【三橋貴明】実質賃金が上がったけど?【反安倍作家】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

 実質賃金・名目賃金ともに上昇が見られる。

 

 

 

「実質賃金1.3%増 5月、1年10カ月ぶり高水準」 日本経済新聞2018年7月6日

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32688800W8A700C1EAF000/

 

「 厚生労働省が6日発表した5月の毎月勤労統計(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月から1.3%増えた。1年10カ月ぶりの高水準だ。人手不足で人材の確保が難しいなか、つなぎ留めるために給与を引き上げている。

 名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は2.1%増の27万5443円。伸び率は14年11カ月ぶりの高水準となった。内訳をみると、基本給にあたる所定内給与は1.5%増え24万4175円となった。残業代など所定外給与は1.6%増、ボーナスなど特別に支払われた給与は14.6%増加した。

 賃金が上昇したのは、名目賃金のなかで比重の高い基本給が増えているためだ。厚労省は「特に正社員で基本給が引き上げられている」と指摘する。5月に入り、ベースアップによる賃上げなどが寄与したとみられる。

 春季労使交渉による賃上げの効果が浸透するのは6~7月になる。連合の集計によると、賃上げを要求した企業の労使妥結は5月末の時点で約8割。妥結時期に応じて7月ごろまでに賃金に反映される見込みだ。」

 

 

 

 「実質賃金=名目賃金÷物価」(飯田泰之「世界一わかりやすい経済の教室」(中経出版、2013年)193ページ。https://ameblo.jp/bj24649/entry-12209402782.htmlにて引用)。

 ①長期デフレ不況から脱却するにおいては、不況下で失業していた人たちが雇用され、失業率が下がる半面、新規雇用が増えるため平均賃金が下がり、名目賃金も下がる(https://hirohitorigoto.info/archives/351)。完全失業率は5月時点で2.2%まで下がった(http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)。これは稀に見る低さで、25年7ヶ月ぶりだ(https://jp.reuters.com/article/japan-job-may-idJPKBN1JO3ES)。

 また、②我が国はデフレから「デフレではない状況」になったが、不十分ながらも物価も上昇傾向にあるということだ(https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL20HY1_Q7A121C1000000/http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html)。消費税増税がデフレ脱却の足枷になっていると考えられる(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47957)。

 ①名目賃金の低下と②物価の上昇は実質賃金の低下要因だが、デフレ脱却過程においては避けがたく、この過程において実質賃金が低下しても殊更に批判すべき筋合いのものではない。昭和恐慌を脱却する過程においても実質賃金の低下は見られた(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12336804230.html)。

 にもかかわらず、三橋貴明は、デフレ脱却(物価上昇)を主張しつつ実質賃金の低下を「貧困化」として殊更に批判してきた(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11909293500.htmlhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12172456468.htmlhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12336804230.html)。昭和恐慌脱却を実現した高橋是清を賞賛していたのに(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12336804230.html)。

 こういう不当な批判はネット上で「実質賃金ガー」と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 では、今回の毎月勤労統計の発表を受けて「実質賃金ガー」は「撲滅」されるのだろうか。

 三橋は「実質賃金ガー」を改めるのだろうか。

 

 

 

https://twitter.com/hirohitorigoto/status/1015028502083465216

 

「【7月6日配信】上念司の経済ニュース最前線「オウム真理教刑執行・ トランプ対中制裁発動・ 実質賃金1.3%増」」 YouTube2018年7月6日

https://youtu.be/nSJzbOenEx0?t=13m50s

 

 

 

 一昨年にも実質賃金が上昇した局面はあった。

 その時、三橋は「実質賃金が上昇して国民は豊かになった。」と安倍政権の経済運営を褒めたのか。

 そんなことはなく、直近の実質賃金の上昇を伏せ、「再デフレ化」として物価の下落を取り上げて批判した(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12209402782.html)。

 上記のように、デフレ化=物価下落は実質賃金の上昇要因である。

 実質賃金が下がると「実質賃金ガー」、実質賃金が上がると「デフレガー」。

 批判ありきなのである。

 もともと三橋は政権の経済運営の良し悪しを判断する上で実質賃金など重視していなかった(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12172456468.html)。「貨幣錯覚」を指摘して、実質賃金など気にしなくていいという趣旨まで言っていた(日下公人、三橋貴明「アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる」(ワック、2010年)220~223ページ。https://ameblo.jp/bj24649/entry-11909293500.htmlにて引用)。

 安倍叩きのために変節した感がある。

 

 

 

https://twitter.com/akichi_3kan4on/status/1017025497312575488

 

 

 

 

 今回の実質賃金上昇についてはどうだろう。

 上の報道は6日のものだが、三橋ブログを「実質賃金」で検索すると、同日以降のものだと9日の記事が引っかかる(13日時点)。

 そして、これを見ても今回の実質賃金の上昇には触れられておらず、「実質賃金ガー」の態度は相変わらずだ(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12389517550.html)。

 おそらく三橋ブログに経済情報を依存している人は、実質賃金が下落し続けているものと思い込み、国民が「貧困化」しているものと思い込んでいるだろう。

 安倍総理大臣は「日本の憲政史上、最も国民を貧しくし…た(…)内閣総理大臣」で“なければならない”。安倍政権は打倒すべきもので“なければならない”。

 そういう「ドミナントストーリー」を三橋は描いて、反安倍に偏った情報を出しているのではないか(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10722440426.html)。

 

 

 

 

「デフレ完全脱却による財政再建に向けた提言(後編)」 三橋貴明ブログ2018年7月9日

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12389517550.html

 

「 安藤提言を採用するか否か。これが、安倍政権にとっての最終的な試金石でしょう


 採用しなかった場合、安倍晋三内閣総理大臣は、
日本の憲政史上、最も国民を貧しくし(=実質賃金の低下)、最も消費を減らした(=実質消費の縮小)内閣総理大臣
 として、歴史に名を残すことになります。
 

「安倍政権は安藤提言を採用せよ!」にご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

 

https://twitter.com/akirannet/status/1015030990312357888

 

https://twitter.com/hirohitorigoto/status/1015035225536020483

 

 

 

 実質賃金の計算式を紹介した上の過去記事に書いたが、三橋の「絶対的価値観」は反安倍だと見られる(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12209402782.html)。

 安倍政権を「長続きさせてはまずい」と言うのだから、早くこの政権を打倒したいということだ。

 

 

 

「「私の第3の矢は悪魔を倒す」考」 三橋貴明ブログ2014年7月1日

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11887014825.html

 

「安倍政権は、長続きしないでしょう。といいますか、長続きさせてはまずいことになります。しかも、「取り返しがつかないまずいこと」です。」

 

 

 

 ただ、9日の三橋ブログを見るに、「安藤提言」を採用して方針転換すれば反安倍姿勢を軟化させるという印象ではある。

 また、三橋は13日の記事で、

わたくしは「親アベ」だの「反アベ」だの、特定のイデオロギーに興味はありませんよ。」

と書いている(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12390446159.html)。

 確かに、安倍政権が安藤提言を採用すれば反安倍姿勢を軟化させるというのならば、政策次第で評価を変えるのだから、反安倍イデオロギーではないと言えるのかもしれない。

 しかし、反安倍イデオロギーに立たずに客観・公平に論評しているのであれば、安倍政権の成果は成果として認め、安倍政権の支持に繋がる事実も載せるはずである。たとえ「実質賃金ガー」に立つとしても、それならそれで実質賃金が上がったときは一応その成果は認めるべきはずだが、上記のように三橋にはその態度が見られない。昨年2月、それまで無視同然だったエンゲル係数を持ち出して「日本史上、空前の「貧困化」」と批判したのも、貧困化を強調した安倍叩きに前のめりの姿勢だったように思う(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12252931132.html)。

 13日の記事は「作為犯としての「殺人者」たち」という題名だが、「実質賃金ガー」のように作為的な不当な批判はわかりやすい。のみならず、三橋は、加計学園問題のように、安倍政権を擁護して然るべき場面で擁護しないという不作為も行っている(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12309298535.html)。

 また、安倍政権を打倒した後の政権をどう構想しているか、私の知る限りでは三橋がどう考えているのかがわからない。闇雲に安倍政権を打倒しようとしていたように思える。仮に「安藤政権」などと考えていたとしても実現可能性に乏しい。

 安倍政権打倒を宣言し、数年にわたって作為・不作為で安倍政権に不利で公正さを欠く論調を垂れ流し、次期政権の構想も不透明であるならば、とにかく安倍政権はダメだという強固な反安倍姿勢が見て取れるのであり、反安倍イデオロギーと見て差し支えないと思う。


 

 

 

 

 

 しかし、安倍総理大臣の自民党総裁3期目が確実視されているが、1月のDV事件による逮捕以降、三橋はメディアへの露出も減り、新著も1冊しか出せず、保守系の人々を相手にしてこの先も反安倍強硬姿勢で商売するのはさすがにキツいのかもしれない(https://www.sankei.com/affairs/news/180107/afr1801070012-n1.html)。

 また、失業率がここまで下がってくると、実質賃金が上がってくる可能性が高くなり、「実質賃金ガー」を続けるのも厳しくなり、路線転換のタイミングを模索しているかもしれない。

 今後、安倍政権が安藤提言に近い政策を実施したら、「安藤提言で安倍政権は変わった!」とか「安藤提言で実質賃金が上がった!」とか言って、反安倍姿勢を軟化させる布石なのではないだろうかと私は見ている。

 なお、三橋は、9日の記事で、

安藤提言が優れているのは、閣議決定された「骨太の方針2018」には全く反していないという点です。」

と言うが(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12389517550.html)、その評価が正しいかどうかはともかく、この提言によって安倍政権の経済運営が大きく転換することはないと私は見ている。

 というのは、安藤提言は中野剛志や藤井聡の提言を採り入れて三橋も賛同するものであるが(https://www.andouhiroshi.jp/category/workshop)、中野の提言は平成24年に創生「日本」4月総会で安倍総理大臣も聞いているはずであり(http://www.sosei-nippon.jp/default_015.html)、藤井の提言も内閣官房参与として起用して安倍総理大臣も聞いているはずだが(http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii)、その上で安倍総理大臣は彼らとは異なる経済論を選択し、経済運営で結果を出し、選挙にも勝っているわけだから、今さら安藤提言によって大幅な転換をするとは考えにくいように思うからである。

 


 

https://twitter.com/chairtochair/status/1015942237283237888

 

https://twitter.com/gonzou1976/status/991848577562365953

 

https://twitter.com/hidetomitanaka/status/921154906978844672

 

 

 

 そう言えば、三橋を経済評論家として認識している人が結構いると思うが、三橋は自身が経済評論家であることを明確に否定している。

 自身を「経世論研究所所長」つまりは「経営者」とし、そしてブログのトップ画像では「作家」と称している。

 上記のように、実質上の安倍政権打倒宣言をし、「実質賃金ガー」など反安倍の論説を書き続け、作家を名乗るということは、三橋は反安倍作家ということになる。

 「三橋は安倍と会食した。三橋は安倍の御用学者だ」などというのは二重に間違いなのである(「三橋はリフレ派」を加えると三重に間違い。https://ameblo.jp/bj24649/entry-12344427877.html)。

 三橋の人物像について勘違いしている人が多いように思う。

 三橋は公正な評論家と見るべきものではなく、今や反安倍に軸足を置いた作家と見るべきである。まぁ、新著をなかなか出せなくなると「作家」という肩書きも怪しくなり、「ブロガー」と呼んだ方が適切になるかもしれないし、今後は反安倍姿勢を軟化させるかもしれない(年末恒例の予言本は今年も出るのだろうか。関連記事としてhttps://ameblo.jp/bj24649/entry-12218443799.html)。

 私としては、「TPP亡国論」の中野の影響を受けるにつれ、三橋はこういう姿勢を強めていったように思う。それこそかつて三橋は「貨幣錯覚」を指摘していたわけで、「実質賃金ガー」に顕著だ(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11909293500.html)。

 なお、私は三橋の主要農作物種子法(種子法)を巡る態度から、彼を煽動芸人と見ている(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12264331800.html)。

 

 

 

「犯罪的な現実について」 三橋貴明ブログ2017年11月9日

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12326847154.html

 

「わたくしはエコノミストではないのですが(ついでに経済評論家でも、経済学者でもないですが)、とりあえず各メディアはわたくしの肩書に悩まれるようです。正しくは「経世論研究所 所長」でございますよ。

 

https://twitter.com/TK_Mitsuhashi/status/925512861023010816

 

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi

 

https://twitter.com/chairtochair/status/1015430190422319104

 

 

 

 三橋は保守系言論誌「WiLL」(ワック)で「反撃の経済学」を連載していたが、現在発売中の2018年8月号に載っておらず、目次脇の休載告知欄にも三橋連載の休載が書かれておらず、また、白川司氏の新連載が始まっており、どうやら三橋の連載は終了したようである。

 三橋は昨年4月末に同誌を「嘘つきの雑誌」呼ばわりしており(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12270120533.html)、また、種子法廃止反対論では彼こそがまさに「嘘つき」の有様で(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12373270709.html。同法についての論説は同誌2017年6月号に「モンサント法」の副題で掲載されている。)、さらにDV事件による逮捕までありながら、今まで連載が打ち切られなかったのが不思議ですらあった。

 三橋は今まで保守系メディアで持て囃されていたため、彼を信用する安倍支持者は少なくないように思われる。

 しかし、安倍支持者にとって、三橋は信用の対象ではないのである。

 

 

 

 

 


 

 三橋批判をしている私は「反三橋イデオロギー」と映るかもしれない。

 しかし、このブログはもともとは平成24年に三橋応援のために始まったものだ(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11438588391.html)。三橋本は平成23年から読んでいた(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11846191732.html)。所有する三橋本は30冊を超える(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12172456468.html)。私は熱心な三橋ファンだった。

 平成25年の消費税増税政局で三橋に不信感を抱くも、それでもまだ三橋には見るべきところはあると思っていた(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12310988043.html)。この時点でそれまで三橋を応援してきた人もかなり彼から離れたらしい。

 が、そういう私でさえ、上記の平成26年の実質上の安倍政権打倒宣言を見て、三橋には見切りを付けた。あまりに酷い内容だった(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11891064050.html)。

 かつて三橋は「わかりやすい」が売りだった。

 しかし、中野の反新自由主義・反グローバリズムのイデオロギーの影響を受けるにつれ、三橋自身が「情報の歪み」になっていったように思う。挙げ句の果てが平成26年の「疑惑のグラフ」である(https://ameblo.jp/akiran1969/entry-11877853353.html)。今や三橋の経済論を見れば見るほど経済がわからなくなるであろう。

 私は「実質賃金ガー」を批判する最初の記事でこう書いた。

 「三橋氏は中野氏の悪影響を受けてきたのではないか。三橋氏を信じるのであれば、三橋氏に対して、中野氏との二人三脚を解消し、元の三橋氏に戻ってほしいと諫言すべきではないだろうか。」と(https://ameblo.jp/bj24649/entry-11909293500.html)。

 無理だろうとは思っていたが、やはり三橋は中野との関係を解消せず、今なお中野を“先生”として慕っている(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12387074486.html)。

 ハイエクおよび渡部昇一氏に背を向けるような態度も取り(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12309298535.html)、もはや三橋は中野の影響を色濃く受けて後戻りできないところまで来ていると見られ(https://ameblo.jp/bj24649/entry-12345761876.html)、かつて我々が応援した「元の三橋氏」に戻ることは期待できない。

 ということは、私は反三橋イデオロギーと呼べるかもしれないね。

 ただ、事実や論理を歪めてこそのイデオロギーだと思うが、今回のようにリブログをすれば相手方に通知され、そして三橋は名誉棄損訴訟をも辞さないという構えであり(https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12087387927.html)、また、そうでなくても三橋のような人気者を不当に批判すれば私の方が信用を落とす危険性が高く、三橋叩きに前のめりになって事実などを歪めないように気をつけているつもりではある。

 種子法廃止に対するネット民の反応に顕著だったが、「三橋さんは愛国心のある専門家だから信用できる」などとし、三橋を盲信している人が散見された。

 親三橋イデオロギーに陥らないよう気をつけてほしい。特に安倍政権を支持する者であれば。

 

 

 

◆ 8月7日追記 ◆

 

 

 

https://twitter.com/higakubo/status/1026740662924795904