熱中症によって病院に搬送された、亡くなってしまった、というニュースが後を絶ちません。

熱中症については、決して体力や水分だけの問題ではなく、特に子ども達が扱える言葉の少なさや指導側のスタンスの問題など、様々な問題が影響してしまっています。

 

 

 

先日このブログでも熱中症について書きましたので、ぜひ読んでみてください。

熱中症になる構図はもうわかっているはず。

あとは実行できる仕組みを作るかどうかです。

 

 

 

「熱中症。子どもの言葉を鵜呑みにすべきでない理由」

https://ameblo.jp/bodysync/entry-12392638953.html

 

 

 

さて今回は熱中症の問題とも関連が深い、「体力」についてです。

 

 

 

体力がない。

体力をつけないと。

体力をつけるために毎日長距離走ってます。

体力をつけるためにエアロバイクに毎日乗ってます。

瞬発力を持続させるためにインターバルトレーニングしてます。

 

などなど。

「一般的な体力」は、ほとんどがこういう表現に集約されます。

 

 

 

一般的に「体力がない」と自他から認識される現象は、大きく分けて息が上がる(呼吸器系)、筋出力が低下する(筋持久力)を表していると考えられます。

 

 

 

細かい生理学的なことはここでは省きますが、簡単に言うと、ガソリンを使い果たしてしまっている状態と似ています。

そこで選手本人も含めて多くの方が考えることは、体力というものの「容量」を増やそうとすることです。

 

 

 

そのために多くの選手が、冒頭の有酸素系のトレーニングであったり、持久性瞬発力と言われるダッシュの繰り返しやインターバル系のトレーニングに着手しています。

これが体力をつけるための、いわゆる「常識」です。

 

 

 

これ自体は決して無駄ではありませんし、必要なことだと思います。

しかし、一つ忘れてはならない観点があります。

それは、「体力の省エネ」です。

 

 

 

体力は、容量だけではありません。

 

 

 

要するに体力をつけて体力がたくさんあっても、無駄使いして燃費の悪い動きしてれば元も子もないということです。

 

 

 

 

 

僕は体力という概念には、容量という要素と、それに加えてこの「省エネ」という観点が絶対に必要だと考えています。

(車の省エネの考え方と同じですね。)

 

 

 

いかに無駄な動き、無駄なエネルギーの浪費をしないか。

人間の動きでいうと、必要のない局面で必要のない箇所に力を込めていたりするのは「体力の無駄遣い」にあたります。

 

 

 

一つ例を出すと、前に走りたいのに、大腿四頭筋というブレーキ筋に緊張が入ってしまい、ブレーキ作用を起こしながら走ろうとする、これはエネルギーの無駄使いですよね。

 

 

 

容量を増やすだけでなく、いかに無駄を省くか。

新たに増やすのではなく、今あるものをいかに効率良く使うか。

 

 

 

これは日本に西洋的な身体観やトレーニング概念が入ってくる前には常識でした。

武道や武術の重要概念の一つですね。

 

 

 

車や環境が省エネの時代だから人間も、というまでもなく、すでに我々はそういう文化を持っていたのですから、それを使わない手はありません。

 

 

 

と、ここまではこのブログの読者の方であればまだ聞いたことがあるかもしれません。

 

 

 

体力=容量×省エネ性

 

 

 

これだけでも現在のスポーツ界ではまだまだ浸透していない部分ですが、僕はまだこれでも体力の向上を考える上では不足があると考えています。

 

 

 

不足しているもの、それは「回復力の概念」です。

 

 

 

疲労がどれだけ早く回復できるか。

筋肉だけでなく、脳、内臓、呼吸器など、運動に関与する要素全てがどれだけ早く回復できるかです。

 

 

 

経験があるかもしれませんが、疲労を溜めた状態での運動は、当然すぐに動けなくなります。

そればかりか、無駄な力みや無駄な動きにもつながります。

当然、怪我のリスクも高まりますし、この時期であれば熱中症にもつながります。

逆に回復力が高ければ、バッテリーの急速充電と同じで、使い果たす前に回復できます。

 

 

 

そういった理由で、回復力も体力に入れるべきだと考えます。

 

 

僕は

体力=容量×省エネ性×回復力

で定義しています。

 

 

 

チーム練習でやっているクーリングダウン。

なんとなく惰性でやってしまっているかもしれない、クーリングダウンですが、実は体力づくりのために使えます

 

 

 

JARTAではこの時間はクーリングダウンではなく「リカバリー」という概念を用います。

もっというと、「リカバリー能力を高めるための身体づくりの時間」です。

 

https://ameblo.jp/bodysync/entry-12361034003.html

「怪我予防=合理的な身体操作×リカバリー能力」

 

 

クーリングダウンからリカバリー能力向上の「身体づくりへ」。

 

 

 

スポーツ選手が競技に使える時間は決して長くありません。

だから、僕ら選手を支える立場にある者はもっともっと時間の概念を持つ必要があります。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

追伸

体力三要素のうち、どれが有効かという話ではなく、すべて必要です。

 それぞれに相互作用もありますので、自分が今どれが足りていないのかを分析して取り組むと良い効果を得られると思います。

 

 

体力三要素も高められる、JARTAのトレーニング指導をご希望の方は下記から。

http://jarta.jp/dispatch/

 

 

 

 

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