コンタクトスキルについて。

 

ここでいうコンタクトとは、競技中に起こる、いわゆる身体の接触のことです。

それがルール上許容つまり戦略としても使用可能なものがコンタクト競技と呼ばれます。

メジャースポーツだとサッカーやラグビーがその代表格です。

テニスや陸上競技などは非コンタクト競技です。

 

 

 

これらの競技では、直接的に相手選手に接触して相手の動作を阻害することを許容されています。

このことはコンタクトが戦略として使用されることを意味します。

だから選手は攻撃でも守備でもコンタクトスキルが要求されます。

 

 

 

 

コンタクト競技においてコンタクトスキルに劣ることは、やりたいことが実行できない状況に陥ることを意味します。

つまりいくらボールコントロールスキルが高くても、その実力を発揮できない、発揮させてもらえない状況です。

 

 

 

一般的には、この時に体格差やパワーの差によって優劣の大きな要因とされます。

俗にいう”フィジカルの差”の一例です。

*他にもスピードやバランスなどの差もフィジカル領域

 

 

 

しかしフィジカルの差だからといってとにかく体格を大きくしようとすることは早計かもしれません。

 

 

 

コンタクトはれっきとしたスキルです。

特に身体操作の能力が深く関与するスキルです。

 

 

 

つまり単純な体格や筋力で決まるほど単純なシロモノではないということです。

しかし一般的にはまだまだ体格や筋力でなんとかなる、と考える選手も多く。。

 

 

 

ということでコンタクトを少し掘り下げてみます。

 

 

 

 

 

■目的

そもそも、コンタクトの目的はなんなのか。

コンタクトすることの目的、それは上記にもあるように相手のスキルやアクションを阻害することであり、裏を返せば自分のスキルやアクションを実行するためのもの。

 

 

 

■2種類のコンタクト

1)パッシブコンタクト

受動的、つまり相手が当たりにくるケースです。

腕を使ってくる場面も多々あります。

目的は相手が自分のアクション遂行を阻害してきているので、それに対して「アクションを継続すること」です。

対応としては、2種類あります。

 

 

 

1−1)跳ね返す・耐える

いわゆる”ブレない体幹”などから想起されるイメージに近いと思います。

コンタクトのパワーに対してパワーで対処するパターンです。

当たってくる力に対して、自分の力(固定力)の方が大きい場合に成立します。

しかし競技レベルが上がってくれば必然的に自分より大きい相手と対峙するケースは増えてくる(海外選手など)ため、このパターンの戦略しか持たない選手はどこかで通用しなくなります。

 

 

 

2−1)いなす

ぶつかってくる力に対して、主に上半身操作によって力を逃す戦略です。

世界のトップクラスの選手や、小柄なのにコンタクトが上手い選手の動きから見出した身体操作戦略です。

僕はまずこちらの獲得を推奨しています。

→そのためにイナシトレーニングを構築しました(下記参照)。

 

 

 

パッシブコンタクトの目的は、先述したように相手の阻害に対してスピードを落とさずバランスを崩さずに「アクションを続けられること」です。

いくら強く跳ね返せても、そのために自分のスピードも落ちてしまっては本末転倒。

*コンタクトのパワーを高めようと、どっしり踏ん張って重いものを持ち上げる練習を過剰にやるとそういう動きが身についてしまいます。

 

 

 

2)アクティブコンタクト

自分から当たりにいくコンタクトです。

相手のアクションの継続を阻害することが目的です。

当たりにいく位置・角度(上下・左右)とタイミングが重要です。

 

タイミングとは、相手の重心位置を読み取り、崩れやすい位置に重心が入った時に当たるということを意味します。

逆に相手の体勢が整っているときは多少の体格差では崩すことは難しくなります。

 

タイミングが関与するということは、今だ、と思ったタイミングでロスなく動けるというファクターも当然ながら影響します。

 

 

 

また、相手が押し返し返しにくい身体を作るのも非常に重要です。

こちらががっちり固まりすぎていると、相手も反発の力を出しやすいというのが人体の特徴です。

*例えば横綱・白鵬のコンタクトは分厚くて柔らかいゴムの塊のような感触があります(現大関・談)。

 

 

 

***

 

 

 

非常にざっくりですが、コンタクトを分類するとこんな感じです。

付け加えて忘れてはならないのが、コンタクトは常に成功するとは限らないということ。

ということは、失敗してからの復帰も同じレベルで重要なファクターになります。

つまりバランスを崩してからの復帰速度です。

僕はこの動きをリロードと呼んで身体操作トレーニングとして選手に落とし込んでもらっています。

 

 

 

バランス能力、バランストレーニングというと、どうしても「いかに崩れないか」にフォーカスされますが、「崩れてからいかに素早くバランスを取り戻すか」も、実戦的な観点からハイレベルなパフォーマンスを発揮していく上では不可欠なはずです。

 

 

 

今回書いてきた能力・スキルを根本から高めていくために、僕はバランスボールを多用します。

特に上記いずれかのコンタクトスキルに課題があるなら、必ず役に立ちます。

もしバランスボールが手元にあるなら、そのために活用しないともったいない。

筋力トレーニングや対人コンタクトでは感じることができない、コンタクトスキルの根本的な課題を発見、クリアしていけます。

 

 

ぜひ導入してみてください。

https://jarta.jp/online-jarta-training-program/balance_training/

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

中野 崇

 

 

 

▶︎イナシトレーニングは、Exコーディネーションという体系に分類され、外力対応能力を高めるためのトレーニングとして選手に指導しています。

そのロジックと方法を下記セミナーにて習得していただけます。

https://jarta.jp/j-seminar/newcourse/

 

 

▶︎イナシを身につけるためには”下ごしらえ”が不可欠です。

動画で一気に練習できます。

JARTAトレーニング動画プログラム

https://jarta.jp/online-jarta-training-program/

 

 

▶︎イナシを本格的に身につけたい選手はJARTAのトレーニングサポートを。

http://jarta.jp/dispatch/

 

 

 

 

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