紅葉

特別永住者は、ほかの外国人よりも優遇される理由がある

さて、ふーくんさんの記事(‐歴史的知識の欠落したひとりの若者(生保コリアン除外や朝鮮学校無償化反対など)‐ | 歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ)で紹介されている「山本太郎に食い下がった青年」について。
まあ、こういうふうな考え方に、一度はなる、と思うんですよね。
この青年は、性根の悪い人、というのでは、たぶん、ない。
けれども…なんだろうな。
  • 人生経験、社会体験が足りない。
  • 情報が偏っている。
  • 想像力が足りない。
こんなところだろうかなあ。
まあ、同じような考え方をしているほとんどの人が、これに当てはまり、そして、商売右翼だけが、ちょっと違う。
右翼であることが、生活に直結していて、それで食っている人ね。
これは、一部の人権活動家にも、同じことが当てはまるのだが。
それは置いておいて、「普通の人」で、こういう考え方に共感してしまう人を、対象にして、話をしてみようと思う。

本当に、同じ扱いでいいのか?

まず、前提として、「ほかの国の移民の扱いと、在日コリアンの扱いを、同じにするべきなのかどうか」を、考えてみたまえ、と。
それで、妥当だろうか。
在日コリアンというのは、どういう人たちなのか、きちんと、知識を持っているか。
まず、在日コリアンには、種類がある。
  1. 敗戦前(1945年)から、日本に在住していた人たちと、その子孫(特別永住者)
  2. そのあとに来日した人たち
この区別と、1になるための条件を、はっきりと、理解しているかね。
とにかく、これは、簡単だから、すぐに覚えられると思う。
さあ、もう覚えたね、次へ行くぞ。

植民地支配と、敗戦の産物である

1の人たちは、敗戦までは、「日本国臣民」だったのである。
「天皇の赤子」だったのである。というか、本人たちの意思とは無関係に、勝手にそうされてしまった、のである。
それは、大日本帝国が、大韓帝国を併合したからである。
それは、武力で脅して植民地にしたということの結果である。
そして、表面的には、「日本人にしてやったぞ」「公平だぞ」というふりをしつつ、実態は、ぜんぜんそうではなかった。
そして、労働力として、おおぜいの若者が、日本に連れて来られ、苛酷な労働に従事をさせられ、多くが命を落としたり、障害者になってしまったりした。
これについては、一部の中国人についても、同じ。
ここまでは、わかったかな。次へ行くぞ。

日本人になるのもやめるのも、自分の意思は、まったく無関係だった

そして、その人たちは、敗戦とともに、日本国臣民としての立場を、取り上げられた。
それは、大日本帝国が、ポツダム宣言を受け入れ、朝鮮半島の植民地支配をとりやめて、軍隊や役人や民間人を引き揚げたから、である。
が、朝鮮半島から、やってきていた人たちは、すでに職や住まいを日本で得ていたり、生活の実態が日本にあるという人が、かなりいた。
その人たちの中で、朝鮮半島へ帰らず、残って、次の世代、また次の世代というふうに、日本での生活を本拠地としている人たちのことを、「特別永住者」という。
これは、法的な身分であって、ほかの外国人よりも、少し優遇されており、それは、生まれたときから日本で暮らしているような二世三世が増えれば、犯罪を犯しても、強制送還するというのは、酷なことであるからだ。
そもそも、三世くらいになると、朝鮮語ができない、という場合も、増えてきた。
一度も朝鮮半島に行ったこともない、という人だって、いるだろう。
そういう人たちを「微罪」の場合に、「本国へ送還する」というのは、あまりにもおかしなことなので、そこは、ほかの外国人よりも、優遇することに、なっているのである。
さらに、特別永住者は、よほどの大犯罪でも犯さない限り、ずっと日本に住んでいられる、というふうになっている。
これは、ほかの外国人や、あとからやってきたコリアンたちが、滞在許可の更新をしなければならないこととは、大きく違っている。
ここまでは、わかったかな。
そして、「特別永住者」に対する扱いについて、考えてみよう。

不当かどうかを、もしも自分だったら、と考えてみる

この「優遇措置」は、「不当なもの」だと、思いますか。
思うなら、どうして思うのか、それを、考えてみたらいい。
まず、自分が、その立場に生まれたという前提でもって、考えるんです。
誰も、親を選んで生まれるということは、できません。
そして、この措置が「優遇されすぎだなあ」というふうに、思うか、「足りない」と思うのか。
そのことを、一度、真剣に、考えてみてください。

これが、あらゆる意味で有益な、最も正しい解決方法

そして、私個人の意見でいえば、在日コリアンのうち、特別永住者については、無条件で日本国籍を与え、二重国籍を認めるべきだと、思っています。
過去の被植民地からの移住者については、優遇的な扱いをするというのは、ほかの国でも、過去の植民地支配の反省や謝罪の意味でもって、行われていることです。
日本だけが、ちょっとはやっているけれども、ぜんぜん足りないと思うんですよ。「比較」をしたという場合には。
フランスの場合には、ベトナムからの移民を、優先的に受け入れています。
過去に植民地にして、搾取し、迷惑をかけたのだから、優遇するのは、当然だ、と。
フランスの場合には、アルジェリアなどもそう。
例えば、フランスを代表するサッカー選手で、あの頭突きで有名なジダンは、アルジェリアからの移民の子供です。
彼自身は、フランスで生まれていますから、フランス国籍です。
また、ニースでのトラックテロの犯人は、チュニジア人でしたが、それも、同じ意味合いで、フランスが、過去に植民地化した地域の国民を、優先的に受け入れているんです。
イギリスの場合には、インド人を優先的に受け入れているから、黒人がけっこう多いですね。
また、中東からも、けっこう受け入れていますね、あそこらへんは、相当に荒らした過去があるので。
ダイアナ妃の最後の恋人というのは、パキスタンからの移民の医師でしたが、あの人なんかも、その絡みで、やはりイギリスに移住しているわけです。
また、あのQueenのボーカリストだったフレディ・マーキュリーも、インド方面からの移民です。彼は、民族的には、ペルシャ人の子孫だったようですね。
両親は、ゾロアスター教だったとか、聞いたような気がするな。
そうやって、過去に植民地支配を行った国というのは、どうせ、ロクなことをしてきていないのだから、せめて、現在の住民たちを、優遇的に扱ってあげる、というのが「常識」なんです。
アメリカの場合には、わりと冷たいですが、それは、基本的には、「経済的負担」の面から、植民地運営を嫌い、表向きには、フランスやイギリスなどよりは、植民地化したと言える地域が、少ないからです。
が、実質的に植民地にしたのは、日本を含め、いっぱいありますよ。

「比較」で言えば、手厚くない

ともかく、私が見たところ、特別永住者の扱いというのは、ほかの国と比べた場合に、決して、「手厚すぎる」ということは、なく、むしろ、逆でしょう。
そして、その状態が、長く続きすぎたことによって、「特別永住者の立場」に対し、無知な人たちが、増えてきた。
彼らは、特別扱いをされてしかるべき理由のある人たちなんですね。
なのに、あとからやってきたニューカマーの外人たちと、同じような目でしか、見られなくなってきた。
だから、「嫌なら帰れ」と、平気で言われるようになった。
これは、おかしなことなんです。
繰り返しますが、過去に植民地支配を行ったほかの国では、元植民地からの移民に対しては、優遇的措置を取っているわけで、何も、珍しいことではありません。
さらに言えば、日本における特別永住者というのは、圧倒的にコリアンが多いわけですが、少数の中国人も含まれています。
その人たちは、二世三世になって、もう日本で生まれていて、ほぼ同化している人たちも、多いですね。
もちろん、文化的な継続性というのは、保たれている場合が、多いでしょうが、いっぽうでは、同化しているということは、これは否めない。
その人たちは、ほとんど、日本語が、第一言語である、と。

一定数の「不安定なマイノリティ」をそのまま抱えているということは、国の運営にとっては、絶対によくない

そして、私は、特別永住者の身分、この状態というのは、マジョリティとマイノリティの双方にとって、不幸だし、「損だ」というふうに、ものすごく思っているんですよ。
国益にならない。
そういう、不安定な身分のマイノリティの存在というのは、内政不安のタネにもなりがちですし、それを狙った外国の勢力、○○○などに、付け込まれやすい。
ですので、彼らの身分は、安定するべきなんです。
それは、私が言っているように、敗戦前から住んでいた一世と、日本で生まれた二世三世四世には、無条件で日本国籍を付与し、二重国籍を認めるというのが、一番現実的である。
私は、彼らに仲間として、責任を持ってもらって、政治にも参加をしてもらいたいと、思っているんです。
日本国民としての重荷を、一緒に背負ってください、ということです。
60万~100万人の特別永住者がいると仮定して、これまでは、差別をされているぶん、いろんなことに対して、無責任でいられました。
日本人がバカで、政治が滅茶苦茶になっても、借金だらけで破産しそうでも、それは、アホな日本人が悪いのであって、自分たちとは関係ない、と。
それはそうです、選挙権がなく、発言権が与えられていなかったのだから、「日本国の運営の失敗」については、誰も、彼らを責めたりはできません。
が、日本国籍を付与されれば、そうは言っていられなくなります。

特別永住者が二重国籍を持てば、地域の平和にとっては、絶対に有益である

そして、それだけの数の人が、仲間になってくれれば、すごい戦力になりますよ。
その人たちは、先祖の母国との戦争だけは、絶対にしたくないと、思いますよね。
だから、彼らの政治への発言力が増せば、平和になる。
方向性としては、そうなるに決まっている。
もう、下を向いて、どうせ政治への発言権がないのだからと、グチを言っているだけでは、いられなくなるんですよ。
そのささやかなストレス解消の権利を、捨ててもらって、一緒に荷物を背負ってください、むしろ、あなたがたと、沖縄の人が、積極的に、この国を引っ張って行ってくださいと、私は、そう言いたい。
悪の元凶・不幸の源である薩長閥を追い落とすくらいの勢力に、育ってほしい、私は、そう期待しています。
そして、天皇制なんかも、カネ食い虫ですから、実利的に考えた場合には、要りませんから、コリアンや、沖縄の人たちが、もっと政治に食い込んで、積極的に、潰す方向性に、持って行ってもらいたい。
それは、当たり前のことで、コリアンや沖縄の人が、天皇家のために金を使いたくないとか、象徴として拝みたくないというのは、当たり前の話ですから、その人たちのためにも、そんな前時代的な制度は、さっさとやめたらいいんですよ。
税金が、ずいぶん節約できるし、一石二鳥。

アメリカでは、イスラエルとの二重国籍の国会議員が普通に存在

アメリカでは、イスラエルとの二重国籍の国会議員が、けっこうたくさんいるらしいですが、あれはまた、別物で、あれは問題ですね。
非常に特殊な問題。
人口の1%程度しかいないユダヤ人が、なぜそんなにたくさん、国会議員になっているんだ、と。
それは、よその国の事情ですが、植民地にされているこっちにも、実は、多いに関係はあるのですが、取りあえず置いて、ともかく、特別永住者の場合には、それはおかしくない、ということ。
特に、中国と朝鮮とは、仲良くしすぎてしすぎるということは、ない。
日中朝鮮の民は、運命共同体です。
幸せになるときには、みんなでなるけれど、誰かが不幸だったら、みんなに影響してしまう。
親しくしたらしただけ、尽くしてあげたらあげただけ、有形無形のたくさんのいいものが、返ってくる、それが、北東アジアの付き合いです。
だから、心配をしないで、特別永住者には、なるべく早く、二重国籍になってもらって、政治への参加を、してもらうというのが、最も国益に適う。
発想を変える必要が、あるんですよ。

戦後の日本在留コリアンの身分について、政策が間違っていたことは、政府が謝罪すべき

そしてもちろん、過去に、勝手に日本国臣民にしておきながら、それを取り上げ、在日コリアンの身分を不安定なままにしておいたことについて、「政府」として、謝罪をすべきですね。