スパナ/B4630は全部で25社がJIS認証を受けています。

つい2年半前(2022年初め)までは、現役メーカーの情報しか得られず、13社までしか判明していなかったため、詳細は闇の中だと思っていました。

そんな中、2022年5月の国会図書館デジタル化がブレークスルーになりました。

自宅PCでじっくりと時間を掛けてJIS認証を含めた昔の工具について調べることが出来るようになり、全25社が判明した次第です。

このおかげで、スパナメーカーを見分けることが可能となり、古い工具の中からいくつもの戦前品を識別出来るようになりました。

『戦前のスパナなんて闇の先のもっと深い闇の中』と思っていましたので、わずか2年半ながら隔世の感があります。

なんと言っても、100年前の日本製スパナまで見つけたのですから。

したがい、工具コレクションを充実させるための基本となるJIS認証情報の調べ方について、この2年半で習得した内容を解説します。

工具コレクションを楽しむための一助になれば幸いです。

 

これまではスパナとコンビレンチ、モンキー3種のJISだけに触れていましたが、掲載データーを作業工具全体(B46xx)に広げました。(解説には従来通り3種を使用)

また、JIS月度レポートをより詳細に解説すると共に、年度レポートの掲載も大幅に増やしました。

前半で実際のJIS認証を取り上げ、さらに後半でJIS規格について解説します。

 

★100年前の日本製鍛造スパナTDF ⇒ 当ブログ内のこちら

★JISのWiki ⇒ こちら

 

Total 25 companies have received JIS certification for the open end wrenches.
Until just two and a half years ago, only information on active manufacturers was available, and only 13 companies were identified.

So I thought the details were in the dark.
In that situations, the digitization of the National Library in May 2022 became a breakthrough.
I was able to take my time on my home PC to research old tools, including JIS certification.

And a total of 25 companies were identified.
Thanks to this, I was able to distinguish between the open end wrench manufacturers and identify many of the before WW-2 products among old tools.
I used to think that "Before WW-2 products are in the deeper dark''.

So even though it's only been two and a half years, it feels like a different era.
After all, I even found a Japanese open end wrench of 100 years ago.
Therefore, I will explain what I have learned over about how to research JIS certification information.

I believe this would make the basis for enriching your tool collection, and help you enjoy your tool collection.

I would like to ask you to use Google & OCR translation for reading the following main part of this weblog in Japanese.

 

1.JIS認証

1)規格番号

JIS規格は全産業界向けにA(土木)からW(航空機)、さらにZ(一般)まで設定されていて、機械工業系にBxxxx、その中の作業工具/ハンドツールにはB46xxの規格番号が与えられています。

=ハンドツール/B46xx(全19種類)=

B4620~22 とB4634に万力とドリルチャックが設定されていますが、ハンドツールでは無いため、除外します。

 

2)認証結果レポート

認証実務担当の日本規格協会から月度と年度、2種類の認証結果レポートが発行されていました。

 

月度レポートはほぼ毎月の発行、年度レポートは何年か毎になっていて、この2つの資料でJIS認証結果を確認することが出来ます。

初期の月度レポートでは認証番号や認証日が未記載であったり、2種共に誤植が多かったりしますが、JIS認証結果を確認する上で貴重な資料となります。

2種共に国会図書館に所蔵されています。

 

ちなみに、日本規格協会に直接確認していましたが、発行元であるにも関わらずこの2種レポートを保管しておらず、これまでJIS認証結果の実態は闇の中でした。

(担当は通産省と言われ、現・経産省の該当課に電話してみたらそんな古い記録は保存していないとけんもほろろ)

まさか国会図書館に所蔵されているなんて、デジタル化されるまで全く知りませんでした。

なお、JIS規格については終戦直後の初期分から日本規格協会がちゃんと管理をしていて、閲覧が可能です。(有料でコピーも可)

 

(1)月度レポート

日本規格協会は1946年8月からJISに関する月刊誌『規格と標準』の発行を開始。

当初はJIS規格の普及と規格の発行状況報告を目的としていました。

1950年から『JIS標準化と品質管理』に名称変更し、さらに1950年11/12月号から認証結果の報告が始まっています。

ハンドツールに関しては、モンキーレンチとプライヤが1951年6月に初の認証を受けたことが1952年1月号の『JIS認証表示許可工場』ページに報告されています。

 

★閲覧方法(国会図書館のID要)

・1946年8月第1号~1949年12月…『規格と標準』※認証結果の掲載は未開始

・1950年3月~1955年12月…『JIS標準化と品質管理』⇒ こちら

・1956年1月~1963年12月…『標準化』⇒ こちら

・1964年4月~1970年12月…『標準化と品質管理』⇒ こちら

・1970年12月~2000年12月…『標準化ジャーナル』⇒ こちら

注1. 各資料内に『JIS表示許可工場一覧』や『JISマーク表示認定工場』などの名称で月毎の新規、変更または辞退のJIS認証情報が載っています。

注2. 最初の検索画面の"タイトル"に上記冊子名、"キーワード"に会社名を入力すると個々の会社データーに素早くたどり着けます。

なお、会社名では無く認証番号のB46xxでも基本的には検索できますが、検索システムのOCR機能の問題なのか検索に失敗することが多く、あまりあてになりません。(漢字はちゃんとOCR認識できているのに、より簡単な数字が認識できない??)

注3. 新JISへの移行に伴い日本規格協会のJIS広報としての役割は終了し、2000年12月が最後の発効となります。

★国会図書館デジタルのID入手方法 ⇒ こちら

 

=1952年1月号の例=

認証番号と認証日が記入されておらず、10年後に発行された年度レポートの1962年版でやっと全貌が確認できました。

 

 

(2)年度レポート

同じく日本規格協会がJIS認証結果まとめの年度レポートを発行しています。

『JIS工場名簿』の名称で、1955年が初刊です。

2冊目として1958年に同名で発行され、共に国会図書館デジタルに収録されています。

『JIS表示許可工場名簿』と名称が変更になり、1962年と64年、66年、67年、68年、72年、82年の7種が発行されています。

1962年と1964年も国会図書館デジタルで閲覧可能です。(ID要)

★1955年 ⇒ こちら

★1958年 ⇒ こちら

★1962年 ⇒ こちら

★1964年 ⇒ こちら

また、1966年版は名古屋、1967年は北海道等、1968年は埼玉、1972年は新潟等、1982年版は東京/多摩と岐阜の公立図書館に所蔵されています。

直接来館するか、コピー依頼、または地元の公立図書館経由で取り寄せることで閲覧が可能です。

★地方図書館の蔵書確認 ⇒ こちら

 

さらに、1999年版がWeb公開されていて、JIS全676規格(Axxxx~Zxxxx)の認証状況が誰でも確認出来ます。⇒ こちら

既に公開は終わっていますが、Internet Archiveに保存されている工業技術院Webの過去ログにより見ることが出来ます。

Internet Archiveは、インターネット上から消えても閲覧することが出来ます。

忘れ去られた古い情報を見るための魔法の道具です。⇒ こちら

(検索枠内に会社名を入力すると候補が表示され、目的の過去ログに辿り付けます)

 

この年度リストの発行は、上記1999年版が最後になり、1955年から10冊が発行されていることになります。

1962年と1999年の2年分のみ本編(この下)に掲載。

他の6年分(1955年, 58年, 64年, 67年, 72年, 82年)は本ページの巻末に一括掲載。

 

=1962年度版の例=

認証番号、認証日、クラス分けの全ての情報が記載されています。

最初の認証から10年が経ち、このレポートによりやっとJIS認証結果の全貌が掴めることになります。

※表示拡大版は他の6年分と共に巻末にて。

 

 

 

=1999年度版の例=(2001年8月JISC/日本産業標準調査会データー)

代表例としてスパナ/B4630、メガネ/B4632、コンビレンチ/B4651のページのみ掲載。(赤枠内にスパナ/B4630)

他の認証番号は上記のWebにて確認願います。

 発行の2001年時点で登録されている会社だけが表示されていますので、それ以前に認証権が返上されたものは表示されていません。

例えば、KTC/京都はスパナ/B4630認証を1999年に返上していますので、この一覧には出て来ません。

また、3社(北陽産業、前田金属工業/TONE、スーパーツール/旧・日鍛工機)は、2001年までにスパナB4630を返上していますので、このリストにはメガネ/B4632だけになっています。

 

★他の6年分(1955年, 58年, 64年, 67年, 72年, 82年)…本ページの巻末に一括掲載

 

(3)認証実務

1950年から実際のJIS認証が始まり、1962年までの最初の約10年間は通産省(現・経産省)が認証管理だけでなく認証実務(監査⇒承認)も担当していました。

そして、1962年から認証実務は日本規格協会に移譲されています。

なお、1950年の当初より認証結果の広報は日本規格協会が担当し、月刊誌『標準化と品質管理』等で公表されています。

年度レポートも日本規格協会の担当ですが、1962年からレポート内容が詳細になったのは日本規格協会が認証実務も担当するようになったことと関係があるのかもしれません。

さらに、1964年(4月頃)から認証管理がこれまでの通産省本体から通産省の8カ所の地方局(通商産業局)に移管されています。

これに伴い、認証番号も8カ所でそれぞれ発行されることとなり、1xxxxx~8xxxxxに変更となりました。(東京と新潟エリアは関東通商産業局が担当し、番号は3xxxxx)

JIS工場審査の受け方(1956年当時)⇒ こちら(ID要)

★最新JIS工場の手引き(1985年版)⇒ こちら(ID要)

 

なお、詳細は後述しますが、法改正により2005年10月からJIS認証が新しくなり、認証実務が民間に委託され、いわゆる新JISへ移行しました。

ハンドツールに関してはJQAという一般財団法人が認証実務を担当し、現在も継続しています。 

認証番号がJQxxxxxxx(数字7桁)に変わりました。

 

(4)認証取得リスト

ここまで述べてきた全ての情報を基にして、3種のハンドツールに関するJIS認証取得メーカーが明らかになりました。

情報の全てが闇の中と思っていたのが、完全に解明できた次第です。

古い工具をコレクションするうえで画期的な出来事と一人で勝手に考えています。

 

=スパナ/B4630 (全25社)=

25社(JIS24社+JQAより新規1社)が、スパナ/B4630の認証を取得しています。

★25社それぞれの詳細は ⇒ 当ブログ内のこちら

 

このJIS認証リストを作りあげることで、既に消え去っているメーカーを含めていつ頃活動していたのかなど業界地図の全体像を把握できるようになりました。

これが突破口となって、深い闇の中にあると思っていた戦前の状況まで理解できるようになり、コレクションの充実に大いに役に立ちました。

私のコレクションの対象はスパナとコンビレンチ、モンキーレンチですので、この3種について徹底的に調べ上げています。

興味のある方は、他の工具、例えばメガネレンチやプライヤーでこのリストを作ってみては如何でしょうか。

 

【参考】

2022年2月作成のJIS認証一覧表

スパナ/B4630で13社しか見つけられていませんでした。

1952年~1962年のデーターは認証メーカー自身の記録だけが頼りだったため、廃業メーカーについては全く不明であり、『失われた10年』と呼んでいました。

つい2年半前の話です。

 

今から見れば笑い話ですが、スパナの認証番号に1974~1980が割り振られていて、製造年だと思っていました。

顛末は当時のブログにて ⇒ こちら

 

=モンキーレンチ/B4604 (全16社)=

※リスト20社中の4社はB4606/パイプレンチ

★20社それぞれの詳細は ⇒ 当ブログ内のこちら

 

=コンビレンチ/B4651 (全9社)=

 

(5)製造者記号(IDマーク)

JISではトレーサビリティー(製造者の明確化)の考え方に基づき『製造者名、またはこれに代わるものを表示』と規定されています。

したがい、JISマークの付いた製品には必ず製造会社名または製造者記号(IDマーク)が表示されています。

JIS認証を受けた製品であれば、誰が作ったのか必ず分かるようになっていて、大変便利なシステムです。

OEM製品の場合では製造者記号による表示が通常となり、その記号は上述のJISスパナ25社一覧に明示してあります。

 

=製造者記号例=

左上から○H…北陸KTC、○A…旭金属、○I…池田工業、その次も同じ○I、

DIA…ダイヤ精工、AI…相伍工業、KB…小林工具製作所、HK…平松工業 

 

=製品例=

同じ製品ながら上がKB/小林工具製作所、下がHK/平松工業の製造と分かります。 

 

製造者記号ではなく、JIS認証番号を表示することで製造者を明示する場合もあり、下のモンキーは695012より鳥取ロブスター製と分かります。

 

複数の会社が製造を担当する場合がありますが、一つの製品で製造依頼先が5社までの例があることが確認できています。

・5種類の製造者記号…AK、SS、KN、KB、HK

JISマークが表示されているスパナに対しては、制度上からJIS認証を受けている25社以外の製造者記号が表示されることはありません。

したがい、アルファベット2文字より製造者は25社の中から以下と考えるのが妥当です。(このなぞなぞを全て解くのに3年掛かりました)

・AK…旭金属工業

・SS…昭和スパナ製造

・KN…北日本鍛造

・KB…小林工具製作所

・HK…平松工業

なお、下のように製造者記号が無い場合は自社製となります。

つまり、このモデルでは全部で6社(自社+OEM5社)が製造していたことになります。

★その他OEM事例と製造者記号 ⇒ 当ブログ内のこちら

 

=製造者記号一覧=

製造者記号は、製造メーカーが自由に決めて使うものでは無く、通産省もしくはJISに登録しているものと理解しています。

下の認定工場一覧はJISが1999年頃に発行した資料です。

『略号』としてメーカー毎の製造者記号が明示されていますので、JISがメーカー毎の製造者記号を認知していることが分かります。

但し、実際にはほぼ全てのメーカーが製造者記号を使用していますが、この一覧表にはごく一部しか掲載されておらず、この資料の位置付けが不明確です。

 

 

5)JIS検索システム

当ブログと相互リンクしているアメリカの工具解説サイトAlloy ArtifactsにJIS検索システム(Query)が掲載されています。⇒ こちら

基データーは当ブログが提供していますが、Alloy ArtifactsがJIS年度レポートなどの日本語資料をOCRを利用して英語化させ、データーベースにしたうえで、さらに検索システムを作り上げています。

なお、Alloy ArtifactsはJISのみならず日本工具メーカーの解説にも力を入れていて、その情熱には頭が下がります。

★Alloy ArtifactsのJIS解説 ⇒ こちら

★Alloy Artifactsの日本工具メーカー解説 ⇒ こちら

 

なお、上記のJIS検索システムは、以下のHTMLリンクでも利用可能です。

http://alloy-artifacts.org/jis-query.html?query=b46xx

このHTML文字列の最後”b46xx”の下2桁をJIS規格番号に変えて、ブラウザーの上部にある検索窓口にコピーすれば、検索結果が表示されます。

例えば、モンキーレンチ/B4604であれば、"xx"部を下2桁の"04"に書き換え、ブラウザーの検索窓口にコピーすればOKです。

 

=モンキーレンチ/B4604での検索結果=

http://alloy-artifacts.org/jis-query.html?query=b4604

上記のHTMLをクリックしても検索結果が表示されます。

工場名とその稼働期間も含まれています。

 

=メーカー名での検索=

http://alloy-artifacts.org/jis-query.html?query=KTC

"b46xx"の部分をメーカー名に書き換えても、検索可能です。

下は"KTC"での検索結果です。

英語社名での入力となりますが、上部の検索結果などに出てくる英語社名を使用して下さい。

 

2.JIS規格

1)スパナ/B4630での例

*1949年6月  JIS規格制定(工業標準化法)

*1952年3月  スパナ/B4630規格化

・形状…両口と片口の2種

・2面幅…ミリとインチ(インチは付属書の扱い)

・ミリ一覧表にねじ径/ボルト呼び付随(ウイットねじ径も表示)

※この時点では戦前のJES規格表を踏襲していて、JISの独自規格になったのは1957年。

*1952年11月  認証開始(同時に7社が取得)

*1955年  

・硬さ…硬さを普通型/N(HRC40)と規定し、さらに強力型/H(HRC45)を追加

*1957年10月  

※戦前のJESから決別して、スパナ/B4630規格の基本が完成したと言える。

・形状-1…従来のスパナ形状を丸形(硬さNとH)とし、さらにやり型/Sを追加

一般的にJIS-N、JIS-H、JIS-Sと呼称(JIS-Sの硬さは強力級Hと同一のHRC45)

・形状-2…1952年規格(実質は戦前JES規格)に対し、全サイズで全長が長くなっている(例えば、14x17:125mm⇒160mm)

・2面幅…インチを付属書からミリと同じ扱いに

・一覧表へのねじ径表示廃止(ウィットねじ径表示も廃止)

*1958年  

・2面幅…ミリサイズをA式、インチサイズをB式と規定

*1977年  

・2面幅…インチサイズを参考値に変更(同時にA式とB式の呼称廃止)

*1985年  ボルト、ナット規格変更に伴う改定

※ISO改定時の原案作成委員会メンバー表あり

*1998年  規格改定

・現在有効なJIS規格

・エンジニア用"I"型の新設(実際に認証された商品は存在しない様子)

・全長が14x17で160mmから165mmに(いつから?、要調査)

・硬さが普通型/N:HRC36、強力型/H:HRC39にグレードダウン(いつから?、要調査)

・新JIS/JQAへ移行後もこの1998年JIS規格を採用

*2005年10月  新JIS/JQA開始

*2007年  B4630/スパナで4社が新JIS/JQA認証取得

*2008年9月  旧JISの使用権消滅(3年の経過処置後)

*2019年7月  規格名称も『日本工業規格』から『日本産業規格』に変更

 

=1952年 ミリサイズ寸法一覧(戦前のJESを踏襲)=

 

=1957年 ミリサイズ寸法一覧(戦前JESからJIS独自に)=

1952年に対し全長が14x17mmで125mmから160mmに長く変更されているのが分かります。

 

=1986年 原案作成委員会名簿=

全国作業工具工業組合が通産省から委託を受ける形で事務局を実施しています。

 

2)他のJIS規格

★モンキーレンチ/B4604規格 ⇒ 当ブログ内のこちら

★コンビレンチ/B4651規格 ⇒ 当ブログ内のこちら

★B4xxxの規格 by Web ⇒ こちら

1998年前後の各JIS規格が規格毎にインターネットで確認できます。

下はその表示例。(目次とプライヤ規格の画面コピー)

 

3)新JIS/JQA

法改正に伴いJISは2008年に新規格に変わり、認証機関が国から一般社団法人に変更となりました。

工具の場合は、JQAが認証機関となりますので、俗にJQA認証と呼ばれていて、工具メーカーとJQAが契約を結ぶことになります。

これに伴い、製品に表示されるJISマークも変わり、新JISマークとJQAマークの両方が表示されています。

ちなみに、従来のJIS認証権は2008年12月で自動消滅していますので、JIS認証を継続したいメーカーは新JISを取り直しています。(例:相伍工業と三木ネツレン)

JISの良い点は、トレーサビリティーの考え方から製造元の情報を明示していることでしたが、新JISになってからは認証契約が終了した場合はその後1年間しか情報公開されなくなりました。

したがい、契約終了から何年後かに検索しても、新JIS/JQA認証を受けていたという事実も分からず、したがい製造者記号が表示された現物が目の前にあるにも関わらず製造者の詳細を調べることが出来ません。

例えば、平松工業/HKは新JISになってからJIS認証を受けていましたが、2014年に廃業していますので、2015年以降に検索しても該当無しになってしまいます。

平松工業から直接に新JIS認証を受けていたことを聞いていましたので分かっていましたが、そうでなければ『HKって何だろう』と永久に詳細不明のままです。

新JISでは、トレーサビリティーが成り立っていません。

なお、新JISでの変更は認証方法が対象であり、寸法などのJIS規格自体は従来通りで変更はありません。

★一般社団法人JQAについて ⇒ こちら

★JQA認証検索 ⇒ こちら(認証契約中および契約終了後1年間のみ検索可能)

 

4)戦前のJES規格(JISの前身)

JISの前身は、昭和6年12月制定(1931年)に制定されたJES/日本標準規格です。

JIS制定時のJESを土台にした検討レポートは ⇒ こちら(ID要)

※1931年7月『機械学会誌、34(171)』内の1089~1120頁『スパナ規格制定委員會報告』

このレポートのまま同年12月にJISが規格制定されます。

 

 

5)戦前のDIN規格/1924年

さらに、JIS前身のJESは、ドイツのDIN規格を基にしていることが規格表から分かります。

・この戦前DIN規格表/1924年は、戦前の日本の規格JES/1931年にそのまま採用されていて、さらに戦後のJIS制定時(1952年~1957年)も基本的にはこの戦前のDIN規格表が採用されています。

・JIS開始時は、寸法要件は戦前のDIN規格を踏襲しながらも、製造と管理の標準化を目指したと理解しました。

・なお、前述したスパナ例の通り、JISは1957年から一部の寸法要件が独自になっていきます。

 

 

【巻末】

JIS認証年度レポート/B46xx

=1962年度版の例=(拡大版として再掲載)

認証番号、認証日、クラス分けの全ての情報が記載されています。

最初の認証から10年が経ち、このレポートによりやっとJIS認証結果の全貌が掴めることになりました。(JIS認証を解析する上で非常に重要な資料です)

 

=1955年=

初めての年度レポート。

認証日が載っておらず、まだ完全なレポートになっていません。

 

=1958年=

 

=1964年=

B4630/スパナのエス・テー・ケーは誤り ⇒ 正しくはエヌ・テー・ケー/NTK。(1967年、82年も誤りが継続)

同じく『杉本工』は誤り ⇒ 正しくは『杉本鍛工』。

さらに、『杉本鍛工』の許可日"S28.9.17"は誤り ⇒ 正しくは"S38.9.17"。

 

=1966年=

何故か1966年だけ通産省の地方局毎に分かれて発行。

理由は不明ですが、冊数が多くなるので、結局統合版に戻ったのだろうと思います。

5冊発行されていて、4冊添付。北海道、東北版は未入手。

★近畿地区(大阪、京都等)

 

★関東、甲信越地区(東京、新潟等)

 

★東海、北陸(愛知等)

 

★中国、四国、九州地区

 

=1967年=

通産省の地方局に管理が移り、関東通商産業局(新潟含む)の30,000番台、関西通商産業局の50,000番台が登場。

 

=1968年=

埼玉県立図書館に所蔵。

発行された年間レポートの内、1968年だけ入手していませんが、1966年ならびに1967年に引き続いて発行されており、新たな情報は無いと判断しています。

 

=1972年=

 

=1982年=

スパナ/B4630『北陽産業』の許可日"S43.8.1"は誤り ⇒ 正しくは”S39.9.15"。

同じく『相伍工業』の許可日"S54.2.13は誤り ⇒ 正しくは"S41.2.1~同4.14"。

 

 

この回、終わり