源氏イラスト訳【若紫386】稚拙 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫386】稚拙

「いで、君も書いたまへ」とあれば、
「まだ、ようは書かず」

とて、見上げたまへるが、何心なく、うつくしげなれば、うちほほ笑みて、

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YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

いで書いたまへあれ

訳)さああなた書きなさい言う

 

 

まだよう書かとて見上げたまへ

訳)まだうまく書けないの」と言って、顔を見上げていらっしゃるのが

 

 

何心なくうつくしげなれうちほほ笑み

訳)無邪気でかわいらしいのでふっと微笑ん

 

 

【古文】

いで書いたまへあれ
まだよう書か

とて見上げたまへ何心なくうつくしげなれうちほほ笑み

 

【訳】

さああなた書きなさい言う
まだうまく書けないの」

と言って、顔を見上げていらっしゃるのが無邪気でかわいらしいのでふっと微笑ん

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【いで】…さあ

■【君】…あなた。若紫をさす

■【も】…添加の係助詞

■【書い】…カ行四段動詞「書く」連用形イ音便

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」命令形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒若紫)

■【と】…引用の格助詞

■【あれ】…ラ変動詞「あり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【まだ~(打消)】…陳述の副詞〈未経験〉

■【よう~(打消)】…陳述の副詞〈とても~できない〉

■【書か】…カ行四段動詞「書く」未然形

■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【見上げ】…ガ行下二段動詞「見上ぐ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

【が】…主格の格助詞

■【何心なく】…無邪気で

■【うつくしげなれ】…ナリ活用形容動詞「うつくしげなり」已然形

※【うつくしげなり】…かわいらしい

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【うち微笑み】…マ行四段動詞「うち微笑む」連用形

※【うち―】…語調をととのえる接頭語

■【て】…単純接続の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏は、自分の書いた若紫への懸想歌に対して、

返歌を求めているのでしょうか。

 

「まだうまく書けません」

と、無邪気に答えた若紫に、

光源氏は、1から、手取り足取り、教えていくつもりでしょう。

 

ゲローゲローゲロー

 

「よう書かず」という陳述表現がありますが、

今の関西弁でも、「よう書かへん」と言いますよね。

 

こんなふうに、陳述の副詞も難しく考えずに、

現代につながっていくものとして、

自然と理解していければいいですね!

 

 

口笛

 


 

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