トレーニングを進めていくと、教えた動きがどんどん上手くなる場面に出会います。

挙げられなかった重さを挙げられるようになったり、タイムが上がったり、バランスがとれるようになったり。

もちろん上手くできるようになった動きをそのまま続けることにもある側面では意味はありますが、多くの場合はそれだけでは上手くパフォーマンスは向上しません。

 

 

 

そこで次は「負荷」を上げるというプロセスに移行するわけですが、このときに考えるべきことは、「負荷」とはなんぞやということ。

 

 

「トレーニング」という言葉から連想される「負荷」は、多くの場合は強度の向上でしょうか。

トレーニングにおける強度とは扱うウエイトの重さを上げる、または反復速度を上げる、反復回数や時間を長くするなどが一般的です。

もちろんそれそのものはトレーニングの負荷を上げるためのファクターとしては適切です。

 

 

ただこのとき考えておかなければならないのは、トレーニングの負荷には「複雑性」という負荷も存在するということです。

 

 

 

例えば、同じリズムでスクワット動作を繰り返すのではなく、そこに「リズムに合わせて」というタスクを追加する、目線を指定するなども、複雑性という観点から見れば負荷の増大にあたります。

 

 

 

つまりトレーニングの複雑性とは同時に実行するファクターを増やすということです。

同時実行能力です。

ボディメイクではなくスポーツのパフォーマンスを向上させるという観点から考えると、この同時実行能力は非常に重要です。

もちろん競技の特性にもよりますが、優れた選手ほど同時に実行できるファクターは多い。

例えばサッカーだと目の前の相手に対処しながら味方の動きやスペースを見たりします。

身体面だけに絞ったとしたらバランスを保ちながらスピードやパワーを発揮したりです。

 

 

*僕はこれをアブレスト能力と名付けてトレーニングの対象としています。

 

 

 

どっしり構えてパワーを発揮することに集中できる場面は、サッカーやテニスなどフットワークが要求されるようなスポーツではほぼありません。

もちろんパワー発揮だけに集中するフェーズは必要だったりもしますが、それ”だけ”では「試合」で使えるパワーには繋がらないことも理解しながら行う必要があります。

 

 

 

***

 

 

 

一般的に、持ち上げるウエイトの重さなど適切な負荷を超えると、身体操作は粗雑になる傾向が強まります。

つまり力任せになったりするということです。

フルパワーで、となると聞こえはいいですが、本来その動きで使うべき筋肉や関節が上手く機能しないまま他の”自分が使いやすいところ”を大動員してパワーを発揮するパターンが起こったりします。

 

このことは多くの場合、試合ではボールコントロールの低下とセットになったりします。

力一杯蹴ったシュートや、力一杯投げたボールが必ず良いボールかと言われると、必ずしもそうとは言えないのがスポーツです。

また、力任せでのパワー発揮が怪我につながるケースもあります。

参照:ハイパフォーマンスゾーン

 

 

 

人間の動きや力の発揮パターンが学習機能と深く関連している以上、過剰な負荷でのトレーニングは、試合でのそんな動きを引き起こしてしまう可能性もあるわけです。

 

 

 

それゆえトレーニングでは適切な負荷で行うことが絶対的な原則になっているわけですが、複雑性が過剰になってしまっても同じことが起こります。

筋力的には問題なく無駄な力みなくスムーズに行えていた動きでも、複雑性が上がるだけで急に力み出したり雑な動きになってしまうケースは多々出会います。

*パターンが出る、ともいいます。→「パターンの破壊と構築」

 

*取扱注意;クロスロールプッシュアップ

 

 

 

トレーニングを指導する立場としては、この点には非常に注意が必要です。

雑な動きのままそれをひたすら繰り返すことでそのような動きが身体に組み込まれてしまったり、元々持っているよくないパターンが強化されたりというケースに繋がるからです。

 

 

 

そういった理由で「トレーニングには下ごしらえが必要だ」と繰り返しているわけです。

動画などで見つけたトレーニングを見よう見まねで断片的に繰り返すだけでは、パフォーマンスに繋がらない理由の一つです。

本当にトレーニングをパフォーマンスアップにつなげていくためには、論理立てた手順と評価が不可欠です。

*もちろん「修正能力・適応化能力」をタスクにしたトレーニングにおいては、敢えて高い難易度の複雑性負荷を与えることもあります。

 

 

 

いずれにせよ、負荷を上げるという作業はトレーナーとしては必ず出会う課題であり、負荷は単に筋肉やタイムや重さだけを見ていてはパフォーマンスアップとは解離していく可能性があることを理解した上で負荷を考える必要があります。

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

追伸

【上手くできる=身についた】

では絶対にありません。

新しい技術・動き方が上手くできるようになっただけでは、「身についた」とは言えません。

本当の意味で身についたという状態は、他のことをしながらとか、他のことに意識を集中していても出来るという状態です。

特にスポーツでは必須です。

 

 

 

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ピッチング。

いろんなロジックがあるし、いろんな考え方や方法論があります。

 

 

 

 

それはバッティングのような相手の動きに対してどう対処するかという反応系ではなく、ゴルフと同様に自らが運動の起点になる運動だから。

 

 

 

助走をつけずに、止まった状態からどれだけボールを加速できるか、かつどれだけ狙ったところにコントロールできるか、そしてそれをどれだけ繰り返すことができるかという運動。

そして相手打者がいる以上、単に球速やコントロールが上がるだけではなく、相手にどう感じさせるかまでもがタスクである運動。

 

 

 

球速、コントロール、再現性、対人。

 

 

 

そんな運動がピッチングです。

フォームや筋力アップや走り込みももちろん重要だけれど、その結果、上記ファクターが必ず向上していることを指導側は少なくとも論理的に保証しなければなりません。

 

 

 

 

 

そのためにはピッチングがどのようなメカニズムで成立しているのか、どのようなファクターが関与しているのかなど、根っこの部分への理解が不可欠です。

 

 

 

 

JARTA投手トレーニングセミナーは、単なるピッチャートレーニングの方法論の習得ではなく、そんな根っこ部分を最も重要視したセミナーです。

 

 

 

 

だから身体も疲れるけれど頭はもっと疲れます。

 



・球速アップ
・コントロール向上
・障害予防



の3つを軸に、自分自身の身体と動きのチェックを行いながらトレーニングを行なっていきます。そのため、選手それぞれの課題と不足が分かり、何に重点的に取り組めば課題を克服し成長できるのかを可視化できるように構成しています。



・プロ選手がしているトレーニングを体験し知ることができる。
・好投手になるための土台を獲得・強化するためのトレーニングとセルフケア
この2つをアップデートした内容をお伝えします。
 

 




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全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

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先週末、全国にいるJARTAの認定トレーナーが一同に集い心技体を高め合うためのトレーナー合宿が開催されました。

今年で5回目、今回は認定コース受講中の方を含めて約70名が参加しました。

JARTAのトレーナー合宿というテーマですが、最後の部分は僕にとって非常に重要なことを書きました。ぜひ最後まで読んでみてください。

 

 

 

 

常に他者軸で物事を考え、進め、予測することを求められるのがトレーナーという仕事。

だからこそ自分自身の日々の研鑽の重要性は高く、「当たり前基準」をどれだけ上げられるかが選手のサポートの裏に据えられた我々自身へのエンドレスタスクです。

働きながら1泊2日という時間を確保することは非常に難しいことですが、今回もそれぞれ自らのタスクを持った多くの方々にご参加いただきました。

 

 

 

 

 

 

約4ヶ月前から合宿参加者のFacebookグループを作り、そこで様々な課題に取り組むというスタイルで実質的に合宿をスタート。

10以上の議題をグループ内で立ち上げ、そのそれぞれで活発な議論がなされました。

その議論は論文やトレーニング、そして指導における考え方など非常に多岐に渡るものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回取り扱ったテーマの一つは、EBM。

Evidence Based Medicine。

EBMとは、「個々の患者のケアに関わる意思を決定するために、最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いること」、「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針」、「個々の患者の臨床問題に対して、(1)患者の意向、(2)医師の専門技能、(3)臨床研究による実証報告を統合して判断を下し、最善の医療を提供する行動様式」などと定義されています。

(日本理学療法士学会HPより引用)

 

 

 

簡単にまとめると、治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うという考え方です。

これは特にメディカル分野において我々が当たり前に理解しておかなければならない部分です。

トレーナーはチームでの役割次第でメディカルからフィジカルまで担いますが、特にメディカル分野に近ければ近いほど重要度が高くなる考え方です。

結果として同じことをやるにしても、それを知って判断・実行するのか、知らずにそうするのかの差は果てしなく大きいものです。

今回は真木トレーナーにその重要性・考え方・論文検索の方法論まで講義してもらい、僕自身にとっても非常に重要な時間となりました。

 

 

 

 

*真木トレーナーは今回新たにスタートしているJARTAコンディショニングスキルコースの総合プロデュースをしていただいた論文モンスターです笑

僕が彼を素晴らしいと思う点の一つが、選手への想い、人格的なところや技術的なところは当たり前として、人の構造や動きを発生学から紐解く考え方を持っていてそれをすでに臨床応用しているところです。

この考え方は非常に重要で、例えば肩関節は肩関節という名前を人間が後から名付けただけで他の部位との関係性を前提として成立しています。決して単独で成立するわけではありません。そうである以上、どの順番で発生したのか、発生の流れ上どの構造と関係が深いのか、などの視点は肩関節を診る上で不可欠です。

(それ知らないトレーナーと知ってるトレーナー、どちらに肩関節任せますか?)

 

 

 

やや話が逸れたので合宿に戻ります。

 

 

 

もう一つここで触れておきたいテーマが、範囲と深度です。

スポーツトレーナーとしてパフォーマンスに影響を与えると考えることができる要素の範囲と、スポーツを軸にした歴史的な出来事についての考察の深さについてです。

 

 

 

例えば、極論ですが、解剖学や運動学、栄養学などでパフォーマンスを上げるには十分だと考えるトレーナーと、それ以外に膨大な要素がパフォーマンスに影響を与える、それを理解しているトレーナーがいたとしたらどちらに自分のパフォーマンスアップをサポートしてもらいたいでしょうか。

 

 

これは僕が長い間トップアスリートたちと接してきて感じていることですが、彼らは、決して筋肉や食事や睡眠だけが自分のパフォーマンスを決めるとは思っていません。

もっと多くのファクターが自分に影響を与えていると感じ考えているし、自分が影響を与える範囲の大きさを知っています。

 

引用:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d26fb24e4b07e698c45e0c0

 

 

 

であれば、その影響因子を選手以上の範囲で知っていなければならないのが選手を支える立場の「当たり前」なのではないでしょうか。

 

 

 

「範囲」の部分にも含まれますが、深度については、その代表例が歴史です。




僕らは、先人たちのどんな積み重ねの結果、今の景色を見ることができているのだろうか。

現在というものは、過去の様々なできごとが積み上がった結果、繋がりを持って目の前にあるはず。




それって「スポーツの持っている力」を知るためには不可欠な視点なのではなかろうか。




例えばオリンピックでは、「ブラックパワーサリュート」、「ナチオリンピック」「ブラックセプテンバー事件」「冷戦によるモスクワ五輪ボイコット」など、様々な出来事が起こってきました。

 

 

 

僕はスポーツの持つ力を感じ、それに魅了された一人として今の立場にいると思っていますが、スポーツの持つ力を良くない方向に利用された典型例がこれらの出来事だと思っています。

 

 

 

大きな力を持つスポーツ、それに関わるその一端を担う以上、我々は「スポーツの持つ力」を知っていなければならない。

力は、それそのものに良し悪しがあるのではなく、扱う者次第です。

 

 

 

そのためにこれまでその力がどんな出来事を引き起こしてきたのかを知っておかなければならない。

それを踏まえた上で自分たちが社会に与える、与えられる影響について議論しなければなりません。

そして残念ながら今のトレーナー界にそんな動きはほとんど見られません。

 

 

 

スポーツと戦争、スポーツと政治、スポーツとイデオロギー、スポーツと感情、スポーツと希望、それぞれ決して無関係ではありません。

 

 

 

 

僕は、JARTAに関わってくださった方々には本当の意味でスポーツの力を知ってもらいたいと思っています。

本当の意味でスポーツの力を知っているトレーナーを生み出していきたい。

自分たちがどれほど大きな力に関わってその一端を担っているのかを知っている存在になっていってもらいたい。

そんな思いで、東京オリパラが近づいてきたこの時期だからこそということでオリンピックの歴史を扱う講義をしました。

 

 

 

 

*オリパラは個人単位でなく国単位での参加なので、その当時の社会情勢が色濃く反映されます。

そういう意味で今回の旭日旗の持ち込み許可はそういう時勢を意味しているのでしょうね。。

五輪憲章という「オリンピックの憲法」に反するという意味でも、僕個人的には、非常にナンセンスだ、という意見を持っていることは明言しておきます。

自国開催が、誇りを持てる大会にしてもらいたいです。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

回を重ねるごとの参加者の皆さんの雰囲気の変化には、僕自身にも想定以上・以下があり、それは今後どのようにJARTAの舵取りをしていくかの思考材料になっています。

このような経験、材料、感情をいただけたことを決して無駄にしないためにも、これからの活動をよりクオリティの高いものにしていきたいと思います。

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

最後になりましたが、運営責任者を担ってくれた岩渕トレーナーが合宿の全てを企画運営してくれました。

そして今回から初めての取り組みで認定トレーナーの方々も運営スタッフとして加わってくださり、これまでにない形での関わり方を体現しつつ合宿全体を支えてくれました。



背景の異なるたくさんの人が集まる場、必ず文句や批判もあるだろうけれど、出されたものに文句を言っている間はまだまだです。

自分が動くことで変化を起こすというのがスポーツトレーナーの持つべき重要な能力と視点。

もちろん運営側としては、完全なものがないことは分かっていても完全を目指すべきということは忘れてはならないけれど。



 

 

運営スタッフの皆さん、彼らを支えてくださったご家族や職場の皆さん、彼らは費やした時間以上に成長しました。間違いなく。

これからの姿に期待してください。

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

JARTA代表

中野 崇

 

 

 

 

 

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以前書いたこの記事。

https://ameblo.jp/bodysync/entry-12442114605.html?frm=theme

 

30台のカメラに囲まれてトレーニングを撮影したエピソードです。

ついに完成しました。

 

 

image

 

 

 

 

トレーニングの動きを自分の好きなアングルから見たい。

このタイミングであの部位がどうなっているのかを見たい。

トレーニング動画は提供者側が決めたアングルからしか見れないけど、あの動きを後ろ側から見てみたい。

そんなご要望に応えることができるシステム、「自由視点動画 360D」です。

 

 

 

 

僕は「剛×柔トレーニング集」のところで登場していますが、他にもK1の武尊選手やフリースタイルフットボーラーのYOくんの動画もあります。

 

 

 

 

 

武尊選手|K1

引用:https://www.nikkansports.com/battle/column/ring/news/201804090000793.html

 

 

YOくん|フリースタイルフットボール

 

 

 

下記アプリからご利用できるので、チェックしてみてください。

*ALE14のプレゼン動画もご覧いただけます。

 

 

 

iOS

https://apps.apple.com/jp/app/id1453722983

 

Android

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ale14

 

またはJARTAオフィシャルサイトから

https://jarta.jp/news/17207/

 

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

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多くのスポーツにおいてスピードというファクターはハイパフォーマンスの前提条件として不可欠なものです。

これまで、一言でスピードといってもそこには構造があり、それをクリアにしておかないと”使えるスピード”にはならないことを指摘してきました。

速さを考える1

*3本シリーズです

 

 

 

今回はそれとはまた違った視点から。

「絶対スピードと対人スピード」についてです。

 

 

 

引用:https://www.odt.co.nz/star-news/star-sport/star-rugby/size-v-speed-world-cup-battleground

 

 

引用:https://www.football-zone.net/archives/144514

 

 

 

絶対スピードとはいわゆるタイムなどで数値化できる種類のもの。

 

 

 

対人スピードとは「相手がどう感じるか」という部分に基準が置かれるものであり、「タイミングを支配するスピード」とも言えます。

 

 

 

スポーツにおいてはどちらも重要ですが、スポーツの種類によってその重要度は大きく異なります。

陸上100m走などでは絶対スピード(つまりタイム)が高まることで、それがそのままパフォーマンスとしては向上していると言えます。

 

 

 

しかし対人競技では、タイムの向上はそのままパフォーマンスが向上した、つまり試合で使えるパフォーマンスものだとは言えないのです。

*パフォーマンスの枠組み次第ではもちろん向上したと言える側面はあります

 

 

 

限りある時間の中で、何を高めるのかの優先順位の選択はパフォーマンス向上戦略において非常に重要なポイントです。

ある部分を鍛えてそこが強くなってもパフォーマンスが上がらなかった、などはこの戦略がズレていたことを意味します。

 

 

 

上述したスピードの構造、絶対スピードと対人スピードの違いについての知識は、このようなズレを未然に防ぐためにも有効に使ってもらえると思います。

 

 

 

 

***

 

 

 

まず前提条件、競技特性の分類から。

対人スピードが必要なのは「対人競技」です。

 

 

 

ここでいう対人競技とは、陸上競技や体操競技など違う時間・空間において優劣を争うものとは異なり、同じ時間・空間レベルで影響を与え合いながら争う類のものです。

*陸上競技などは相手のタイムや点数などに影響を受けることもあるが、これは心理的・二次的なものであり空間および時間は共有していない

 

 

 

そこからさらに直接的対人か間接的対人かが分類されます。

直接的分類はサッカーやラグビー、バスケット、ボクシング(など格闘技)がこれにあたり、相手に対して直接的に妨害することがルール上許容されています。

 

 

 

引用:https://mainichi.jp/articles/20190928/k00/00m/050/297000c

 

 

 

間接的分類は野球やバレーボール、テニスや卓球などは、時間や空間は共有していますが、原則として直接的に妨害(つまり触れること)は許されていない競技群です。

 

 

 

イメージしやすくするためにここでは直接的対人に絞って進めていきます。

 

 

 

対人スピードとは、常に相手が基準です。

だから「速い」も相手次第で変わります。

 

 

 

Jリーグでの速いは、プレミアリーグやリーガエスパニョーラでは速くない、となり得るのが対人スピードです。

 

 

 

ただしこれは単に周りの絶対スピードが高いからという単純な対比という意味だけではありません(もちろんその要素もありますが)。

 

 

 

わかりやすい例でいうと、対人スピードが高い状態とは、絶対スピードが自分より高い相手に「速いと感じさせる」という意味です。

 

 

 

50m走では負けるけれど、試合では振り切れるという類のスピードを意味します。

 

 

 

そういう意味で絶対スピードは単純なフィジカルの差がそのまま影響を与えやすいけれど、対人スピードにはもっと複雑なファクターが関与するため、フィジカルの差があっても勝てる可能性を作り出しやすいとも言えます。

 

 

 

***

 

 

 

対人スピードについて掘り下げてみましょう。

まずは対人スピードを構成する要因を分類します。

 

対人スピード要因>

1)予備動作の最小化

2)いつでも動き出せる

3)切り返しの”間”の最小化

4)トップスピードになるまでの時間

*ボール保持時にはこれらにボール操作のレベルも影響を与える

 

 

 

1)予備動作の最小化

予備動作とは、実際に身体が動き出すまでに必要な動作のことです。

武道では”起こり”と呼ばれて相手の動き出しを予測するために使われます。

いくら動き出しの絶対スピードが高くても、予備動作が大きい動き出しは相手に簡単に察知されるため、先に動かれたり走路に入られたりするなどの対応を受けます。

対人スピードを上げるには「動き出しの察知しにくさ」を追求する必要があります。

 

 

 

2)いつでも動き出せる

動こうと思ってから動き出すまでの時間の短さという意味では1)と近い意味合いですが、ここでいう「いつでも」とは、自分がどのような状態であっても動き出せるという能力を含みます。

一般的には大きく体重がかかった側の脚は動かすことが難しくなります。

体重がかかった側の脚では、大半の選手が踏ん張ってまたは地面を蹴って動こうとします。

しかしトップ選手であれば体重がかかった状態からも足を浮かすことができ、つまり足の位置をずらすことができます。

この動きを獲得できると、自分が動けない時間を最小化できるため、相手が動きにくいタイミングで動き出せることが可能になります。

*後述

 

 

 

3)切り返しの”間”の最小化

切り返しとは動く向きが変わる動作のことです。

例えば右に進んでいたのにそこから急激に左に向きを変えることであり、相手を振り切るまたは相手についていくためには不可欠な運動です。

切り返しの時、すなわち動く方向を変える際には必ず”間”が生じます。

”間”とは、右移動から左に切り返す場合だと右足で踏ん張って地面を蹴る局面で動きが止まる瞬間を意味します。

本質的には2)と同じ構図です。

この間をどれだけ短くするかが対人スピードにおいては非常に重要な課題です。

 

 

 

4)トップスピードになるまでの時間

1)2)3)の直後に起こるフェーズでありそれらの影響を受けます。

同時にそれらが高いレベルでできているかどうかの指標でもあります。

なぜなら上記3点に共通して影響する下部構造は重心移動だからです。

動きの起点としての重心移動がスムーズであれば、必然的にトップスピードになるまでの時間は短くなります。

これを下部構造として付加的・直接的に影響を与えるのは脚の筋力と脚の回転数(腕振りのスピードも影響)です。

 

 

 

***

 

 

 

これらの要因を叩き台として話を進めます。

 

 

 

対人スピードを高めるための基礎部分として、相手つまり人間の動きの原則や特性を知っておく必要があります。

 

 

 

話をシンプルにするために、ここではサッカーでDFとFWが対峙しているという場面を設定します。

 

 

 

まず、DFは必ず相手の動きを見てから動きます。

トップレベルの動きではまるで読まれたと感じるぐらい、FWの動きを察知するタイミングが早いですが、必ずFWの動きをベースとして動いています。

 

 

 

つまり対人スピードの鍵の一つは相手の視覚です。

人間の動きには視覚を起点とした情報処理から指令までのスピードが影響を与えます。

 

 

 

情報処理のスピードとは、例えば「間違いなく左に動く」と判断できる材料が揃うタイミングの早さに関連します。

 

 

 

例えば、あるDFはFWのわずかな重心移動+視線+腕の動きで「左に動く」と判断できるとします。

これらが揃えば間違いなく左だ、という指標を持っているという意味です。

その指標がずれたものであれば、ギャンブルに近くなり、フェイントにかかりやすくなります。

重心移動であれば、ここが動けば間違いなく左だ、というポイントを持っていることで判断つまり反応は早くなります。

*もちろん実際はもっと複雑な認知を使いつつ感覚的です。

判断をギリギリまで遅らせる戦略を持つケースも存在します。DF自身の動き出しが早いことが前提です(武術では「後の先」と言います)。

*指令については「目の使い方」が関与します。ムービングアンフォーカスというトレーニングを使いますが、また別の機会に。

 

 

 

FW側の立場からこのことを考えると、この判断のタイミングを遅くさせるまたは間違わせる必要があります。

例えば判断を遅らせる動きとは、いわゆる察知されにくい動き、が該当します。

 

 

 

「察知されにくい動き」が重要になる状況は、大きく分けて2つに分類できます。

 

 

 

1)ニュートラル状態からの動き出し

 

引用:https://www.theworldmagazine.jp/20170325/01world/120543

 

例えばFWがボールを保持して立ち止まり、DFと向き合っている状態からの場面がわかりやすいと思います。

ニュートラルつまりDFから見てどちらにも動ける選択肢がある中での動き出しの場面です。

一般的にイメージされる「動き出し」にあたります。

ここでのポイントは、上述の通りどちらに動くかをDFに判断されるタイミングをいかに遅くできるか、または誤らせる(右に動くと思わせて左に動く)かです。

フェイントもこの構造に含まれます。

 

 

 

2)動きが限定されている状態からの動き出し

対人スピード要因の2)に該当します。

DFが、「もうこっちに動くしかないだろ」と感じる段階で違う方向に動ける、または「このタイミングでしか動けない」と感じるている状態でそれとは違う(遅いまたは早い)タイミングで動けることを指します。

具体的には右足に重心が移動して踏ん張った状態では右足で地面を蹴って動くと動くタイミングが絞られます(つまり予測しやすい)。

 

引用:https://www.golaco.club/articles/5576

 

 

しかしトップレベルでは踏ん張った足そのものを踏み替えて角度を作ることでそれとは違うタイミングで動き出すという身体操作スキルが使われています。

(僕はこの動きを「ヒットバック」と名付けて身体操作トレーニングの対象としています)

 

 

 

ヒットバックのトレーニングの一部。

 

 

 

視覚とも関与しますが、「注意」という特性についても踏まえておく必要があります。

 

 

 

人間は注意を向けたものの動きには敏感ですが、注意を向けていないものの動きや感覚には非常に鈍感になります。

例えばこれを読んでいる今、シャツの襟の感覚に注意を向けてみてください。

 

 

 

何らかの感覚に気づくと思います。

しかし注意を向ける前はどうだったでしょうか?

 

 

 

手品やなどではこの特性を利用し、動きや視線を使って観客の注意を別の方向に向けさせ、気づかないうちにコインを移動させます。

注意を逸らされた観客はまるでコインが急に消えたり現れたりしたと感じます。

*スリの技術にも使われています。ぶつかってきたりするのはそちらに注意を向けさせるため。

 

 

 

つまり人間の認知には注意がベースにあり、見えているけど見ていない、触れているけど感じていない、という現象が起こるのです。

絶対スピードが低いのに対人スピードが高い、という選手は、これがうまい。

対人スピードにおいては「注意」を逸らすことは非常に重要なポイントになります。

 

 

 

例えば、1)の状況では、多くのDFはボールに注意を向けます。

しかし対人スピードに長けたFWの場合、例えば動き出す際にボールを最後に動かします。

*ここでの鍵は上半身。上半身を使って先に全身の傾きを生み出すことで先に”スタート”を切ることができます。

このケースではボールが動き出したときにはすでにFWはスピードを得ているので動き出しで置き去りにされてしまいます。

*僕は「リーニングクロス」というトレーニングでこの動きを指導しています。

 

引用:https://www.theworldmagazine.jp/20180816/01world/england/215995

 

 

 

裏を返せば反応が早いDFは注意を複数のベクトルに拡散させるのがうまいとも表現できます。

ボールを見ているけど相手の全身にも注意を向けている。もっというと周囲の状況にも注意を向けている。

この辺りは上述した目の使い方とものすごく深く関与します。

例えば格闘技や武道のトップレベルでは当たり前に使われている目の使い方(武道では「遠山の目付け」と言われる)がこれにあたります。

 

 

 

以上、対人スピードに認知機能を少し絡めながら進めてきました。

どうしても文章中心なので伝わりづらい部分はあると思います。。

何れにせよこういう視点を踏まえて、その選手がどうやって相手の注意を操作しているか、という視点で対人競技を見るのはかなりオススメです。

 

 

 

 

 

最後に。

対人競技における対人スピードについて記述してきましたが、絶対スピードが不要だという意味ではありません。

絶対スピードを上げるための取り組みもちろん不可欠です。

目指すべきは絶対スピードも対人スピードも高いというレベルであることはいうまでもありません。

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

追伸

大事なことなので繰り返します。

指導の時にもプロアマ共通して多くの選手が課題に挙げるスピードという要因ですが、これを考える上で欠落しがちなのが「対人」という要素です。

サッカーなど対人競技では、スピードは常に相対的なものです。

いくらタイムで表せるスピード(絶対値)が速くても、相手に対応されてはサッカーでは有効なスピードにはなりません。

絶対値スピードは、自分が速くなれば向上しますが、対人スピードは、常に相手というファクターを考慮しながらトレーニングしなければならないという違いがあります。

ダッシュをひたすら繰り返してタイムが上がっても、試合では通用しない可能性もあるのです。

いくら速くても相手のタイミング(予測・姿勢・バランス)が整っている状況で動き出しても対応されるのが対人競技の特徴だからです。

試合で本当に有効なスピードを獲得するためには、対人スピードを高める必要があります。

裏を返せば絶対値スピードが遅くとも対人スピードを高めることで試合では”速い選手”になることも可能です。

 

選手の成長戦略を考える上で少しでも参考になれば幸いです。

選手の努力のロスを最小限にするために。。

 

 

 

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想定内だよ。

想定外だった。

 

 

 

スポーツ現場にいると非常によく耳にする言葉です。

 

 

 

想定の、内と外。

つまり想定できていたことと、想定できていなかったこと。

 

 

 

選手、指導者含めて試合、大会、そして練習の場で起こること全てが想定内である方が良い結果の確率が上がることは言うまでもないと思います。

逆に想定外が多ければ当然試合に負ける確率は上がります。

 

 

 

では想定「内」とはどういう状態なのでしょうか。

 

 

 

辞書によると、想定とは「仮に条件や状況を設定すること」とあります。

 

 

 

ここから察するに想定内という言葉が意味することは「予測できていた」とするのが妥当だと思います。

想定内という言葉を聞いたとき、ここはおそらく誰しもが考えることでしょう。

 

 

 

でもこれって考えてみると非常に抽象的。

 

 

 

僕は選手に対しては「想定できている」という状態をもっと具体的に要求しています。

スポーツにおいて本当の意味で「想定内」にするための基準と言い換えてもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

「想定内」状態の基準。

 

 

 

それは想定した出来事に対して具体的な対策まで準備できている状態としています。

 

 

 

例えば、車で出かける時、「渋滞するかもしれない」と想定したとします。

だからそれを考慮して早めに出発。

ここで実際渋滞だったら「想定内」とするのは日常生活レベルでは十分かもしれません。

 

 

 

しかしスポーツのシビアな状況ではかなり不十分。

渋滞するかもしれないから早めに出発、だけでは不十分。

なぜなら想定したことへの「的確な対処」には「迅速な」が条件が付くからです。

スポーツでは起こり得る事象とその対処法についてもっと具体性が必要です。

曖昧さは時間の遅れの下部構造です。

 

 

 

 

■スポーツで求められる想定の思考回路例

そもそも、車で行く必要性は?車で行くことのメリット・デメリットの整理。

他の移動手段との比較。

渋滞するかもしれないポイントを複数想定。

それぞれで渋滞した時の対処法。

迂回する。→それぞれの迂回路の想定。

このポイントでの渋滞であれば許容する、そのまま渋滞を進む。

それでもどうしようもない時の対処法。

→遅れた時の対処。

遅れる可能性があるという事前連絡、その時関係者にどう動いてほしい、などの指示も含みます。

そしてこれらそれぞれにおける心理状態の予測。

 

 

 

***

 

 

 

つまり想定内にできている状態とは、想定した状況が発生した時の対処法まで整理・準備できていることとしています。

行動面だけでなく精神面も含めてです。

 

 

 

想定した出来事が発生。

プランA、プランB、プランCのいずれかから選択。

そしてその選択基準がクリアになっていることが重要です。

 

 

 

試合に向けての良いミーティングは必ずこれらのポイントが押さえられていますね。

 

 

 

もちろんミーティングで想定した事象とは違うことが起こるのもスポーツ。

見たことないフォーメーションを使ってきた。

データにない選手がものすごいハイレベルだった。

前回の対戦よりも一気に力をつけてきていた。

などなど、いくらでも起こり得ます。

 

 

 

これらはつまり想定外。

*本来は上記ぐらいなら想定内が当たり前。

 

 

 

勝てないチームは「想定内」の詰め方が不十分であるだけでなく、想定外に弱い。

 

 

 

想定内の範囲を広げ対処プランを構築する作業はいうまでもなく重要ですが、同時に想定外も突き詰めなければなりません。

 

 

 

想定外とは、想定内と深く関係します。

想定の、外側。

内が存在してこそ、外が存在します。

つまり大前提として、想定内がなければ想定外も存在しない。

想定内を明確にしていない想定外は、ただ何も予測していないだけであり、常に場当たり的になってしまいます。

 

 

 

想定外の事象に出会った時に重要なことは、想定外が起こった時の行動基準と心理状態を明確にしておくことです。

 

 

 

スポーツですから多くの人が関わります。関与する人が多ければ多いほど、想定外は起こりやすくなります。

また、競技によっては自然環境が関与することも、道具の状態が関与することもあります。

施設の停電や天井の部分崩落が起こって試合が中断することだってあります。

 

 

 

だから必ず想定外が起こる、というスタンスは不可欠です。

 

 

 

想定できていない出来事への対処においては、根本的な行動基準が勝負を分けます。

必ずチーム優先の行動をとる、とにかくまず精神的に落ち着かせる行動をとる、などです。

 

 

 

また、想定外に対峙した時に自分がどういう心理になるのか、その時心理的にどう対処するのも必ず想定しておくことも重要です。

 

 

 

足が地に着かなくなる、動悸が激しくなる、頭が真っ白になるなど、だいたい予測できるはずです。

だからそうなったらどうするのか、が重要になります。

 

 

 

僕はJARTAのあるトレーナーから想定の構造について教わって以降、チームでの指導にあたる際、想定内・外をテーマにしたディスカッションの時間を必ず取るようにしています。

例えば朝起きてから試合終了までの想定外をシェアし、次にそれが起こったらどう対処すべきなのかを議論したりです。

 

 

 

 

想定内をしっかり整理しておくことで、想定外が想定内の外側であることが認識できます。

想定外であることを認識することは、その後の想定内につながります。

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

追伸

今週末はJARTAのトレーナー合宿です。

年に一度の開催です。

トレーナーという他者をサポートする仕事だからこそ、自分の成長、そのヒントの獲得にひたすらフォーカスする時間は僕らにとって非常に重要なものとなっています。

 

 

 

 

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スポーツを言語化する。

そんなコンセプトを持つALE14というイベントに登壇してきました。

今回で2回目です。

 

 

 

 

初登壇の前回は2017年。

その時は欧米式トレーニングを”そのまま”やっても十分に成果が得られにくい理由を論理性を持って解説する形で『前提条件理論』を発表しました。

https://ale14.com/movie/10/

 

 

 

とても緊張しましたが、食事中の参席者の皆さんの前で日本と欧米の文化や身体操作の違いをトイレ・ウォシュレットの違いを例にとって紹介しました。

トイレの話を中心に展開する食事しながらのイベントとしてはギリギリの内容でした笑

 

 

 

 

 

 

2回目である今回は、パラリンピックまで1年を切ったということもあり、僕が日本代表のフィジカルコーチを務めているブラインドサッカーの話、そして「体力」という抽象的な言葉の構造についてプレゼンをしました。

 

 

 

ブラインドサッカーについては、MCの中西哲生さんとの対談形式。

これまでこのブログで書いたようなことを具体的なエピソードを用いて紹介しました。

 

 

 

 

 

 

例えば、全盲である日本代表選手たちがどうやってピッチ上で情報を得るのかというと当然それは聴覚です。

 

 

 

しかし、聴覚に依存しすぎると人間は前かがみになっていきます。

つまりブラインドサッカーはしっかり聴こうとすればするほど姿勢が崩れる=パフォーマンスの阻害因子が生まれるという矛盾を内包した構造なんです。

 

 

 

そこで僕が彼らに求めたのが「自分の姿勢が感覚としてわかる」というセンサーの精度向上。

つまり聴くことよりも身体の感覚に重視させるという要求をしたのです。

 

その方法は、、などなど、そんな話をしました。

 

 

 

中西さんとはもう長い付き合い(というかお世話になりっぱなし)で、身体操作とサッカーの関係性など一緒に突き詰めてきたので、対談は僕自身がとても楽しく勉強している感覚でした。

 

 

 

体力のお話のパートは僕が一人でプレゼン。

体力というスポーツ界だけでなく一般的にも当たり前に使われている言葉ですが、とても抽象的。

 

 

 

「体力がない」、だから体力をつけよう、という一般的な対応にメスを入れました。

 

 

 

体力は、3つの要素で構成されると僕は考えています。

 

 

 

1)持久力など容量の要素。

2)持っている容量をどれだけ効率よく使えるかという省エネの要素。

3)いかに早く使ったものを回復できるかという回復力の要素。

 

 

 

これらどれが不足していても、外見的には「体力がない」と映ります。

 

 

 

だから体力をつけるためには、3つの要素のうちどれに課題があるのかをちゃんと確認してからでないと適切に「体力をつける」という戦略が成立しない。

 

そんな話をしました。

以前ブログにも書きました。

 

 

 

スポーツで起こる現象の多くは、まだ言語化されていません。

 

 

 

スポーツ界で使われる言葉の多くはまだ十分に定義されていません。

 

 

 

そしてそれらに起因した努力の方向性のズレ、すなわち努力と成果のギャップは、今でも起こり続けているかもしれません。

 

 

 

自分がスポーツトレーナーという他者に努力をさせる立場だからこそ、ここを突き詰め続けなければならないと思っています。

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

追伸

しばらくブログ記事おやすみしていましたが、この間にトルコ・イングランド・アメリカなど海外をかなりうろうろしていました。

どんなことしていたかまたシェアします。

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

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人間の持つ特性の一つとして、主観というものがあります。

主観とは、自分だけが感じるものの見方のこととされ、同じものを目にしても他者とは異なる感想や印象を受けるなどのことです。

 

 

 

それに対して客観とは、調査データや数値などで表されるものです。

または自分(主観)以外の立場からみた捉え方を意味することもあります。

二つ目はあとで重要な意味を持ちます。

 

 

 

例えば身長175cmは客観的な情報です。

しかしそれを高いと感じるか普通または低いと感じるかは、主観です。

 

 

 

ピッチャーが投げる140km/hは客観。

速いと感じるか遅いと感じるかは主観。

 

 

 

主観を決定づけるのは自分との対比である場合もありますし、属する社会の価値観や文化による影響による場合もあります。

 

 

 

***

 

 

 

今回掘り下げたいのは、自分との対比による主観の部分。

同じものを見ても、自分との対比によって主観が形成されるという側面についてです。

 

 

 

Aさんが身長175cmで自分が185cmであれば、Aさんは低いという主観。

これは誰でもわかりやすい話ですが、もう一つ自分との対比による主観には感覚や動きによる対比までも含まれるという特徴があります。

 

 

 

引用:https://spread-sports.jp/archives/6928

 

例えばそのサッカーインターハイで最も速い選手であっても、エムバペ選手からみたら”遅い”選手。

サッカーの「速い」なのでなかなか数値化できませんが、このことは感覚や動きも主観の形成に影響を与えることを意味します。

 

 

 

自分の動き次第で、相手の動きの見え方が変わる。

 

 

 

このことを僕の仕事の根幹部分でもある「他者を分析する」という点に当てはめると、ものすごく重要な意味を持つことになります。

 

 

 

つまり自分の動き次第で、分析対象=選手の動きの見え方が変わる。

 

 

 

もちろん、たくさんの選手の動きを目にしてきた、というある種の客観に近い主観(俗にいう経験値)によって補えるという側面もあるでしょう。

 

 

 

しかし自分の感覚から見出した主観と、たくさんの選手を目にしてきたという”ある種の客観”との両方を使えるのと、どちらか一方しか使えないのとではどちらが選手にとって有益な存在になり得るでしょうか。

*目の前の選手をみて判断している(客観データを使っていない)のでどちらも主観ではあります。

*知識はもちろんのこと

 

 

 

文章ややこしいですが、要するに両方使えるのか、一つしか使えないのとではどっちがいいかということです。

 

 

 

自分の感覚から見出した主観のみ

たくさんの選手から見出した客観に近い主観のみ

両方使う

 

 

 

どれが的確な”主観的判断”ができるでしょうか。

 

 

 

もちろんこれらはあくまで主観で判断すべき局面に限定した話です。

主観に頼りすぎることも多々問題があります。

利用できる客観的データがある場合は、利用不可欠です。

 

 

 

要するにどちらかに優劣があるわけではなく、主客両側を目的や状況に応じて使いこなす必要があるということはもはや言うまでもないことです。

 

 

 

ちなみに自分の感覚から見出した主観は、対象となる選手が高いレベルに達している時に非常に重要になってきます。

なぜなら高いレベルの選手は、”客観的なもの”からは決して分からない感覚を使いこなしているからです。

(そしてそれらは現状の測定技術では”まだ”客観化できないものが多い)

 

 

 

***

 

 

 

トレーナーの世界では動作分析という仕事が、トレーナーの仕事全体の質にものすごく大きな影響を与えます。

なぜなら選手の動きからその選手が抱える問題に関する様々な仮説を立てたりトレーニングの効果を検証したりするからです。

もちろん機能的な評価も非常に重要なのですが、それは決してリアルな評価(試合での動き)ではありませんし、そもそもどの評価項目を選択するのかも動作分析がベースにあります。

 

 

 

分析においても効果検証においてもトレーニングに携わる上では動作分析能力が差を生むことは逃れようのない事実です。

 

 

 

その動作分析において、自分自身の動きのレベルが必ず影響を与えているというのが僕の主張です。

 

だからこそ、トレーニングを指導する側は知識だけでなく自分自身の動きを高める必要がある取り組みを続ける必要があるのです。

年齢的なこともあるので永続的には無理でも、少なくとも一度は非常に高いレベルで動ける感覚を得られるところまでは到達すべきです。

 

 

 

手本のレベル次第で選手の持つモデルイメージが変わる、という点だけでなく主観つまり「選手の動きの見え方」ひいては動作分析にも影響を与えるという点においてです。

 

 

 

 

 

 

他者である選手を分析してパフォーマンスアップの手段(トレーニング)を構築するという役割だからこそ。

自分でなく他者に努力をさせるという立場だからこそ。

 

 

 

このことは徒手によるコンディショニング(施術)にも全く同じことが当てはまります。

相手の筋肉が硬い、柔らかい、というのは主観です。

だからトレーニングを指導する立場じゃないから自分は関係ない、ではなく関係あります。

また、ストレッチなど相手の身体を持って操作することもありますが、それも自分の身体操作のレベルが効果の差を生む大きな要因となっていることは言うまでもありません。

 

だからJARTAのコンディショニングスキルのコースではコンディショニングの方法だけでなく施術者側の身体操作についてもしっかり取り組みます。

 

 

 

▶︎JARTAコンディショニングスキルコース

https://jarta.jp/j-seminar/course/conditioningskillcourse/

 

 

▶︎JARTAトレーニング理論コース

身体操作の鍛錬は当然高いレベルまでやります。

イナシもやります。

https://jarta.jp/j-seminar/course/traininglogiccource/#c

 

 

 

▶︎両方兼ね備えたトレーナーになりたい方は、認定トレーナーコースへ。

https://jarta.jp/j-seminar/newcourse/

 

 

 

 

 

追伸

今回の内容にも登場しましたが、ハイレベルな選手の感覚や現象は、現在の技術では客観化できないファクターが含まれています。

 

近年、測定技術の発達によって「主観」とされてきたものを「客観」で表せることが少しずつ増えてきました。

例えばピッチャーの投げるボールの「キレ」。

これは当初紛れもなく主観のみでした。

今ももちろんバッターそれぞれの持つ感覚によって変化するものであることには変りません。

しかし、キレのあるボールとはどういう現象のことを意味するのかを回転数やボール変化値、ピッチトンネルなどの観点から徐々に客観化できるようになってきています。

そうなるとどういう方向にパフォーマンスを高めれば良いかの方向性が客観的にわかるようになりますのでトレーニングも当然変化(洗練)してくるはずです。

測定と分析技術の発展によって”使えそうな”主観→客観化→それを一般化して再現という流れは必ず起こります。

 

もちろんこのような話も含めて客観数値は非常に強力なものという印象もあるかもしれませんが、いくら客観データがあってもその解釈がズレたり偏ったもの(主観偏重)になれば、それは本質的には客観的なものではなくなることもあります。

統計データを都合よく出したり隠したり、も同じ構図です。

人は見たいものだけを見る。自戒を込めて。

 

 

 

 

 

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コンタクトスキルについて。

 

ここでいうコンタクトとは、競技中に起こる、いわゆる身体の接触のことです。

それがルール上許容つまり戦略としても使用可能なものがコンタクト競技と呼ばれます。

メジャースポーツだとサッカーやラグビーがその代表格です。

テニスや陸上競技などは非コンタクト競技です。

 

 

 

これらの競技では、直接的に相手選手に接触して相手の動作を阻害することを許容されています。

このことはコンタクトが戦略として使用されることを意味します。

だから選手は攻撃でも守備でもコンタクトスキルが要求されます。

 

 

 

 

コンタクト競技においてコンタクトスキルに劣ることは、やりたいことが実行できない状況に陥ることを意味します。

つまりいくらボールコントロールスキルが高くても、その実力を発揮できない、発揮させてもらえない状況です。

 

 

 

一般的には、この時に体格差やパワーの差によって優劣の大きな要因とされます。

俗にいう”フィジカルの差”の一例です。

*他にもスピードやバランスなどの差もフィジカル領域

 

 

 

しかしフィジカルの差だからといってとにかく体格を大きくしようとすることは早計かもしれません。

 

 

 

コンタクトはれっきとしたスキルです。

特に身体操作の能力が深く関与するスキルです。

 

 

 

つまり単純な体格や筋力で決まるほど単純なシロモノではないということです。

しかし一般的にはまだまだ体格や筋力でなんとかなる、と考える選手も多く。。

 

 

 

ということでコンタクトを少し掘り下げてみます。

 

 

 

 

 

■目的

そもそも、コンタクトの目的はなんなのか。

コンタクトすることの目的、それは上記にもあるように相手のスキルやアクションを阻害することであり、裏を返せば自分のスキルやアクションを実行するためのもの。

 

 

 

■2種類のコンタクト

1)パッシブコンタクト

受動的、つまり相手が当たりにくるケースです。

腕を使ってくる場面も多々あります。

目的は相手が自分のアクション遂行を阻害してきているので、それに対して「アクションを継続すること」です。

対応としては、2種類あります。

 

 

 

1−1)跳ね返す・耐える

いわゆる”ブレない体幹”などから想起されるイメージに近いと思います。

コンタクトのパワーに対してパワーで対処するパターンです。

当たってくる力に対して、自分の力(固定力)の方が大きい場合に成立します。

しかし競技レベルが上がってくれば必然的に自分より大きい相手と対峙するケースは増えてくる(海外選手など)ため、このパターンの戦略しか持たない選手はどこかで通用しなくなります。

 

 

 

2−1)いなす

ぶつかってくる力に対して、主に上半身操作によって力を逃す戦略です。

世界のトップクラスの選手や、小柄なのにコンタクトが上手い選手の動きから見出した身体操作戦略です。

僕はまずこちらの獲得を推奨しています。

→そのためにイナシトレーニングを構築しました(下記参照)。

 

 

 

パッシブコンタクトの目的は、先述したように相手の阻害に対してスピードを落とさずバランスを崩さずに「アクションを続けられること」です。

いくら強く跳ね返せても、そのために自分のスピードも落ちてしまっては本末転倒。

*コンタクトのパワーを高めようと、どっしり踏ん張って重いものを持ち上げる練習を過剰にやるとそういう動きが身についてしまいます。

 

 

 

2)アクティブコンタクト

自分から当たりにいくコンタクトです。

相手のアクションの継続を阻害することが目的です。

当たりにいく位置・角度(上下・左右)とタイミングが重要です。

 

タイミングとは、相手の重心位置を読み取り、崩れやすい位置に重心が入った時に当たるということを意味します。

逆に相手の体勢が整っているときは多少の体格差では崩すことは難しくなります。

 

タイミングが関与するということは、今だ、と思ったタイミングでロスなく動けるというファクターも当然ながら影響します。

 

 

 

また、相手が押し返し返しにくい身体を作るのも非常に重要です。

こちらががっちり固まりすぎていると、相手も反発の力を出しやすいというのが人体の特徴です。

*例えば横綱・白鵬のコンタクトは分厚くて柔らかいゴムの塊のような感触があります(現大関・談)。

 

 

 

***

 

 

 

非常にざっくりですが、コンタクトを分類するとこんな感じです。

付け加えて忘れてはならないのが、コンタクトは常に成功するとは限らないということ。

ということは、失敗してからの復帰も同じレベルで重要なファクターになります。

つまりバランスを崩してからの復帰速度です。

僕はこの動きをリロードと呼んで身体操作トレーニングとして選手に落とし込んでもらっています。

 

 

 

バランス能力、バランストレーニングというと、どうしても「いかに崩れないか」にフォーカスされますが、「崩れてからいかに素早くバランスを取り戻すか」も、実戦的な観点からハイレベルなパフォーマンスを発揮していく上では不可欠なはずです。

 

 

 

今回書いてきた能力・スキルを根本から高めていくために、僕はバランスボールを多用します。

特に上記いずれかのコンタクトスキルに課題があるなら、必ず役に立ちます。

もしバランスボールが手元にあるなら、そのために活用しないともったいない。

筋力トレーニングや対人コンタクトでは感じることができない、コンタクトスキルの根本的な課題を発見、クリアしていけます。

 

 

ぜひ導入してみてください。

https://jarta.jp/online-jarta-training-program/balance_training/

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

中野 崇

 

 

 

▶︎イナシトレーニングは、Exコーディネーションという体系に分類され、外力対応能力を高めるためのトレーニングとして選手に指導しています。

そのロジックと方法を下記セミナーにて習得していただけます。

https://jarta.jp/j-seminar/newcourse/

 

 

▶︎イナシを身につけるためには”下ごしらえ”が不可欠です。

動画で一気に練習できます。

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前回の記事をまだ読んでいない方は、先にこちらを。

今回の内容の前提条件になります。

▶︎誰かが怒らないと選手が気の毒だ。

 

 

 

***

 

 

 

 

僕は普段はJARTAという組織(会社)の代表として振る舞いますし、パーソナルトレーナーとしての仕事の場合は個人として振る舞います。

 

しかし仕事柄、組織の一員になることもあります。

例えばフィジカルコーチとしてチームに所属した場合は組織の一員としての振る舞いが求められます。

そんな時に、ある意味では仕事の役割を超えた部分で大事にしていることがあります。

 

 

 

それは「組織のカラーに対する自分の役割分担」です。

書きながら表現を思いついたので、そもそも「組織のカラーに対する役割分担」という言葉なんてありませんが笑

 

 

 

チームのトップつまり監督が、とにかく厳しい人だった場合を例にとると、組織としてのカラーは「厳しい雰囲気」が基本カラーになりがちです。

逆に監督がそれとは真逆のスタイル、例えば怒りをあまり表現しないパターンだと、組織のカラーは優しい、言い方を変えれば「ぬるい雰囲気」になりがちです。

 

 

 

どちらが良い、悪いということではありません。

 

 

 

要はそういう基本カラーが強ければ強いほど、または強くなっていくことで、チームの思考・行動・反応パターンは固定化していくのが問題なのです。

それはチームの殻の膠着化を意味し、その集団の成長(つまり破壊と再構築)の妨げになりかねないということを意味します。

 

 

 

また、試合という視点から考えると、思考・行動・反応パターンの固定化は、固定化しているが故に予測されやすいという特徴があります。

僕が相手チームであれば、必ずそこを突いて相手の得意なパターンから逸脱させていきます。

*例えば審判の理不尽な判定や相手の挑発に対してトップが激昂すればチーム全体が苛立つ、または消沈もしくは浮き足立つチームってありますよね?

 

 

 

本筋と少しずれたので話を戻して。

 

 

 

これはトップが良い悪いという意味ではなく、組織でありトップという役割が存在する以上、必ずこの傾向は内包します。

トップが優秀であればあるほど、そうなるのかもしれません。

 

 

 

だからその基本カラーに対しての役割分担が重要なのです。

 

 

 

基本カラー(チームの方針)に属しつつ、そこで違うカラー(価値観)を提示する。

 

 

 

和して同ぜずです。

 

 

 

トップが怒る人であれば、フォロー役を。

トップがフォローの人であれば、自分が怒る役を。

 

 

 

いやいや、「自分はこういう人間だから」そんなにコロコロと変えられないよ、と思う人もいるでしょう。

 

 

 

厳しく育てる、褒めて育てる、という基本スタンスは誰にでもありますし、自分を貫く、自分らしく、という言葉も確かに大切です。

しかし組織の一員として振る舞う以上、組織がどれだけ良い状態を保ちどれだけ成長していくかが最優先事項です。

 

 

 

だから僕の場合はその組織においては組織に合わせて自分が役割を変えることを徹底します。

本質を変えるのではなく、組織がうまく動くためのアウトプットを選択するイメージです。

 

 

 

自分らしく、だけをやりたい人は、トップをやるか個人でやるしかありません。

 

 

 

または自分らしくと組織内の役割が完全に合致する組織を選ぶのもアリかもしれません。

*僕の場合は複数の組織を掛け持つのでこのような考え方になるのだと思います。

 

 

 

 

しかし組織内でどんな役割を担うにせよ、「自分はこうだから」ではなく、「組織のカラーがこうだから」が前提にこないと、単なる「トップとスタッフの方針の違い」というレベルに成り下がるリスクは生じます。

 

 

 

この辺りはそれこそ各々の価値観かもしれませんし、どう考えて組織を構成するのか次第ではあります。

ただ、業務としての役割や能力だけを見て人を集めるのが組織づくりではないことは確かです。

 

 

 

組織は個の集まりであると同時に個が関係しあってミッションを遂行する一つの運動体でもあるからです。

 

 

 

いずれにしても、基本カラーにスタッフ全員が染まることはあまり良い傾向ではありません。

これはつまりトップの醸し出す雰囲気に全員が染まる状況のことです。

これって、一体感のように見えて、(極端な表現をすれば)実は思考停止や迎合に近づく、または組織として隙を生み出すベクトルです。

”厳しいトップ”がいる組織を例にとると、例えばこれはトップに「異議あり」を言えない雰囲気であり、意見を言えないスタッフばかりになるケースが生まれます。

→両者に原因あり(下記参照)

 

 

 

どんなに優秀な人が生み出した発想や戦略だって、初めから完全に完璧、どんな状況にも対応できるということはありえません。

その人とは違う立場の視点や価値観から盲点や弱点を指摘されてより良いものになっていきますし、そうすることによってあらゆるケースに対応できるものになっていくのです。

 

 

 

意見が出ない、議論できない組織は、短期または長期的な変化に対する適応力・成長力は脆弱なものになっていきます。(家族という最小単位の組織も同じことが言えます)

 

 

 

ごちゃごちゃ書いてきましたが、要するに組織の多様性を常に担保・容認し続けなければ、適応能力や成長を阻害してしまうということです。

自然界と同じ摂理です。

 

 

 

トップの人格は素晴らしい、だからトップの意見も素晴らしい、と思ってしまうときほど要注意です。

 

 

 

 

誰もが納得し、誰もが素晴らしいと思うような雰囲気があるときほど、「あえて違うスタンス」に立てるスタッフは組織にとってものすごく重要な存在になっていきます。必ず。

*トップにとってはめんどくさい存在でもあるけれど。

 

 

 

組織が単一カラーに染まっていくこと、トップの考えに対する議論が起きなくなっていくこと。

もちろんそうなるにはトップとスタッフ両者に原因があると思います。

 

 

 

最後に簡単にまとめておきます。

 

 

 

トップ側の原因>

心理的安全性を保証・実感させられていない。

心理的安全性を保証できていないとは、トップに意見した時にその場で論破または叱責されること。またはその後の扱いにネガティブな変化が生じる状態です。

逆に何を言っても反応(変化)が薄い場合も当てはまります。

「意見言っても無駄やん」となる心理には過剰反応・無反応のどちらも理由となります。

どんな意見であっても立場が違う存在からの意見は聞く価値あるはず。

トップであれば「一言目」はとにかく肯定表現から。

意見に対する結論は、採用・不採用に関わらず明確に提示する。

 

 

 

スタッフ側の原因>

意見を言えるぐらい論理性を持てていない。

数字や統計、または論理性で表現できていない。

またはプロ意識よりも恐怖心が優っていることを自分に許している。

または仮に自分が否定されてもチームが良くなるのなら、という覚悟が足りない。

誰かが言うだろう、いつか変わるだろうという群集心理。

自分が言うべき立場にない、という過剰な自己否定。(または意見をしないことの正当化?)

 

 

 

***

 

 

 

組織の基本カラーを読み取り、全体としては染まりつつ、全体が染まらないように振る舞う。

行動・思考・反応パターンが固定化するのを防ぐ。

 

 

 

和して同ぜず。

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

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