った果実』で裕次郎がこのストレートを註文する場面がありました。
*ポスター*
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