住環境害獣防除の屋根裏清掃は思った以上に大変な作業
住環境害獣防除
(以下:住環獣防除)の
作業の中で最も大切な作業は、
建物内に住環境害獣(以下:住環獣)が
二度と侵入しないようにすること。
アスワットでは
それが保証されれば、
住環獣の糞尿で汚された屋根裏や
荒らされた断熱材の清掃なども
お客様のご希望によって承ります。
しかし屋根裏清掃は、
高度な技術を要するとともに
非常に過酷な作業だということを
理解しているお客様は
ほとんどいません。
「えっ!
業務用の強力な掃除機で
ガバーッと吸い取って
終わらせるんじゃないの?」
などとお客様から
たまーに言われると
そんな簡単な
ものではありません!
と、心の中で叫んでいる
器の小さい私…。
(お客様、申し訳ありません!)
とはいえ建築関係に
携わっている方以外、
住宅の屋根裏が
どんな構造なのかを
ご存知の方はごく少数で、
その上、
ニッチな仕事だけに
建築関係の方であっても、
私たちがどのように
屋根裏清掃をしているのか、
全く想像がつかないというのも
仕方ありませんよねぇ。
そこで今回は、
二ホンテン(以下:テン)
によって屋根裏を荒らされた
お客様宅の屋根裏清掃から
断熱材の新規敷き込み作業までの
一部始終をこのブログ記事で
わかりやすくご紹介させて頂きます!
あわせて読みたい関連記事
普通では考えられない作業環境と重装備な服装
住環獣防除業の繁忙期は
繁殖期にあたる3月~8月まで。
そのピークを迎える
5月後半から8月末は、
一年間で気温が最も高い季節です。
気温が高ければ
作業をする屋根内温度も
ご想像通りで、
今回作業を行ったのは
梅雨明けまえの
6月初旬にもかかわらず
屋外と違い、
風通しがほとんどない
屋根裏内の温度は、
な、な、なんと44.8℃!
あわせて読みたい関連記事
その上、
清掃作業をする際、
乾いた糞尿の飛沫核
(細かい微粒子)や断熱材内の
グラスウール繊維などが
屋根裏空間全域に舞っているため
防塵マスクの着用は必須です。
(サージカルマスクはダメ!)
それと
防塵マスクによる
飛沫核や粉塵の防護対策は
もちろんですが、
野生動物には
マダニが寄生していることが多く、
それらが出入りする屋根裏内にも
生息している可能性があります。
ご存じのとおり
最近世間で騒がれている
マダニはSFTSウイルスなどの
媒介原になっており
直接の吸血や、
吸血されなくても
寄生している野生動物の
糞尿などの体液を介して
SFTSウイルスに感染すると、
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
という感染症を発症する恐れも。
(SFTSを発症した場合、
3人に1人の確率で死亡する
データがあります)
そのため防塵マスクの他に
防護服、防護手袋、
長靴を着用といった、
もはや拷問にちかい重装備で
44.8℃の屋根裏へ
飛び込んでいくわけですから
どんなに過酷かお判りでしょう。
(そんなわけで現在流行りの
空調服などは役に立ちません!)
屋根裏のほとんどが人が歩けない?そんな構造でどうやって清掃するのか
さて、
天井裏清掃の過酷な
状況はまだまだ続きます。
建築業に
関わっている以外、
ほとんどが方は
木造住宅の屋根裏が
どのような構造になっているのか
知らないでしょうし、
住宅の部屋と同じように
歩くことができるのでは?と、
思っている方も
少なくないと思いますが、
実際は
屋根裏と部屋の境になっている
天井板の上を直接歩くことはできない。
【洋室天井の構造】
なぜ?って、
それは天井板は
洋室ならな9ミリほどの
石膏ボードか合板、
和室ならば5ミリほどの
化粧合板などを
吊り木という木材にて
吊っているだけで、
当然、
人がその上を立って歩くと
天井板を踏み抜いてしまいます。
(ドッキリテレビの落とし穴
のように室内へ落ちる。)
石膏ボードなどを
使用している洋室の天井なら
足場板を駆使して体重分散することで
ある程度歩くことは出来ますが、
天井板が薄くて軽い
和室の天井板は吊り木自体、
強度が弱いため足場板を使用しても
直接天井板の上を歩くことは出来ません。
【和室天井の構造】
なので写真のように
天井板の上にある梁や
吊り木受けに足場板を渡し、
その上に乗りながら清掃作業を行います。
まずは手作業で
糞尿で汚れた断熱材を
1枚づづ土嚢袋につめていきます。
(足場が悪い中で
断熱材の土嚢袋詰め作業は大変で、
これ結構時間かかります!)
この作業が完了したら
断熱材を詰めた土嚢袋を
全て屋根裏から取り出し、
その後天井に残った糞や
住環獣が食べ残した残骸、
細かく散らばった
断熱材などを回収。
最終仕上げに
家庭用の小型掃除機で
何度も紙パックを取り替えながら
取り残しを吸いとっていきます。
不安定な足場とともに
梁や柱、電気配線など
複雑に配置されている中で、
大きな
業務用掃除機を引き回して
清掃することなどほぼ不可能。
逆に
業務用掃除機を移動する際、
本体を不用意に落としてしまうと
天井に穴を開けてしまう
リスクもありますので
アスワットでは
使用することはありません。
はい、この通り!
テンが残していった
大量の糞や荒らされた断熱材繊維を
隅々まて掃除機で吸い取って、
キレイになりました!
あわせて読みたい関連記事
キレイに清掃したら清掃と同じ服装と態勢で新しい断熱材を敷き詰めます
屋根裏の清掃が
完了したら最後の行程、
新しい断熱材の敷き詰め作業です。
当然これまで
屋根裏での作業時間は
ゆうに4時間を越えて疲労困憊。
暑さで頭もボーっとしている中、
最後の力を振り絞って
清掃時と同じような体勢で
遠い箇所から順番に敷いていきます。
しかしここで油断は禁物。
何事も疲れがピークに差し掛かった時に
ミスや事故が起こるもの。
最後まで
気を抜かいないよう
出来るだけ頭の中をクールにして
慎重に作業をすすめること約1時間、
何とか全ての屋根裏に
新しい断熱材を
敷き詰めることができました。
バンザーイ!
(朝から始めたこの作業。
全てを終えて帰るころには
辺りは真っ暗になっていました。
よく頑張ったなぁ…。)
屋根裏清掃はプロでも「過酷」を通り越して「地獄」の作業!
今回は
住環獣防除の屋根裏清掃工程を
ひと通りご紹介させて頂きました。
お部屋などの清掃と違い
「過酷な環境」「熱中症の危険」
「重装備」「感染症のリスク」
「踏み抜き、転落」
「熟練が必要な清掃技術」など、
多くの知識と
技術を習得した上で
さまざまな危険を背負う
覚悟をして臨まなければ
この作業をスムーズに
行うことは出来ません。
特に5月~9月の期間、
屋根裏清掃作業は
私たちプロであっても
過酷を通り越して地獄の作業。
場合によっては
清掃作業のみ
時期をずらさせて頂くことも。
住環獣防除施工って
こんなに大変な仕事なんだ
ということを少しでも
ご理解していいただければ幸いです!
あわせて読みたい関連記事
こんなに大変なんです。害獣駆除の仕事をリアルにご紹介!【調査作業編】
室内の侵入に執着するイタチ。こんなところからも入ってくる‼ 兵庫県尼崎市の事例をご紹介
等身大のシベリアイタチを知って欲しいんや! アスワットとイタチの対談がついに実現【前編】
屋根を壊して侵入!過去最強、このシベリアイタチはつわものじやぁ~!兵庫県宝塚市の事例【動画あり】
アライグマを屋根裏に閉じ込めて部屋の中に入ってきたー! 大失敗の巻‼
長野県日帰りハクビシン防除プロジェクトX! 【人気記事再UP】
テンが家を壊して屋根裏に侵入? 自分で侵入口を封鎖したら大変なことになった!
イタチ防除の落とし穴、侵入口を見落としてしまうよくあるパターン!
イタチ駆除を制する者は害獣駆除を制する!
アスワットのこれまでの取り組み
害獣駆除専門 アスワット テレビCM