関係記事

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その1(「当時の空気」から 何を学ぶか)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その2(逃げられない「監獄列島」)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その3(「戦争の狂気」に晒される日本列島)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その4(現実化する『本土決戦』と「北海道避難計画」)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その5(戦争は絶対に起こしてはならない)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 その6(仮に「本土決戦」が実行されたら・・・・)‐

 

‐シリーズ・在日朝鮮人と戦争 最終回(終戦直後にあった虐殺)‐

 

‐シリーズ 日韓会談と在日朝鮮人 その4(過去の歴史を振り返る)‐

 

‐シリーズ 日韓会談と在日朝鮮人 その5(徴兵・徴発・強制連行)‐

 

‐シリーズ 日韓会談と在日朝鮮人 その6(支配と同化が残したもの)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その1(ライフル魔と呼ばれた男)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その2(社会的分断がもたらしたもの)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その3(責任感・徳のない国の末路)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その4(在日コリアンは人質である)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 最終回(排撃の歴史を乗り越えて・・・)‐

 

 

・「皇国臣民」から 「不逞外人」へ

 

 

7在日朝鮮人二・三世はどう生きるか

 

━差別と偏見の疎外状況を自ら告発するかれらの行為

 

生まれた日本は“故郷”か

 

 

太平洋戦争の終結、そして朝鮮の独立━すでに二七年<本書執筆当時>になる。

 

だが混乱と緊張の連続である。その波動は必然的に「在日朝鮮人」にも降りかかっている。その渦中にも次代が生まれ育った。そして「在日朝鮮人」も変わりつつある。それはまず世代構成の変化である。

 

※かっちんブログ「堅忍不抜」『日本人の99%が知らない朝鮮籍のコト 在日朝鮮籍の人は北朝鮮人?』記事より

 

https://ameblo.jp/sanpurena/entry-12552596415.html

 

現在、約六一万<2018年現在は約48万人程度>の朝鮮人の70%を二世と三世が占めており、またその約三分の二は日本の学校で教育を受けて、その母国語を解せず、日本語によって発想している。かれらの多くは日本名<通名>をもって、日本で生きようとするかのように見える。

 

しかし“日本の壁”は厚く、かれらを容易に寄せつけない。

 

近年、論評される“軍国主義復活”傾向と相まって、日本における排他主義と朝鮮侮蔑意識と、差別などの壁は依然として厚いのだ。

 

この壁にぶつかりあいながら、在日朝鮮人二世や三世はいかに生きようとするのであろうか。

 

かれらの多くは、渡日朝鮮人(一世)とは生理を異にし、発想法もちがっている。かれらには祖国という山河へのイメージがない。よかれ悪しかれ日本で生まれたがために日本の地こそが故郷であり、その多くは日本語を“母国語”のように使っている。

 

したがって、どこからみても日本青年<女性>と変わるところがない。ただ、ちがっているのは「国籍」だけである。この「国籍」問題で、近年、いくつかの事件がもち上がった。

 

この問題の底辺には、重大な論究課題がひそんでいる。

 

朝鮮人側からみると「民族意識」「主体思想」の欠如であり、日本の課題としては偏見と差別といった旧時代の尾ひれの問題がある。

 

それでも日本社会に生きようとする朝鮮人二世・三世の中には、勇敢にして悲壮な決意と自覚を担っている者が少なくない。今後、ひょっとすると、かれらこそ“日本の壁”を打ち破る尖兵になるかもしれない、と私は密かに思うのである。

 

歴史の流れは、目的意思どおりに形成されることもあるが、それは自己疎外的に流れる場合もある。だが、それはいつかは自家撞着<言行不一致、自己矛盾>によって噴出する。それを契機に、反転姿勢をとらせ、さらに追及への対決姿勢となり、前向きへの導火線になる場合が往々にある。矛盾の社会構造はけっして長つづきするものではないし、歴史の幹にはなり得ない。

 

ただ、その歴史という悠長な一足が、一五年や二〇年を跨ぐので、とかく錯覚しやすいのである。

 

在日朝鮮人二世・三世という宿命的な存在と、その宿命的な壁を語る前提として、どうしても戦後日本の“二七年の軌跡”を書かずにはいられない。

 

※<>は筆者註

 

『日朝関係の視角 歴史の確認と発見』 金一勉著 ダイヤモンド社 137~139頁より

 

現在では、その軌跡が“74年”へと更新されている・・・。

 

簡単に、在日コリアンの「国籍問題」を縷述させていただくと、以下の記事群がある。

 

‐シリーズ こうして「在日」は生まれた その8(在日朝鮮人の法的地位の問題)‐

 

‐シリーズ こうして「在日」は生まれた その8(朝鮮人を無国籍状態にした『日韓』の責任)‐

 

‐シリーズ こうして「在日」は生まれた その8(『韓国籍』の特権について)‐

 

‐シリーズ こうして「在日」は生まれた その9(「強制退去」と「差別化」)‐

 

‐シリーズ こうして「在日」は生まれた その10(『外人登録法』の差別問題)‐

 

‐朝鮮学校「無償化除外」から考える 在日コリアンの『二重国籍論』‐

 

時の冷戦構造において、名実ともに「米植民地」である日韓両政府が、北朝鮮政府との「対立」を作り出す上で、日本に住む在日コリアンを、どちら側に付くかの「リトマス実験体」とし、韓国籍の「特権」や、朝鮮籍の「無権利」など、元来の「日本の差別問題」と合わせ、現代にもつづく複雑な歴史的経緯がある(戦前渡日した『オールドカマー』の処遇問題)。

 

 

・戦前・戦中の「皇民化」 戦後は「排除」と政治経済的「ネオ同化」

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=KjJ-ctAqpRY

 

“この国で生きているのは、日本人(国民)だけではない。

 

戦前には、日本人として「認められ」、同じ「臣民」としていたにも関わらず、戦争がおわれば、もはや日本人とは「関係ない」立場にされてしまった方々、悲しい戦争の歴史の中で、強制的に連れてこられたり、さまざまなお立場の方がいらっしゃって、二代・三代となって、日本で暮らされている方々、またそれ以外の方々、いろんなシチュエーションの方々がいらっしゃる中で、「国民」という、ひとつの括りにしてしまうのは違うのではないか”

 

国政政党『れいわ新選組』 全国ツアー 

神戸市三ノ宮における街頭演説(2019年12月3日)より

 

‐山本太郎が「国民」という言葉を使わない理由‐

 

民族や国籍、政治的立場で人を「迫害すること」は、社会に大きな禍根と分断を呼び起こす。

 

英語ブロガーMichikoさんの記事より、主に旧宗主国と被害国(元植民地)「歴史問題」清算の一環として、幾多の海外事例をご紹介されている。

 

ベトナム(アルジェリア・チュニジア)とフランスインド(ほか中東の国々)とイギリスの関係において、旧植民地民に対する「何らかの政治的優遇措置」が取られるのは、これらを類推するに『世界の常識』となっていると判断する。

 

60年前のアルジェリア独立戦争時の残虐行為を認めたフランス

 

 

『山本太郎(れいわ新選組代表)街頭記者会見 和歌山市 2019年12月2日』

 

https://www.youtube.com/watch?v=uwSmRZkU2Ug

 

しかしながら、多くの民衆が「モノリンガル」ゆえ、多角的な海外事例を能動的に獲得できない日本人にとって、本当の「国益」だとかを理解するチャンスは、なかなかめぐってこない。

 

‐歴史的知識の欠落したひとりの若者(生保コリアン除外や朝鮮学校無償化反対など)‐

 

さらには、学校における近現代史の歴史教育の不足だとか、それが何世代にもわたって「積み重なって」きたがために、職業右翼とは別にした、緩やかな「排他的言論」が構築され、無知や息苦しさが蔓延した社会が、私たち自身をも苦しめる結果につながっている。

 

ここで、先の小題目に戻りますが、戦前は韓国皇太子も含めて、ひたすら「日本人への同化」を強いられました。

 

‐朝鮮最後の『クラウンプリンス』李垠<イウン> その11(欧州旅行その後、皇室への「帰化」)‐

 

しかし、戦後になれば「一方的な外国人扱い」とされる一方で、経済的困窮政治的(社会的)迫害などを通じて、在日コリアンの民族性を潰し泣く泣く「帰化する」選択を取らせる『ネオ同化』が、現在進行形で蔓延中である。

 

このような不健全極まりない形で、果たして日本社会が「健全に機能するか」と考えれば、大いなる疑問符がつくであろう。

 

主に、北朝鮮問題では、朝鮮学校の無償化除外や、関係団体への不当な圧力と攻撃により、双方において「劣悪な関係」となり、拉致問題に関しても「大きな障害」となっている。

 

さらには、韓国中国との関わりも含めて、これらすべては戦前・戦中の歴史問題の「未解決」が、北東アジアにおける『分断』を生み出している「根本原因(本質)」であることを、多くの人々は気づいていない。

 

現に、私は在日コリアンの友人をもち、それを「肌感覚」で認識しているし、Michikoさんにしても、英語で何年にもわたり、中国本土の方々や、海外の中国人たちと、密で建設的なコミュニケーションを通じて、「日本の取るべき指針」を明確に捉えられている。

 

今回の記事は、まだまだ始まりに過ぎませんが、複雑な社会問題を考える上で、少しでも助けになれば幸いでございます。

 

 

<参考資料>

 

・『日朝関係の視角 歴史の確認と発見』 金一勉著 ダイヤモンド社

 

・Cluttered talk blab blab blab 『特別永住者には、ほかの外国人よりも優遇される理由がある』記事

 

https://ameblo.jp/cluttered-talk/entry-12554129747.html

 

・同 『60年前のアルジェリア独立戦争時の残虐行為を認めたフランス』記事

 

https://ameblo.jp/cluttered-talk/entry-12404944182.html

 

 

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