屋根を壊して侵入してきた
過去最強のシベリアイタチ
屋根裏に侵入する主な害獣は、
シベリアイタチ(以下:イタチ)
・テン・ハクビシン・アライグマ。
それら害獣防除の
見積調査にお伺いした際、
お客様から
「すごい音で
走りまわっているので
家を壊したり、天井板を
突き破って入ってこないか心配!」
という声を
よくお聞きします。
そんなとき私は決まって
「そんなケースは
ほとんどありませんので
大丈夫、ご安心ください。」
と返答していますが、
今回の記事は
その言葉をくつがえす
想定外の出来事が・・・
そんな害獣防除のプロが
とても慌てたお話です。
兵庫県宝塚市の
害獣侵入事例詳細
施工も滞りなく完了。
ところが出張先へ
突然再侵入の電話が!
見積調査の結果から
イタチの侵入口は
床下換気口の隙間だと判明。
3月初に東京へ出張のため、
それまでにセオリー通り、
建物内にいないことを確認して
全ての隙間を封鎖。
これで安心と
施工を完了させて意気揚々と
東京へ出張に出かけたのですが。
出張最終日にお客様から
「アスワットさん!
昨夜、屋根の端の方から
ものすごい音が長時間した後、
天井裏をまたイタチが
走りまわっていました。」
とのお電話を頂きました。
『えーっ!
築年は経っているけど
シンプルな建物で
侵入口の見逃しはないはず・・・』
と内心焦りながら
午前中に所用を済ませ、
昼一番の新幹線に飛び乗り帰社。
夕方、
お客様宅へ伺いました。
物凄い音がした屋根付近を調査
お客様の話では
侵入して10分間ほど
中天井を激しく走りまわり、
その後、物凄い音がした辺りから
ふたたび出ていった感じだとのこと。
さっそくその周辺の
屋根部を調査すると、
な、なんと!
イタチが隅棟のエンド、
隅瓦を掻き落し、
軒天井内が丸見えになる程の
穴をあけて侵入した様子。
しかし
『普通、瓦の下には
野地板が貼ってあるから
穴なんて空いてないはずやけど‥
たぶん野地板がバラ板で、
その隙間をイタチが大きくかじって
侵入したのかも』
などと少し「?」
の部分もあったものの、
深く考えるような余裕は無く、
とにかくこれ以上、
イタチの再侵入が
ないように穴を仮に封鎖し
お世話になっている
瓦屋さんに緊急連絡。
無理を言って
早めの補修対応を
お願いしました。
しかし補修の前に
必ず建物内にいないことを
確認してから瓦屋さんに
補修してもらわないと、
閉じ込めてしまえば
大変なことになります。
そんなん、
害獣防除のプロなら
捕獲をすればいいのでは?
と思われる方も
いるといますが、
兵庫県は捕獲申請してから
許可が下りるまでに
約2週間ほどかかります。
週間天気予報で
これから雨模様が続くらしく、
放っておくと軒天井内に
雨が入り込んでお客様宅が
どんどん傷んでしまう。
なので今回は捕獲による
閉じ込め防止策は取らず、
お客様の証言を頼りに、
とりあえずイタチが
開けた穴を仮に封鎖して
一晩様子を見ることに。
あわせて読みたい関連記事
雨が降る前に、
瓦の補修と閉じ込めないを
最短のスケジュールで!
次の日に伺うと、
お客様から
「また侵入してました!」
とのお話を聞き、
意気消沈。
仮に封鎖した箇所を
確認すると今度は、
隅棟の漆喰部分を掘り返し、
大きな穴を新たに開けて
侵入していた様子。
「ああ、
これはやばい!」
3日後には
結構な雨が降る予報なので
それまでに瓦の補修も含めて
仕事を終わらせなけらば
大変なことに!
焦る気持ちを押さえて
出来ることをしなければと、
気持ちに喝を入れ
穴をあけられた箇所を
出来るだけふたたび
空けられないよう
もとに戻しました。
最後に
再侵入したかどうかを
確かめるため簡易的に
録画用トレイルカメラを設置して
様子を見ることに。
翌朝、またまたお伺いして
お客様の話を聞くと、
昨夜は静かだったのこと。
そして恐るおそる
封鎖箇所を確認すると・・・
変化なし!
裏付け証拠を
確認するために
トレイルカメラの
録画映像を確認してみると、
夜中に来たイタチが
封鎖箇所周辺をウロウロするも
侵入できずあきらめて
帰る映像が残されていました。
神様に感謝。
よかったー!
あわせて読みたい関連記事
何とか全ての作業を無事完了
早速、瓦屋さんに
補修OK!の連絡を入れると、
事情にご配慮くださり、
早速次の日には
複数の職人さんとともに
下地撤去と傷んだ
野地板の張替え、
隅棟や隅瓦の吹き戻しを
1日で仕上げて頂きました。
(ありがとうございます!)
【瓦補修後の写真①】
【瓦補修後の写真②】
さて、
イタチがなぜ
本来あるはずの野地板に
複数穴をあけて
侵入してこれたのか?
その原因が
瓦補修の施工過程で判明。
理由は隅棟の
経年劣化による雨漏りが原因。
【瓦補修時に隅棟の瓦をはぐった様子】
隅棟から染みこんだ
雨水が勾配によって
一番下部の野地板を劣化させ、
最も傷んだ隅瓦下の
野地板に穴をあけて何度も侵入。
全ての瓦を一旦退けると
隅瓦下の野地板が
ブヨブヨに朽ちて
ウエハウス状態になっていました。
これではイタチでも簡単に
穴を開けられるはずですね。
納得!
【瓦補修時に瓦全てを撤去した写真】
【イタチが朽ちた野地板に穴をあけた様子の写真】
今回は
瓦屋さんのご協力で
何とか雨降り前に全ての施工を
終るることができましたが、
念のため
瓦補修完了から数日後、
トレイルカメラによる
映像確認をすると、
前回と同じイタチが
補修をした瓦周辺を歩き回り、
穴がないため諦めて立ち去る
姿が映っていました。
お客様にも
その映像を確認して頂き、
今度こそイタチ防除施工の
完了です。
お客様には想定外の
イタチの行動とはいえ、
ご迷惑をおかけし
申し訳ありませんでした!
今回の記事のまとめと感想
害獣防除で
最も大切な仕事は
全ての侵入口の特定です。
そのため
アスワットでは
最初の見積調査時に
害獣の侵入口をひとつでも
見逃さないよう時間をかけ
目視調査しています。
しかし
稀ではありますが、
今回の事例のように
目視調査の段階で
今後イタチが侵入する
可能性がある箇所を
予測することが
不可能に近いケースもある
ということを頭にいれて
防除作業に望まなければいけない。
改めて
害獣防除の難しさと
奥深さを再認識した
現場でした。
それにしても
何とか最小限の被害と
期間で終えて
本当に良かったぁ・・・。
アスワットのこれまでの取り組み
あわせて読みたい関連記事
室内の侵入に執着するイタチ。こんなところからも入ってくる‼ 兵庫県尼崎市の事例をご紹介
イタチ防除の落とし穴、侵入口を見落としてしまうよくあるパターン!
テンが家を壊して屋根裏に侵入? 自分で侵入口を封鎖したら大変なことになった!
滋賀県大津市でイタチが天井裏の換気扇排気ダクトに穴をあけて侵入した!
イタチの再侵入調査でお客様に助けられました!兵庫県加西市の事例。
失敗と恥を恐れるな!② 都会の動物は踊るのかぁ?
失敗と恥を恐れるな!① ベクトルって???
「祟りじゃ~!」八つ墓村が頭をよぎった。滋賀県のイタチ駆除現場での大きな勘違い!
害獣駆除専門 アスワット テレビCM