JISスパナ 全25社
日本製スパナ商品群の中心にJISスパナ(&その製造メーカー)があると考えていますので、コレクションを始めた3年前(2020年)から追い掛けてきました。
しかしながら、思いのほか資料が見つからず、なかなか正体が掴めませんでした。
最初は9社しか会社名が分かりませんでしたが、そこから13社、22社と段々と全貌が明らかになっていき、そして2年掛けて全25社にたどり着きました。(国会図書館の資料を個人PCで閲覧できるようになったのがブレークスルーでした)
そして、最後の2社 (北日本鍛造と新日本鍛工) について会社名は分かったものの正体不明のままでしたが、やっと詳細が分かり、全25社の個別解説が完了した次第です。
したがい、JISスパナ全25社の解説入口として本編をリニューアルしました。
※JISスパナ追い掛けの顛末は、こちらにて。
前半…25社リストとリンク集、さらに各社概要
前半…スパナJIS/B4630の規格解説
※リニューアル内容
・25社リスト…JISスパナ製造元判断に重要な"製造者記号"を追加。
・25社リンク…各社詳細ページへ一発で飛んでいけるように新設。
・各社概要…全面的に書き直し。
1. 全25社リスト
※許可番号順、複数登録の場合はメーカー単位で括り。
注1. ロゴと製造者記号は、スパナ実物の刻印より独自に追加したものです。
注2.現在もハンドツール事業を継続しているのは10社。(上の一覧表の黄枠)
注3.北日本鍛造㉑は、1967年のJISリスト発行以降にJISを取得し、次のリストが発行される1982年よりも前に返上しているため、一覧表上に●印が付きません。
注4.旭金属工業の"006159"と"372165"の2つも、一覧表発行の狭間で取得と移転を行っているため、リスト上に●印が付きません。(旭金属工業は4工場で5つの許可番号取得)
※注3.と注4.の解明に時間が掛かりました。
★25社詳細へのリンク
※○番号は全25社リストから。(廃業と現役に分け、それぞれ許可番号順)
1)廃業15社(含む事業転換)
・① 昭和スパナ/SDF(複数ページのまとめ)
・⑨ 京都機械/一重丸京(複数ページのまとめ)
・⑳ 相伍工業/AIGO and OEM
・㉑ 北日本鍛造(BEST最初の製造会社)
・㉕ 平松工業(BEST2番目の製造会社)
2)現役10社
・④ 京都機械工具/KTC(複数ページのまとめ)
・⑪ 旭金属工業/ASH(複数ページのまとめ)
2. 各社概要
1)廃業15社
① 昭和スパナ製造/SDF
・1952年11月にスパナJIS認証を取得。(7社同時取得)
・戦前の1938年に昭和鍛造工業所を創業し、1949年に昭和スパナ製造(株)に改組。
・1961年時点でスパナの生産量25万丁/年で日本最大を誇っていました。
・終戦直後から1980年代まで日産向けに車載スパナをほぼ独占してOEM供給。
・ロゴは、昭和鍛造工業所/Showa Drop Forgedを略してSDF。("S"の中に"D"と"F")
・1987年11月に事業廃止としてJIS認証返上。

↑↓戦前の商品で、最初の昭和スパナと推測。(1941年の広告と同一形状より)
↓一番ポピュラーな昭和スパナ。
↓戦前1939年、1941年および1968年の広告

★スパナJIS認証取得…最初の7社(1952年11月10日に同時認可)
昭和スパナについて会社名やどんな製品をいつまで作っていたのか情報が全く無く、正体不明の状態が長く続きました。
インターネットが普及し始めた2000年よりも前に廃業した会社の情報を得るのがいかに大変か思い知りました。
それが、創業家の方にお会いし、工場跡地を訪れ、元従業員の方からも詳しくお話を聞くことが出来て、完璧に分かるに至りました。
昔の工具追跡を始めて5年になりますが、最大の成果がこの昭和スパナの正体解明だと思っています。
昭和スパナの詳細は ⇒ こちら
昭和スパナの反映と衰退は、このスパナと共に。
昭和スパナの最後期モデル。
このモデルを持っているのは恐らく私だけでしょう。(工場跡地の倉庫から出てきた物を特別に頂きました)
② 松戸製作所 ⇒ 松戸工具/M.R.S

・戦前の1933年/S8年に銀座『菊秀刃物店』向けの刃物専用工場として埼玉/松戸駅前に松戸利器製作所を設立し、1939年/S14年に松戸製作所に改名。
・1934年5月に三角形4つ
の商標を出願し、さらに1935年7月に"松戸.利器.製作所"を略した"M.R.S."を出願。
・戦時中に中島飛行機や陸軍向けに工具を納めていたとのことで、隼や鍾馗など陸軍向け中島発動機の整備工具一式は松戸製作所製だったのかもしれません。
・1952年11月に最初の7社としてJIS認証を取得していますが、肝心のJISスパナが見つかっていません。
・1955年の社長交代に伴い松戸工具(株)に改組し、1959年に何故かJIS認証を同じ工場にも関わらず別番号で新規に取り直しています。
・1960年前半に廃業。
↑1949年に優良自動車部品の認定を受けたと思われるタペットスパナ。
↓航空自衛隊にも納入。(中島飛行機への納入実績より?)
松戸工具の詳細は ⇒ こちら
⑤ 大阪鍛工
・1939年に創業。(戦前に何を作っていたかの情報無し)
・1952年11月に最初の7社としてJIS認証を取得。
・JISスパナは多く見かけますが、会社情報が少なく、戦前から戦後に掛けてどの様な会社だったのか良く分かっていません。
・また、JIS以前のスパナが見つかっていません。(JIS認証を取得してからスパナ生産?)
・1981年11月に、製造部門を閉鎖し、工具製造会社としては事業停止。(倒産では無く、意識的な工具製造停止)
・製造事業停止を受けて1982年に商社部門が別会社『(株)マルティ』(
より)として独立。
・少なくとも2007年まではネツレンや池田工業からOEM供給を受けて大阪鍛工ブランドを継続販売。
↑大阪鍛工の第1号スパナと推測。("OSAKA TANKO"の刻印はありませんが、製造者記号
とJIS許可番号"1978"より大阪鍛工製と分かります)
↓もっともポピュラーな大阪鍛工。(The大阪鍛工)
大阪鍛工の詳細は ⇒ こちら
⑥ 服部スパナ製作所/TORI

・1952年11月に最初の7社としてJIS認証を取得。
・ロゴは服部の"TORI"。
・100年以上の前の1918年/大正7年に創業していて、戦前の1941年にスパナの広告を出しています。(JIS認証取得前年の1951年まで社名は服部廣鐵工所)
・JISに登録している会社名は服部スパナ(株)ですが、実際は服部スパナ製作所。
・1967年スパナJIS認証会社リストに載っているのが最後の企業活動記録であることから、1967年以降に廃業したものと思います。
↑戦前のスパナ
↓三菱メイキ向け、JISマーク付き
(製造者記号"TORI"とJIS認証番号"1979"より服部スパナ製と分かります)
↓1942年『名古屋工場要覧』と1943年『工業仕入案内』の広告
★許可番号"1979"の表示について
・製造者表示として服部スパナの"TORI"が刻印されていますので、JISマークさえ表示されていればJIS許可番号の"1979"は不要だと思っていたのですが、JISを規定している工業標準化法に以下と定められていました。
・『JISマーク、規格番号(B4630)、等級、許可番号(1979)、製造年、製造者表示は記載しなければならないが、記載事項の省略申請が認められれば省略できる』
・服部スパナの場合は、B4630と製造年が省略され、製造者記号の"TORI"と許可番号"1979"が規則通りに記載されていることになります。
・したがい、規格番号/B4630と製造年については非表示の申請したのだと思います。(等級は1955年まで規格自体が未設定)
・最初にスパナ認証を同時取得した7社中の4社が許可番号を表示。
↓工業標準化法施工規則 第65條
服部スパナの詳細は ⇒ こちら
⑦ 東亜鍛工所/TOA

・1952年11月に最初の7社としてJIS認証を取得。
・終戦1年前の1944年2月創業。(工具会社としては珍しく石川県の会社)
・ロゴ3種(◇"工"、"TOATANKO"、OEM向けに"TOA")
・JIS以前のスパナが見つかっていません。
・会社の存在が確認できる最後の資料が1966年であることから、1966年以降に廃業したものと思います。
↑東亜鍛工所の製造者記号◇"工"とJIS認証番号の"No.1980"。
↓ダイハツ車載スパナ、OEM向け製造者記号として"TOA"。

東亜鐵工所の詳細は ⇒ こちら(2社目)
⑨ 京都機械/一重丸京

・元々は染色機械製造業ながら、1939年に海軍航空機の工具工場の指定を受け、ゼロ戦等の整備工具一式を生産。
・終戦直後より作業工具の一般販売を開始。
・スパナJIS認証は、少し遅れて1954年に取得。
・ロゴは、戦前からゼロ戦などに使っていた一重丸京。
・1970年12月に工具事業から撤退。
↑ゼロ戦/榮発動機用。
↓JIS認証取得スパナ。
京都機械の詳細は ⇒ こちら
⑬ エヌ・テー・ケー/NTK
・1938年に新潟鍛鋼(株)として創業。
・1949年に新潟鍛鋼が商標"N.T.K"を出願。
※Niigata Tanko Kabushikigaisha ⇒ N.T.K
・新潟鍛鋼の時代からスパナを生産していたことが分かっています。
・1955年に経営陣(社長)が交代し、(株)エヌ・テー・ケーに社名変更。
・輸出が主流。(今でも、ヤフオクよりもアメリカebayの方が出品数が多い)
・1962年9月にスパナJIS認証を取得。
・1978年3月に倒産していますが、1年後の1979年6月生産のスパナが見つかっています。(倒産後も管財人等が生産?)

↑新潟鍛鋼製と思われる初代NTK。(1945年~1955年)
↓一番ポピュラーなモデル。(倒産1年後に生産されたスパナ)
↓1960年『機工取引便覧』の広告
⑭ 杉本鍛工

・『杉本鍛工のスパナ情報も会社情報も無い』ことと、『冨士機工/FJPにJISマーク付きスパナがあるもののJIS認証取得メーカーではない』ことの2つがナゾでしたが、両社は兄弟会社でした。(社長と工場住所、電話が同じ)
・JIS認証は杉本鍛工の工場で取得し、製造者記号としてFJP/Fuji Peace(冨士機工)を登録したと推定。(冨士機工が親会社で、杉本鍛工は製造部門)
・冨士機工は1949年、杉本鍛工は1958年の創業。
・JIS認証は1963年に取得。
・企業活動情報の最後が1970年であることから、1970年代前半に廃業と推測。
↑FUJI.PEACEスパナ、JIS取得以前と推定。
↓JIS認証FJP。
↓1960年『機工取引便覧』
杉本鍛工の詳細は ⇒ こちら(3社目)
⑰ 北陽産業/SANKI、SUNKEY

各種資料より以下と推測。
① 三条機械が1948年頃にSANKIブランドを立ち上げ、同時に工具部門が北陽産業として独立して販売を担当。
② 1964年にスパナJIS認証を取得し、同年に販売だけで無く製造も北陽産業へ移行。
③ 1984年に新しいブランド"SUNKEY"を商標登録。
④ 1990年に北陽産業から販売部門が(株)サンキーとして独立し、ブランド名が "SUNKEY"へ移行。(同時に商標権が三条機械から北陽産業に移転し、完全に独立)
⑤ 2002年11月にホームページの更新が中断されていることから、北陽産業はこの2002年11月頃に事業停止(廃業 or 倒産)したと推測。
↑1960年頃のホンダ2輪向けOEM、三条機械製で、初期ロゴ(3つの"キ")
付き。
↓JISマーク付きSANKI。
北陽産業/SANKIの詳細は ⇒ こちら
⑲ 大内鉄工所/LONG
・ブランド"LONG"。
・創業は戦前の1941年。
・1965年5月~10月にJISを取得。
・JIS付きスパナが見つかっていません。
・1982年JIS一覧には名前が載っていないことから、1982年よりも前にJIS返上(廃業)したと推測。
・企業年鑑とJIS以外の会社情報が見つかりませんが、従業員数から見ると昭和スパナや大阪鍛工、NTKよりも少し規模が大きかったようです。

↑自社ブランド"LONG"
↓井関農機へOEM供給

↓1959年『日本機械工業名鑑』と1963年『機械工具取引案内』の広告
大内鉄工所の詳細は ⇒ こちら
⑳ 相伍工業/AIGO
・1928年に相田伍三郎さんが相田鉄工所を創業。
・終戦の年、1945年に相伍農機製作所を設立。(社長名より相伍)
・1958年に作業工具の製造を開始。
・1960年に相伍工業(株)に社名変更。
・1966年にスパナJIS認証を取得。
・輸出に力を入れていて、多くの海外ブランドにOEM供給しています。
・2011年に倒産。

↑最初のスパナ、OK印。
↓JIS認証スパナ。
↓1963年『日本展望』と1966年『日本金物年鑑』の広告
㉑ 北日本鍛造
・BESTブランドを取り扱う平松商店の製造部門として1963年に設立された新潟市の鍛造会社。(燕市や三条市では無く、新潟市の鍛造工場は珍しい)
・1972年にスパナJIS認証を取得し、10年後の1981年に返上。
・JISが発行していたJIS認証一覧表には『空白の15年』(1967年~1982年)があり、この間にスパナJIS認証を取得して返上していたため、スパナJISを追い掛け始めてから2年間全く気が付きませんでした。
(JISスパナを追い掛けていて最大の難関でしたが、国会図書館資料を個人PCで閲覧することが出来るようになり、15年分のJIS月報/180冊を1冊1冊調べていて発見)
・TONE第2世代のJISスパナを製造者記号"KN"としてOEM供給しています。
・1981年に商標権をグループ販売会社の平松商店に移転していて、この時に廃業したと理解しています。
・なお、この工場は次の新日本鍛工㉒が買い取り、さらに1年後の1982年に大阪から移転する旭金属工業に吸収合併されます。
・JIS認証は工場に与えられるものであることから、JIS許可番号"372165"は北日本鍛造に始まり新日本鍛工から旭金属工業へと引き継がれます。

・JISマーク無し。
・JISマーク付き。

北日本鍛造の詳細は ⇒ こちら(前半)
㉒ (株)新日本鍛工/新潟
・確認できている情報は以下の3点。
(1) JIS年報1982年…新日鍛工として登場、JIS番号よりJIS認証権が北日本鍛造より継承されたことが分かります。(住所同一より、新日鍛工は新日本鍛造のこと)
(2) JIS月報…引き継いだJIS認証権(No.372165)が、新日本鍛工から旭金属工業に移行。
(3) 旭金属HP…1982年4月に吸収合併。

・北日本鍛造から(株)新日本鍛工へJIS認証権が承継されたことはJIS月報で報告されていませんが、1982年JIS年報に(株)新日鍛工として登場しますので、認証権が承継されたことが分かります。(新日本鍛工と新日鍛工の住所が同じですので、同一会社)
・上の写真の鍛造機に"NITTAN"と表示されていますが、こちらは別会社の新日本鍛工(株)/後株の鍛造機であり、本稿の(株)新日本鍛工/前株とは無関係です。
★前述の通り情報が3点しかありませんが、以下と推測。
・旭金属の販売会社である新日本ツールが買収し、最初の3文字が共通の新日本鍛工と命名。
・翌年1982年に旭金属は大阪から新潟に本社と工場を移転させることが分かっていたため、進出の足がかりとして旭金属の代わりに新日本ツールが新日本鍛工を買収。
・買収の1年後、大阪からの移転(1982年10月)の半年前に旭金属が吸収合併。
・新日本鍛工としての1年間、旭金属の廉価ブランド"SN"(新日本鍛工の略)を製造。
・上記推測が当たっていれば、下の写真は新日本鍛工製の"SN"スパナとなります。
(裏面の○Sは新日本鍛工の製造記号と推測)

↑裏面の丸"S"は新日本鍛工の製造者記号? (ちなみに、旭金属の製造者記号は丸"A")

・さらに、旭金属は"ASAHI"、JISマーク、表と裏に"SN"が刻印された新日本鍛工製JISスパナを"SNブランド"として販売と推測。
・表面の"SN"はブランド名ですが、裏面の"SN"は新日本鍛工の製造記号でしょう。
新日本鍛工の詳細は ⇒ こちら(後半)
㉓ 井上製作所/I.S.⇒ダイヤ精工/TOUGH
・1930年…新潟/三条市田島にて家庭金物の製作開始
・1942年…戦時中の軍需化に伴い同業3社が東亜航空機(株)として合併し、倉敷航空機製作所(三菱重工業・水島製作所)の下請け工場としてエンジン分解工具を製作。
・1945年…家庭金物を製造に復帰。
・1962年…(株)井上製作所を設立し、作業工具と整備用器具を主要製品に。
・1964年にI.S.、1982年にTOUGHを商標出願。
・1979年…スパナ、メガネでJIS取得。
・井上製作所は1984年に倒産し、新規にダイヤ精工(株)を設立し、事業を移管。
・2005年10月に自社HP上で作業工具事業からの撤退を宣言。(会社は継続)

↑ヨット付きI.S.ロゴ、JIS無し。
↓TOUGH、JISマーク付き。("DIA"よりダイヤ精工製)
井上製作所/IS & TOUGHの詳細は ⇒ こちら(井上製作所)とこちら(ダイヤ精工)
㉕ 平松工業
・平松商店の製造部門だった北日本鍛造㉑(新潟市)が1981年に廃業になり、1975年設立の平松工業(三条市)が生産を引き継いでいます。
・2007年にJIS規格が新JIS/JQAへ移行し、平松工業は新JIS/JQAを取得。
・スパナとコンビレンチをBESTブランドとして製造。
・2014年に廃業。

2)現役10社
現役の10社については冒頭のリンクより個別ページを見て頂きたいと思います。
但し、JIS付きのオリジナルモデルが見つかっていない日本理器(現・ロブテックス)と複数のメーカーがOEM供給しているTONEの2社だけは若干の説明を加えます。
⑮ 日本理器/現・ロブテックス
・日本理器(現ロブテックスス)は、スパナでJIS認証を取得しているもののスパナをほとんど出していません。
・ヤンマー向けのOEMしか見つかっておらず、日本理器オリジナルのスパナはあったのか、あったとしたらどの様なモデルだったのか分かっていません。(モンキーレンチでは戦前からエビマークが刻印されていましたが、スパナには?)
・ロブテックスからは『JIS認証を取得した1963年前後だけスパナを作っていたことは伝聞で分かっているが、どの様なスパナだったかは記録が残っていないので不明』と聞いています。

↑↓ヤンマー向けOEMのJIS無しとJISマーク付き。

⑯ 前田金属工業/TONE
・TONEは、第1世代と第2世代がJISマーク付きになっています。(第3世代の現行はJIS無し)
・第1世代はTONE/前田金属工業の自社製ですが、第2世代は初期を除き外部のJIS認証取得メーカーに生産委託していたことが分かっています。
・JISではトレーサビリティーの考え方に基づいてどの工場/会社で生産したか分かるようにOEMの場合には製造者記号の表示を義務付けています。
・したがい、製造者記号を見れば、生産メーカーが分かります。(製造者記号が無い場合は自社生産)
・第2世代スパナで5種類の製造者記号が見つかっています。
・つまり、生産委託先が5社あり、それはJIS認証を受けている25社からTONEを除いた24社のいずれかということになります。
(
マーク付きスパナを製造できるのは25社だけ、正確に言うとJIS認証を取得した25工場だけ)
・5種類の製造者記号…AK、SS、KN、KB、HK
・24社の会社名から5種類は以下と分かります。(製造年代順)
*AK…旭金属工業⑪
*SS…昭和スパナ製造①
*KN…北日本鍛造㉑
*KB…小林工具製作所㉔
*HK…平松工業㉕
↑第1世代。(自社製)
↓第2世代の製造者記号"KN"、北日本鍛造のOEM例。
↓初期の第2世代。(製造者記号が無いことから、自社製と分かります)
③ 三木熱錬工業所/ネツレン

④ 京都機械工具/KTC

⑧ 池田工業/IKK

⑩ 東邦工機/HIT

⑪ 旭金属工業/ASH

・旭金属工業は、4つの工場で5つの許可番号を取得しています。
・また、複数の工場で同時にJIS認証を取得していた時期があるのは旭金属だけであり、大阪から新潟へ移転した時期には3カ所(大阪、新潟、燕)の工場が同時にJIS認証工場でした。
⑫ 日鍛工器/現・スーパーツール

⑱ トップ工業/TOP

㉔ 小林工具製作所/KBS
★新JIS/JQAについて
↑旧JISモデルのネツレン例。
↓同じくネツレンの新JIS/JQA。(同一モデル)
・新JIS/JQAは、審査機関が民間に移り、第3者営利機関(JQA)になったことが変更点で、その審査のための規格は1998年のJIS/B4630がそのまま使われています。
・なお、新JISは製造者だけで無く、商社や輸入業者にも与えられることになっています。
・これまで、JISマーク付きモデルでは製造者記号で必ず製造者が分かることから、工具の素性を追い掛ける手段として見てきましたが、それが根底から崩れているようです。
・もっとも、スパナ/B4630に限れば、現在新JISを取得している3社は、旧JISも取得していた製造会社です。
*取得中…三木ネツレン、池田工業、旭金属工業
*返上済み…相伍工業、平松工業(共に廃業)、小林工具製作所
・新JISの日本産業規格を管理しているJISC(日本産業標準調査会)のホームページは、こちら。
・スパナ等を審査しているJQA(日本品質保証機構)のホームページは、こちら。
JIS全体の認証解説は『工具コレクションのためのJIS徹底解説』として大幅加筆し、こちらに移動させました。
この回、終わり














































